『バビロンズフォール』インタビュー後編! 自分だけの戦い方を作り上げていく奥深さ
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E3 2021で最新トレーラーが公開&クローズドβテストの実施が告知されるなど、いよいよ全貌が見えてきたスクウェア・エニックスのオンラインアクションRPG『バビロンズフォール』。本記事では、昨日公開した前編に続き、開発に携わるスクウェア・エニックスの齊藤陽介氏と江原純一氏、制作を担うプラチナゲームズの齋藤健治氏にお話を伺っていきます。
5系統の武器の特徴とは?
──武器として“ソード”“ハンマー”“ボウ”“ロッド”“シールド”の5系統が公開されました。それぞれの特徴を教えてください。
齋藤健治氏(以下、齋藤D。敬称略):ソードは、わりとスタンダードな武器です。扱いやすく、連続攻撃を基本とした近接武器になっています。ギデオンアームズに装備した場合も取り回しがよく、なおかつ広範囲をカバーできるので、初心者から上級者まで選んでもらえる武器になっています。
ハンマーは、パワータイプということもありますが、振っているときに攻撃を受けてもひるみにくいのが特徴です。パワーをチャージすることで、より強力な攻撃を繰り出すこともできます。やや攻撃範囲が狭いですが、そこはほかの武器と使い分けたり仲間にフォローしてもらうのが重要になりますね。
ボウは攻撃力としては一番低いんですが、中・遠距離から敵を狙えたり、移動しながら攻撃できる点が強みになります。そのほか、さまざまな状態異常系の攻撃も可能ですので、そこで攻撃力の低さをカバーしていく武器になります。
ロッドは、瞬間的な攻撃力としては一番高い武器になります。しかし、攻撃する際にはMPを消費しますので、どのタイミングで使うか? という判断が重要になってきます。
シールドは、攻撃能力こそありませんが、敵をよろけさせたり、ギデオンアームズに装備すると広範囲にシールドを張ることができるので、仲間を守ったりすることも可能です。
これら系統の違う武器を装備することで、例えば魔法剣士みたいなキャラクターもできますし、マルチプレイではシールドに特化して攻撃はしないというキャラクターが重宝される場面もあるかもしれませんね。
──キャラクターが手に持つ武器と、機棺(ギデオンコフィン)に装備した武器の違いはあるのでしょうか?
齋藤D:基本的にはギデオンアームズに装備して振ったほうが攻撃力が高かったり、効果が大きかったりします。キャラクターの攻撃は、よろめいているときは出せなかったりと制限がかかるのですが、ギデオンアームズに装備した武器はその制限を受けずに使えるのも特徴です。
──ギデオンアームズに装備した武器はメリットしかないようですが、デメリットはあるのですか?
齋藤D:ギデオンアームズに装備していると、振ったときにMPを消費する仕組みになっています。MPの回復手段としては、自動回復のほか、手に装備した武器を使うことで回復する仕様が存在しており、キャラクターによる攻撃とギデオンアームズによる攻撃、この2つの行動が戦闘のサイクルとして欠かせないものになっています。
──ハック&スラッシュというスタイルのゲームの醍醐味として、一般的なスキルだけじゃなくて、武器によってユニークスキルみたいなものもあったりしますか?
齋藤D:詳細については今後になりますが、有利に戦えるものや便利なスキルもたくさん用意しています。そういうものを組み合わせて、自分なりの理想的な戦い方を作り上げていくのが1つの楽しみになっていますね。
塔の内部には多彩な地形が広がる
──本作は最大4人のプレイヤーによるマルチプレイというスタイルですが、マッチングの方式はどのようになるのでしょうか?
齋藤D:先ほど拠点があると話しましたが、拠点の中でクエストを受けて、出発するタイミングで同じ目的を持つほかのプレイヤーを募り、マッチングしてダンジョンに出発する仕様になります。それ以外にもフレンドを拠点に呼んで、フレンドだけでクエストに挑戦することも可能です。
──クエストごとに難易度が設定されていて、どの難易度に行きたいか選ぶ形のMORPGもあると思いますが、本作に関してはいかがでしょうか?
齋藤D:クエスト自体が難易度を表していることもありますので、自身が主導してクエストを選ぶときも、ほかのプレイヤーのクエストに参加するときも、自分の力量に見合ったものを選んでいくことになります。
──ほかのプレイヤーとのコミュニケーション手段はどんなものが用意されていますか?
齋藤D:エモートなどが中心になります。軽い挨拶程度でダンジョンに挑み、クリアしたら解散して再びトライする、そのくらいのコミュニケーションを想定して、わりとシンプルにまとめています。
──オンラインマルチのアクションゲームの開発は、1人用のアクションゲームと違う点も多いと思いますが、ここまで進められた印象はいかがですか?
齋藤D:メチャメチャ苦労していますね(笑)。P2P(ピア ツー ピア)方式のゲームはこれまでに携わったことがありましたが、サーバークライアント方式のゲームは初めてですし、レイテンシーという問題も出てきたり……。自分が実行したアクションがほかのプレイヤーに反映される際に、少なからず遅延が生じてしまいます。そのなかで、1人で遊んでいるときと同じ気持ちよさをいかに維持するか? それを実現させるために多くの時間を割いています。
──ちなみにマップの構造的にはどんな形になっているのでしょうか?
齋藤D:塔といっても頂上が見えないくらいの、かなりの巨塔なんです。すべてが屋内の空間というわけではなく、雪が積もっているフロアもあったり、山があったり、洞窟があったりと、自然物があるところもあります。
1回のプレイ時間は10分程度を想定していて、短時間でもサクッと遊べます。ですが、階層ごとに規模が違いますし、あちこち探索していると長くなる場合もあります。マルチのスタイルとはいえ、1人でも気軽に参加できますし、短いプレイを積み重ねていく遊び方でもゲームを進められる仕組みになっています。
──作曲家の山口裕史さんが中世ヨーロッパの“ミディーバルサウンド”だと説明されていましたが、BGMの特徴について教えてください。
齋藤D:中世ヨーロッパをモチーフにした作品の世界観を表現するために、すべてのBGMにヨーロッパの古楽器や民族楽曲のテイストを採り入れて作曲しています。また空気感も表現したかったので、東ヨーロッパのブルガリアで生の演奏を収録しているのも特徴ですね。
派手さはありませんが、静かで心が安らぐような楽曲、クラシックのような迫力があるBGMもあり、味わい深く壮大で荘厳な雰囲気が感じられると思います。
発売後のアップデートも準備中
──運営型ということで、ゲームの発売後はどんな展開を予定されていますか?
齊藤陽介氏(以下、齊藤P。敬称略)小さなアップデートを定期的に行いつつ、新たなエピソードやイベントなどを追加していく展開を考えています。運営自体はもしかしたら、MMOと大きな差はないかもしれませんね。具体的な内容については今後の発表の中の1つとしてお知らせしていくと思います。アップデートのロードマップは、ゲームの発売前後にお伝えする形になるかもしれませんね。
江原純一氏(以下、敬称略):ゲームモードは発売後に複数追加する予定があり、より上の遊びを定期的に供給していきたいと思っています。シナリオはバージョン1.0で完結しますが、僕がプレイヤーだったらその先のシナリオも期待するところでしょうし、その期待を裏切らない形で準備を進めています。
──課金要素はどのような形になるのでしょうか?
江原:パッケージはフルプライスになります。それに加えて、追加されるゲームモードに関しては、無料でご提供いたします。
課金形態がどのようなものかというと、一番近いイメージはバトルパスでしょうか。無償で提供するバトルパスラインに加えて、有償で購入できるバトルパスラインがシーズンごとに走っています。これを購入していただくとオシャレな装備が手に入ります。見た目をよくするものですね。課金でいきなり強力な装備が手に入るようなことはありません。
──ゲームと連動したコミュニティサイトを立ち上げられるということですが、どのようなものになるのでしょうか?
江原:弊社のサービスで例えるなら『ファイナルファンタジーXIV』の“ロードストーン”や『ドラゴンクエストX』の“目覚めし冒険者の広場”のようなものになります。基本的な要素はゲーム内で消化していくとして、イベントの告知であったり、パッチノートの公開だとか、ゲームの最新情報をお届けしていきます。
また、ゲーム外でも準備ができるようにしたいと企画当初から考えていまして、例えば拠点でやるようなアイテムの整理だとか、新しいビルドパターンの構築だとかも、できるようにしたいと思っています。眠くなるまでダンジョンを駆けめぐり、次の日の通勤や通学中にアイテムを整理し、家に帰ったらまたすぐダンジョンに潜る……このサイトにスマートフォンやパソコンからアクセスすれば、ゲームを起動しなくても戦いの準備が可能です。
──クローズドβテストがまもなく実施されますが、こちらの詳細について説明をお願いします。
齊藤P:おそらく最初は、1つのサーバーにどれくらいの人数が入れるかとか、ログイン・ログアウトを繰り返しても大丈夫かとか、技術的な部分のチェックから始まると思いますので、もしかしたら退屈なご協力をお願いするかもしれません。
徐々にゲームの片鱗が見えてくるような段取りを踏まえていって、最終的にはゲームの全容を把握できるものをお届けできるように想定していますので、ぜひご協力していただければと思います。
──クローズドβテスト後、オープンβテストなどは実施されるのでしょうか?
齊藤P:プロモーションの一環として実施する可能性はありますが、そうなるとアーリーアクセスみたいなものになるかもしれません。
──これから発売に向けて開発も佳境に入ってくると思いますが、ゲームの発売を待つ方々に向けてメッセージをお願いします。
齊藤P:プラチナゲームズさんのアクションゲームは難しそうって思われている方もいらっしゃると思いますが、『ニーア オートマタ』ではオートバトルという形で解決しましたし、今回は協力プレイもあったり、初心者の方でも4つの武器のボタンをガチャガチャ押しているだけでもある程度戦えるゲームデザインになっていくと思いますので、そこは安心していただきたいですね。
まもなく実施されるクローズドβテストですが、初めは退屈なテストにお付き合いしていただくことになるかもしれませんが、徐々にゲームの全貌が見えてくるように計画していますので、ぜひご協力いただければ幸いです。おそらくゲームが発売されたあとは、1人のゲーム実況者として配信することになると思います(笑)。
江原:ボイス収録の現場で岩尾賢一さんと同席したとき、設定の深い話を聞いたんですけど、ゲームに反映されていない設定がたくさんあるんですよ。それは岩尾さんが運営型のMORPGのシナリオを制作するにあたって、どうすればこの先もユーザーのみなさんに喜んでもらえるか? ということを前提に先の先を見据えて作ってくれている部分なんです。
まだ具体的にお伝えすることはできませんが、すごく魅力的なものがこのゲームにはありますので、岩尾さんが作る世界に期待されている方には、しっかりお応えできる内容になっていると思います。『ファイナルファンタジーXI』時代から岩尾さんが作る世界のファンという方は、ぜひ遊んでいただけたらうれしいです。
齋藤D:すでにストーリー部分のボイス収録は終了していまして、手ごたえとしてはかなりいいものになっていると思います。まだ誰も触れていない声優さんに関していうと、自分のわがままを反映してもらったキャスティングにもなっており、『バビロンズフォール』の世界を最大限に表現するベストな布陣だと思いますので、そうした面からも楽しんでいただけると思います。
プラチナゲームズが初めて取り組む大型のオンラインマルチプレイタイトルになりますので、ご興味ある方は、まずはクローズドβテストに参加していただけるとありがたいです。よろしくお願いします!
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