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バグだらけのRPGに、NTR(寝取られ)絶対許さんウーマンな妻の大冒険など注目作だらけ。Steam Next Festレポ前編【電撃インディー#25】

まさん
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 PCのゲーム配信サイト・Steamを運営するValveが、北米時間の6月16日10:00から6月22日10:00(日本時間の6月17日2:00から6月23日2:00ごろ)まで開催されたゲームイベント“Steam Next Fest(Steam Nextフェス)”。

 これは、個人製作のインディーゲームからメーカー作品まで国内外を問わず、多数の未発売新作と無料体験版が700本以上も配信される大規模なオンラインイベントです。

 今回は担当ライターが遊んだ中で、個人的な注目作とオススメのタイトルを紹介していきます。なお、このイベントは、これまでE3のタイミングに合わせて行われてきた“Steam Game Festival(Steam ゲームフェスティバル)”の名称が変更されたものとなっています。10月にも同様のイベントが開催される予定です。

 というわけで、早速始めていきましょう! それにしても、700本はあまりにも多いですね。ひと通りチェックして遊ぶだけでも疲れてしまいました……。とはいえ、自分のチェックが漏れていた作品から、未発表だったけど良かったタイトルまで盛りだくさんで、これは見逃せません! 個人的にも期待できるものが多かったのでどんどん紹介していきたいと思います。

 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

バグだらけのRPGをクリエイターと一緒にプレイしていく『tERRORbane』でデバッガ―気分!?

 まずは、今回遊んだなかで一番インパクトがあった『tERRORbane』から。これは、よくあるファンタジーRPG……ではありません。

 プレイヤーがゲーム中で遊ぶのは、バグとエラーだらけでボロッボロのゲーム『TERRORBANE』。遊んでいると頻繁にバグが発生し、エラーで設定が壊れ、見た目がおかしくなるRPGをプレイしながら、クリエイターと一緒にデバッグしていくゲームになっています。

 しかし、このクリエイターがとにかくワガママ。オープニングをスキップしたら「作るのに6カ月間かかったのに!」と怒りだしてスキップボタンをなくしちゃうわ、こっちの行動に文句をつけてくるわとやりたい放題。タイトル画面でいきなり100%の実績が取れちゃうガッタガタのゲームを作ってるのに、なんて自分勝手なんだ……。

 結局、オープニングからやり直さないと先に進めないので、スキップせずに見るハメになります。なぜか、クリエイターのご機嫌を取りながら一緒にバグを攻略していくゲームなのです。

 ゲームが始まったら始まったで、いきなり最終決戦っぽいシーンから始まるのもなんだか怪しい。すでにバグっている予感がします。いやいや、これがプロローグなのだろうと思ったら、どうやら“間違ってエンディングが流れていた”模様。「自分がトイレに行った時に、なんでエンディングを見てるんだよふざけんな!」と怒られても「お前のせいじゃ!」となるのですが、クリエイター様には逆らえません。

 果たして、我々は最後まで『tERRORbane』を遊び、すべてのバグをチェックしてまともなRPGにできるのか……!? そもそも、ちゃんと完成したらまともなゲームになるのか!? 体験版だけで笑えて楽しい、メタ的なおふざけRPGですね。アイデアもたっぷり詰まっていて、これは製品版もやってみたくなります。

NTR(寝取られ)絶対許さんウーマンな妻の大冒険『WIFE QUEST(妻クエスト)』!

 続いて紹介するのは『WIFE QUEST(妻クエスト)』。

 ダークエルフのMorganna(モルガナ)に夫のFernando(フェルナンド)を誘拐されてしまった妻のMia(ミア)。目の前でキスをして見せつけてくるモルガナから愛する夫を助け出すため、彼女は剣と盾を手に冒険に旅立つ! という、90年代アニメみたいな作風の2Dアクションです。アニメーションもキャラの絵も、ちょっと懐かしいキュートさに溢れています。

 だが、しかし! カワイイ絵柄に反してミアはバイオレンス!! 夫を誘拐された彼女は、モンスター娘を絶対許さない怒りのワイフと化していたのです。

 立ちふさがるラミアやゴブリン娘にも容赦なく、逆エビ固めに踏みつけでトドメ! 愛する2人の生活を阻むものには、キツ~いオシオキが待っているのです!! このトドメモーションへのこだわりとワイフ感。なんとなくDLsiteで売っているエッチなゲームのイメージもありますが、れっきとした全年齢ゲームですよ。

 作風が暗くないので、気軽に楽しめそうです。敵を昇天させる演出もギャグっぽくて残酷さはないですし、能天気で良い感じ。カワイイ妻を怒らせてはいけないのだ!!

ロマンと外連味(けれんみ)とアウトローのロボットバトル『Wolfstride』がアツイぜ!

 『Wolfstride』は、モノクロで統一された画面の渋さと、ハッタリのきいた巨大メカ同士のロボットバトルが気持ち良いRPG。

 デカいとひと目でわかるロボットバトルがひたすらカッコいい! シンプルに鉄の拳で殴る演出も、巨大なマシンガンで撃つ演出も、どれもが必殺技みたいなイカした構図でシビれます。体験版ではシンプルな攻撃でしたが、これは絶対ド派手な必殺技を覚えたり、ムチャクチャな合体からの最終決戦バージョンが出てくるやつでは?

 トリガーのアニメを見ているような主人公たちも良さげです。パイロットのナイフ・レオポルドとマネージャーのドミニク・シェード、メカニックのデューク。3人のアウトローが、伝説のメカ・カウボーイを使ってジャイアントメカバトルに挑む物語も気になります。RPGなので街の探索要素もあるみたいですし、期待しまくり!

『Mayhem Brawler』は、アメコミ風スーパーヒーローベルトスクロールアクションだ!

 Steamは毎日配信されるタイトルが多く、自分好みのゲームでも気が付いていないことが多くあります。『Mayhem Brawler』も、意外な掘り出し物の1つ。超能力を持つ警官チーム・ストロングホールドの3人が、スーパーパワーと格闘術を駆使して犯人たちをボコボコにしていくベルトスクロールアクション。

 それだけ聞くと普通ですが、このゲームはとにかくビジュアルにこだわっているのが特徴です。コミック風のコマ割りからキャラクターの掛け合い、ステージ選択画面の表紙風なイラストまで、ヒーロー物のアメコミっぽいこだわりが素敵!

 彼らはSNSに自分たちの活躍を書き込んでいる今どきのヒーローで、ストーリーデモ中でも画面右にSNSが表示されているのですが、そこもしっかり日本語に翻訳されています。スラムにいる頭がおかしくなってしまった老婆をあしらうシーンがあるのですが、老婆の語る内容が操作のチュートリアルになっているなど、世界観に合わせた演出も好きなところ。
 

 最近の『ベアナックルIV』っぽさもあるグラフィックや、初代『ファイナルファイト』のようなドラム缶から出るアイテム。電車の開閉演出などからも「ベルトスクロールが好き」なことが伝わってくる内容で、製品版も気になるところ。発売は8月19日で意外と近い!

鏡の中の美しい世界を冒険する『微光之鏡 Glimmer in Mirror』の雰囲気に惹かれた!

 『微光之鏡 Glimmer in Mirror』は、鏡の中の世界で目覚めた少女・シロが、遠くまで攻撃できる不思議な力“微光”と鏡の精たちの力を借りて困難を乗り越えていくメトロイドヴァニア。最近ではすっかりおなじみの人気ジャンルですが、操作キャラクターのシロがかわいいことと背景の雰囲気が良く、気になって遊んできました。

 ゲーム的には隠された部屋の奥にあるアイテムを見つけたり、ギミックを解除して進んだりとシンプル。わかりやすいゲーム性ですね。体験版の範囲だけでも非常に美しい世界を歩き回る楽しさがあり、会話できるキャラクターもいて探索やお話も広がりそう。開発がメイン1人、サブ2人の3人ということで日本語訳はまだ少し怪しいところはありましたが、先が気になる作りでした。

 最初のボスも卵を守っているだけで、倒して終わりじゃなかったのも好印象。戦ったあと、一緒に孵化を見守るシーンの一枚絵でちょっとほっこりさせてくれます。全体的に温かみのある作品という印象でした。

 前半のレポートはここまで。Next Festでは700タイトル以上もの作品を体験できますが、今回も掘り出し物が多くて自分もうれしい悲鳴を上げ続けています。遊ぶ時間が……遊ぶ時間が足りない!

 今回紹介した5作品以外にもまだまだまだまだ良いゲームが多すぎる……! というわけで後半に続きます!!


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