それでも“今”しか得られない“何か”を掴むことが出来るはずよ(サラ)【軌跡シリーズ名言集】

Zenon
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 日本ファルコムの名作ストーリーRPG『軌跡』シリーズの名言集をお届けします。

 本記事で紹介するのは、『閃の軌跡』に登場するキャラクターの1人、サラ・バレスタインのセリフ。今回は、『閃の軌跡I』における彼女の名言を紹介してまいります。

※本記事内には物語のネタバレを含む表現がありますので、ご注意ください。

それでも“今”しか得られない“何か”を掴むことが出来るはずよ(サラ)

●第2章 麗しき翡翠の都(英雄伝説 閃の軌跡I:改 -Thors Military Academy 1204-)

 サラは本作の主人公・リィンが所属する、トールズ士官学院・特科クラス《Ⅶ組》の担任教官。ほかの教官方と比べると若く、由緒正しい士官学院の教官としてはフランクな態度が目立つ女性です。ちなみに『閃の軌跡Ⅰ』の時点では25歳で、リィンとは8歳差。

 「オリエンテーリング」と称して入学式直後のリィンたちを旧校舎の地下に落としたり、真っ昼間から酒を呑んだりと、なんというか「大丈夫かこの教官?」と疑いたくなるような言動が序盤から多々見られました。

  • ▲“♪”付きで旧校舎の仕掛けをポチッとするサラ。このせいで、リィンとアリサにあんな“悲劇”が起こるとは、サラも予想外だったに違いありません。

  • ▲特別実習の引率でリィンたちに付いてくるも、列車では速攻で仮眠体勢に。アリサ「とても士官学院の教官に見えないんですけど……」。

  • ▲サラはケルディックに到着するや否や、宿酒場で地ビールをゴクゴク。「この一杯のために生きてるわねぇ!」とめちゃくちゃ満喫しています。

 しかしこのサラ教官。ただの酒好きで放任主義のダメ教官では決してありません。リィンの“迷い”をいち早く察知して働きかけたり、A班B班と別々の場所に出向く生徒たちのフォローに先回りで動くなど、ちゃんと“教官”しているなとあらためて感じました。


  • ▲複雑な立場ゆえに“立ち位置”に迷うリィンを《VII組》の“重心”と呼び、導こうとするサラ。生徒会の手伝いを押し付け……もとい依頼したのも、彼女なりの考えがあってのことでした。

 そして普段は生徒(およびほかの教官)からダメダメに見られているサラ教官も、ある分野では一目置かれています。それは卓越した“戦闘力”です。

 第2章の実技テストにて、特別実習の行き先と班組みに異議を唱えた犬猿の仲のマキアスとユーシスの2人。サラは彼らに「2人がかりでもいいから、力づくで言うことを聞かせてみる?」とあおります。そしてそれに乗ってしまった2人。彼女の実力を知るフィーも思わず「あーあ」とつぶやきます。

  • ▲こんなニッコリ笑顔で挑発されたら、頭に血がのぼっているマキアスとユーシスは乗ってしまいますよね。というか、「リィン、ついでに君も入りなさい!」って言われたときは「なんで!?」と突っ込まざるを得ませんでした(笑)。

  • ▲導力銃&強化ブレードという上級者向けの“一銃一剣”スタイルを取るサラ。遠近に対応した武器を自在に振るい、1対3でもまったく引けを取ることなく圧倒してきます。

 のちに判明することですが、サラは元々“北の猟兵”という傭兵部隊の一員として本物の戦場を13歳のうちから駆け回っていました。そしてある悲劇をきっかけに遊撃士へ転向し、“史上最年少”のA級遊撃士に昇り詰めるほどの戦闘力を誇ります。二つ名は《紫電(エクレール)》。

 そんな歴戦の猛者であるサラは、マキアスとユーシス(おまけにリィン)を力づくでねじ伏せ、特別実習へと向かわせます。今度は引率するつもりはないようで「お土産、期待してるから」などとハートマーク付きで生徒たちを送り出しました。

 その後、案の定マキアスとユーシスは揉めに揉め、衝突を繰り返しますが、リィンが(物理的に)間に入って仲裁したりしたおかげで少しずつ打ち解けていきます。

  • ▲戦術リンクが上手に合わせられず、掴み合いのケンカになってしまう2人。そのせいで魔獣の気配に気づかず、2人をかばったリィンが軽傷を負うことになります。

  • ▲リィンとユーシスの生まれに関する夜話を盗み聞いたマキアスは、それまでの態度を反省して少し歩み寄る姿勢を見せるように。しかしそんな彼を狙う貴族勢力の魔の手が迫っており……。

 やがてマキアスが領邦軍(大貴族の私兵)に冤罪で捕まった(連絡の時点では捕まりそう?)と元仲間の遊撃士から連絡を受けたサラは、フォローのために士官学院の常任理事であるルーファスを呼んで事態を収拾しにかかりました。


  • ▲《四大名門》アルバレア公爵の命令でマキアスに冤罪を吹っ掛けた領邦軍に対し、サラはアルバレア家の長男であり、公爵を穏便に止められそうなルーファスを呼びつけます。考えうる限りベストなフォローだったと思いますね。

 誰からも認められる圧倒的な戦闘力を持ち、生徒がピンチと聞けば飛行艇で文字通り飛んでいく。そんな“いざというときは頼りになる教官”であるサラが、実習でいろいろあって疲弊した生徒たちに優しく投げかけたのが、今回の名言です。







「それでも“今”しか得られない“何か”を掴むことが出来るはずよ」

 サラとしては「……決まった!」とでも思っていたであろう“イイ話”でしたが、リィンたちはそれを受けてまさかの大爆笑。普段のダメ人間な印象が強いせいで、あまりのギャップに笑いが抑えきれなかったといいます。


  • ▲マキアスに視線を送りながら、「掛け替えのない仲間と一緒ならか」とサラの言葉を繰り返すユーシス。これにはマキアスも悶え苦しむしかありません。


  • ▲爆笑されて憤慨するサラ。クサいセリフを言った自覚はあるようで、珍しくテレた顔をしているのが印象的です。

 革新派と貴族派という新旧勢力の対立、競い合うように拡張されている軍備、それはまさしくこの時代の帝国を象徴する“現実”でした。《VII組》の設立および特別実習の目的は、そうした現実を知ったうえで、自らの考えで行動を起こせる若者たちを育成することなので、サラ教官のなかば放任主義的な指導方針は理にかなっていると言ってもよさそうです。

 もしかしたらサラのこのセリフも、猟兵、遊撃士、教官とさまざまな立場を経て結んできた、友誼と経験を念頭に置いたものだったのかもしれません。“今”しか得られない“何か”。変わりゆく立場のなかで、それでも成長し続け、次の世代へと伝えていく。深いですね。

 のちにリィンがサラと同じ“道”を歩くと決めたことも、このときの言葉に感銘を受けたからというのは十分あると考えています。生徒たちに“今”その瞬間にしか掴めない機会を与えるため、見守りつつも生徒たちの自主性に任せるといった指導方針をとる。それはまさに、サラがやってきたことでしたから。

 というわけで今回は『閃の軌跡I』より、教官として活躍するサラの名言を紹介させていただきました。最新作『創の軌跡』あたりだと、もう教官というより仲間の一員感が強くなってくる彼女ですが、このころは圧倒的強者にして人生の先達。その言葉も重みが違って感じましたが、いかがでしょうか。

 シリアスなものからコメディ的なものまで、軌跡シリーズにはほかにも数々の名言が存在します。今後もそれらをピックアップしてお届けしていく予定なので、お楽しみに!

※画面はPS4『英雄伝説 閃の軌跡I:改 -Thors Military Academy 1204-』のものです。
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