『戦刃アレスタ』プレイレポート。令和のアレスタ新作は遊びの幅が広いチャレンジングなタイトル!
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6月25日からアーケード用縦シューティングゲーム『戦刃アレスタ』のロケテストが都内のゲームセンター4店舗で行われています。
秋葉原Hey
住所:東京都千代田区外神田1丁目10-5 廣瀬本社ビル
セガ秋葉原1号館
住所:東京都千代田区外神田1-10-9
クラブセガ 新宿西口
住所:東京都新宿区西新宿1-12-5 B1F~2F
ハイテクランド セガ 渋谷(1F&7F)
住所:東京都渋谷区渋谷1-14-14 EST 1F・7F
本作は『エムツーショットトリガーズ』が満を持して贈る、アーケード用オリジナルシューティングゲーム。家庭用シューティングゲームの金字塔『アレスタ』シリーズがシリーズ33年の歴史上、初めてゲームセンターに上陸します。
今回はその『戦刃アレスタ』のロケテスト版のプレイレポートをお届けします。先に結論だけちょこっと言うと、本作は初心者から上級者まで幅広く対応した、『アレスタ』の精神を継承したシューティングゲーム、という印象。リリースが楽しみになる内容でした!
4人のチームプレイがカギ
プレイヤーが扱える自機は全4機体。プレイ中にアイテムキャリアが運んでくる交代アイテムを取ることで、ゲーム中さまざまな場面で機体チェンジが行えます。
基本的なイメージは、普通のシューティングゲームで言うところの武器アイテムがいわゆる機体チェンジに相当。パッと遊んだところではAとCが扱いやすく、BとDは使いこなすのにコツが必要、というのが第一印象でした。ちなみに交代アイテムは時間経過でアルファベットが変化するので「あー間違えて交代しちゃった!」というシューティングあるあるも味わえます(笑)。
ということで、はじめは「AとCを起点に要所要所で機体チェンジをしていけばよさそうだな」と思っていたのですが、少し遊んでいるうちに「うーん、ちょっと違うかも」と。
もちろんそういうプレイもできるようになっています! むしろ慣れないうちは上記の遊び方のほうが安定するはず。誤解を恐れずにより強い言葉で表現すると、コロコロと機体チェンジをしたほうが遊んでいて楽しい作りになっていると感じ始めたのです。
というのは、本作はステージ構成が非常に多彩で、画面に出てくる敵をすべて倒そうとすると「あの機体だったら逃さず倒せただろうに!」と思わずにはいられないシチュエーションがあちこちに用意されているんですよ。さらに、本作の“パワーアップ”システムは、非常に強力で爽快感があるのですが、パワーアップの持続時間は交代アイテムを取ることで延長させられるのもポイントです。
また本作の場合、ゲームオーバー条件は4機体の全滅なのですが、被弾して落とされても時間経過で自動復活するので、“短期間に4機落とされない限りゲームオーバーにはならない”というのもおもしろいところ。ひと言でいうと初心者に優しいんです。
ボス戦では「もうちょっと粘れば復活できそう!→復活!→直後に死んだけどセーーフッ!!」という状況も起こりました(逆に「ここでAを使いたい!→あ、Aまだ修理中だったわ……ヤベぇ!」みたいな展開も起こりましたが。笑)。
シューター向けな表現でいうと、残機の上限は4機で固定ですが、エクステンド条件にスコアが関連しないので、ステージ全体の俯瞰が容易で、クリアまでのパターン構築のハードルも低めになっているのかなというところ。
復活までの時間は機体ごとにカウントされるので、短期間で3度落とされても最後の1機で頑張れば、立て続けに3機復活して大逆転できる可能性が残っている、というのもアツい。これらは武器チェンジではなく、機体チェンジというシステムだからこその展開ですね。
そう、本作はチームバトルなんです。お互いに欠けたところを補い合い、強敵を打ち倒すというアツいチームバトルが手軽で、1プレイに何度もドラマが起こり、長時間楽しめるんですよ! 手軽すぎて「これインカム大丈夫なのかな?」と余計な心配もしてしまいましたが(笑)。
敵の攻撃は全体的に厳しめだが攻略方法は多彩
本作の難易度はノービス、カジュアル、オリジナル、エキスパートの4種類が存在。敵の攻撃はカジュアルであってもオーソドックスなシューティングゲームと比べると、少し激しめの印象です。
その代わり、交代アイテムを取ったら短期間無敵、パワーアップしたら短期間無敵、パワーアップ中に敵を倒せば倒した敵が出した弾はスコアアイテムに、ボンバーを取ったら全画面弾消し&短期間無敵……と“そもそもこちらが避けなくていい仕組み”が多めかつ、そのチャンスは頻繁にやって来ます。
「アイテム取りに行ったら死んだ!」というシューティングあるあるも、弾を吹き飛ばす”ブロー”というシステムを駆使すれば、瞬間的に敵の攻撃に穴ができるので安全に取得可能(ただし吹き飛ばした弾はその後すべてこちらに向かってくるので、慣れないうちは無敵になるために使わないとキケン)。
ということで真正面からぶつかるとけっこう難しくはあるものの、対策方法が複数用意されているので、シューティングに慣れていない人も事前に考えておけば、カジュアルぐらいまでは攻略は比較的容易かと。正直、残機の復活システムと合わせて“敵は強いがプレイヤーはそれ以上に強い”調整だと思います。トライアル&エラーを繰り返せば、撃破した瞬間の達成感をきっと味わえるはず。
さらに、被弾時にパワーアップが自動発動するアシストモードも搭載。「今押したのに!」という方はぜひこちらのモードを選択し、まずはノービスで挑戦してみれば、けっこう思ったより先の方まで進めるハズですよ。
精密動作を駆使して避けるのではなく、こちらが上記要素を駆使して積極的に敵に打ち込んでいく、という感覚は『アレスタ』シリーズが持つバリシュー的な要素の発展型にも感じましたね。
数多くの強力なシステムの奥に多彩なパターン構築の可能性を見た
ここまで『戦刃アレスタ』について、初心者に向けたとっつきやすさを中心に語ってきましたので、歴戦のシューターの方は、もしかしたらこう思うかもしれません。「なるほど、簡単なシューティングなのね」と。
そういう方は、ぜひ騙されたと思って、まずは1回プレイしてみてください。スコア稼ぎのパターン構築、けっこうシビレると思います。敵弾が最も出たタイミングで弾消しを行う、という調整は序の口として、自機の管理も油断すると「あー間違えて取っちゃった!」というシューティングあるあるが発生します。
さらに、オリジナル以上の難易度はランクに応じてスコア倍率が上昇するためプレイは基本的に高ランクが前提、また本作ではアイテムキャリアの出現はスコアアイテムやパワーアップに関連するPチップと紐付いており、いいタイミングでの機体チェンジを狙う場合はアイテムキャリアの出現制御にも気を配る必要があります。もちろん被弾すると全パターンが崩れることに……。
と、パターン構築に必要な要素をちょっと洗い出してみましたが、考えることが多い! 長く付き合えるシューティングゲーム、という印象です。
とはいえクリアを目指す場合、基本的にはPチップを集めて苦しくなってきたらパワーアップを発動、無理のない範囲で交代アイテムを取るなどし、ステージ中をなるべくパワーアップ状態で進めていく、などでなるべく弾避けの回数を減らしていくことに集中すればOK。アドリブでも何とかなります。リーダー選択時はチーム全体の攻撃力が上がるCを選ぶと、パワーアップしなくても切り抜けられる場面も増え、比較的楽になると思います。
まとめると、本作はアーケード用のシューティングゲームではありながら、作りとしてはむしろ近年の“高難度アクション”を謳うコンシューマゲームのデザインにも近しいものがあり、初心者が段階を踏んでステップアップしていくための仕掛けが、丁寧かつたくさん用意されている印象です。
「いわゆるインディーのアクションゲームが好き」という、おもしろいゲーム探しにガッツのある方は、本作との相性は良いと思います。ぜひこの機会にアーケードの“空気感”を味わってほしいですね。
もちろん、アーケード用ゲームらしい、遊んだときの歯ごたえは感じられるようになっていて、意欲的に盛り込まれた多彩なシステムの数々を「使いこなしたい!」と自然に思わせる仕組みも用意されていますので、シューターの方もご安心。
画作りや音作りは“初代『アレスタ』が発売された80年代後半から90年代にかけてのシューティングゲーム”の延長線を彷彿とさせるのですが、それは単なる懐かしさの演出に留まらず、本作のシステム的な新しさを際立たせる“味わい”にもつながっていると思います。シューターの方には懐かしいのに新しい、そんなシューティングゲームになっているかと。個人的にはドスの利いた低音がドコスコ鳴るBGMが好き!
リリースは7月中旬を予定しているということで、稼働が楽しみです。本作のディレクターを務める小泉大輔氏からのメッセージをご紹介します。
『戦刃アレスタ』は過去の『アレスタ』をそのままなぞるのではなく、コンシューマ機で挑戦的なゲームデザインを作り上げてきた『アレスタ』というシリーズを、2021年のシューティングゲームとして作るのならば、どういったゲームデザインであるべきなのかという挑戦の元に作成されております。
『アレスタ』シリーズのファンの方も、『アレスタ』を知らない・遊んだことがない方も、ゲームセンターへ足を運んで遊んでいる方も、アーケードシューティングを遊んだことがない方も、ぜひ遊んでいただければ幸いです。
なお、『戦刃アレスタ』が収録予定の『ALL.Net P-ras MULTI バージョン3(APM3)』には『戦刃アレスタ』のほか『ローリングガンナー』、『オトシューDX』も収録されています。
昔はシューティングゲームが入っている筐体を探してゲーセンを巡り巡ったものですが、現代はAPM3が入っているゲームセンターには、確実にシューティングゲームが3本入ることになりますね。遊ぶためのハードルは、すいぶん低くなったんですねぇ……。
これを機に、シューターのみなさんもそうでない方も、ゲームセンターならではのライブ感を味わいながら、シューティングゲームに触れてみてはいかがでしょうか! 家で遊ぶのとは全く違う興奮がそこにはありますよ。
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