これ、好きな人はとことん好きなヤツ。スペイン生まれの良作『1971 プロジェクト・ヘリオス』は物語&戦闘どちらもprofundo【電撃インディー#38】
- 文
- カワチ
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電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回はスペイン・マドリードのゲーム開発会社のRecoTechnologyが開発、パラダイムシフトが販売を手掛けるNintendo Switch向けソフト『1971 プロジェクト・ヘリオス』のレビューをお届けします。
なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!
凍てついた世界を仲間と戦い抜くストーリー!
本作は隕石の落下により極寒に覆われた世界を舞台にしたターン制ストラテジー。秩序が失われた世界で、人類救済を知る科学者・マーガレット博士を救い出すために8人の仲間たちが力を合わせて戦いを繰り広げることになります。
力を合わせるといって、仲間たちはそれぞれ異なる思惑や目的を持っています。彼らは寄せ集めのチームで、チームワークが得意なわけでもありません。そんな彼らが戦いを通して絆を深めていく様子は必見です。
なお、主人公のエミールは45歳で、パートナーであるハンナは40歳。そのほかの仲間も歳を重ねたキャラクターが多く、日本のゲームでは割と少ない大人のドラマが楽しめるところが特徴になっています。
エミールとハンナ以外のキャラクターはストーリーを進めることで仲間になっていくので、次はどういうキャラクターが登場するのか楽しみになります。
自分が好きなのは銃弾の飛び交う戦場で、刀を使って戦う“レンゾー”というキャラクター。俗に言う“間違った日本人キャラクター”という言葉がピッタリで、渋くてめちゃくちゃ格好いいです!
極寒の地であることが戦いに影響を及ぼす!
戦闘は見下ろし型のターン制ストラテジー。行動はコスト制で、移動や攻撃はコストが“1”であるのに対して、敵に2倍のダメージを与える“ヘッドショット”は“2”になっています。
キャラクターはターン開始時に2のコストを持っているので、移動してから敵を攻撃することはできますが、ヘッドショットは移動後には使えないということですね。
キャラクターはそれぞれ攻撃範囲や使えるスキルが異なるので、それぞれの個性を把握するのが重要です。
レンゾーであればHPが高くアーマーを持っているので敵陣に攻め込むことができますし、ハンナであれば絶大な狙撃能力を持っているので、移動しなくても敵まで攻撃が届くなど、それぞれ得意なことが違うので、戦闘の地形なども利用しながら有利に戦いましょう。
なお、敵の移動中、攻撃範囲に入ったときに攻撃する“監視”というスキルも存在しますが、このスキルは敵も使ってくるので移動にも緊張感があります。やみくもに進軍できないのはリアリティがあっていいなと思いました。
さらに、スキルツリーによる成長要素もあり、自分好みのキャラクターに育成していく楽しさもあります。
また、本作の戦闘で面白いのは極寒という環境なので、ターンごとにユニットの体力が削られていく点です。
シミュレーションゲームだと、相手が攻めてくるまで待って、返り討ちにするのがポピュラーな戦法ですが、本作ではのんびりしているとピンチになってしまいます。
迅速な判断を求められるのは実際の戦場にいるような緊張感があっておもしろいです。なお、サポート役のアメや範囲スキルが使えるドミなど、寒さに耐性を持っているキャラクターも。彼らを守りながら戦うのも戦略のひとつですね。
本作ならではのおもしろいをお伝えしましたが、シミュレーションとしてはシンプルな作りとなっており、普段このジャンルのゲームをプレイしない人も直感的に遊べるものになっています。世界観やキャラクター、戦闘などすべてがprofundo(スペイン語で奥深い)なので、気になったらぜひプレイしてみてください。
カワチ:RPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。
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