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『機動戦士ガンダム 戦場の絆』最後の公式大会をレポート。見どころや選択機体などを含め解説

あんまさ
公開日時

 バンダイナムコアミューズメントのアーケード向け対戦ゲーム、『機動戦士ガンダム 戦場の絆』のオフィシャル大会“LAST SHOOTING”が6月26日に開催されました。

 このイベントは、『戦場の絆』として最後の大型イベント。大会後には続編である『機動戦士ガンダム 戦場の絆II』の稼働予定日が公開となりました。

 本記事では、15年間プレイしてきた歴戦のパイロットたちの熱戦をレポートするとともに、本大会の見どころや注目ポイントを紹介していきます。

親父も息子も熱中した『戦場の絆』とは?

 『戦場の絆』について、軽くおさらいしておきましょう。本作は2006年11月にデビューを果たした、チーム対戦形式のアーケードゲーム。『機動戦士ガンダム』のMS戦闘が体感できるというテーマのもと、POD型の筐体に乗り込み、内部に搭載されたレバーとペダルでMSを操作して敵軍と戦います。


 ドームスクリーンに映り出されたコクピット視点の臨場感は計り知れず、当時のゲーマーからガンダムファンまで熱狂の渦に引き込んだほど。ゲームセンターによっては1~2時間待ちになるほどの人気を博しました。


 今でこそ見慣れた光景かもしれませんが、この大型筐体が4台ないし8台、店舗によっては16台以上並んでいる当時の姿は圧巻の一言。ゲーセンゲーマーの誰しもが衝撃を受けたことでしょう。

 また、タレントの板倉俊之さんがMCを務めるTV番組『絆体感TV 機動戦士ガンダム 第07板倉小隊」も話題に。アーケードゲームを題材にした番組としては異例と言えるほど長期間放送されました。『戦場の絆』をプレイしたことがない方でも、1度は視聴したことがあるのではないでしょうか?
 

  • ▲過去には電撃オンラインチームと対戦したことがありました。

15年の集大成! 長年“絆”を紡いできたチームが最後の大会に挑む

 大会の特別ムービーが流れたのち、出演者が登壇。MCの郡正夫(コーリー)さんと、『ガンダム』ファンのタレント・喜屋武ちあきさんに続いて、解説の『戦場の絆』の機体インプレッションや、『第07板倉小隊』でおなじみのカバパンさんが姿を見せました。

  • ▲左からコーリーさん、カバパンさん、喜屋武さん。

 事前応募の47チームから抽選で32チームに絞られ、当日会場を訪れた31チームによるトーナメントで優勝チームを決定することに。

 本大会は新型コロナウイルス蔓延防止のため、無観客での開催を実施。ベスト8までのトーナメントは、前半と後半で時間を分ける形式をとり、会場に入場する人数を極力抑えるといった配慮がされていました。

 まず行われたのは組み合わせ抽選会。チームの代表がくじを1枚引き、その場でトーナメント表を作成していきます。さすが15年も続いたゲームと言いますか、どちらのトーナメントでも場慣れしている参加者の方が多く、どこを引いても動じた様子を見せない強者の貫録を感じました。


 組み合わせ抽選会に続いて、『戦場の絆』の番組やイベントに出演された、でんぱ組.incのあおにゃんこと空野青空さんからのビデオメッセージが流れました。残念ながら会場には来られなかったのですが、選手を応援したいと応援メッセージを贈られたとのことです。

“LAST SHOOTING”のルールと大会を視聴する際のポイントをチェック!

 本大会のルールは31チームによるシングルイルミネーション方式のトーナメント戦となっており、準々決勝までは1本先取で勝ち上がりとなります。

 戦闘を行うステージは“ニューヤーク”か“サイド7”。開始前に各チームのリーダーがじゃんけんを行い、勝った方がステージの選択権か出撃する軍の選択権を得られ、負けたチームは残った方の選択権を得られます。

 『戦場の絆』では選択した軍とステージによって使用可能となる機体が異なります。積み上げてきたテクニックや味方の連係だけでなく、どちらの軍で出撃しても実力を発揮できる柔軟性と対応力も必要不可欠。各チームとも、それぞれの軍が選ばれた時にどのような機体を選択するのかにも注目です。

 大会はYouTube Liveで配信されており、アーカイブでの視聴が可能。試合中に各MSがどのように動いているのかを解説しているのですが、ゲーム内で使われている専門用語がいくつか登場します。

 初めて『戦場の絆』の映像を見る人は、以下の5つの用語を覚えておくと、対戦の流れが軽くでもわかるようになると思うので紹介しておきます。

AP

 MSの耐久値を表します 

拠点

 各陣営ともにマップの端に配置されている施設。破壊することで敵軍のコストを大きく減らすことができます。拠点破壊後は60秒で自動修復し、再度破壊することも可能。

 また、自軍の拠点に接近するとAPが徐々に回復するといった効果があります。ただし、自動修復中は回復しません。

タンク

 拠点に大ダメージを与えられる遠距離砲撃型機のことを“タンク”と呼びます。見た目がタンクタイプでなくてもタンクと呼びます。

アンチ

 

 “アンチタンク”の略で、自拠点を砲撃する敵タンクを妨害する役割のことを指します。

護衛

 “タンク護衛”の略で、拠点砲撃を支援する役割のことを言います。

コメントも盛り上がり続けた予選トーナメント

 トーナメント開始前のトークでは、大会の見どころや15年前と比べて環境がどのように変わったのかをカバパンさんが紹介。リリース当初は陸戦型ガンダムやグフ・カスタムといった機体が最新鋭と呼ばれていましたが、アップデートでガンダム F91やユニコーンガンダムが登場しています。

 配信中のコメントも度々拾われ、『板倉小隊』や過去のイベントを振り返るといったトークで盛り上がるといった場面もしばしば。他のゲームの大会では見られない、同窓会のような懐かしさを感じる空気感で大会が進行していきました。

 試合終了後に勝利したチームメンバーがコメント。対戦相手がよく一緒に遊ぶ人だったり、同じゲームセンターで切磋琢磨していた相手だったりという内容が多く見られました。これも『戦場の絆』ならではの1シーンではないでしょうか。

 ここでは、予選から2試合ほどピックアップ。1回戦1試合目となる“ラーメン食べたい”(ジオン) VS. “ラストバタリオン”(連邦)。オープニングマッチとなるこの試合では、強豪・古豪プレイヤーと呼ばれる方々が集まるチーム同士の対決となりました。

 一進一退の攻防から戦況がつねに逆転していき、試合時間残り15秒というところで両軍のコスト差が10。ジオン側は砲撃をMSで受け止めて拠点に被弾するのを防ぐ“キャッチ”と呼ばれるテクニックで自拠点を守ろうとするのですが、受け止めきれずにジオン側の拠点が撃破されます。残り2秒でジオン側の戦力ゲージが0となり、ラストバタリオンが記念すべき初戦を制しました。

 見どころとなる試合は非常に多いのですが、熱かった試合をもう1つだけ紹介。予選トーナメント[後半]2回戦第2試合の“Kizuna X Last Honeycomb”(連邦) VS “イルクism”(ジオン)。

 4対4で行われる本作の対戦において、護衛orアンチが3体で、タンクが1体という編成が基本となるのですが、この試合でジオン側はタンクを抜いた編成で出撃。250~360コストのいわゆる高コスト機体で固めた“フルアンチ”と呼ばれる戦法で対戦に挑みました。

 フルアンチは、性能を生かしたMS戦で敵のタンクや護衛を撃破。自拠点が撃破される500コスト分以上をとり続けて、リードを保つ戦略です。

 残り60秒という状況で、ジオン側の拠点が撃破されます。その時点ではMSを撃破した分で260コストほどジオン側にアドバンテージがありましたが、残りAPの少ないゲーマルクが撃墜されると逆転されてしまうため、ゲーマルクは味方を壁にするように後方で様子を見るしかありません。

 最後の攻めで、連邦側のZガンダムが可変中の射程の長さを生かした射撃を行います。この攻撃がヒットしてゲーマルクの撃破に成功。逆転した連邦側は自拠点まで下がり、時間切れで“Kizuna X Last Honeycomb”が勝利を収めました。

熾烈な戦いが繰り広げられた決勝トーナメント

 準々決勝までは予選と同様に1試合先取ですが、準決勝からは2試合先取となります。最初2試合がサイド7かニューヤークで対戦を行い、1試合ごとに陣営が入れ替えとなります。1勝1敗にもつれ込んだ場合は、じゃんけんで勝った方が陣営かステージ選択権を獲得し、負けた方が選ばなかったものを選択できます。

 準々決勝でも激戦は続き、1本先取の戦いを制したのは以上の4チームとなりました。

ラストバタリオン(ねり、みずさき、カミヤマーセナス、せら)
大宮Last Shooting(TheBeast、じょう、RBC、カンカン)
中野闇風連合(YAMIKAZE、Sherlock、エレジー、コーラル)
頂点の顕現(オカダンゴムシ、FINALごとう、バトルシロー、ばる)

準決勝1試合目 大宮Last Shooting VS. ラストバタリオン

 試合前の各チームのインタビューで、大宮Last ShootingのTheBeast選手は「相手チームのうち3人が普段から一緒にプレイすることが多く、下手なころから教えてもらったこともあるので、最後の大会で成長した姿を見せたい」とコメントしていました。

 対するラストバタリオンのねり選手は、「こっちのチームは即席で頑張ってきたけど、こんな大舞台に立てたことがすごくうれしい。悔いが残らないゲームをしたいです」と返答。互いに高め合った戦友同士による準決勝となりました。

・1戦目(ステージ:ニューヤーク)

大宮Last Shooting(連邦):ユニコーンガンダム、ガンダム F90、Zガンダム、量産型ガンタンク
ラストバタリオン(ジオン):ガンダム F90火星独立ジオン軍仕様、ガ・ソウム(袖付き)、ザクII寒冷地仕様、ギガン

 序盤は連邦のアンチであるユニコーンガンダムと、ジオンのタンクと護衛であるザクII寒冷地仕様(寒ザク)がぶつかり合う激しい展開からスタート。試合時間残り180秒の時点で両拠点が撃破され、連邦側はユニコーンガンダム、ジオン側がギガンと寒ザクが撃破されます。

 試合が大きく動いたのは残り160秒付近。復帰したユニコーンガンダムに狙いを定めて、ガ・ゾウムと寒ザクが一気に攻め込みます。ジオン側はユニコーンガンダムのAPを大きく減らして、そのまま撃破することに成功。試合の流れはジオン側へと傾いていきます。

 しかし、連邦側はその痛手をカバーするように、敵軍よりも先に2回目の拠点撃破に成功。自拠点が破壊される直前でギガンを撃破し、ギリギリのところで持ちこたえます。

 試合時間が残り50秒の時点で、ジオン側は砲撃を1発でも敵拠点に送るか、ユニコーンガンダムを撃破すれば勝利。対する連邦側は、APの少ないガ・ゾウムを無理をしてでも撃破しなければならないといった状態です。

 最後は時間との勝負となったため、ユニコーンガンダムがガ・ゾウムへの攻撃を試みたのですが、寒ザクとF90火星独立ジオン軍仕様(火星F90)が護衛してユニコーンガンダムの撃破に成功。コストが0になったため、ジオン側が勝利を収めました。

・2戦目(ステージ:ニューヤーク)

大宮Last Shooting(ジオン):シナンジュ、ギャン、ゲルググM(S)、ザクタンク
ラストバタリオン(連邦):バンシィ、デルタプラス、ガンダム(THE ORIGIN)、ジム・キャノン

 連邦側は2護衛1アンチ、ジオン側は1護衛2アンチという組み合わせ。両軍ともコストの高い機体を使用してるため、APが極力削られないように慎重な立ち回りを見せていました。

 試合時間残り180秒で、ジオン側は敵拠点を撃破。さらに、シーマ機とギャンが的確に敵タンクを撃破したため、1回目の拠点が撃破されるタイミングを大幅にずらせました。残り105秒で連邦側は1回目の拠点を撃破できたものの、その間にジオン側は2回目の拠点攻撃を始めます。

 

 残り50秒の時点でジオン側は2回目の拠点撃破に成功し、コスト差は750。大幅なリードのため、自拠点の撃破を防ぐか、拠点が撃破されても自軍の高コストMSが撃破されないようにして勝利を狙います。

 しかし、防衛中にギャンが撃破されてしまい、拠点を破壊されてしまうと逆転してしまう状況に。砲撃を行う敵タンクを止めたいところでしたがシナンジュが撃破されてしまい、連邦側が逆転する大きなチャンスをつかみます。

 残り2秒を切った時点でジオン側の拠点は陥落寸前。あと1発でもダメージを与えれば撃破できる状況で、連邦側のタンクの砲撃が敵拠点に着弾したかに見えたのですが、ギリギリのところでタイムアップ。大宮Last Shootingが熱戦を制して1勝1敗に持ち込みました。

・3戦目(ステージ:ニューヤーク)

大宮Last Shooting(ジオン):シナンジュ、ギャン、ゲルググM(S)、ザクタンク
ラストバタリオン(連邦):バンシィ、デルタプラス、ガンダム(THE ORIGIN)、量産型ガンタンク

 勝利した方が決勝に進出する大一番。ラストバタリオンがじゃんけんに勝利して連邦を選択し、テージ選択権を得た大宮Last Shootingはニューヤークを選びました。機体はラストバタリオン側のジム・キャノンが量産型ガンタンクに変わり、後は両軍ともに同様の機体での出撃です。

 先ほどの展開とは違い、ジオン側のアンチが果敢に攻め込み、被弾覚悟で敵タンクの砲撃を妨害していきます。その結果、シーマ機とギャンが撃破されてしまいますが、連邦側の拠点撃破するタイミングを遅れさせることに成功しました。

 お互いのMSがほぼフルAPとなった中盤戦。連邦側がコスト差270で優勢でしたが、序盤の動きによってジオン側が先に拠点砲撃を仕掛けられる展開となります。逆に連邦側のタンクは拠点が復活していないため、拠点が復活するまで抑え込まれる厳しい状況となってしまいます。

 終盤のMS戦でお互いに機体が撃破されていき、勝負はどちらが先に拠点撃破ができるかという展開へ。拠点のゲージ的にはいい勝負だったのですが、連邦側のタンクのAPが大きく減らされているのに対して、ジオン側のタンクはフルAPを維持しながら高いラインで砲撃を行えています。最後は量産型ガンタンクが撃破され、ザクタンクがそのまま砲撃を継続して拠点撃破に成功。大宮Last Shootingが決勝進出を決めました。

準決勝2試合目 中野闇風組合 VS. 頂点の顕現

 どちらのチームも過去の大会で優秀な成績を収めてきたメンバーが集まっているため、ハイレベルな戦いが予想されました。

・1戦目(ステージ:サイド7)

中野闇風組合(連邦):ガンダム F91、ガンダム F90、ガンダム F90 、ガンタンク
頂点の顕現(ジオン):ガンダム F90火星独立ジオン軍仕様、ガ・ソウム(袖付き)、ザクII寒冷地仕様、ギガン

 連邦側は強襲型3機という大胆な編成で、F91が1アンチを担当。対するジオン側は寒ザクが1護衛というマッチアップとなりました。序盤はお互いにAPを極力減らさないよう立ち回り、試合時間残り190秒ほぼ同タイミングでお互いの拠点が撃破されます。

 残り80秒に、両軍ともに2回目の拠点撃破。ここでジオン側の火星F90とガ・ゾウムに注目すると、試合開始からAPを減らされないように立ち回っています。一方、連邦側はタンクとF90が1機づつ撃破されてしまっているかつ、他の高コスト機のAPが半分以上削られた状態と圧倒的な不利な状況を抱えます。

 不利な状況で攻めないといけない連邦側に対し、ジオン側はコストの低い寒ザクを犠牲にしつつ、敵APを徐々に減らしていきます。最後は連邦側のF90を1機撃破してリードを保ち、“頂点の顕現”が1勝目を手にしました。

・2戦目(ステージ:サイド7)

中野闇風組合(ジオン):ガンダム F90火星独立ジオン軍仕様、ガ・ソウム(袖付き)、高機動型ゲルググ、ザクタンク
頂点の顕現(連邦):νガンダム、Zガンダム、ガンダム F90、強襲型ガンタンク

 連邦側はνガンダムの1アンチ。ジオン側は1護衛2アンチの陣形をとっていたのですが、相手の編成を確認して3護衛に切り替え。これに伴って、連邦側も3アンチにシフトします。ジオン側は敵タンクを放置して、連邦側の拠点に押し込みながら戦いが繰り広げていくことを選択しました。

 先に連邦側が拠点撃破に成功し、その15秒後にジオン側が敵拠点を撃破。残り140秒の時点で、MS戦を制していたジオン軍がコスト300をリードします。その後、両軍ともに2回目の拠点を撃破したのですが、拠点の復旧時間を考えると、連邦側は3回目の拠点撃破を狙えるといった状況です。

 残り40秒で最後の攻防となります。ジオン側は敵タンクを止めて撃破を最小限に抑えるか、敵MSを1機撃破するかで勝利といった状況で、敵MS撃破を狙う作戦を選択。しかし、試合終盤までほぼ落ちなかった分だけ、護衛3機のAPがほぼないに近い厳しい状況を強いられます。

 その間にも連邦側のタンクが砲撃を続けていきます。残り11秒で連邦側のタンクの砲撃が着弾して勝利かと思われたその寸前、フィン・ファンネルバリアを展開していたνガンダムにガ・ゾウムの格闘が決まり、そのまま撃破。コンマ1秒差を制して、中野闇風組合が1勝1敗のタイに戻しました。

 この後、3試合目がすぐに行われたのですが、機材トラブルのため試合が一旦中止。機材修復後にステージ、陣営、出撃機体を同条件にして再試合が行われました。

・3戦目(ステージ:サイド7)

中野闇風組合(連邦):Zガンダム、Zガンダム、ガンダム F90、量産型ガンタンク
頂点の顕現(ジオン):ガンダム F90火星独立ジオン軍仕様、ガ・ソウム(袖付き)、ガザD(袖付き)、ギガン

 連邦側は3護衛で、敵タンクにはフリーで撃たせる作戦をとり、ジオン側は3アンチという作戦をとります。1対1のMS戦が3カ所で起きているといった戦況からスタート。残り190秒で両軍のタンクが敵拠点を撃破します。APをお互いに減らしていない、非常にゆっくりとした戦いが続きます。

 試合中盤、両軍ともにMSのAPを少しづつ減らしているなか、2回目の拠点砲撃が始まりました。この時、ガザDの残りAPが2割ほどしかなかったのですが、拠点のAP回復効果を使ってなるべく長く生存し、連邦側に無理攻めをさせるように立ち回ります。

 残り90秒で、両軍ともにほぼ同タイミングで2回目の拠点撃破を達成。しかし、連邦側のタンク以外はAPを半分近く減らされているのに対して、ジオン側の火星F90とガ・ゾウムはほぼフルAPを保持。ガザDの撃破には成功したものの、すぐにZガンダムが撃破されて、ジオン側がコスト差60でリードします。

 連邦側は敵MSを撃破しないといけないにもかかわらず、さらに敵タンクの砲撃を止める必要があるという圧倒的に不利な状況。APの少ない機体から徐々に撃破されていき、最後は勝ちの流れに持って行ったジオン側が下がって戦闘を拒否してタイムアップ。圧倒的な強さを発揮した“頂点の顕現”が決勝へと駒を進めました。

最後の公式大会の決勝戦では歴戦のエースが最高峰の戦いを見せる

 決勝戦にコマを進めたのは“大宮Last Shooting”と“頂点の顕現”。決勝戦前には両チームが壇上に登場し、選手全員から決勝戦にかける心中を語られました。

 ルールは準決勝と同様で、2本先取。初戦のステージはサイド7で、“大宮Last Shooting”が連邦側、“頂点の顕現”がジオン側となりました。

1戦目(ステージ:サイド7)

大宮Last Shooting(連邦):ユニコーンガンダム、ガンダム F90、Zガンダム、量産型ガンタンク
頂点の顕現(ジオン):ガンダム F90火星独立ジオン軍仕様、ガ・ソウム(袖付き)、ザクII寒冷地仕様、ギガン

 連邦側はユニコーンガンダムによる1アンチ、ジオン側は寒ザクがタンクの護衛を行う展開からスタート。残り180秒の時点でお互いの拠点が破壊されたものの、寒ザクがユニコーンとの戦闘を制して撃破に成功します。ユニコーンガンダムのリスタート後、タイミングを合わせるようにガ・ゾウムが敵拠点側へとラインを上げて、ユニコーンガンダムに狙いを定める作戦に。連邦側は護衛を行っていたZガンダムが自拠点側へと戻り、2アンチへと切り替えます。

 中盤、ユニコーンガンダムのAPがまたも大きく減らされたものの、Zガンダムの介入によって拠点砲撃中のギガンと寒ザクを撃破してピンチを切り抜けます。一方で連邦側のタンクは、護衛のF90が火星F90を抑える状況を作り、素早く2回目の拠点撃破を達成。3回目の拠点撃破も狙える状況を作りました。

 残り60秒でガ・ゾウムが残りAPの少ないユニコーンガンダムを撃破。復帰したギガンも拠点撃破に成功して、120の差でジオン側がリードします。その後、連邦側のタンクも撃破されてコスト差は290と広がります。連邦側は300コストのガ・ゾウムを撃破するか、それ以外の2機を撃破するかの選択を迫られ、敵機体の中でも機動力が低い寒ザクとギガンを狙う作戦に出ます。

 ジオン側のAPが減った終盤、寒ザクがZガンダムとF90にとらえられてしまいます。寒ザクは逃げられない状況になったため、逆にZガンダムに狙いを定めてAPを減らす行動に出るのですが、Zガンダムは撃破されないように敵から逃げたため、削り切れることができませんでした。

 勝敗の行方はユニコーンガンダムを倒すか、ギガンが耐えきるかという戦いに。残りAPが少ないギガンは戦闘区域から出て、オートパイロットによる無敵時間で耐えしのごうとしたのですが、ユニコーンガンダムは落としきられてしまいます。残り5秒というタイミングで連邦が逆転し、まずは“大宮Last Shooting”が1勝目をあげました。

2戦目(ステージ:サイド7)

大宮Last Shooting(ジオン):シナンジュ、ギャン、ゲルググM(S)、ザクタンク
頂点の顕現(連邦):Zガンダム、Zガンダム、ガンダム F90、陸戦強襲型ガンタンク

 この試合の連邦側は、Zガンダムが1アンチを担当。ジオン側はシナンジュが1護衛という形をとっていたのですが、アンチ役のZガンダムが状況を見て味方護衛部隊と合流します。少し遅れてシナンジュもアンチ部隊と合流するのですが、ジオン側の2アンチが数的不利を背負う状況ができてしまったため、シーマ機とギャンのAPが大きく減らされてしまいます。

 残り180秒の時点でジオン側のタンクが拠点を撃破。その15秒後に連邦側の拠点を撃破するのですが、シーマ機とギャンが撃破されてしまったため、戦況は連邦側がリードを取ります。

 試合中盤、両拠点が復活した時点でのコスト差は510。連邦側はこのリードを生かすために、APのあるF90とタンクがラインを上げて敵軍の3アンチと戦いながら拠点撃破を狙います。1機のZガンダムはAPを半分以上減らされていたので拠点で回復、もう1機のZガンダムが拠点砲撃をしているギガンを抑えるという戦況です。

 残り80秒付近で連邦側のF90とタンクが撃破され、仕切り直しとなったところでコスト差は210。連邦側の拠点が半分近く減らされてはいるのですが、拠点交換さえできれば連邦側のリードは保てるといった戦況です。

 残り30秒、ほぼ同タイミングで両軍とも拠点が撃破され、コスト差は210のまま。しかし、連邦側のF90が大きくダメージを受けてしまい、撃破されると逆転してしまうという状況に陥ります。被弾すれば撃破されてしまうという状況だったのですが、F90が持ち前の機動力を生かして敵包囲網から逃げ切りタイムアップ。ギリギリな状況をどう凌ぐかという熱い展開の中で、連邦側の“頂点の顕現”が勝利を収めました。

3戦目(ステージ:サイド7)

大宮Last Shooting(ジオン):シナンジュ、ギャン、ゲルググM(S)、ザクタンク
頂点の顕現(連邦):Zガンダム、Zガンダム、ガンダム F90、陸戦強襲型ガンタンク

 じゃんけんに勝利した“大宮Last Shooting”がジオンを選択。そして、ステージ選択権のある“頂点の顕現”が選んだのは、『戦場の絆』がリリースされてから15年の間に数多の戦いを繰り広げてきたニューヤーク。勝った方が、最後の公式大会の優勝チームとなります。

 最後の戦いのマッチアップは、連邦側はZガンダムが1護衛の2アンチ、ジオン側はシナンジュが1護衛の2アンチという構図。ジオン側のタンクは定石とも言える砲撃ポイント、ニューヤーク中央の建物に向かうのですが、先行してきたνガンダムとF90に抑えられてしまいます。数発ほど砲撃を行ったのですが、連邦側のアンチ2機に素早く撃破され、護衛をしていたシナンジュも後退を余儀なくされます。

 一方でジオン側のアンチは、シーマ機が敵タンクを、ギャンがZを抑えるといった形となりました。アンチの働きによって、拠点へのダメージを通すことなく敵タンクを撃破。タンク同士によるコスト差で20ほどジオンがリードしていますが、この段階ではまだ試合がどう動くか予想がつきませんでした。

 ジオン側のタンクはステージ上部から復帰し、連邦側のタンクはステージ下部から復帰し、ステージ全体を使った戦いが繰り広げられます。

 試合が大きく動いたのは残り130秒時点。ジオン側の拠点方向に抜けてきた連邦側のタンクに対して、シーマ機がアンチに入ります。しかし、中央からマップ下部に向けて一気に接近してくるZガンダムの護衛に接近されて撃破されてしまい、そのまま連邦側のタンクが砲撃を続けて1回目の拠点撃破を達成します。

 残り70秒で、連邦側リードのコスト差は1050。連邦側は大幅なリードを保っているだけでなく、時間的に陸戦強襲型ガンタンクは2回目の拠点撃破が可能なため、ジオン側の誰かがアンチに入らないといけません。そしてジオン側は2回目の拠点撃破は見込めないため、全員で攻めて敵MSを複数撃破し、撃破された人が再出撃してアンチに回るという作戦に出ます。

 残り30秒、撃破されたギャンが拠点アンチに回り、後は前線の味方にまかせるしかないという状況。一方の連邦側は無理をする必要がなく、引き撃ちをしながら数的有利を保ちつつジオン側のMSのAPを減らしていきます。最後はシナンジュが撃破され、“頂点の顕現”が“Last Shooting”の頂きへと昇り詰めました。

“LAST SHOOTING”を制したのは“頂点の顕現”


 決勝戦終了後の表彰式には、『機動戦士ガンダム 戦場の絆』シリーズプロデューサーである中館賢さんが登場。“頂点の顕現”と“大宮Last Shooting”のメンバー全員に、入賞を記念したトロフィーが授与されました。

 優勝チームのコメントでは、優勝した喜びの声に加えて、15年間『戦場の絆』にかけてきた思いや気持ちを披露するシーンがあり、タイトルへの絆の深さやメンバー同士のつながりを感じる1シーンでした。

 “頂点の顕現”の4人には新作『戦場の絆II』で使える専用カラーバリエーションが授与されました。また、ベスト8入賞チームには大会ロゴデザインのエンブレムが贈られました。

 最後に中館さんから、15年の集大成にふさわしいハイレベルな戦いで盛り上げてくれた参加チーム全員に賛美が贈られました。さらに、『戦場の絆』をプレイしてくれた全国のパイロットに向けて、開発チームの代表として感謝の言葉を述べていました。

『機動戦士ガンダム 戦場の絆II』のリリース日が決定!

 『機動戦士ガンダム 戦場の絆II』シリーズプロデューサーの塚田夢人さんが登場。大会の感想を述べた塚田さんは、完成した『戦場の絆II』の新PVをお披露目しました。

 PVの最後で、『戦場の絆II』のリリースが7月27日に決定したことが明らかに。設置店舗は初期稼働から徐々に増やしていくとのことです。

 稼働日決定に伴い、TwitterにてRTキャンペーンが開催されています。『戦場の絆II』公式アカウントをフォローして対象のツイートをRTすると、抽選で100人にオリジナルデザインのバナパスポートがプレゼントされます。

 さらに『戦場の絆II』オフィシャルサイトがリニューアルされて、ゲーム概要、参戦MS、『戦場の絆』からの引継ぎ情報などが掲載されています。

 リリース前に『戦場の絆II』をプレイできるロケテストが開催決定。参加方法や詳細は公式サイトをチェックしてください。

 最後に、長時間行われたイベントのMCを務めたコーリーさんと喜屋武さんが登壇。熱い解説をしてくれたカバパンさんへの感謝の言葉と大会の感想、そして『戦場の絆II』への期待を明らかにして、イベントが締めくくられました。


 イベント会場では、参加チーム限定で『戦場の絆II』のプレイが可能。いち早くさわれるということで、操作感や機体性能などを確認しつつ、プレイしていました。

©創通・サンライズ

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