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『夢現Re:Master』主演声優インタビュー連載。第1回は大鳥あい役の吉岡麻耶さん

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 工画堂スタジオから発売中のPS4/PS Vita/Nintendo Switch(ダウンロード専用)/PC/Steam用ソフト『夢現Re:Master』。本作に出演する声優へのインタビュー連載をお届けします。

 本作は、工画堂スタジオのしまりすさんちーむによる、ゲーム制作会社を描いたアドベンチャーゲーム。帝都東京の都心からほど近い、街“虹園寺(こうえんじ)”にある小さなゲーム開発会社“ユリイカソフト”を舞台に、ゲーム制作者や声優たちの努力と葛藤を描きます。

 インタビューでは、演じた役や特徴、物語についてお聞きしています。なお、物語のネタバレが一部含まれるため、ゲームクリア後に記事を見るのがオススメです。

大鳥あいを演じた吉岡麻耶さんへのインタビュー

――吉岡さんが演じられた大鳥あいというキャラクターはどんな子ですか?

 まじめで少しオドオドしていて、あまりグイグイいけるタイプではないです。でも、妹の柳谷こころちゃんのためにゲーム会社でがんばろうって田舎から出てきたあたり、きっと芯はしっかりしているんだろうなって。

 よく自分のことを田舎者って言う子なんですけど、引っ込み思案だし自信がないからそう言ってるのかなと思っていました。もしも“あい”ちゃんと対面することがあったら見ていてカワイイ子だなと思いますよ。

――女性から見ても、かわいらしいと感じたわけですね。

 プレイヤーの方が自分自身を投影するならフラットな方がいいのかなと思ったんです。

 最初の方はあいちゃんの個性というよりは入れ物として、器としての何かみたいに思っていました。キャラクター別のルートに入るともう少し彼女らしさというか、そのルートによってちょっと子どもっぽかったりとかグイグイ言えたりとか、仲よくなると色付けされていく、という気持ちで演じました。

――“あい”を入れ物のようなポジションにして演じた方がいいというのは、わりと序盤で察したのしょうか?

 察したというか、“あい”ちゃんの感情の起伏が乏しくてグッとくるポイントが少ないため不思議だなとは思っていました。台本を全部読むと「なるほど、そういうことがあるのか」と把握できたので、あまりテンションを上げすぎず、はしゃぎすぎないようにと心がけました。

――感情で突っ走らないように?

 そうですね。子どものころ、すごく仲のよかった“こころ”ちゃんに突然「もう連絡してこないで!」と突っぱねられて、“あい”ちゃん自身もどういう状況なのかわからないんですよね。だからつねに伺いながらやっているという一面があって、そういった意味でも感情の起伏が乏しいんです。

――どちらかというと受け身のキャラクターで演じられたのでしょうか。

 ストーリーが進む前はそうですね。周りが濃い目の人たちなので、唯一、普通の人というか、序盤はあまり色のないキャラクターを目指していました。

――収録時にシナリオは、すべて読み終えているわけではなかったとお聞きしました。

 迷ったんですよ。最後まで読むのが正しいのか、読まないで進んだ方がよいのか迷って……ちょっと残していました。他のお仕事でもそうですけど、今回のようにいろいろと派生がある作品ではラストをとっておくこともあります。個人的にバットエンドを先に見てからハッピーエンドを迎えたいタイプなので、最終的なハッピーエンドはとっておきたい。役作りもそうなんですけど、結末を知らない方がいいこともあるなって。

 今回はあいちゃんに少し特殊な設定があるということがあって、それを匂わすシーンが出てくるのでどうしようと悩みつつも読んでしまいました。知ったからこそうまく隠せるということもあるかもしれないのですが、何も知らず新鮮な方が2倍演じなくて済むというか、素直な感情なままいけるので、本来ならあまり読みたくないんです。

 今回は複雑な構造だったから、やっぱり読んでおこうかなと思って。本当はハッピーエンドは一番最後にとっておきたいんですよ。プレイヤーさんと同じ順序で楽しみたいんですけど、お仕事としてはグッドエンドから収録して、最後にバッドエンドを収録して「あ~……」って(笑)。

――何をしてバッドエンドとするかは難しいですよね。

 世の中から見たら不幸かもしれないけど、2人が幸せならいいんじゃない?という結末もあります。そもそもバッドエンドや闇落ちとかが好きな方もいますし、百合にはちょっと儚くて報われない感じもまた合うんですよね。

――今回、あいちゃんと吉岡さんの誕生日は同じでしたね。

 そうなんです! 演じるキャラクターと誕生日を一緒にしてもらえるなんて初めてで本当にうれしいです。

――プロの声優として、事務員兼声優の“なな”ルートはどのように感じましたか?

 “なな”ちゃんは、最初バナナメイドで迎えてくれた時にトリッキーすぎて理解が追いつかなくて、よく“あい”ちゃんは処理できたなと。意外とスルースキル高いのかなと思ったんですけど、フラットな子ってそういうことなのか、それとも一周回って追いついていないのか。私だったら食い気味に突っ込んじゃいますよ。「え!? なんで!? なんでそんな格好?」って。

 声優としての生みの苦しみはもうこの世で体感しているから、ゲームの中では別のことを体験したいですね(笑)。

――作中の“さき”のような小説とか絵本作り的な創作活動はされますか?

 中二病的な何かにハマった時は執筆こそしないものの、こんな物語があったらいいなと夢想するタイプの子だったので、そういう世界を形に昇華できるのはスゴイなと思っています。ましてそれをお仕事にするというのは大変なことで、好きというだけではやっていけないって分かるので。

 形は違いますが、作品の最後でアウトプットを担う声優としては、いかに意図を汲んで皆さんにお届けできるかプレッシャーですね。

――最後にすべてのプレイヤーの方にメッセージをお願いします。

 「このシーンがよかった」といった皆さんの反応をひとつひとつ聞けたらいいなと。

 演じ手として気になることは……

“あい”ちゃんはお邪魔じゃなかったでしょうか?
あなたの望む“あい”ちゃんだったでしょうか?
“あい”ちゃんを好きになっていただけたでしょうか?

 もしも少しでも引っかかるものを残せたなら、“あい”ちゃんという人格はあなたの心の中でずっと生きられると思うので本望です。お邪魔じゃない限り、ちょっとでも残してくださればと思っています。

(C)KOGADO STUDIO,INC.

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夢現Re:Master(ダウンロード版)

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夢現Re:Master(ダウンロード版)

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夢現Re:Master

  • メーカー: 工画堂スタジオ
  • 対応機種: Windows
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  • 発売日: 2019年6月13日
  • 希望小売価格: 6,800円+税

夢現Re:Master(ダウンロード版)

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