『メトロ エクソダス』次世代機版レビュー。最新ハードの恩恵を受けた光と闇の表現は一見の価値あり!

柏又
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※『メトロ エクソダス 』は、CERO Z(18歳以上のみ対象)のソフトです。
※18歳未満の方は購入できません。

 スパイク・チュンソフトから7月15日に発売されるPS5/XBOX Series X|S用ソフト『METRO EXODUS(メトロ エクソダス)』のレビューをお届けします。

 『メトロ エクソダス』は核戦争によって荒廃したロシアを舞台としたシネマティック・サバイバルシューター。次世代機版では、レイトレーシング対応でロシアの大地がよりリアルに描写されている他、60FPS動作でスムーズかつ快適なプレイ環境を実現しているのが特徴です。

 次世代機版でより美しく、より楽しくなったソフトの魅力を解説。PS5版をもとにした、本作のレビューをお届けします。


ただキレイなだけじゃない!? 次世代機版でパワーアップした3つのポイントをチェック!

 次世代機版と聞くと“グラフィックがキレイになった”という要素が定番のアピールポイントですが、キレイになったといってもいろいろと推しどころがあるわけです。

 まずは、本作をプレイして筆者が“これぞ次世代機版!”と感じたポイントを3つ挙げていきましょう。

レイトレーシングの恩恵を強く感じられるのは、光と闇が重要な本作だからこそ!

 本作をプレイしていて強く感じるのは、レイトレーシングによる光と闇の表現。フィールドには明暗の概念があり、闇のなかに身を潜めれば敵に見つからずに行動可能です。このシステムのおかげでプレイヤー自身もマップの明暗を強く意識するため、レイトレーシングの恩恵をより強く感じられるのだと思います。

 映像が単純にキレイというだけではなく、明暗のコントラストのリアルさ、そしてプレイを通じて美しさを体感できるところが次世代機版の大きな魅力といえるでしょう。

表現力はもちろんアップ! 60FPSで快適なゲームプレイを楽しめる!

 また、本作ではフォトモードを標準で搭載していて、イベントシーン以外ではタッチパネル長押しでカメラや効果を工夫したスクリーンショットを撮影できます。今回の記事を作るにあたってあちこちで撮影しましたが、全体的な映像表現がリッチになっているのが見てわかりましたね。

 FPSをよく遊ぶ人は分かるかもしれませんが、フレームレートが60FPSと30FPSでは別ゲームといっても過言ではないレベルで操作感覚が変わります。照準を動かす際もスムーズですし、ダッシュなどの激しいアクションの際に流れるように動く画面が気持ちよく感じられることは高いフレームレートの魅力だと筆者は考えています。

PS5版ではアダプティブトリガーを利用した仕掛けも!

 PS5版は、状況によってトリガー(L2およびR2ボタン)の抵抗力が変化するアダプティブトリガー機能に対応しています。本作では、銃の引き金を引く以外にR2ボタンを使うことがあるのですが、扱う状況によってボタンの抵抗力が変化します。

 特にアダプティブトリガー機能を顕著に感じられるのが、ガス圧で鋼球を撃ちだす銃“ティハール”を使う時でしょう。この銃は、威力を維持するためR2ボタンで備え付けのレバーを引いてタンクを加圧するのが特徴なのですが、タンク内の圧力が高くなるほどボタンの抵抗が強くなりレバーの重さを感じられる仕掛けになっています。

 ティハールは銃弾を即席で作れるため、ゲーム序盤から中盤にかけて活躍する武器です。本作のみならず『メトロ』シリーズではおなじみのオリジナル武器ですが、その挙動をリアルに感じられる仕掛けは、シリーズファンとしてうれしいところですね。

新天地を求めてロシアを旅する『メトロ エクソダス』の魅力をおさらい

 『メトロ エクソダス』は、2年前に発売された作品。内容について忘れていたり、「そもそも『メトロ』ってなに?」という人がいたりするかもしれません。ここからはゲームそのものの魅力を解説していきましょう。

核戦争後のロシアを描く独特の世界観が魅力

 本作は、ロシアの小説家ドミトリー・グルホフスキーの小説をもとにしたサバイバルシューターシリーズの3作目にあたります。アメリカとソビエトの全面核戦争後のポストアポカリプス世界のロシアを舞台として描いているのが特徴です。

 シリーズ作として1作目の『メトロ2033』、2作目の『メトロ ラストライト』が存在しますが、本作は退去、集団での出国という意味がある“エクソダス”の文字通り、これまでにしがらみのあったモスクワを飛び出すことになります。そのため、過去作の知識はなくても楽しめると思います。

荒廃した大地に住む人々を表情豊かに描く

 本作では、これまで住んでいたモスクワの外にも人が生きられる場所があることを知った主人公が、機関車“オーロラ号”に乗ってロシア全土を旅します。

 ロシアと聞くと“寒い”や“雪”をイメージする人が多いでしょうが、東西南北に広大な国土を有するかの地は、広大な森や砂漠などもある多様な気候帯に分かれています。

 ロシアの大地は広大であるがゆえに、さまざまな人々が住んでいます。ポストアポカリプス世界ではおなじみの他人から奪うことを当たり前として生きる悪人はもちろん、電力を否定し、ナマズが変異した巨大な生物をあがめる宗教団体、町が被ばくしたことで帰る場所を失った教師と子どもたちがもととなった部族など、主人公が行く先で出会う人々はその成り立ちから目的まで、非常に興味深いです。

オープンワールドのような探索要素が楽しい

 『メトロ エクソダス』の物語構造は、オーロラ号の進路に沿って展開するリニアなものになっていますが、オーロラ号が停車するポイントはある程度の広さを持つフィールドが存在していて、主人公は物語の目的となる場所以外のポイントを自由に探索できます。

 探索によって弾薬や薬を作る素材に加えて、装備のアップグレードパーツが手に入ることがあるため、探索することでサバイバルが楽になっていくことでしょう。人々の残した手記やテープレコーダーといったコレクタブルな資料ももちろん存在します。

 また、フィールドには昼と夜の概念がある点も見逃せません。夜は闇にまぎれて人目につきにくくなる反面、核の影響を受けた凶暴なミュータントが活発になるというリスクが存在します。時間帯はベッドで寝ることで調整できるので、探索にあたってどちらのリスクをとるかというプレイヤー自身の判断力も問われるのです。

 さらに、マップによってはボートや自動車といった徒歩以外の交通手段が使えることも。ボートを使えば、陸上の敵を避けて移動できますし、自動車ならば広いマップを高速で走り回れます。それぞれのマップにちなんだ交通手段があるのも本作の魅力といえるでしょう。

ステルスから撃ち合いまで幅広い戦法で戦える!

 フィールドの明暗を利用したステルス行動は、『メトロ』シリーズ共通の魅力。マップは電球やランプ、たき火などの光源によって照らされていて、明るい場所をウロウロしていると敵に見つかって集中攻撃を受けてしまいます。

 プレイヤーは、光源を消して周りを暗くして隠れやすくすることが可能です。移動先の光源を敵に見つからず消しつつ移動する、その緊張感がたまらないですね。

 また、シーンによっては光が苦手なミュータントを相手にするため、人を相手にする時とは逆に光源を確保しながら進むことがあります。明るくするにせよ暗くするにせよ、光源を意識しつつ立ち回るのが本作独特のステルス要素だと思います。

 なお、敵に見つかった場合は銃撃戦で相手をすべて倒して先に進むことが、だいたい可能。ただし、『メトロ』シリーズにおける銃弾は、過去に軍用ライフル弾が通貨がわりだったこともあるくらい貴重品なので、撃ち合いばかりしていると弾が足りなくなって窮地におちいることもあります。

 さらに、プレイ中にどこまで相手を傷つけるかなどのプレイ内容が、その後の展開に影響を及ぼすことも。変化すると言っても物語の大勢にはあまり影響しないのですが、うまく立ち回ればトロフィーを獲得できるので、チャレンジしてみる価値はあります。

カスタマイズ機能で自分だけの武器を作る楽しさ

 ソビエト/ロシアとくればおなじみのAKをはじめ、本作には多彩な武器やガジェットが登場します。登場する武器のほぼすべてがカスタマイズ可能で、組み合わせ次第で異なる使い勝手の装備に変化します。

 武器のカスタマイズは、ライフルやリボルバー、ショットガンといったベースとなる武器を選んでから、パーツを選んで組み上げるシステムとなっています。基本的には威力や射程を伸ばすと精度が悪くなる傾向があるので、その武器で想定する間合いを考えながら組み立てていく感じになるでしょう。

 カスタマイズによって特性が顕著に変化する例としてはリボルバーが挙げられます。サプレッサーをつければ暗殺用の武器になりますし、バレルを延長して高倍率のスコープを着ければスナイパーライフルのような運用が可能です。パーツの組み立ては、作業台代わりのバックパックを用いてその場で行えるのも利点ですね。

 本作は、独特のカスタマイズシステムのおかげで、その場の戦況に応じた武器の使い分けが可能となっていて、プレイヤーに幅広い選択肢があるのはもちろん、自分だけの武器&戦法を編み出すという楽しさを与えてくれます。

お手頃な価格設定のポイント高し! 旧世代機版プレイヤーにはアップグレードプログラムも存在!

 次世代機版は、旧世代機版に比べてお得な価格で購入できるのもポイント。ボリュームはかなりのものですし、過去作をプレイしていない人でも楽しめるので、次世代機を持っている人には、間違いなくオススメできる作品であると断言できます。

 また、「実はPS4/XBOX ONEを買ったことがあるんだけど……」という人に向けたアップグレードプログラムも存在します。次世代機版はPS4ならPS5版が100円、XBOX ONEならXBOX Series X|S版を無償で入手可能。セーブデータの世代間共有はできないそうですが、2年前のゲームですし、この機に最初から始めるのもありだと思います。

 本作は、ポストアポカリプスのロシアを描くというユニークに感じられる題材を、しっかりとしたクオリティにまとめ上げた傑作だと筆者は今でも考えています。ポストアポカリプスものが好きならバッチリですし、ちょっと変わった文化圏のものに興味がある人にもフックする要素があると思います。

 まだ、次世代機が登場して半年ほどですが、その性能をバッチリ体感できるタイトルとしてもオススメしたい作品です。


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