『ワンダラーズ フロム イース』32周年ストーリーまとめ:フェルガナ地方を巡る勇者の物語【ファルコム40周年特集】

電撃オンライン
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 2021年3月9日に日本ファルコムは創立40周年を迎えました。これを記念して、電撃オンラインでは日本ファルコムに関する企画記事を展開していきます。

 そして、本日7月21日、1989年(平成元年)に発売された『ワンダラーズ フロム イース』が32周年を迎えたことを記念して、ストーリー振り返り記事をお届けします。

【ワンダラーズ フロム イース】
・発売日:1989年7月21日
・機種:PC-8801mkIISR
・メディア:フロッピーディスク
・ジャンル:A・RPG
・価格:¥8,700(税別)

『ワンダラーズ フロム イース』とは?

 1989年7月21日にPCで発売された『ワンダラーズ フロム イース』は、シリーズの3作目となります(のちに『イースIII』とも表記されるようになりました)。

 視点がトップビュー式の前作から変わり、サイドビュー式へ。また、体当たりで敵を倒せる部分にも変更が加わってアクションの手ごたえが上昇。行える動作にジャンプやしゃがみが追加されています。

 また、本作のリメイク作品は『イース フェルガナの誓い』となります。ストーリーの細かい部分に調整が入ったほか、グラフィック・アクションもより進化。『ワンダラーズ フロム イース』をプレイしたあとでも楽しむことができる作品です。

  • ▲攻撃が体当たりから剣を振る方法へと変わったため、敵との間合いや攻撃の方向が重要となった。しゃがみ攻撃や上突きなど、豊富な攻撃パターンが存在する。

 こちらでは、『日本ファルコム30周年公式記念本 Falcom Chronicle』(発行:KADOKAWA)に掲載されていた、ストーリープレイバック部分を再掲載します。

 ドギの故郷・フェルガナ地方でアドルを待ち受けていたのは、昔からこの地に絡んでいる因縁と、それを断ち切る“勇者”の物語でした。そのシナリオを追っていきましょう。

『ワンダラーズ フロム イース』システムチェック

攻撃の種類

 通常攻撃、しゃがみ攻撃、上突き、ジャンプ攻撃、ジャンプ下突きの5つの攻撃パターンがあり、特定の攻撃パターンでしか攻撃が当たらない敵も存在する。

アイテムの使用

 装備して使用するものと、所持していればいつでも使用可能なものの2種類が存在。前作までは装備してから使用するものはボス戦で使えなかったが、本作では使用可能となっている。

『ワンダラーズ フロム イース』ストーリープレイバック

プロローグ

 アドルとドギは旅の途中、フェルガナ地方を襲う災難についての噂話を聞く。自分の故郷の悪い噂に不安を覚えたドギが帰郷する決意をすると、アドルはともに行動する旨を伝えた。

 道中、漂流民の一団に、フェルガナ地方を襲う災難の原因とこれからの行く末を占ってもらったところ、水晶球が粉々に砕けるという不吉な出来事に見舞われたが、2人は無事にレドモントの町に到着。ドギの幼なじみのエレナをはじめ、住民達に温かく迎えられる。

  • ▲可憐な容姿とは裏腹に気が強いエレナ。ドギとは幼なじみの関係だ。

01 採石場に魔物が出現

 レドモントの町についたアドルは、さっそく町を見て回ろうとするが、宿屋から出た途端に事件が発生。町から近いティグレーの採石場に魔物が出現し、町の責任者のエドガーが逃げ遅れたというのだ。

 アドルは住民達に自分が助けに行くと伝えると、足早にティグレーの採石場へと向かう。

02 ロングソードの入手

 採石場の奥で魔物に阻まれて立ち往生している鉱夫のデューイに出会う。デューイはアドルに強力な剣をわたすべく倉庫の鍵を預ける。

 倉庫を訪れると、突如、魔道師姿の魔物のデュラーンが出現。空から降り注ぐ複数の剣を避けつつ攻撃してデュラーンを撃退したアドルは、ロングソードを入手する。

03 エドガーの救出

 採石場の奥に行くと、女性型の石像の魔物エルフェールが待ち受けている。雷撃や衝撃波を回避しながら攻撃して撃退し、落日の彫像を入手したアドルは、奥の間でエドガーと軍服の男チェスターの言い争いを目撃。

 チェスターはアドルに気づくと足早に去り、無事、エドガーを救出することに成功する。

04 ドギの依頼

 レドモントの町に戻ると、初めて町に来た際に出会ったエレナという女性を紹介される。彼女は兄を捜しており、その手がかりはモンスターが徘徊するイルバーンズの遺跡にあるという。

 町の神父ピエールが遺跡から戻らないこともあり、ドギはアドルにエレナの兄の捜索と神父の安否の確認を頼んでくる。

05 ピエールとチェスター

 アドルはドギやエレナの頼みでイルバーンズの遺跡を訪れる。広間の上階にて下から口論する声が聴こえたので耳をそばだてると、1人は採石場で出会ったチェスター、もう1人はドギが言っていた神父だった。しばらく2人の会話を聞いていたアドルだが、チェスターに見つかり、取り押さえられてしまう。

06 溶岩地帯への落下

 アドルはチェスターがエレナの兄ではないかと推測して、彼女が心配していたと話す。しかし、チェスターはその言葉を意にも介さず、アドルを遺跡の近くにある崖から蹴り落とした。アドルはなすすべもなく灼熱の溶岩地帯へと落下。脱出口を探ってみるが、溶岩をなんとかする以外に道はなさそうだった。

07 溶岩地帯からの脱出

 炎の塊が降り、火柱が迫り来る溶岩地帯をあてもなく進んでいくと、炎の竜のような魔物のギルンに襲われる。アドルを追尾し、体当たりしてくるギルンの隙を突いて撃退すると、マグマを固める効果がある火竜の守りが手に入った。これを使うことで、アドルは溶岩地帯からの脱出に成功するのだった。

08 ガーランド&チェスターの暗躍

 遺跡に戻ったアドルは、兄を追ってきたエレナと出会う。そのとき何者かの気配を感じ取り近くの扉に隠れると、バレスタイン城の城主マクガイアの腹心であるガーランドとチ ェスターが登場。ピエール神父を城の地下牢に閉じ込めたと話しながら通り過ぎる。アドルはエレナに、町に帰るよう注意する。

09 星月の彫像の入手

 奥の間では、巨大な翼竜のギャルバに襲撃される。空を舞いながらの滑空攻撃や口から吐く火炎を避けつつ、近づいてきたところを攻撃して撃退すると、星月の彫像を落とす。

 これを入手して来た道を引き返すとチェスターと鉢合わせるが、エレナの存在に困惑したチェスターは何もせずに去っていく。

10 エドガーの依頼

 町に帰還したアドルがエドガーの家を訪れると、バレスタイン城の者達が各地に出没する原因は彫像にある、ということを教えられる。そして、残りの彫像が奪われる前に先回りして入手してほしいと頼まれる。

 これを了承したアドルは、3つ目の彫像があるというティグレーの採石場の廃坑へと向かう。

11 ガルバランの伝承

 廃坑内では、宝箱の周りに鉱夫達が集まっている現場に出くわす。アドルが宝箱を開けると、中には石板が入っていた。

 鉱夫達は、かつてこの地に君臨したガルバランという化物と、それに立ち向かう勇者を描いた使命の石板だと語り、石板から不吉なものを感じ取 ったのかそのまま逃げ出してしまう。

12 白光の彫像を入手

 最深部にたどり着いたアドルを、岩壁から突き出る水晶の魔物イスターシバが待ち受けている。近づく者を弾き飛ばす球体でコアを守りながら、水晶を飛ばしたり、尖った岩を落としたりしてくるイスターシバだが、球体の動きを読み、コアに攻撃を集中して撃退すると、白光の彫像を落とすのだった。

13 最後の彫像の行方

 エドガーに彫像を入手したことを報告に行くと、マクガイアがエドガーに彫像をわたすよう脅しをかけている現場に出くわした。エドガーが断ると、マクガイアは憤慨して出て行ってしまった。

 エドガーは最後の彫像はエルダーム山脈に住む男が知っているはずだと語り、男に宛てた手紙をアドルにわたす。

14 ドギの師匠との出会い

 傾斜が激しく、積雪が残るほど標高が高いエルダーム山脈の中腹で、丸太小屋を発見。アドルが近づくと、中からドギが顔を出す。エドガーが言っていた男は、ドギの師匠にあたる人物だったようだ。

 ドギの師匠は、エルダーム山脈に最後の彫像があり、彫像への道には封印が施されていると語る。

15 封印を解く鍵

 ドギの師匠は封印を解く鍵が山頂に眠っているらしいと語ると、山頂付近のモンスターに対抗するための剣であるバンデッドスレイヤーをわたして、アドルを送り出す。

 山頂では、鳥と人が合わさった魔物のリガティが襲いかかる。空を飛びながら複数の光弾を放つリガティを倒すと、審判の杖が落ちてくる。

16 暗黒の彫像を入手

 杖で封印を解いて、新たに出現した道を進んでいくと、巨大なドラゴンのギルディアスが待ち構えている。アドルは、炎のブレスや強力な尻尾攻撃に当たらないように頭部を攻撃し続けて撃退し、暗黒の彫像を入手する。

 しかし入口が崩落し、あとをつけてきたチェスターとともに閉じ込められてしまう。

17 チェスターの真意

 閉じ込められた洞窟内でチェスターは、ガルバランの暴走によるマクガイアの自滅を狙っていることをアドルに打ち明ける。アドルはチェスターに考えを改めるように説得。続いて、壁壊しの特技で救出に来たドギも説得に回るが、チェスターは耳を貸さず、いずこかへと去っていってしまう。

8 バレスタイン城への侵入

 レドモントの町に帰還したアドルとドギは、町の人々がバレスタイン城の者達に人質として連行されたことを知る。連行を免れた人々も負傷しており、予断を許さない状況だ。

 ドギはアドルにヒールリングをわたすとケガ人の救助にあたり、アドルは町の人々を助けるため、バレスタイン城へと乗り込む。

19 通路をふさぐ結界の解除

 バレスタイン城内には多数の罠が張りめぐらされていた。罠を避けて上を目指すと、全身甲冑に身を包んだ魔物デス=ファルオンに遭遇。振り回してくる鉄球をかいくぐって攻撃し、撃退に成功すると、深紅の腕輪が手に入る。

 アドルは深紅の腕輪で通路をふさぐ結界を解き、さらに先へと進んでいく。

20 アドルを助けるエレナ

 中庭で狼のような魔物ツェルフェム=ザム=シュティルガーと対峙するが、口から吐く炎を避け、突進のすれ違いざまに攻撃を加えて撃退。

 さらに奥に進むと礼拝堂に出る。死角からガーランドに命を狙われるが、兄を追っていたエレナがこれを発見し、ガーランドをナイフで脅してアドルを助ける。

21 地下牢に捕らわれた人々

 ガーランドにマクガイアの居場所を問うと、祭壇の隠し扉に誘われる。地下へと降りていくと牢が多数あり、その中にはレドモントの町の人々や城の兵士が捕らわれていた。

 捕らわれた人々のなかの1人から、通路の先にいる魔物が牢屋の鍵を持っているという情報を得たアドルは、言葉に従って先に進む。

22 地下牢の解放

 情報のとおり、通路の先でジルデューロスという魔物に遭遇するが、接近戦で攻めまくることで撃退に成功。地下牢の鍵を入手したアドルは、牢を解放していく。

 牢内の兵士から通路をふさぐ結界を解除する青き腕輪を託されたアドルは、マクガイアの野望に終止符を打つべく、さらに先へと進んでいく。

23 ガーランドとの戦い

 玉座の間につながる広間で、アドルはガーランドと対峙する。ガーランドはガルバランが復活したと語り、巨大な魔物に変身。テレポートを繰り返しながら、無数の刃や雷、巨大なエネルギー球と多彩な攻撃を行ってくる。隙を突いて攻撃し、辛くも撃退に成功したアドルは、ついにマクガイアと対面する。

24 連れ去られるエレナ

 ガーランドに欺かれ、野望が潰えたマクガイアは敗北を宣言。アドルにガルバラン島の入口を開くための夜魔の石像を託すと、自らが犯した罪の償いを行うことを約束した。

 玉座の間をあとにしたアドルは、最上階の橋の上でエレナに再会するが、アドルの目の前でガルバランがエレナを連れ去ってしまう。

25 ドギの励まし

 ガルバランに対して何もできなかったアドルは失意のまま町へ帰還。ドギに自分の未熟さを伝えると、ドギは励ましの言葉を送るとともに、エレナを助けてこいと背中を押すのだった。

 ドギの言葉で目が覚めたアドルは、エドガーにガルバラン島に行くことを伝えると、暗闇を照らす鬼火の宝珠を託される。

26 突入! ガルバラン島

 小船で海を渡ってガルバラン島に到着したアドルは、マクガイアからわたされた夜魔の石像で入口を開け、内部に進入。内部は闇に包まれているうえに、入り組んだ作りになっている。

 また、昇降機のような仕掛けも存在。アドルはエドガーから託された鬼火の宝珠であたりを照らしながら探索を続ける。

27 ガーランド再び

 ガルバラン島の内部で、ゾンビと化したガーランドに遭遇する。攻撃方法は前回と同様だが、体力が一定以上減ると攻撃の手数が増えていく。

 なんとか撃退して先に進むと、あとを追ってきたらしいチェスターに声をかけられる。チェスターはアドルのかわりにガルバランと戦うつもりのようだが……。

28 ガルバランとの死闘

 驚異的な力により、チェスターはエレナとともに人質にされてしまう。ガルバランはアドルを異空間へ誘い、ついに最終決戦の幕が上がる。

 浮遊しながら無数の光弾や四方に拡散する強力な電撃を放つガルバラン。アドルはそれらを避けながらジャンプ攻撃を繰り返すことで、ついにガルバランを打ち倒す。

ENDING

 アドルがガルバランに勝利したのを見届けたチェスターは、島を沈めるために中枢部へと向かう。チェスターとエレナは、かつてガルバランを封印した勇者の子孫にあたり、なかでも封印方法や島の沈め方を知るのはチェスターのみ。

 そして、その方法とは島と運命をともにする行為にほかならなかった。

 アドルとドギは新たな冒険を求めて朝焼けの町をあとにする。チェスターと死に別れたエレナのことが気かがりだったが、親しい人との別れは未練が残るので出発は朝早くと決めていた。

 そんな2人の前にエレナがそっと現れる。そしてエレナは、笑顔で2人を送り出すのだった。

TOPICS

忠実な移植が多いなかPS2版はアレンジ大

 本作のオリジナル版はPC-8801mkIISR版だが、家庭用ゲーム機への移植の際は、のちに発売されたX68000版がベースにされていることが多い。

 このX68000版はアクション性の向上、難易度の変更、ガルバランの強化、ストーリーの細かい部分の変更などが施されており、より完成度が高くなっている。大抵はX68000版に忠実な移植だが、PS2版はアレンジが大きめ。

 グラフィックの変更やボイス演出の追加のほか、ストーリーの変更や攻撃アクションの調整など、独自のアレンジがなされている。

『ワンダラーズ フロム イース』もプレイできる! プロジェクトEGGとは?

 懐かしのゲームをWindowsでプレイ! PC-9801、PC-8801、X68000、MSXなどで発売されたゲームソフトが、会員制で有料配信されています。

 『ワンダラーズ フロム イース』はもちろん、多くの『イース』シリーズが用意されています。

※掲載しているパッケージはPC-8801mkIISR版。掲載している画面写真はPC-8801mkIISR版。
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