話題作『エンダーリリーズ』は元ネバーランドカンパニースタッフが開発していた。道理で…!【電撃インディー#48】
- 文
- 電撃オンライン
- 公開日時
- 最終更新
電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回はPS5/PS4/Nintendo Switch/Xbox Series X/S/PC(Steam)用アクションRPG『ENDER LILIES: Quietus of the Knights(エンダーリリーズ)』の開発者インタビューをお届けします。
本作は“死の雨”により滅亡してしまった“果ての国”を舞台にした、2DスクロールアクションRPG。儚さ、寂寥感の中に美しさを感じさせるグラフィックで描かれた世界を、生き残りの少女と不死身の騎士が、真実を求めて旅をする作品です。PS4版は7月21日より配信開始されています。
本インタビューでは、『エンダーリリーズ』の開発者である岡部佳祐さんにインタビューを行いました。
ちなみに本作を手掛ける開発者の中には、ネバーランドカンパニーの出身者も。ネバーランドカンパニーといえばスーパーファミコンやセガサターン、プレイステーションなどで『エストポリス伝記II』『カオスシード』『シャイニング・フォース ネオ』『ルーンファクトリー』などなど、数々の神ゲーを手掛けてきた有名な開発会社です。『エンダーリリーズ』の出来のよさにも納得ですね。
なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!
開発者インタビュー:岡部佳祐さん
――『ENDER LILIES(エンダーリリーズ)』の注目点を教えてください。
荒廃した世界、そこに生きていた人物達の関係性の悲哀、美しさの表現にこだわり、敵との戦いの中で、達成感と共に後に残るものがあるような体験を作りたいと考えていました。ゲームの舞台である、果ての国を冒険してみて実感していただければ幸いです。
また、元々2Dが得意なスタッフが集まってプロジェクトがスタートしたこともあり、アクションとして気持ちよく感じられるかつ、愛らしいと感じてもらえるように作りました。主人公のリリィの動きをはじめ、キャラクターたちの動きはアニメーターの皆がこだわり、がんばってくれましたのでぜひ注目してほしいです。
――開発で苦労していたところを教えてください。
本作はあくまで少女と不死の騎士たちというパーティが主役のゲームにしたいと考えましたが、か弱い少女という点を重視して、アクションゲームとして足を引っ張る存在にしたくありませんでした。
メトロイドヴァニアにおいて本来、キャラクターのアクション・操作性が重要なアクションに不向きな少女を主人公にすることは難しいことでしたが、あえて騎士を操作して少女を守るゲームにするのではなく、少女も騎士も両方操作して気持ちよく、骨太なアクションが楽しめるゲームを目指しました。
ゲームデザインを担当した横山くんが中心となって、どうすれば面白くなるか考えて、うまくまとめることができたと思います。
――開発をするうえで、特に気を付けている点などを教えてください。
当たり前のことではありますが、ゲームのすべての要素(ゲーム性、シナリオ、キャラクターなど)を俯瞰で見て、それぞれを紐付けて意味があり、魅力的に感じるものになるように構築することを心がけてゲームを考えています。
本作では、メトロイドヴァニアのゲーム性において大きな特徴であるキャラやプレイヤーの成長に伴い、アクションや探索範囲が広がる面白さを、少女と不死の騎士たちとの絆(助け合い)を描くための要素に活かすことを心がけました。
少女はあくまでもか弱い存在であり、騎士たちは少女を守って代わりに戦ってくれる。騎士はそれぞれ攻撃方法や使用回数等が異なり、敵に合わせて色々な騎士を駆使して戦う。
また、高くて届かない場所には少女を抱えて登る、縄をかけてワイヤーアクションをするなど探索の面でも、ユニークな動きで少女を助けてくれるようにしました。
――とくに好きなキャラクターは誰でしょうか?
自分は序盤のボスである守り人シーグリッドが気に入っています。
最初に考えたキャラクターということで愛着もあるのですが、白巫女の守り人になることが夢でその夢を死後に叶えることができたのかなと考えると、ついお供として使いたくなってしまいます。
空中攻撃が気持ちよく、性能としても好きです。
――3つのエンディングが存在しますが、最初からマルチエンディングにする構想があったのでしょうか?
最初からマルチエンディングで考えていました。それはリリィというキャラクターが主人公と考えたときに、色々な可能性があるべきだと思ったからです。
――『ENDER LILIES(エンダーリリーズ)』というゲームタイトルにこめた想いを教えてください。
ENDER LILIESには、最後の巫女という意味と終わらせる者という意味が込められていますが、リリィが複数形であることにも実は意味がありますので、それは作品を最後までプレイしていただければと思います。
Quietus of the Knightsはとどめの一撃であり、不死の騎士たちの浄化(死)が訪れることを指しています。
――ゲームの開発に携わることになったきっかけについて教えてください。
元々漫画やイラストを描いており、仕事の傍ら、創作活動を続けていくつもりでしたが、仲間とフリーゲームを作ったことを起点に、人との共同作業の楽しさに取り憑かれました。
その後、自分の好きなゲームを多く開発していたネバーランドカンパニーという会社でデザイナー兼企画職として働くことになりましたが、今所属している、Live Wireという会社もそこの出身者が多く在籍しています。
――ここ数年でもっとも感銘を受けた、おすすめのインディーゲームについて教えてください。(インディーゲームでなくても構いません)
ご存じの方も多いかと思いますが、『Hollow Knight』です。
メトロイドヴァニアというジャンルのゲームを企画する際に影響を受け不思議な世界観の魅力、愛らしさに魅了されました。
アート面では、『GRIS』というインディゲームの美しさにも圧倒され2Dアートの魅力や可能性を強く感じるきっかけになりました。
――最後にユーザーに一言お願いします。
Steamのアーリーアクセス開始時から、新しい会社の新しいゲームをここまで広めて頂いたのは皆様の口コミのおかげです。本当に感謝しております。引き続き、応援よろしくお願いいたします!
©BINARY HAZE INTERACTIVE Inc.
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります