4,000円以下だけどノイキャン搭載!? 超絶コンパクトのカナル型ワイヤレスイヤホンを試してみたら…

澤田真一
公開日時

 オーディオブランドJPRiDEがワイヤレスイヤホン『TWS-335』を発売中です。

 これは5,000円以下で購入できるエントリーモデルの完全ワイヤレスイヤホン。しかし決してチープな性能ではなく、何とノイズキャンセリング機能も搭載されています。音楽視聴からWeb会議まで、あらゆる用途を想定して開発された『TWS-335』が筆者の手元に届いたので、早速試してみましょう。

びっくりするほどコンパクト!

 ワイヤレスイヤホンは安くなりました。それは即ち、価格が安くなったということでもあります。

 2、3年前のハイスペック機種と同等の製品が、今では数千円で売られていたりもします。『TWS-335』は、Amazonでは3,480円ほどで販売されている製品。この価格帯は明らかにエントリー向けです。

 しかし、JPRiDEは『TWS-335』を“パフォーマンスはそのままに徹底的にコストパフォーマンスを追求したエントリーモデル”と銘打っています。それは本当でしょうか?

 筆者の自宅兼事務所に宅急便で届いた『TWS-335』は、非常に小型の筐体です。充電ケースのサイズはH29×W69×D47mm。ここでは、筆者のバイクの鍵と並べてみましょう。『TWS-335』がいかにコンパクトな製品か、よく分かります。筆者が今まで見た中では、一番小さなワイヤレスイヤホンかもしれません。

 イヤホンの連続稼働時間は単体6時間、ケース併用25時間。2021年現在のカナル型ワイヤレスイヤホンの水準程度です。むしろこれだけ小型のケースによくここまで電力を収めることができたな、と感心してしまいます。

“狂人”のピアノを聴く

 しかし、一番重要なのは音質です。さて、今回はどんな曲が『TWS-335』と合うでしょうか。

 筆者が選んだのは、ジャズピアニストのアル・ヘイグが1954年3月13日に実施したセッションの収録アルバム。

 1940年代から50年代半ばにかけて流行したビバップ・ジャズは、“即興演奏”という概念を確立させました。個々の演奏者の腕前と独創力がモノを言うスタイルのジャズです。ヘイグはビバップ・ジャズのピアニストとして、数々の名盤を輩出しました。

 1954年3月13日の収録は、ヘイグ前半生最後の輝きです。この時代のジャズメンにありがちな荒々しさは稀薄ですが、代わりにクラシック音楽にも似た調和と統制が漂う音を彼は弾きこなしました。それでいて空を舞う蝶のような自由さを保っているのですから、何とも不思議な感じです。

 この後、ヘイグはビバップ・ムーブメントの終焉と共に不遇の時代を過ごしました。彼は一部のジャズ評論家の間では“狂人”として知られ、妻を殺害したのではないかという疑いもかけられてしまいます。生涯の中で4度結婚したヘイグは、3人目の妻を絞殺した疑いで告発されたことも。これについては今も論争がありますが、裁判そのものは嫌疑不十分で不起訴に終わりました。

 ヘイグが再び表舞台に戻るのは70年代も半ばになってから。1982年にこの世を去るまで、ヘイグは今までの時間を取り戻すように数多くのアルバムを発表しました。

 1954年3月13日のアル・ヘイグ・トリオのセッションと、その20年後のアルバム“Invitation”を『TWS-335』で聞き比べてみます。やはり、全然違います。人生の酸いも甘いも知ったあとのヘイグは、今までの上品さを保ちつつもより都会的に、より攻めの姿勢に転じたような弾き方になっています。そういう違いも、『TWS-335』ははっきり表現してくれます。

片方だけでも作動する!

 『TWS-335』は、テレワークでもその性能を発揮します。

 冒頭に書いた通り、この製品はノイズキャンセリング機能搭載。Web会議の際のノイズを軽減してくれます。そしてこのオンライン通話では、『TWS-335』の本体を両耳分取り出す必要はありません。何と、片方だけでも作動する仕組みです。

 音楽視聴と違って、通話はステレオ音声である必要は一切ありません。しかし片方だけで作動するワイヤレスイヤホンというのは、実は決して多くありません。価格の安い製品であれば、両方を取り出さないとデバイスにペアリングされないということも。『TWS-335』はその例外です。

 僅か5,000円以下、いや、4,000円以下でこれだけのパフォーマンスを発揮する『TWS-335』は、巣籠り生活の心強い友と言えます。

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