『イースvs.空の軌跡 オルタナティブ・サーガ』11周年ストーリーまとめ:シリーズを越えた“型破り”な戦い【ファルコム40周年特集】

電撃オンライン
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 2021年3月9日に日本ファルコムは創立40周年を迎えました。これを記念して、電撃オンラインでは日本ファルコムに関する企画記事を展開していきます。

 そして、本日7月29日、2010年(平成22年)に発売された『イースvs.空の軌跡 オルタナティブ・サーガ』が11周年を迎えたことを記念して、ストーリー振り返り記事をお届けします。

【イースvs.空の軌跡 オルタナティブ・サーガ】
・発売日:2010年7月29日
・機種:PSP
・メディア:UMD
・ジャンル:ACT
・価格:¥6,090(5%税込)

『イースvs.空の軌跡 オルタナティブ・サーガ』とは?

 2010年7月29日にPSPで発売された『イースvs.空の軌跡 オルタナティブ・サーガ』は、作品の枠を越えて『イース』や『空の軌跡』などのキャラクターが夢の共演を果たした作品です。

 アドルやエステルはもちろんのこと、チェスターやレーヴェなど、原作では仲間として加入することのなかったキャラクターもプレイアブルとして操作可能。本編の軸から外れた物語が展開される、本作ならではのポイントの1つです。 

  • ▲基本システムは『イース7』がベースで、通常攻撃や溜め攻撃、ジャンプアクション、キャラクターごとのスキルなど、多彩な攻撃方法が存在。最大で4人による同時対戦も可能だ。

 こちらでは、『日本ファルコム30周年公式記念本 Falcom Chronicle』(発行:KADOKAWA)に掲載されていた、ストーリープレイバック部分を再掲載します。

 シリーズや作品の枠を越え、多くのキャラクターが共演した本作。伝説の王国ザナドゥに集められた戦士たちがどのような物語を繰り広げたのかを辿りましょう。

『イースvs.空の軌跡 オルタナティブ・サーガ』システムチェック

スキル

 SP(スキルポイント)を消費して発動する魔法攻撃や特殊攻撃のこと。スキルを敵に命中させたり、ダメージを受けたりすることでEXTRAゲージが溜まり、最大の状態でLボタンを押すと、強力なEXスキルが発動できる。

バトルポイント

 戦闘終了時に得られるポイント。一定値まで達するとクラスが上がり、新しいキャラクターやステージがショップで購入できる。

『イースvs.空の軌跡 オルタナティブ・サーガ』ストーリープレイバック

プロローグ

 その昔、開祖クーブラ・カーンにより建国された伝説の王国ザナドゥ。かつて桃源郷とうたわれたこの地を、太古より脅かす存在があった。それは永遠の生命を持つキングドラゴン、名を魔王ガルシスという。

 一定の周期で覚醒する魔王と、異世界から呼ばれた戦士達との闘争は果てなく繰り返された。やがて荒廃した地から人々は去り、ザナドゥはその名を忘れられてしまう。そして今、再び訪れた魔王の復活により、異世界から戦士が召喚されようとしていた。

  • ▲ザナドゥに、歴戦の戦士であるアドルやエステル達が召喚された。

アドル編①

 突如、ザナドゥに召喚されたアドルは、謎の生物ラッピィとともに魔王ガルシス討伐を目指す。すると魔粧の森では、これまで何度も冒険をともにしたドギと再会する。しかし召喚の際に彼の理(ことわり)が狂ってしまっており、なんと敵として戦うことに。彼を正気に戻すため、アドルは剣を振るう。

 ハーレック遺跡を通過していると、遺跡の番人であるウァヴァーンが来襲する。退化した翼を持つ巨大な鳥であるウァヴァーンの攻撃はすさまじく、アドル達は苦戦を強いられてしまう。なんとか敵を退けることに成功した一行だったが、そこにトンファーを操る謎の青年が登場する。

 アドルの前に現れた、トンファーを操る謎の青年はロイドと名乗る。彼は魔王の命令で人探しを行っていた。その探し人とは、かつて魔王ガルシスを聖剣ドラゴンスレイヤーで封印した大魔導師のこと。どうやら魔王は大魔導師の動向を気にしているらしく、今回の冒険でもカギを握る存在のようだ。

 魔王の居城である奇巌城を目指し、一行はイーグリット山を目指す。その途中にある不自然な鏡にドギと一緒に近づいた瞬間、なんともう1人のアドルとドギが出現する。戦闘の末に勝利すると、消滅前の彼らから、大魔導師の情報とドラゴンスレイヤーのありかを聞き出すことに成功する。

アドル編②

 聖剣ドラゴンスレイヤーは魔王の城にあるという情報をもとに、アドル達は奇巌城を目指す。道中にあるアルフ溶岩窟では、棒術の使い手である遊撃士の少女のエステルが登場する。お人好しのアドルと似た性格のエステルは、正気に戻ったのちにすぐに打ち解け、仲間として同行するのだった。

 奇巌城では、強敵であるレン、レーヴェ、チェスターの3人を撃破する。そして、すべての戦士が揃ったとき、突如ラッピィは青年の姿に戻った。彼は、アドル達が探していた大魔導師であるミッシェル・ド・ラップ・ヘブンであった。彼の協力のもと、アドル達は城の最上層へと向かう。

 奇巌城の最上層では、ついにキングドラゴンこと魔王ガルシスとの対決に挑む。聖剣ドラゴンスレイヤーはガルシスに破壊されてしまうが、それは形だけの入れ物に過ぎない。世界を守りたいという「希望の光」こそがドラゴンスレイヤーであり、その力を手にしたアドルはガルシスに最後の戦いを挑む。

 希望の力により、ついに魔王の野望を打ち破ったアドル達。ザナドゥでの役目を終えた戦士達は、勝利の余韻に浸る時間もなく、それぞれの世界へ帰還し始める。仲間達との挨拶をすませたアドルとドギも、元の世界へと戻っていくのだった。そして再び、彼らの新たなる冒険の旅が始まる……。

エステル編①

 復活した魔王ガルシスを倒すために、ザナドゥの地に召喚されたエステル。彼女は謎の生物であるラッピィからの依頼を受け、大陸の中心に位置しているイーグリット山の頂上を目指すことになる。急な展開にもかかわらず、エステルは持ち前の明るさと前向きな思考で、すぐに行動を起こす。

 魔粧の森で異世界の戦士エルクを倒すことに成功し、ラッピィの力により彼の理を正したエステル。仲間が増えて勢いづくエステルだったが、その前には親友のクローゼや妹分のティータなど、かつての仲間達が敵として立ちはだかる。彼女達の理を正して、正気に戻すためにエステルは戦うのだった。

 魔粧の森の番人として現れたのは、エステルの大切なパートナーであるヨシュアだった。本当の彼を取り戻すためには、ヨシュア自身を倒すしかない。覚悟を決めたエステルは彼と戦い、ついに勝利する。ヨシュアは仲間となるが、残念ながら魔王や異変の原因に関する有力な情報は得られなかった。

 かつて魔王に滅ぼされたハーレック遺跡に到着したエステル達。その番人として登場したのは、ロイドと名乗る青年だった。エステル達の活躍により正気を取り戻した彼は、魔王が大魔導師を警戒していると語った。そして一同は、魔王を倒すためには聖剣ドラゴンスレイヤーが必要だということを知る。

 イーグリッド山では、赤毛の剣士アドルが登場する。エステル達は苦戦の末に勝利するが、アドルはどこかへ消えてしまった。そして山頂では魔道具である生き写しの鏡の効果が発動し、エステルとヨシュアは自分自身と戦うことになる。その後、ドラゴンスレイヤーが奇巌城にあるという情報を得る。

 一行は灼熱のアルフ溶岩窟を抜けて、奇巌城へと到着する。再び出会ったアドルを仲間にして、城の最上層を目指して進んでいく。王座の間では結界宝玉の罠にはめられたエステルだったが、レン、レーヴェ、チェスターの3人と戦って勝利を収める。ついに、異世界の戦士がすべて仲間になった。

 魔王に聖剣ドラゴンスレイヤーを破壊されて、絶望に陥るエステル達。その時、突然ロイドが現れ、ドラゴンスレイヤーは剣ではなく、希望の力であることを告げるのだった。再び立ち上がった戦士達は希望の力であるドラゴンスレイヤーを得て、魔王ガルシスに最後の戦いを挑むことに!

 激闘の末、ついに魔王の封印に成功したエステル達。そしてザナドゥの世界での役目を終えた戦士達は、それぞれの世界へと帰っていった。その際、エステルはロイドに「元の世界で会えるかもしれない」と伝えた。その後、エステルとヨシュアは遊撃士としての日常を取り戻したのだった。

ガッシュ編

 魔粧の森で、かつてともに戦ったワガママ王女(ガッシュ談)ことアイシャと再会したガ ッシュ。しかし、理を狂わされている彼女は森の番人としてガッシュ達の行く手を阻むのだった。戦いの末にアイシャを倒すと、彼女は正気を取り戻して、手荒なガッシュに文句を言いつつも感謝の気持ちを告げる。

 ドラゴンスレイヤーを求めて、一行はイーグリット山へと向かう。そこでガッシュは、重剣を持つアガットと出会った。互いの態度の大きさと口の悪さが相まって、激しくぶつかり合った2人。だが、決着がつくと互いの実力を認め合い、友情が芽生えることに。ここに荒くれコンビが誕生?

 イーグリット山の山頂に設置された魔道具の生き写しの鏡の効果で、自分自身と戦うことになったガッシュ。勝利を収めた際、複製された自分から「過ぎた過去は忘れて、自分なりの道を歩け」と言われてしまう。そんな彼の中には、兄エルンストへの複雑な思いが渦巻いていたのだった。

 ついに魔王との決着の時がやってきた。ガッシュ達は希望の力であるドラゴンスレイヤーをまとって、魔王の討伐に成功する。そして、ザナドゥに召喚された戦士達は、別れを惜しむ間もなく元の世界へと戻っていく。ガッシュはお供の三妖精とともに、路銀のないまま船旅へと出発する。

クローゼ編

 魔粧の森で、クローゼは何者かに弓で狙われてしまう。狙った者の正体は、アルタゴ公国の公女であるアイシャだった。彼女を正気に戻したあと、クローゼは自分と似た境遇かもしれないと思い、アイシャと仲よくしたいと考える。同じ立場だからこそ、きっとわかり合えるものがあるのだろう。

 イーグリット山の山頂にある鏡の魔道具により、自分自身と戦うことになってしまったクローゼとオリビエ。クローゼがもう1人の自分とまじめな話をしているなか、2人のオリビエは美しいものに関する談義を行っていた。突然の出来事にもまったく動じないオリビエは、さすがといえるだろう。

 アルフ溶岩窟で出会ったのは、白騎士チェスター。彼はマクガイアに仕えていた経験から、クローゼを王族の者だと一瞬で見抜いたのだった。そして彼女に、「世間知らずの王族が戦いの場に出るな」と叱咤した。だが、クローゼは自身の決意の強さを見せつけ、チェスターを見事に退けるのだった。

 魔王ガルシアとの最終決戦が始まった。ザナドゥのような世界を増やさないために、クローゼは希望の力であるドラゴンスレイヤーで、魔王にトドメを刺す。戦いが終わると、戦士達はそれぞれの居場所へと戻っていった。そしてクローゼは城からリベールを眺め、そこにあるすべてを守ると決意する。

ティータ編①

 イーグリット山で最初に出会ったのは、「壁壊し」の異名を持つドギだった。いきなり現れた筋骨隆々の大男に驚いたティータは、思わず相手がクマだと勘違いしてしまう。あまりの身長差に驚いたとはいえ、わりとヒドい発言かもしれない。ただ、ドギ自身は「クマより危険かもしれない」と笑い飛ばす。

 突然、上空から白いハヤブサの雄叫びが聞こえてきた! その正体は、クローゼの相棒であるジークだった。驚く一行をよそに、クローゼはティータ達に戦いを申し込んだ。ちなみに、上の画面写真のようにジークがクローゼの肩に乗っているカットは、ティータのストーリーモードでしか見られない。

 魔王ガルシスの魔道具である生き写しの鏡に映されたティータとアガットは、突如現れた自分自身の姿と戦うことになる。性格も同じだけあって、敵のティータは自分が消える際に、本物の彼女に対して優しく応援の言葉を伝えたのだった。ティータの性格のよさが垣間見える一幕である。

 アルフ溶岩窟でティータが出会ったのは、赤毛の剣士であるアドルだった。彼の髪の色を見た瞬間に、ティータは同じ髪の色をしているアガットを思い浮かべていた。赤毛のつながりだけでアガットを思い出して、つい見とれてしまうあたりに、ティータのアガットへの想いの強さがうかがえる。

ティータ編②

 魔道具である結界宝玉の効果により、1人だけ隔離されてしまったティータ。そこに現れたのはチェスター、レーヴェ、レンという強敵3人組。絶体絶命の危機に陥りながらも、ティータは希望を諦めず、戦うことを選ぶ。そしてその強い思いは形となり、3人を打ち破ることに成功する。

 大切なものがたくさんある世界を守るためにも、ティータは魔王ガルシスに臆することなく立ち向かう。そして、ついに魔王の野望を打ち破り、平和な日常を取り戻すのだった。その後、いつもどおり時間を忘れて機械をいじり続けるティータ。気づけばいつの間にか夜が明けて、朝を迎えていた……。

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『零の軌跡』の主人公であるロイド・バニングスが参戦!

 本作に登場する捜査官ロイド・バニングスは、『零の軌跡』で主人公をつとめている。本作は『零の軌跡』より約2カ月前に発売されたため、ロイドは本編よりも先に出演していたのだ。ファンにとって嬉しいサプライズである。

  • ▲時系列としては、『空の軌跡the 3rd』と『零の軌跡』の間の出来事。なお、元の世界に戻った際に、ザナドゥでの記憶は失われた。

※掲載しているパッケージはPSP版。掲載している画面写真はPSP版。
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