【世界最速】『MTGアリーナ』の新セット『Jumpstart:Historic Horizons』の収録カードを初公開!!
- 文
- カワカミ雁々
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デジタルTCG『マジック:ザ・ギャザリングアリーナ(MTGアリーナ)』で、8月27日に実装される新セット『Jumpstart:Historic Horizons』。その新カードを世界最速で紹介しつつ、レビューをお届けします。
『Jumpstart:Historic Horizons』の収録枚数は700枚近く。これは通常のセット3~4個ぶんに相当する枚数です。さらにそのなかには『Jumpstart:Historic Horizons』のために作られた、これまでのテーブルトップの『マジック:ザ・ギャザリング』では作れなかったデジタルならではのメカニズムを持つカード31枚と、2019年に発売された『モダンホライゾン』および2021年発売の『モダンホライゾン2』という、超のつく強力カードたちが含まれているのです。
ヒストリックは『Jumpstart:Historic Horizons』の登場を境に、これまでとはまったく違った環境を迎えることでしょう。あるいは、突如として新しいフォーマットが『MTGアリーナ』上に実装されたと言っても過言ではありません。
この記事では『Jumpstart:Historic Horizons』のリリース日である8月27日から始まる、カジュアルに楽しみながらカードを収集できるイベント『Jumpstart』の遊び方を紹介しつつ、『Jumpstart:Historic Horizons』収録の新カードをレビューしていきます。
『Jumpstart』はテーマパック2つで遊ぶシンプルなゲーム
ではまず『Jumpstart』の遊び方ですが、いたってシンプルです。
【1】プレイヤーの前にいくつかのテーマパック(カードが10~13枚ほど入ってます)が提示される
【2】プレイヤーは提示されたもののなかから好きな2つのテーマパックを選択する
【3】2つのテーマパックと、土地が自動的にあわさってデッキ完成
【4】対戦する
これだけです。デッキ構築のステップがないシールド戦のような感じですね。プレイヤーの腕が出るのは対戦中のプレイングと、テーマパックの選び方。『Jumpstart:Historic Horizons』では実に46ものテーマが存在するので、提示されたもののなかからなるべく相性のよさそうなテーマどうしを組みあわせるようにしましょう。
また、テーマパックはテーマに沿ったカードで構成されていますが、その内容すべてが固定されているわけではありません。テーマパックに含まれる10数枚のカードのうち、概ね10枚弱が固定スロットとなっていますが、残りの数枚は一定の確率で(同じテーマを持つ)ほかのカードに入れ替わることがあります。
ランダムに変わるカードの一例を見てみましょう。テーマパック『クリーチャー化』はアーティファクトのトークンを活かす戦略ですが《積みすぎた空中要員》は攻撃的、《財力ある船乗り》は守備的、《飛行の先駆者》はその中間といった感じで、どのカードが出るかによってプレイングが変化するでしょう。
このランダム性により、同じテーマパックを選んでもプレイが変わり、カードを集められるまで何度も遊んでも飽きないようになっています。
神話レア《スカイシュラウドの援護者、フレイアリーズ》と彼女のテーマパックを紹介!
では、『Jumpstart:Historic Horizons』収録の新カードを電撃オンラインをご覧の皆様に最速公開します。まずは緑の神話レアのプレインズウォーカー、《スカイシュラウドの援護者、フレイアリーズ》です!
《スカイシュラウドの援護者、フレイアリーズ》は3つの忠誠度能力を持った3マナのプレインズウォーカーで、エルフデッキと非常に相性のいいカードです。
まず、1つ目の能力ではエルフ1体をアンタップしつつ、それと手札のエルフ1枚を“永久に”+1/+1できます。
“永久に”は『Jumpstart:Historic Horizons』で新しく登場する用語です。通常、パワーやタフネスに修正を与えたり、+1/+1カウンターが乗せたりすることでクリーチャーを強化しても、それが破壊されたり手札に戻ったりした場合、強化効果は失われます。それは当然で、テーブルトップのゲームでは、手札に戻ってからもう一度出されたクリーチャーが過去に強化を受けていたクリーチャーかどうかは判断できるようにするのはなかなか大変です。
しかし『MTGアリーナ』であれば、公正に情報を保存できます。こうして一部の効果によって“永久に”クリーチャーを強化、あるいは弱体化できるようになりました!(もちろんゲーム終了時までですが)
さて、このアンタップと強化能力ですが、まずアンタップする効果はタップしてマナを生み出す能力持ちが多いエルフとは相性抜群です。ヒストリックで言えば《エルフの大ドルイド》がよき相方となるでしょう。
エルフの数だけマナを出すこのクリーチャーをアンタップすれば、一気に爆発的なマナを生み出すことができます。《ラノワールのエルフ》→《エルフの大ドルイド》→《スカイシュラウドの援護者、フレイアリーズ》と続けば、そのターンに合計7マナ、次のターンには10マナ以上生み出すことも難しくありません。そうしたら、あとは大型クリーチャーや全体強化とともに相手を踏み潰すのみです。
そして、手札のエルフを強化する効果も《養育者、マーウィン》などと好相性です。
《養育者、マーウィン》は自身のパワーに等しいマナを生み出す能力を持つので、手札で強化してから出すといいでしょう。もちろん、次のターンからはアンタップしてどんどんマナを出していきましょう。
2つ目の能力はエルフ・カード1枚の“抽出”。この“抽出”も『Jumpstart:Historic Horizons』からの新能力で“デッキから条件を満たすカードをランダムに探して手札に加える”というものです。これも、既存のテーブルトップでは実現できなかった“完全なランダム”を活用する、デジタルならではのメカニズムと言えるでしょう。
《スカイシュラウドの援護者、フレイアリーズ》はほとんどの場合エルフがたくさん入ったデッキで使うはずなので、狙ったカードを手札に加えることはできませんが、3マナのプレインズウォーカーが忠誠度-1でアドバンテージを獲得できる時点で強く、手札の消費が激しいエルフデッキの継戦能力を高めてくれるでしょう。
忠誠度-6の――“奥義”などと呼ばれたりもしますが――では《威厳の魔力》を戦場に“創出”します。“創出”もやはり『Jumpstart:Historic Horizons』で初出となる新能力で、過去に『マジック:ザ・ギャザリング』に存在していたカードを生み出す能力です。
カードをコピーしたトークンを生成したり、ゲームの外部(サイドボード)からカードを持ってくるわけではなく“カードそのものを作り出す”という点が過去の類似の能力と一線を画す部分で、この能力で作り出されたカードは手札、戦場、墓地などの領域を移動してもトークンのように消滅することはありません。
ちなみに、この能力で創出される《威厳の魔力》はこんなカードです。
戦場に出たときに緑のクリーチャーの数だけドローできます。《スカイシュラウドの援護者、フレイアリーズ》の忠誠度が6になったということで忠誠度+1の能力をいっぱい使ったということなので、戦場にはあふれるマナから出たエルフたちが並んでいるはずです。5/5のクリーチャーを出しつつ手札を補充し、一気に畳みかけていきましょう。
ここまで《スカイシュラウドの援護者、フレイアリーズ》を紹介してきました。次は彼女が含まれるテーマパック『フレイアリーズ』を見てみましょう。ここにも『Jumpstart:Historic Horizons』の新カードが入っています。
では2枚目の初公開カードを見ていきましょう。《スカイシュラウドの見張り番》です。
2マナ1/1で、戦場に出たときエルフ・カード1枚を抽出します。戦場に出たときカードを1枚引く《エルフの幻想家》と役割は似ていますね。《スカイシュラウドの見張り番》は確実にクリーチャーを引けるほか到達も持っています。一方《エルフの幻想家》は土地や《集合した中隊》のような呪文を引ける可能性があり、総合的には一長一短といったところです。デッキのスロットが許せば両方投入してもいいでしょう。
続いては新カードの《老練の突撃者》。
これはエルフ・カードではありませんが、手札のクリーチャーを“永久に”強化できるので、『Jumpstart』のようなクリーチャーのぶつかり合いとなりやすいゲームでは重宝するでしょう。また、パワーは低いけど二段攻撃を持っているものや、パワーが一定以上になることで恩恵を受けるものとの相性がいいので、構築でももしかするとおもしろい使い方ができるかもしれません。
お次は《顔なしの工作員》。これも新カードです!
クリーチャー・タイプは多相の戦士で、“多相(すべての領域ですべてのクリーチャー・タイプである)”能力を持っているため、エルフ・カードでもあります。《スカイシュラウドの見張り番》よりマナコストとパワーがちょっとずつ高くなっていますね。3マナは《スカイシュラウドの援護者、フレイアリーズ》や《エルフの大ドルイド》をはじめデッキのエースがいるマナ域なので構築ではその座を譲らずを得ませんが『Jumpstart』であれば安定したアドバンテージ要員になってくれるでしょう。
そしてこの記事で紹介する最後の新カードは《スカイシュラウドの襲撃》。
クリーチャーどうしを格闘させるシンプルなカードですが、格闘に勝利した=一方的に相手のクリーチャーを破壊できた場合は1ドローできる点が優秀です。ちなみに、この“格闘に勝利する”も『Jumpstart:Historic Horizons』で初めて出てきた用語ですね。これまで格闘の結果で何かが起こるカードは存在していませんでした。こんなところにも新要素がある『Jumpstart:Historic Horizons』、まったく侮れませんね。
そして、これらのカードを含むテーマパック『フレイアリーズ』の構成がこちら。
各スロットを見ると、
【1】《ラノワールのエルフ》。うれしいですね。
【2】《スカイシュラウドの見張り番》。ナイスなアドバンテージ源。
【3】《楽園のドルイド》or《ドゥイネンの精鋭》。前者は追加のマナクリーチャー、後者はトークンを出すエルフです。
【4】《顔なしの工作員》と《ラノワールの幻想家》はどちらも1ドローつきの3マナクリーチャー。後者はマナ能力も持つのでちょっと格上でしょうか。そして《老練の襲撃者》や《養育者、マーウィン》が出る可能性もあります。後者2枚は別々に出てほしかったかも?
【5】3マナのアタッカー枠といったところ。エルフデッキとしては《ラノワールの部族》。アドバンテージ獲得量では《不屈の補給兵》に軍配が上がりそうです。もう片方のテーマパックとのかみ合いが影響しそうですね。
【6】《野心の発動者》。マナを大量に使って味方を強化します。大量にあふれるマナの注ぎ込み口ですね。
【7】《古葉の導師》。トークンを引き連れて出てくる4マナクリーチャーです。
【8】5マナのファッティ枠。5/4警戒・トランプルの《タジュールの道守》を“永久に”強化したいところ。
【9】《フレイアリーズの歌》。味方全体にマナを生み出す能力を与えて展開力を高め、最後には+1/+1カウンターで強化してくれる英雄譚です。
【10】《スカイシュラウドの襲撃》。除去のスロットですね。
【11】《スカイシュラウドの援護者、フレイアリーズ》。このテーマパックのエース。
【12】クリーチャー強化呪文の4択。コストが軽くて相手の除去をかわせる《蛇皮のヴェール》が一番使い勝手がよさそうでしょうか。
【13】《平穏な茂み》。サイクリングできる土地のスロットです。
といった感じです。
基本的にはアドバンテージを取れる小型クリーチャーを展開しつつマナを生み出せる体勢を作り、《野心の発動者》でフィニッシュという感じになるでしょう。
ほかにどんなテーマパックが用意されているか、まだ全部わかったわけではありませんが、テーマ総数は46ということなので、概ねメジャーどころのテーマは網羅されていると考えると、小型クリーチャーを並べて全体強化する白のテーマパックや、クリーチャーを生贄に捧げてアドバンテージに変換する黒のテーマパックと相性がよさそうです。『Jumpstart』イベントが始まったら、試してみてください。
おわりに
8月27日リリースの『Jumpstart:Historic Horizons』から《スカイシュラウドの援護者、フレイアリーズ》をはじめ、新カードのレビューをお届けしました。
『Jumpstart:Historic Horizons』は本当にとんでもないパワーを秘めているセットになりそうなので、《スカイシュラウドの援護者、フレイアリーズ》を得たエルフデッキが今後ヒストリックのトップに立てるかは正直まったくわかりません。ただ、エルフデッキが望んでいた能力を持つカードであることは間違いなく、エルフデッキ以外にもヒストリック・ブロールでもエルフを中心にした構築ならスペースを取る価値のある1枚でしょう。『テーブルトップでも統率者戦などで使いたい!』と思う人も多いはずです。そのくらい魅力的なカードです。
また、『マジック:ザ・ギャザリング』の古いファンとしては、彼女のはつらつさを感じさせるアートもうれしく思います。『MTGアリーナ』のフルアートバージョンで早く見てみたいですね。ストーリー上では決闘で殺される寸前にプレインズウォーカーとして覚醒し、故郷の氷河期をがんばって終わらせ、別の次元からの侵略者とも戦い、最後はその戦いでできた次元の裂け目を修復するために命を投げ出すという、活躍しつつも悲運のキャラクターなので、彼女が元気いっぱいにエルフの仲間たちといるシーンには少し感動です。
彼女は20年以上前から登場しているキャラクターですが、その人気や知名度に反して、直接本人がカードになるのはまだ2回目なので、ぜひぜひたくさん使ってあげたいと思います。
というわけで、最後まで読んでいただきありがとうございました。次は生まれ変わったヒストリックか『Jumpstart』の対戦でお会いしましょう!
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