魔法少女愛がすごい!? 『魔法少女オンライン』のおもしろさの裏には苦労と愛にあふれていた【電撃インディー#56】
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- 紅葉つかさ
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電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回はiOS/Android用アプリ『魔法少女オンライン』の開発者インタビューをお届けします。
本作は、魔法少女を育ててクエストを攻略していくアクションゲーム。インタビューでは、『魔法少女オンライン』の開発者であるかみさかさんにインタビューを行いました。
なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!
開発者インタビュー:かみさかさん
――『魔法少女オンライン』の注目点を教えてください。
なんと言ってもタイトルの通り、オンラインでの協力プレイがこのゲームの醍醐味です!
高レアリティ武器を全員が装備しているようなルームに運良く入ることができれば、魔法少女たちの放つ弾で瞬く間に画面が埋め尽くされるでしょう。
みんながワチャワチャと画面を駆けて撃ちまくりの、お祭り騒ぎのゲームです!
――開発で苦労していたところを教えてください。
とにかく画面に出る物が多いので、各所の通信同期の効率化・軽量化は徹底的に行いました。
後半クエストを攻略する位になると、一人あたり秒間20~50発は弾を撃っているので、ルーム最大人数の4人分を考慮するとして、秒間100発以上の弾を動かす想定で開発しなければなりませんでした。
本ゲーム開発に使用したゲームエンジン『Unity』の当たり判定は、スマホで使うには少々重たいのですが、そこに独自の軽量化システムを追加で構築し、画面に出ているすべての弾の当たり判定を行えるようにしています。
その甲斐あってか、2013年のスマートフォン(SOL23)でも、シングルプレイならば基本的に60FPSを維持することが出来ています。
――開発をするうえで、特に気を付けている点などを教えてください。
やはり操作感といいますか、思い通りにキャラクターを動かせる部分にはこだわっています。
幸い、自分はアクションゲームが(好きですが)超下手くそなので、自分自身でステージの地形をちゃんと移動できるようにするだけでも、最低レベルの操作性が確保されている気がします。
ジャンプ中の姿勢制御については、「なんか制限があるけど動かしやすい!」みたいな絶妙なバランスを狙っています。実際はどうかわかりません。
そして、このゲームで一番クセがあると言われる横っ飛びの二段ジャンプ。これについては、実は某オンラインゲームのパロディではありますが、退屈な移動部分にもうまく爽快感を出せたり、協力プレイ中にみんなに一気に追いつけたりと、入れてよかったなと思うシステムではあります。
――ゲームタイトルにこめた想いを教えてください。
魔法少女! 魔法少女ですよ! しかもなんかオンラインゲームっぽい!
インパクト絶大です。世界を獲れます。インパクトってなんか魔法少女の技名の一部っぽい。このタイトルを見て遊ばない人はまずいないでしょう。えっそうでもないですか?(しょぼん。)
しかもこのゲームの魔法少女って、天城あかりちゃんが若干それっぽいテイストなだけで、他の子に魔法少女要素がまったくない気がします。
いえ、可愛いステッキをぶん回して星を出してるのでセーフです。なんの話でしたっけ。
――今後、実現したい野望などありますでしょうか?
とある軽めのソーシャルゲーム(?)な企画が脳内にモリッと湧いてきたので、それをぐにぐにこねこねしてなんとか形にしてみたいです。粘土をこねる感じです。
自分は欲張りさんなので、サーバーPG・クライアントPG・デザイン・イラスト・音楽・効果音・企画一人で全部やる予定です。
なんだか単語を並べるだけで楽しそうなデスの行進がぼんやり見えてきました。後で自分も参加してきます。
もしこのソーシャルゲームがうまくいって引きこもりニートになれたら、収益度外視で作りたいゲームを作るだけの生活をしてみたいです。その時は「妖怪ヒキコモリゲームツクリ」とでも呼んでください。
――ゲームの開発に携わることになったきっかけについて教えてください。
将来は車とかバイクの整備士になろうと思って、それっぽい専門学校を探していたところ、うまいこと滑り込んだのがゲーム系の専門学校でした。
(あれ?)
思えば小学生くらいのときから、Web上で公開できるRPGツクール的な物を触って、『カービィ』のゲームを作ってたりしたので、元々こういうクリエイティブな作業が好きだったのでしょう。入学後はそれはもうどっぷりゲーム作りにハマりました。
どこかあこがれのゲーム会社があるとか、プログラマーにあこがれてた、という感じではなく、ただ単に自分の作りたいゲームを一人で勝手に作りたい、というのが自分の駆動力の源のようです。
1年目はプログラマーを目指して頑張ってたんですが、2年目から何故かイラストコースに行ったり、ゲーセンに行ったりしてました。
最終的にイラストゲーセンコースのままプログラマーで内定を取る、もはや魔球クラスの変化球を投げましたが、内定を取った後に卒業まで8単位も足らない事が判明したので、1ヶ月で4つ位資格をとって単位を補填したりしました。
学校に“こんな迷惑な奴は初めてで賞”があれば累計でトロフィー3つ分くらいもらえてると思います。ご迷惑をおかけしました。夏休みの宿題は最終日に手を付け初めて全部間に合わないタイプです。
あ、今なんか思い出しました。小学生の頃の夢はでんしゃのうんてんしゅとゲームのグラフィッカーでした。意外と半分叶ってるかもしれません。
――ここ数年でもっとも感銘を受けた、おすすめのインディーゲームについて教えてください。(インディーゲームでなくても構いません)
お恥ずかしいことに、普段ゲームをまったく遊ばないので、実は最近のタイトルをほとんど知りません……。というのも、ゲームを遊ぶより作るほうが好きなんだと思います。
ボリューム感的にインディーゲームに近い物となると、かなり古くて申し訳ないですが、『星のカービィ スーパーデラックス』と『鏡の大迷宮』ですね。
気分によって操作キャラクターがいろいろな技を繰り出せるようになる楽しみは何にも代えがたいです。
操作感についても余計な補完がない分、ダイレクト感がありますので、キャラを操作している感については今のゲームよりも優れていると感じられる程です。
さらにちょっとズレちゃいますが、アーケードのポップンミュージックはかなり遊びました。
音に合わせてボタンを押すだけ……のはずですが、多分自分が10年遊び続けても極めることはできないでしょう。シンプルの極地ですね。
今はもうやっていないのですが、このゲームは色々な曲に触れる事ができるので、ありがたい事にここから自然とDTMへの道もひらけました。
――最後にユーザーに一言お願いします。
『魔法少女オンライン』、お友だち数人といっしょに始めるともっともっと楽しいと思います。ぜひ遊んでみてくださいね!
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