人気のカジュアルRPG誕生秘話。『ねこシバのぼうけん』インタビューで続編の話題も!?【電撃インディー#59】

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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回はiOS/Android用アプリ『ねこシバのぼうけん カジュアルRPG』の開発者インタビューをお届けします。

 本作は、レジェンド・オブ・ニクキュウとカオス・オブ・ニクキュウの戦いが描かれているRPG。主人公であるねこシバと、封印されている暗黒神を目覚めさせようとするカオス・オブ・ニクキュウの戦いが繰り広げられます。

 本記事では『ねこシバのぼうけん カジュアルRPG』の開発者のmogaconさんにお話を伺いました。

 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

開発者インタビュー:mogaconさん

――『ねこシバのぼうけん』の注目点を教えてください。

 このゲームは、幅広い世代に楽しんで頂けるようなゲームになっています。柴犬や、赤ちゃん、パンダやドラゴンといった、たくさんのモチーフのコスチュームを着た猫たちが登場します!きっとお気に入りのキャラクターに出会えると思います!

 ゲームシステムとしては、王道コマンドRPGとなっております。非常にシンプルな内容になっていますので、RPGが苦手な人でも簡単に遊べるようになっています。また、戦闘中にパーティを切り替えて戦略を変えて戦うなど、シンプルながらも、しっかりとゲームとしても楽しめる内容となっています。

 図鑑のコンプリート要素もあるので、ぜひ、猫ちゃんワールドを体験してみてください!

――開発で苦労していたところを教えてください。

 1つめはゲームバランスです。ゲームバランスは、何度も調整しました。ある程度、ゲームバランスを想定して計算して設定した値でも、実際にプレイしてみると、思ったような体験が得られず、ボスが強くなりすぎたり、弱すぎたり、と、ボスのパラメータの調整には苦労しました。

 また、ゲームシステム上、“ハート”と“パワー”を自由なバランスで強化できるため、人によって、体感が変わってしまので、デバック時にもバランスよく強化した場合と、どちらかに偏って強化した場合などで分けて、ゲーム体験を自分で感じながら微調整を繰り返していきました。

 2つめはテキストに関してです。ゲーム内のテキストは、すべて小学1~3年生までで習う漢字のみを使用しています。これは、世界観に合うフォントを選んだ際に、利用しているフォントがそこまでしか漢字が登録されていなかったということもありますが、ターゲットとして、小学校低学年でも楽しめるように、難しい漢字は使わないようにしています。

 そのため、自分で作った縛りではあるのですが、漢字が使えないことで言葉の表現にはかなり苦労しました。“封印”や“復活”などのテキストも漢字にした方がパッと見たときに読みやすいのですが、本作では“ふういん”、“ふっかつ”というようにひらがなで表記しています。

 そのため、極力読みにくくならないように、文字の間にスペースを入れたり、改行個所を調整したりと、テキストまわりの調整は、なかなか大変でした。

 いかに、“最初の導入部分で魅力を伝えられるか?”という部分で、ストーリー構成も苦労しました。

 最初のオープニングで登場している“ねこダークナイト”とのやり取りや、“レジェンド・コスモ”たちの話題は、当初、もっとストーリーが進んでから出てくる構成にしていたのですが、最終的に、ストーリーの山場を全部最初に詰め込むように変えました。最初の段階で、いかに興味を持ってもらえるか、という部分についてはかなり試行錯誤をしたところになります。

――開発をするうえで、特に気を付けている点などを教えてください。

 必要な情報の精査をしており、その画面で必要な情報は何かを考え、極力不要なものは省く、という点は意識しています。

 やはり最初に見たときに、画面に情報が多いと困惑してしまいます。例えば、猫の一覧などで表示されるサムネイルも、属性アイコンを最初は表示させていたのですが、フレームの色で属性は判断できるため、最終的にアイコンはカットしています。

 逆に、必要な情報はしっかりと残すようにもしています。例えば、バトルのリザルト画面では、敵にどのくらいの差で勝ったのかが分かるように自身の“ハート”の情報は残しています。

 情報として何が必要で、何が不要かは、各画面でつねに考えるようにしています。

 また、キャプチャーしてほしい画面というのを意識して作っています。例えば、ボスに勝った時や、猫が仲間になった時など、誰かに自慢したくなる瞬間に、「この画面をキャプチャーしたくなるにはどうすればよいだろうか?」と考えます。基本的には、「その画面の見た目が映えているか?」という点を意識しています。

 あとは、ちょっとした部分では、例えば、バトルのリザルト画面では、勝利時に「WIN」ではなく「勝ったにゃ!」というように、ちょっとかわいい感じにしてみせたりもしています。

――ゲームタイトルにこめた想いを教えてください。

 正式名称は、『ねこシバのぼうけん カジュアルRPG』というのですが、これはシンプルに、“ねこ”が好きな人や“RPG”が好きな人に届いてほしい! ということで、検索キーワードを意識して考えました。また、本格的なRPGではなくカジュアルに楽しんで頂きたいため、カジュアルRPGと題しています。

 なかなか直接『ねこシバのぼうけん』と検索してゲームをインストールしてくれる方は少ないと思いますので、いかに他の検索キーワードで上位に表示されるか、という部分は意識しています。おかげさまで『カジュアルRPG』とGoogle Play内で検索すると上位に出てきています。(2021年7月現在)

――今後、実現したい野望などありますでしょうか?

 今は、次回作として『ねこシバのぼうけん』をもう少し複雑にしたシステムのゲームを作っています。次回作のキャラクターたちも、魅力的なキャラクター(モンスター)になっていますので、ぜひ、ご期待ください。

 これからもキャラクターに魅力のあるゲームを作っていきたいと思っています。

 また、機会があれば、ねこシバのその後を描いた『ねこシバのぼうけん2』的なものや、千年前の暗黒神との戦いを描いた『ねこヒーロー』が主人公のストーリーを描いたものなども描けたらな(希望)と思っています。

 最終的には、ゲームにとどまらず、アニメになったり、ぬいぐるみなどのグッズになってゲームセンターに置かれたりと、キャラクターコンテンツとして、自分の生み出したキャラクターをもっといろいろな可能性で展開していくことが今の野望です。

 自分のコンテンツが子どもたちに(もちろんすべての方に)夢やワクワクを与えられるような、そんなコンテンツをこれからも作っていきたいと思っています。自分の生み出したキャラクターをIPとして、たくさんの方に愛されるように、育てていきたいと思っています。

――ゲームの開発に携わることになったきっかけについて教えてください。

 Adobe Flashと出会い、「自分の描いた絵がこんなに簡単に動かせてゲームが作れるのか!?」という衝撃を受けたことがきっかけです。そこから、自分で絵をかいて、Flashでゲームを作る、という活動が始まりました。

 その後、Flashの衰退とともに、Unityを使ったアプリ開発にシフトしていきました。

――ここ数年でもっとも感銘を受けた、おすすめのインディーゲームについて教えてください。(インディーゲームでなくても構いません)

 インディーゲームではないかもしれませんが……『Micro RPG』と『Sky Bandit』です。

 『Micro RPG』は、かわいいキャラクターと、テキストをほとんど使わず、直感的な操作で楽しめる、という点で、好きなゲームとなります。海外展開を目指していくうえで、やはりテキストの量が多いと言語の壁や翻訳が大変になってくるため、私も今後、このくらいわかりやすいゲームを作ってみたい、と思っています。

 『Sky Bandit』は、リワード広告のパターンも多く、気が付いたら何回も広告を再生してしまっていた、というように、動画広告周りで参考にさせて頂いたゲームでもあります。ゲーム自体も爽快感のあるゲームですので、個人的に好きなゲームとなっています。

――最後にユーザーに一言お願いします。

 登場する猫には、それぞれにちょっとした個別エピソードも用意されており、猫好きの方にも、そうでない方にも楽しめるような内容となっております。老若男女、幅広い世代の方に楽しんで頂けるようなゲームになっています。

 もし少しでもご興味を持って頂けましたら、ぜひ、実際に『ねこシバのぼうけん』を遊んでみて頂けますと嬉しいです!

 これからも、皆さんに愛され、たくさん遊んで頂けるようなゲームを作っていきたいと思っています。

 応援頂けますと嬉しいです!最後まで、お読み頂きありがとうございました!


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