名作『くまのレストラン』作者に聞く開発秘話。Switch版追加要素の感触は?【電撃インディー#61】
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電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回はiOS/Android/Nintendo Switchで配信中の『くまのレストラン』の開発者インタビューをお届けします。
本作は、死者に最後の晩餐がふるまわれるレストランが舞台のADVです。プレイヤーはそこで働く助手の”ねこ”となり、レストランの店長”くま”をサポートしていくことに。客としてやってくる死者たちの生前の記憶に触れながら、謎を解いていくことになります。
生や死について、儚くもあり優しく包み込まれるような感覚になるストーリー。追加要素が加わったSwitch版が6月17日より配信されています。また、Steam版が9月発売予定となっています。
本インタビューでは、『くまのレストラン』を開発したDaigoさんにお答えいただきました。
なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!
開発者インタビュー:Daigoさん
――『くまのレストラン』の注目点を教えてください。
一見、かわいいレストランのゲームなのに扱っているのが“生”と“死”という重いテーマである点です。おそらく、生と死のゲームと売り出しても積極的に遊ぼう、というプレイヤーはそう多くはなかったと思います。本作ではそういったプレイヤーに向けて、重いテーマをシュガーコーティングしています。
――絵柄をドットにしようと思われたきっかけを教えてください。
ドット絵の“粗さ”はプレイヤーに想像の余地を与えると思っています。想像の余地があるということはディテールを省けるということで、開発の工数を抑えられることができるという点が大きかったです。また、リアルなグラフィックだと過激な表現もドット絵であればマイルドに伝えることができると考えました。そのため、“死”を扱う本作にはドット絵の相性はとてもよいと考えたのです。
――Switch版では後日談が追加されましたが、追加キャラとしてうさぎを登場させてみてプレイした方からの反応はいかがでしたか?
“うさぎ”のキャラクターはそれまでのプレイヤーの意見や感想を見ていくうちに、欠けていた最後のピースと思い、追加したキャラクターです。そのおかげもあってか、後日談が一番感動したという声もちらほらみかけていますので、プレイヤーの満足度は高かったと思います。
――特に気に入っているキャラクターは誰ですか?
カロンちゃんです。一見場違いですが、落ち込み気味な後半パートであたりを盛り上げてくれるムードメーカーです。
――開発で苦労していたところを教えてください。
とても小さなチームなので(ドット絵、音楽、その他で3人)、とにかく人手が足りなく、ぜいたくな表現をすることができませんでした。
その制約下でどうやってプレイヤーの思い出に残るゲームを作るのか、かなり試行錯誤しました。全世界対応も簡単ではなかったです。14カ国語対応もいまとなっては正気の沙汰でなく、翻訳者とのやり取りを含め、大変な手間をかけたように思います。
――開発をするうえで、特に気を付けている点などを教えてください。
とにかく開発チームが自分たちで遊んでゲームをおもしろいと思えるか、自信を持って世に送り出すことができるかを最重視しています。自分たちでおもしろいと思えないものがプレイヤーにとっておもしろいはずがありません。あとは、ゲームは必ず英・日・韓対応しています。世界で通用することが大前提です。
――ゲームタイトルにこめた想いを教えてください。
絵本のような、手触り感のあるやさしい感じをめざしました。また、ゲーム内容とのギャップでプレイヤーをびっくりさせたい、と思っていました。
――今後、実現したい野望などありますでしょうか?
ゲームをどんどん出していきたいです。いずれ日本を代表するRPGが作れたらよいなと思います。
――ゲームの開発に携わることになったきっかけについて教えてください。
中学生のころ『RPGツクール』にであったことです。当時エンターブレインが主催していたインターネットコンテストパークというコンテストがあったのですが、そこにゲームを応募して受賞したのでそれが自信につながっていったのだと思います。
――ここ数年でもっとも感銘を受けた、おすすめのインディーゲームについて教えてください。(インディーゲームでなくても構いません)
『Undertale』です。はじめは『RPGツクール』のよくあるゲームかな、とおもってあまり期待せずに遊んだのですが、プレイ1時間過ぎたあたりから「このゲーム、ちょっと違うぞ」ということに気づき、ノンストップで2週遊んでしまいました。
メタ表現がよく取りざたされていますが、それを抜きにしてもだいぶ衝撃的だった作品です。自分は『Undertale』のような衝撃を与えてくれる作品がはやくでないかと待ち望んでいるのですが、まだ出会えていません。
――最後にユーザーに一言お願いします。
えらそうなことをいっていますが、自分は自分の好きなゲームを作っているだけなんです。それを遊んで楽しんでくれているひとたちがいることが最高でしあわせすぎます!
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