『無自覚チートの箱入りお嬢様』紺野天龍先生が衝動的に書いてしまったシーンとは?

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 電撃文庫で活躍する作家陣のメールインタビューをお届けする“Spot the 電撃文庫”。今回は、『無自覚チートの箱入りお嬢様、青春ラブコメで全力の忖度をされる』を執筆した紺野天龍先生のインタビューを掲載します。

  • ▲本作の表紙イラスト(イラスト:塩かずのこ先生)

 本作は、青春を満喫させないと世界が滅ぶというチート能力を持つお嬢様“天津風撫子”に、不運な青年“琥太郎”が“アオハル”で接待する、ちょっと変わった“青春”ラブコメディです。

 前作までのシリアスな作風から一転、青春ラブコメに挑戦した紺野天龍先生に、作品の注目ポイントや制作秘話を語っていただきました。

――この作品を書いたキッカケを教えてください。

 電撃文庫では三作目になります。

 これまでは比較的シリアスな作品が多かったため、今回は心機一転、明るく楽しい物語にしようと考え、このような作品になりました。

――作品の特徴やセールスポイントを教えてください。

 ヒロインの青春を忖度する、というのが一つのキーポイントです。

 青春に過度な期待を寄せるヒロインが明るく楽しい学園ラブコメを送れるよう、四苦八苦する主人公の勇姿をお楽しみください。

 従来のラブコメ作品のお約束を踏まえつつ、そこからさらに捻りを加えた新しいラブコメになっているかなと思います。

――作品を書くうえで悩んだところは?

 結構、裏設定が複雑なのですが……。それを処理しながら、表向きにはあくまでも明るく楽しい学園ラブコメを演出するのがちょっと大変でした。

 初稿が書き終わってからも、色々矛盾点が出てきたりして、どうやって解決しよう、と頭を悩ませました。

――執筆にかかった期間はどれくらいですか?

 プロットのOKが出たのが六月で、執筆完了したのが九月だったかと思います。

 しかし、この時期は他社のミステリィと同時並行だったので、本作の実質的な執筆期間はおそらく三週間くらいです。

――執筆中のエピソードはありますか?

 上記のとおり、同時期に他社で大層シリアスなミステリィを執筆しており、本作と同時並行で進めなければならなかったので、頭の切り替えが大変でした。

 一方では、密室に放置された首なし遺体について推論を進めながら、もう一方では、夏空の下、年頃の男女が水鉄砲遊びに興じていたりしたもので……(笑)

――本作の主人公やヒロインについて、生まれた経緯や思うところをお聞かせください。

 僕はキャラクタから作るのではなく、世界(設定)から作るタイプなので、この世界観で物語を進めるのであれば、こういうキャラクタかな、と自然に出てきた感じですね。

 ただあまりシリアスになりすぎないよう、みんな明るいキャラクタにしようとは初めから決めていました。

 青春ラブコメは、痛みを伴うものよりも、とにかく明るく楽しいものが好きなのです。

――特にお気に入りのシーンはどこですか?

 これはありすぎて困るくらいなのですが……しいて一つ挙げるとするなら、やはり三章の水鉄砲サバゲでしょうか。

 元々プロットの段階では、このシーンは書く予定がなかったのですが、直前くらいに突然、水遊びがしたい、と思い立って衝動的に書いた、という事情があります。

 きっと裏でシリアスなミステリィを書きすぎて、煩悩が溜まっていたのだと思います。

 水遊びっていくつになってもワクワクしますよね。

――今後の予定について簡単に教えてください。

 一応、二巻目の原稿はもうあるので、編集部からのゴーサインが出次第、次の作業に進める予定です。

 次回は、移動教室で真夏の大自然に囲まれながらキャッキャウフフするお話です。お楽しみに!

 あと他社では、年内にもう一作くらいミステリィが出るかな、という感じです。

――小説を書く時に、特にこだわっているところは?

 僕が徹底しているのは、エンタテインメントであることです。

 僕には他の先生方のようなすごい才能がないので、芸術的な作品は作れません。

 また読者に訴えたいような主義、主張、テーマもありません。

 だから、少しでも楽しんでもらいたい、ということだけを祈りながら執筆を続けています。

 気軽に読んでいただければ幸いです。

――アイデアを出したり、集中力を高めたりするためにやっていることは?

 休日の午前中、お気に入りのIDEEのソファに寝転んで、お気に入りのソニーのノイキャンヘッドホンで川のせせらぎなどの自然音を聞き、左手で無限にコインロールをしながらボーッとしているときが一番アイデアを閃きます。

 ただ端から見るとかなりヤバい人だなとは思います(笑)

――学生時代に影響を受けた人物・作品は?

 電撃文庫なら、久住四季先生の『トリックスターズ』シリーズですね。

 あと、上遠野浩平先生の『ブギーポップ』シリーズや、うえお久光先生の『悪魔のミカタ』シリーズにも多大な影響を受けています。

――今現在注目している作家・作品は?

 第23回電撃小説大賞受賞者の先生方全員を勝手に神のように崇拝しています。

 先方はあずかり知らぬところかと存じますが、僕、実は第23回の拾い上げなので……(笑)

――その他に今熱中しているものはありますか?

 最近ハマっているのは料理ですね。学生の頃はちょいちょいやっていたのですが、社会人になったらもう忙しさにかまけて全然やらず、外食やコンビニに頼りきりだったのですが……。

 三十路も過ぎてこのままではいけない、と言い知れぬ不安に煽られるようにまた料理を始めてみたら、意外と楽しくてハマってしまいました。

 美味しいものが自宅でも簡単に作れる、ということを知ることができたのは良い知見でした。インターネットの影響も大きいと思います。

 ただ最近ではついに調理器具にもこだわり始めて、バカ高い包丁とか謎の香辛料とか買い始めたので、そろそろ何らかの対策をとらないといけないかもしれません。

――最近熱中しているゲームはありますか?

 これは『モンスターハンターライズ』ですね。

 僕は、学生時代に『2ndG』が大流行した世代の人間で、当時は本当に寝食を忘れるほどやり込んだのですが、その後社会人になってゲームをやる時間がどんどん少なくなってしまったため、自然に『モンスターハンター』シリーズとは疎遠になっていきました。

 そんななか本作が発売となり、たまたま少し時間が空いていたために、暇つぶしくらいの軽い気持ちで始めたら――気がつくとプレイ時間が200時間を超えていて驚きました(笑)

 いやマジで今作、拠点の里の居心地が良すぎると思うんですよ。幼馴染の双子に、慕ってくれる可愛い団子屋、期待してくれる里長に、やたら暑苦しい教官――ありていに言うと最高です。

――それでは最後に、電撃オンライン読者へメッセージをお願いします。

 どうも皆様、初めまして、紺野天龍と申します。

 最新作『無自覚チートの箱入りお嬢様、青春ラブコメで全力の忖度をされる』は、タイトルどおりの、明るく楽しい学園ラブコメです。

 楽な気持ちで、お気軽に手に取っていただけると嬉しいです。

 日々の勉強や仕事で疲れた心に、少しでも安らぎと笑いをご提供できたら、この上ない幸せでございます。

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