『はじめての『超』恋愛工学』ゆうびなぎ先生にインタビュー。プロローグの構成にこだわった理由は?

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 電撃文庫で活躍する作家陣のメールインタビューをお届けする“Spot the 電撃文庫”。今回は、『はじめての『超』恋愛工学 Lesson1.女子大生に師事した僕が彼女の妹(※地雷系)を攻略してみた』を執筆したゆうびなぎ先生のインタビューを掲載します。

  • ▲本作の表紙イラスト(イラスト:林けゐ先生)

 本作は、何の取り柄もない高校生“那央”が、バイト先の地雷系女子“藍夏”の姉“櫻子”から、心理学に基づいた“恋愛工学”を学んで藍夏を攻略することになるラブコメディです。

 電撃文庫初登場のゆうびなぎ先生に、本作の楽しみ方や苦労話のほか、失恋話(!?)などを赤裸々に語っていただきました!

――この作品を書いたキッカケを教えてください。

 企画立てたのは僕が大学三年の時でした。所属してたサークルの後輩に、恋愛系のウェブメディアの運営に携わっているヤツがいるんですね。今はかなりの規模で展開するメディアになっていて、普通にすごいんですよ。――で、彼から色々と恋愛やメディア運営に関する話を聞いているうちに、ラノベの文脈にこれを取り込むこともできるじゃないかと思って、執筆した感じですね。

――作品の特徴やセールスポイントを教えてください。

 遠回りせず「モテる」に特化してノウハウを学べつつ、ラブコメのライトノベルとして楽しめるところです。

 もちろんこれが唯一解ではないですし、どんな場合でも当てはまる方法論ではないですが、恋愛について考える手立てには確実になると思います。

――作品を書くうえで悩んだところは?

 悩んだこと……出版されたあとの評判ばかり考えてます(笑) ラブコメでありながらもテーマが少しピーキーなので、読者からの反応が全く読めないんです。これまでの作品はある程度「こんな感想が来るかな」と予想して、その通りであることも往々にしてあったのですが、今回は本当にわかりません! 楽しんでもらえるといいな!

――執筆にかかった期間はどれくらいですか?

 期間は正直わからないです! ただ当初の刊行予定からでいうと、一年近く遅れてしまいましたね……。遅れた理由はシンプルに僕が改稿を放置して担当編集にも連絡をしないという期間が数ヶ月あったのが原因です。途中に就活期間が挟まってしまって、そこから気持ちの切り替えがうまくいかず立ち直るのに時間がかかってしまいました。見捨てられなかったのは優しさだと思っているので、今後恩返しというか罪滅ぼしをしていければと……!

――執筆中のエピソードはありますか?

 失恋しました! いや、モテるためのテクニックについての本を書いておいてそれはないだろって話ですが、クリスマスの頃に告白したものの結局フラれました。でも思い返すと、当時は「非モテコミット」の状態に陥ってアプローチをかけてしまっていたなぁ……と。それが原因かもしれないです。「非モテコミット」とは何たるかは作中でしっかり書かれているので、ぜひ読んでください!(笑)

――本作の主人公やヒロインについて、生まれた経緯や思うところをお聞かせください。

 表紙の子――藍夏は、全身黒コーデで統一された「地雷系」の女の子です。プロットの段階だとそんな設定はなかったのですが、執筆していた時期にちょうど「地雷系メイク」なんてものがトレンドになった時期でもあり、後から追加していった形です。彼女がなぜ「黒」にこだわるのかというのはぜひ読んでいただければと思うのですが、これはアイドルグループZOCの元メンバー・香椎かてぃさんの本『新あいどる聖書』から着想を得ました。

――特にお気に入りのシーンはどこですか?

 プロローグです。やはり冒頭が面白くないと読者の期待値が下がってしまうので、一番力を入れて書きました。プロローグはあえて時系列をいじって1章と2章の間にあたるシーンにしているのですが、「この小説は何をする話なのか」「その際のトリガーになるのは何なのか」を興味深く提示したつもりです。読者がどこに軸を置いて読めばいいのかが理解しやすい構成を心がけました。

――今後の予定について簡単に教えてください。

 二つほど書きたいテーマのものがあるので、担当編集に企画を出そうと思います。

――小説を書く時に、特にこだわっているところは?

 執筆環境の話でいうと、「こだわらないこと」をこだわっています。パソコンではなく、寝転がりながらスマホで書いたりとか。こだわりがあると、何かの理由でその環境を用意できなくなった時にうまくいかなくなるので、あえてプロフェッショナルな設備投資はしません。

――アイデアを出したり、集中力を高めたりするためにやっていることは?

 強いて言うようなルーティンみたいなものはないですね〜。ただ、適度に忙しく小説以外のことに追われている時のほうが「これ小説に生かせるのでは?」と思いつくことは多いので、その意味では執筆に囚われすぎないでいることでしょうか。

――学生時代に影響を受けた人物・作品は?

 名著ですが、山田詠美さんの『ぼくは勉強ができない』はこういう質問でよく答える作品です。初めて読んだのは大学2年の時でしたが、高校生の時に出会えてたら自分の人生も少し違っていたかもなと思わされましたね。

――今現在注目している作家・作品は?

 期待していることになってしまいますが、僕の読者の子(高校生とか大学生が多い印象!)がいずれ作家デビューする日が待ち遠しいです。ツイッターとかでよく反応してくれる子がネットにアップしているものをこっそり読むことがあるんですが、僕なんかよりも遥かにすごいものを書いているんですよ。いつか素晴らしい小説を世に送り出してくれるに違いない!

――その他に今熱中しているものはありますか?

 し、仕事……………………。

――最近熱中しているゲームはありますか?

 スマホゲームの『なめこ栽培キット』です。この間、シリーズの最新作が出たんですよ。初代と二代目のアプリをリメイクしたやつで、懐かしさに浸りながら電車の中とかで遊んでます。

――それでは最後に、電撃オンライン読者へメッセージをお願いします。

 読者のみなさんに彼女を作らせるべく電撃に招かれたゆうびなぎと申します。本作がリアル恋愛ゲームの攻略本になればと思っていますので、よろしくお願いします!

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