話題の新作『GUNDAM EVOLUTION』CBTレポート。コアゲーマーも『ガンダム』ファンも楽しめるクオリティと戦略性
- 文
- セスタス原川
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バンダイナムコオンラインが開発中の新作FPS『GUNDAM EVOLUTION(ガンダムエボリューション)』。本作のクローズドベータテストをレポートします。
本作は、人気アニメ『ガンダム』シリーズに登場するモビルスーツを用いて戦う6対6のオンラインFPSタイトル。スピーディーで没入感のある操作体験を実現したゲームを、基本プレイ無料で楽しめます。特徴あるさまざまなモビルスーツを乗り換えながら、チームで協力し勝利を目指します。
8月8、9日に行われたクローズドベータテストに参加した際のプレイレポートを、FPS好きであり、『ガンダム』好きのライター・セスタス原川がお届けします。
なお、画像や内容はすべて開発中のもの。
6vs6の戦いは味方との連携がカギ
対戦では、6体のモビルスーツで編成されたチーム同士が、試合ごとに異なる勝利条件を達成するために戦闘を行います。
現状のルールは3種類あります。攻撃側がどれだけ拠点を制圧できるか、防御側がどれだけ侵入を防げるかを競う“ポイントキャプチャー”。
攻守の分類がなく、お互いに拠点の制圧率を競う“ドミネーション”。
攻撃側が制限時間内に破壊兵器の起動を狙い、防御側はそれの阻止を行う“デストラクション”。
クローズドベータテストの対戦では、この3種類のルールがランダムに決定され、目標の達成率によって勝敗を決定します。詳細なルールはそれぞれ異なりますが、共通して意識したいポイントは“敵を中破(大破)させて人数差を作り、自分たちが拠点を支配する”ことです。
どれだけ敵を撃破したとしても、最終目標である拠点制圧や破壊兵器の起動をしなくては勝利することはできません。あくまで狙うのは勝利条件の達成であり、そのために敵を減らして戦況を有利にする。これが本作の基礎的な流れとなっていました。
ちなみにHPが0になると“中破”となり行動不能に。そのまま時間経過か追撃をされると“大破”となり、リスポーン地点まで戻されてしまいます。中破している味方をリカバリーするとその場で復活するので、安全を確認できたら積極的にリカバリーをしてあげましょう。
人数差で有利不利を付けられてしまわないため、基本的には味方同士は固まって動くことになります。逆に、1人だけ敵陣に突撃したり、味方がいない状況で好戦的に動いたりしてしまうと、撃破させられて人数不利の状況が続いてしまい、それが原因で敗北してしまうこともあります。
実際にプレイしている最中に起きた悪い流れが、味方と攻め込むタイミングが合わずに、各々が復帰してすぐに突撃して、また復帰して……を繰り返した結果、まったく連係ができない状態が続くという展開です。
チーム制のFPSに慣れていない、本作で初めて触れるという方は、まずは“味方と足並みを揃える”ことを意識してみましょう。もし味方がすぐに戦線に行ってしまう場合は、あえて自分がワンテンポ遅らせてタイミングを合わせることも大切だと感じます。
射撃のリコイル(反動)はそこまで激しくなく、現状ではそもそもフルオート(連射)の射撃を持つキャラクターが少ないこともあり、求められるリコイル制御の技術は低めな印象です。一方で、敵が素早く動き続けるので、動きをとらえるためのトラッキングエイム(追跡しつつ狙う)の技術はある程度必要だと感じました。
ダメージを受けない状態が続けば、自動でHPが回復する仕組みになっている他、各所には回復ポイントが用意されています。「まずい!」と感じたら、一度安全なところまで離脱してから、これらの回復手段を利用することで、撃破されるよりも早く戦線復帰をすることが可能。仲間にかける負担を最小限で済ませられます。
ある程度ですが対戦をこなした感想としては、ただ撃ち合うイーブンの状況では、迫る敵を純粋に倒していれば問題のない防衛側がやや有利という印象。しかし、攻撃側が押し引きのタイミングをしっかりと見極めて、回復を活用して攻め立てれば、一瞬で防衛側の布陣を崩すことが可能です。
連係を求められるという面では、攻撃側の方がやや高度なプレイが要求されると感じましたが、さまざまな要素を考慮すると攻守のバランスは取れている印象です。
『ガンダム』のゲームタイトルという印象が強い本作ですが、ゲーム性はコアゲーマーが求めている戦略性の高い、“6vs6”タイプのFPSになっていました。普段からFPSをプレイしている方も満足できるゲームシステムとクオリティではないでしょうか。
今回のクローズドベータテストでは、筆者を含めてソロで参加している6人がチームを組むケースが多かったように感じます。正式リリースでは、友人とパーティーを組んで出撃することもできると思うので、より綿密な連係で戦略的に戦うことができるでしょう。
ブーストダッシュ/ステップを使った高速戦闘
キャラクターは通常の移動に加えて、ゲージを消費してブーストステップ、ブーストステップという2つの移動が行えます。
ブーストダッシュは全機体共通の移動量で、速度で歩くよりも早く動ける行動です。拠点に向かって移動する際など、移動のほとんどはブーストダッシュを使うことになります。
ブーストステップは、瞬間的に短い距離を素早く動く移動方法で、ブーストダッシュよりも素早く動いて被弾を抑えられます。主に、敵が多い場所に攻め込む場合や、被弾して緊急離脱をする場合に使用。なお、モビルスーツごとに使用できる回数が異なります。
このブーストダッシュ、ブーストステップの高いアクション性能により、攻撃している側はスムーズに攻め込みやすい、防衛側は危なくなったら瞬時に離脱して立て直しやすいのです。攻めて、引いて、また攻めて、撃破されたらすぐに戦線に戻って……というように、スピード感のある撃ち合いが楽しさのポイントであり、大きな特徴になっています。
うまく撃破されない立ち回りができれば、二桁以上の連続撃破を狙うことも夢ではありません。まずは倒されないことを意識しましょう。
モビルスーツ(機体)の射撃戦と聞いて、ガシャンガシャンとゆっくり動く重い様子を想像する方もいるかもしれませんが、本作の動きはそれとはまったくの別物。スピード感のあるFPSが好きな方はもちろん、爽快感のあるアクションゲーム好きの方もハマれるゲームという印象です。
機体ごとに異なるステップ回数
モビルスーツの機動力の高さは、ブーストステップの使用可能回数で変化します。
例えば、ガンダム・バルバトスは3回のブーストステップが行えるので、ブーストゲージさえあればステップ連打で瞬時に安全な場所まで離脱できます。一方、ジム・スナイパーIIは1回しかブーストステップが行えません。そのため、すぐに敵から距離を離す行動が困難です。
使うモビルスーツを選んだ後は、その機体のブーストステップ回数を把握しておき、どの距離で戦うべきか立ち回りを意識しておきましょう。
また、残りブーストゲージの管理も戦闘中に大切な要素の1つ。敵陣にブーストステップを使い切った状態で突撃してしまった場合、いざという際の離脱が困難になります。撃ち合いの前にはブーストゲージを少し残しておき、中破しないように逃げることをできるだけ心がけたいです。
快適なのでつねにブーストダッシュをしていたくなりますが、敵の近くではブーストを温存しておけば、生存率を大きく高めることができます。
モビルスーツの特徴を生かしてチームに貢献
仲間との連係を取るためには、自分の機体がどんな役割なのかを理解しておくことが重要。チーム内で同一の機体は使えないので、その機体の役目を果たせるのは自分のみ。どんな特徴を持っていて、どんな動きをすればいいのかは、実際に対戦をする前に知識として頭に入れておきたい要素です。
例えば、サザビーは体力が多く、高耐久のシールドを持っています。主な役割は、その体力とシールドを使って味方の壁となり、味方の進軍の手助けをしてあげることです。逆に、メタスは味方の回復やリカバリーに特化した武装を持っており、サポートに特化したモビルスーツ。基本的には味方の一歩後ろでサポートに徹することで真価を発揮します。
このように、各モビルスーツには、どの立ち位置にいるべきか? どう戦うべきか? という役割がおおむね設定されています。その役割を果たしたうえで、チームに貢献しつつ、有利状況を作り出して勝利条件の目的を達成できるか。これが本作にてプレイヤーの腕の見せどころになります。
そして、各モビルスーツは“Gマニューバ“と呼ばれる必殺技を持っています。攻撃のヒットや撃破達成でゲージが溜まっていき、100%になると発動可能。どれも戦況をひっくり返す強力な性能です。
今回のクローズドベータテストで使用できたモビルスーツは、ペイルライダー、ガンダム、ザクII(射撃装備)、ガンダム・バルバトス、サザビー、メタス、ジム・スナイパーII、アッシマー、ドムトルーパー、∀ガンダム、ガンタンク、ジムの12機体。
筆者はすべての機体を使いましたが、今回はその中でも使っていておもしろいと感じたモビルスーツをピックアップして紹介します。
ガンダム・バルバトス
武装が近距離専用のみで、近接攻撃に特化したガンダム・バルバトス。ブーストステップが3回と多いうえに、高く飛び上がる“ブーストジャンプ”を武装として持っており、12機体の中で一番スピード感のある動きを楽しめます。
立ち回りは、敵に近づいてヘイトを集めて、チャンスがあれば高火力のメイスで撃破を狙っていく闇討ちが中心です。敵から狙われた場合は、ブーストジャンプやブーストステップを駆使して離脱しましょう。攻めが強い機体なので、主に攻撃側の際に選びたいです。
近くにガンダム・バルバトスがいるだけで敵の注意が集まるので、その隙に味方が進軍しやすいです。
ヘイト管理に撃破など、試合中に1人でやれる行動の幅が広いので、この機体を使った戦略性は無限大。うまく敵を翻弄できた際の爽快感は抜群です。射撃攻撃がないので、慣れるまでは敵を倒すことは難しいですが、練習し甲斐のある機体と言えます。
Gマニューバは超高火力の斬撃を3回行います。密集しているところを狙えば、この技だけでチーム全撃破を狙うこともできるかも!?
アッシマー
変形機能を持つアッシマーは、攻撃しては離脱するを繰り返すことで、粘り強い戦いができる機体。変形中は立体的に動くので相手は射撃を当てづらく、危なくなった際の離脱にも重宝します。
それだけでなく、手早く高所を取って相手を撃ち降ろせる有利なポジションで戦ったり、ショートカットで移動したり、空中から急降下して奇襲したりと、地上を移動する機体とはまったく別の動きが楽しめるのです。
武装の“ナパーム弾”は、一定範囲を攻撃し続ける炎を展開するので、拠点を奪い合っている最中に使うことで相手を追い払える優秀な攻撃です。
Gマニューバの“パンチ”は、正面の一定範囲の敵をノックバック&スタンさせる強力な技。ナパーム弾も同様ですが、敵を退ける効果が拠点を奪い合う対戦のルールと噛み合っています。
ドムトルーパー
ドムトルーパーは、防衛側で活躍できる守備型の機体です。特徴的な武装である“感知式吸着地雷”は、3個まで好きな位置に地雷を配置できるトラップ武装です。
本作のマップは、拠点に向かうルートとしていくつかの選択肢がありますが、中には「ここは必ず通らなければならない」という道も存在します。
そういった場所は攻防が発生しやすいため、そこにトラップを設置すると、攻め込む側はそのトラップを破壊する手間が増えて、攻め込む難易度が一気に上昇します。設置したトラップが、自分が見ていない場所で起動して撃破ログが流れた際の“してやった感”は、一度味わえば癖になってしまうこと間違いなしです。
武装全体で見ても、味方のHPを追加するアーマーガンや、状況によって使い分けられる2種類の射撃など、ポジションをキープすることが大切な防衛に欲しい武装が揃っています。
Gマニューバは、前面に射撃バリアを展開しながら高速で突進攻撃をしかけるというド派手かつ強力な技。エフェクトを出しながら高速で相手に突撃する様子は、まさに“1人版ジェットストリームアタック”です。
上記の他にも、敵陣を荒らすだけ荒らして無敵になる武装で安全に帰還するザクII(射撃装備)や、遠方から相手を撃ち抜けるジム・スナイパーIIなど、12機体すべてにユニークな性能が備えられています。
どのモビルスーツも使っても異なる立ち回り、攻撃方法があり、新しい機体を使うたびに、別のゲームを遊んでいるかのような新鮮な感覚を味わえました。
操作はキーボード&マウスとゲームパッドどちらにも対応
操作についてはキーボードとマウスを使ったもので、WASDキーで移動、マウスでエイム方向の指定など、基本的なPCゲームにのっとった操作になっています。これまでにPCでのFPSタイトルに触れてきた方であれば、違和感なく操作できるはずです。
加えて、本作はゲームパッドを使った操作にも対応しているので、パッドでゲームをしている方でもスムーズにプレイすることが可能です。
細かいキー設定はメニュー画面でカスタイマイズ可能。さらに、モビルスーツごとに異なるカスタマイズを保存して使用できます。機体によって大きく武装が異なる本作では、この詳細カスタマイズは非常に嬉しい機能です。
キーボードマウス、PADの両方の操作を試してみましたが、PADでは目まぐるしく動き回る敵を照準に捉えたり、武装を多く持つ機体では多くのボタン設定が必要になったりと、やや難易度が高いと感じる場面もありました。PCゲームであることの相性なども考慮すると、個人的にはキーボードマウスを使ったプレイを推奨します。
FPSタイトルとしても『ガンダム』ゲームとしても注目作!
FPSにおいて王道ジャンルである多人数チーム戦の新作が『ガンダム』を題材にしたタイトルとして登場するということで、発表時点から注目を集めている本作。映像を見た段階で、すでにクオリティの高さを感じていましたが、実際にプレイするとその完成度の高さに驚かされました。正直、「現状のままベータ版としてリリースしても問題ないのでは?」と感じるほどでした。
『ガンダム』のファン目線では、メタスやアッシマーなど、モビルスーツ好きの心をくすぐるような絶妙な機体チョイスがうれしいところ。このラインナップを見ると、今後どのような機体を出してくるのか、先が読めないのでワクワクしますね。『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』からガンダム・バルバトスが参戦しているので、宇宙世紀以外を舞台にした他作品からの参戦にも期待したいです。
ザクIIがガンダムやササビーを倒したり、アッシマーが縦横無尽に飛び回ったりと、量産機が大活躍します。
モビルスーツを知らなくともクオリティの高いFPSとして純粋に楽しむことができるので『ガンダム』シリーズファンではない方にもオススメしたい本作。筆者が『ガンダム』に初めて触れたのはゲームがきっかけなので、同じように『ガンエボ』からシリーズ作品に触れてみるというのもアリだと思います。
2022年に配信予定ということで、これからさらにブラッシュアップされると考えると、期待がさらに膨らみます。
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