『NGS』ナビゲーターのヒロ・アライに迫るインタビュー後編。戦闘力やクラスの方針、今後のアプデを質問

電撃オンライン
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 セガがサービス中のオンラインRPG『PSO2 ニュージェネシス』。そのインタビューの後編を掲載します。

 本作は、『ファンタシースターオンライン2』のゲームシステムやグラフィックエンジンなどを一新した、『PSO』シリーズ最新作。“究極を超えるキャラクタークリエイト”で作った自分だけのキャラクターを主人公に、未知の敵と戦う“アークス”の一員となって惑星ハルファを冒険します。

 注目作『NGS』のサービスインから約2カ月が経過。『NGS』公式ナビゲーターのヒロ・アライさんにオンラインインタビューで、アップデートの内容、運営方針などを直撃。その内容を2回にわけて掲載します。


 なお、インタビューの前半の記事はコチラ

時間に縛られない遊びを目指す

ーーここからは細かな仕様などを中心にお聞きします。戦闘力という新たな指標が導入されましたが、実装された理由を教えてください。

 『PSO2』ではエキスパートというシステムがありましたが、拡張で実装されたため問題も多く、その反省を踏まえたものが戦闘力です。

ーー最初のプレイでは、緊急クエストの参加条件を満たすのが大変な印象でしたが、これは意図したものだったのでしょうか?

 『PSO2』の緊急クエストは誰もが参加できて、レベリングや装備集めができるような構造でしたが、『NGS』では別の方向性で考えています。緊急クエストに参加するという目標を通して、強くなるための方法を学んでほしいという意図で設定されたそうです。

 私も少し大変だと感じたので、“Rappy.commu”で戦闘力の上げ方という一連のツイートを出させてもらいました。

ーー2クラス目からは装備の使いまわしができるようになって、低レベルでも参加条件を満たせますが、これも意図していたのでしょうか?

 そうですね。1クラス目はストーリーのタスク報酬などでレベルが上がりやすくなっていますが、2クラス目以降はレベリングしづらいという部分でバランスをとっているそうです。

ーー予告緊急クエストが廃止されましたが、これはどういった理由があったのでしょうか?

 予定に縛られるというところを変えたかったというのが理由のひとつです。また、サービス初期の『PSO2』は、シップごとに緊急クエストがランダムで発生していたため、予告緊急クエストはその不公平感をなくすための施策でした。

 そういった理由で常態化していったのですが、『NGS』では全シップ同時に同じ緊急クエストが発生するので廃止となりました。

ーー現状、緊急クエストでしか入手できない装備はありませんが、これも意図して設定されているのでしょうか?

 はい。報酬でも緊急クエストに縛られないように、ほとんどのアイテムが常設のコンテンツで入手できるようにしました。ユーザーが好きな時間にログインして、自由に遊んでいただく、というところを目指しています。

ーー今後も緊急クエスト限定の武器などは実装されないのですか?

 特別なユニーク武器を出すことはあると思います。また、一時的に緊急クエストで手に入る装備が最強という状況は生まれるかもしれません。ですが、イベントや常設コンテンツで同等の強さの装備が手に入れられる機会を作る方針です。

ーー緊急クエストはエンドコンテンツではないということですか。

 基本的には探索セクションと戦闘セクションの二軸の遊びがあって、緊急クエストはアクセントとして用意しています。今後は、コクーンのような閉じた空間を利用したコンテンツも増やしていきたいとのことで、ロードマップにある“トリガークエスト配信”がそれに相当するものです。

ーーギガンティクスを探索セクションに実装した理由を教えてください。

 ギガンティクスは探索中に出会う強敵という位置付けです。最大32人で戦うという『PSO2』にはなかった新しいタイプの遊びを提供したいと考えて、探索セクションに実装されました。

ーーいわゆる“雷雨待ち”は想定内の遊び方ですか?

 そういう人もいるだろうとは考えていましたが、各々が自由に遊んでいて、雷雨が発生したらギガンティクスを探して移動するという遊び方を目標にしていたので、これは設計ミスでした。修正後は、ユーザーのプレイスタイルに少しずつ変化がでてきているようです。

ーー緩和策でギガンティクスが撤退しなくなったことがその理由として大きいのでしょうか?

 そうですね。ただ、あれは緩和策ではなく、雷雨待ちを解消するのが目的でした。時間内に倒せないかもしれないということが、雷雨待ちになる原因のひとつだと開発チームで判断した結果になります。。

リアリティよりも爽快感を追求

ーー『NGS』では、かなり快適な移動ができるようになりました。そこに至るまでの変遷や苦労などがあれば教えてください。

 『PSO2』ではフォトンアーツを使って移動することが最高速になるなど、アクションが難しかった印象があると思います。『NGS』は、誰にでも楽しんでいただけるシンプルな操作を目指して開発されました。

 ゲームスピードに関しては、フォトンダッシュが最速の移動方法になるように調整を行っています。開発途中のバージョンでは、全体的にもっと早いゲームでしたが、難易度が高かったので現在のスピードになりました。

ーーどういったところが難しかったのでしょうか?

 バトル全般ですね。私も開発中のバージョンをプレイしましたが、たしかに、他のゲームに比べてもかなり早い印象でした。『PSO2』のラスターに慣れたユーザーなら問題なかったかもしれませんが、新規ユーザーには難しいということで見直されました。

ーーウォールキックが導入された理由を聞かせてください。

 アクションゲームなどによくある戦闘中に足場から落ちた時などに、崖や手すりにつかまる“ぶら下がり”アクションを『NGS』風に落とし込んだものがウォールキックです。動きのリアリティよりも、気持ちよく操作できることを重視しました。

ーー現在は7つのクラスが実装されていますが、『PSO2』の既存クラスを採用した理由はあるのでしょうか?

 EPISODE5の反省がありまして、ユーザーが思い入れのあるクラスをブラッシュアップして、新しい基準で楽しんでもらいたかったということです。

ーークラスを実装するにあたって特に意識した部分はどこですか?

 ブラッシュアップの過程で、後継クラスの好評だった部分をフィードバックするというところはかなり意識したところです。

 その一方で、『PSO2』の基本クラスで多くのユーザーが使っていたフォトンアーツをスキルに落とし込むなど、以前と同じように楽しんでもらえる部分も残すようにしました。

ーーフォトンアーツやテクニックの数が『PSO2』のサービスイン直後と比較しても少なくなっていますが、その理由を教えてください。

 『PSO2』では通常攻撃が、実質ただのPP回復の手段になってしまっていたり、あまり有効ではないフォトンアーツもありました。また、パレットに入りきらないということもあって、意図的に数を絞りました。

 開発チームでは、スキル習得で開放されるアクション、追加入力などで変化するアクション、それに加えてマルチウェポンによる別の武器のアクションがあるため、選択肢としては減ってないと考えています。

ーー特殊能力追加が簡略化されましたが、ここを大きく変化させた理由は?

 『PSO2』の特殊能力追加は複雑で、ユーザーが装備強化を躊躇することがあったので、シンプルでわかりやすさを重視した今の形になりました。

ーーユーザーからの反響はいかがですか?

 やはりわかりやすくなったという意見が多く見られます。

ーーフィールドでここに注目してほしい場所や時間帯などがあったら教えてください。

 エアリオタウンとレゾルの森ですね。エアリオタウンはユーザーが一番初めに行く場所なので、かなり気合を入れて作っています。例えば、スプリンクラーの水で遊んでいる女の子たちの姿などにも注目してほしいとのことです。

 レゾルの森は昼間は普通の森に見えるんですけど、夜はサイバーな雰囲気になるという特徴があります。『NGS』の開発初期から作っていたフィールドで、開発チームも思い入れが強いそうです。

ーーエアリオタウンはストーリーを進めると訪れることができなくなってしまいますよね。

 そうですね。初めてプレイした時はゲームを進めることに注力しがちだと思うので、別のキャラクターで新たにプレイを始める時にゆっくり見てください。

直近のアップデートについて聞く

ーーブレイバーが実装されましたが、ユーザーの反応はいかがですか?

 新しいクラスということもありますが、多くのユーザーさんにプレイいただいている状況です。

 楽しい、カッコ良いというご意見を多くいただいておりますが、攻撃の範囲面や取り回しやすさについてのご意見もいただいておりますので、現在開発チーム内で調整対応を検討しております。

ーーまもなく(※)“資源採掘リグ防衛戦:エアリオ”が実装されますが、難度なども含めてどのようなクエストなのかを教えてください(※インタビュー時は実装前)。

 私も事前にプレイしましたが、初回はリグを1つ残してクリアできるかどうかという難度に設計されています。ただ、最後までリグを守ることができなくても報酬は手に入ります。

 クエストリザルトは名誉というか、トロフィーのような位置付けなのでカジュアルに遊んでいただければいいのかなと思っています。

ーー報酬はどのようなものが用意されていますか?

 新しいシリーズ武器の“エヴォルコート”シリーズがドロップします。潜在能力は、フォトンブラストが撃ちやすくなるようなものになっているとのことです。


ーー『PSO2』の採掘基地防衛戦とよく似た印象ですが、あえてそういう作りにしたのでしょうか?

 『PSO2』の“採掘基地防衛戦:襲来”が一番オーソドックスな形ですので、新規ユーザーでもわかりやすいように意図して近い形にしました。

ーー実装直後に“採掘リグ防衛戦:エアリオ”が発生しやすくなる調整はありますか?

 はい、一時的に他の2つの緊急クエストよりも発生しやすくなります。

ーー装備強化に多額のメセタが必要ですが、これに関して緩和はありますか?

 8月4日のアップデートでウィークリータスクの報酬で手に入るメセタが調整されました。メセタが足りないという人は、ウィークリータスクを重点的にプレイしていただければと思います。

ーー9周年イベントで“グリッセン”シリーズが登場しましたが、『NGS』では属性付き武器はどういった扱いになるのでしょうか?

 今後もイベントなどで入手する機会を作る予定です。イベント期間中は有利に戦える武器という位置付けですので、属性付き武器が必須になるようなものではありません。

今後のコラボについては!?

ーー“ずとまよ”コラボがありましたが、アニメやゲームとのコラボも考えていますか?

 コラボはやりたいとは考えていますが、まずは『NGS』の世界観やゲーム内容を浸透させるのが第一ですので、すぐに『PSO2』のようなペースでやっていくということはありません。

ーー『NGS』ではオフラインイベントのようなものを考えていますか?

 来年は『PSO2』10周年ですので何かしら企画したいのですが、社会情勢的にも日々変わっていて、正直今後どうなっていくかの予測が難しいです。

 そのような状況もありイベントについてもどのような形式がいいのか、いろいろと検討していると言う状況で、まだ現状では決まっていることはありません。

 本当は今までのように、ユーザーのみなさんとリアルに触れ合っていきたいところなんですが……。

ーー最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。

 いつも『NGS』を楽しんでいただいてありがとうございます。今回のインタビューでは、開発チームから事前にヒアリングしてきた内容をメインにお話させていただきました。

 「へー」と思う内容や気合を入れて作った話など、ここだけの情報となりますので、ぜひ楽しんでもらえたらうれしいなと思います。8月には新クラス・ブレイバーや新緊急クエストが配信されましたが、開発、運営、そしてナビゲーターである私含め、これからもアークスの皆さんにより『NGS』を楽しんでいただけるように努めてまいりますので、今後も応援をよろしくお願いします。

ーーありがとうございました。

(C)SEGA

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ファンタシースターオンライン2 ニュージェネシス

  • メーカー: セガ
  • 対応機種: PS4/Switch/PC
  • ジャンル: RPG
  • 配信日: 2021年6月9日
  • 料金: 基本無料/アイテム課金

ファンタシースターオンライン2 ニュージェネシス スターターパッケージ

  • メーカー: セガ
  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: RPG
  • 発売日: 2021年8月19日
  • 希望小売価格: 4,990円+税

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  • 対応機種: Switch
  • ジャンル: RPG
  • 発売日: 2021年8月19日
  • 希望小売価格: 4,490円+税

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  • 発売日: 2021年8月19日
  • 希望小売価格: 5,490円+税

ファンタシースターオンライン2 ニュージェネシス スターターパッケージ リミテッドエディション

  • メーカー: セガ
  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: RPG
  • 発売日: 2021年8月19日
  • 希望小売価格: 5,990円+税

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