街作りは諸行無常…。『島の民』はSLGが苦手な人こそ遊ぶべき良ゲー!【電撃インディー#70】

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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回はCoatsink SoftwareとGrizzlyGamesが贈る、PS4/Nintendo Switch/Xbox One用シミュレーションゲーム『島の民: コンソール版』をレビューしていきます。

 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

シンプルかつ直感的に街作りが楽しめる!

 本作は、大小さまざまな島での都市作りを楽しめるミニマリスト都市開発ストラテジー。

 バリエーション豊かな島を舞台に、住宅や畑、工場などの施設を設置して都市を作っていきます。

 操作性は非常にシンプルで、チュートリアルいらず。誰でも簡単に街作りが楽しめます。

 本作は、一般的な都市開発系のシミュレーションゲームのようにじっくりと時間をかけて立派な都市を作っていく……というゲームではありません。

 ランダムで形成される島に配置した施設は、次の島へ移動すると消えてしまうので、まさに諸行無常。

 美しい街を緻密に作り込むというよりも、いかに施設を効率よく設置して、高スコアを稼ぐかが重要になります。

 施設を配置してスコアを稼ぎ、一定スコアがたまったら次の島へ。そうして、どんどんスコアを稼いでいきます。

 配置がうまくいかず規定のポイントまで稼げなかったらゲームオーバー! そこまでの最終スコアをいかに稼ぐかを突き詰めていくのが、本作の主な目的です。

 慣れないうちは1回のプレイ時間も短めで、1プレイ10~15分ほどで終わるかと思います。慣れてくると、どんどん長時間のプレイが可能に!

 感覚的には、シミュレーションゲームよりもパズルゲームに近いゲーム性ですね。直感的かつ、短時間で手軽に街作りが楽しめるので、サクッとプレイしたいときにピッタリです。

 ちなみに時間制限はないので、施設の配置場所はじっくりと考えることができます。角度調整や視点変更なども快適で、ストレスフリー!

効率的な施設配置のコツをつかむとハマる!

 製材所と木こり小屋、醸造場とホップ(ビールの原材料)畑というように、施設にはそれぞれ相性があり、相性のいい施設を近くに設置するとよりスコアを稼げます。

 一定スコアを稼ぐごとにランダムに2パターンのパックが配られるので、どちらか片方を選びます。

 パックのパターンには市街パックや農業パック、林業パックや酒醸造パックなどといった種類が存在。パックを選ぶと、そのパックに対応した施設を複数入手可能です。

 限られた施設をいかに配置してスコアを稼ぐか、慣れないうちはおおざっぱに置いても大丈夫ですが、高スコアを狙う場合は少々コツが必要。

 基本的には、いかに似た種類の施設を効率よく1つの場所に詰め込むかが重要に! あらかじめ優先して確保すべきパックを決めておくと、スムーズに施設を集中して配置できます。

 島の形や広さを観察して、どの位置にどれだけの施設を配置するかを考える戦略性が、本作の大きな魅力です。

 相性のいい施設を置いたときのポイント計算は右上に表示されますが、施設を配置する際に視覚的に分かりやすくプラスマイナスのポイント増減値が表示されるので、難しく考えなくも大丈夫!

 初期から島にある木や海などとも、施設には相性があります。ランダムで配置される島に合わせた戦略を練る必要があるのでパターン化しにくく、飽きがきにくいのもポイント!

 多少強引な配置でもスコアを稼ぐことができるので、間口は広めです。最初はスコアを稼げずにすぐにゲームオーバーになってしまっても、何回かプレイすればコツをつかめてくるはず。

 大量得点を獲得できる配置を発見できてくると、加速度的に気持ちよくなってきてやめ時を見失うほどハマります!

ジオラマ好きなら“サンドボックスモード”で好きな島を作って楽しもう!

 ここまで説明してきたのは、メインとなる“ハイスコアモード”。本作にはそれ以外にも、好きな施設をいくらでも島に配置できる“サンドボックスモード”があります。

 時間やスコアの制限がなく、すべての施設が最初から解放されており、島をいつでも移動できるので自分の理想にあったロケーションを完成させるのが簡単です!

 ポイント計算などは表示されないためハイスコアモードの練習としては使えませんが、制限の多いハイスコアモードと違って、のんびりとした街作りを楽しむことができます。

 UIを消して写真を撮影することも可能。一般的なシミュレーションゲームのような、のんびりとした街作りを楽しめます。

 限られた状況の中で施設を配置し、スコアを稼ぐ戦略性が魅力的な本作。シンプルなグラフィックとルールながら、シミュレーション&パズルゲームとしてのオリジナリティにあふれた良作です。

 複雑で時間がかかるという理由でシミュレーションゲームに苦手意識があるという人にこそ、遊んでほしい作品。とにかくサックリプレイできるので、大作ゲームの合間に休憩がてらプレイするのもオススメです!


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