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貞子の呪いが紡ぐ新たな物語とは? 謎解きホラー脱出アドベンチャー『貞子M』レビュー

滑川けいと
公開日時

 グラビティゲームアライズが2021年秋に配信を予定しているiOS/Android用アプリ『貞子M 未解決事件探偵事務所(貞子M)』。正式サービス開始に先駆けて、本作の体験版レビューをお届けします。

 『貞子M』本作は、物語を読み進めながら“貞子”にまつわる事件を解決していく謎解きホラー脱出アドベンチャーゲームです。

 貞子といえば、鈴木光司氏の小説『リング』に登場する女性の霊。後に映画やテレビで映像化され、日本中の人々を震撼させたあの最恐の怨霊です。

 映画『リング』において、テレビの中から這い出てくるあの有名なシーンは強烈なインパクトで我々に恐怖を植え付けてくれました。それから貞子はジャパニーズホラーを語るうえでは外せない存在となり、現在にいたるまで多くのシリーズを展開しています。

 本作『貞子M』も、そんなシリーズのひとつと言えるでしょう。“貞子”という恐怖の象徴をベースに、呪いに触れ命を落としてしまった人々の謎に迫ります。今回は、そんな本作の注目ポイントを紹介していきます。

『貞子M 未解決事件探偵事務所』PV(フルVer.)

事件解決のカギを握るのは記憶喪失のプレイヤー?

 本作の舞台となるのは、1年間で5人もの学生が謎の死を遂げた“連続変死事件”の起こったとある町。

 死因や容疑者もわからない、不可解なこの事件の謎を追っていた岩井探偵事務所の“岩井賢二”は、捜査中に突如失踪してしまいます。同じ探偵事務所で働く“紅葉巴杏(あきばともな)”は失踪した岩井を見つけようと、彼が最後に会った人物である主人公(プレイヤー)にコンタクトをとってきたのでした。

 しかし主人公は記憶を失っており、巴杏に出会うより以前のことを忘れていたのです。記憶を失ったのは岩井の追っていた事件と関係があると感じた巴杏は、主人公の記憶を取り戻すきっかけを作るべく、事件に関わりの深い場所へとともに向かうことにします。

 それが恐怖のはじまりとも知らずに……。

 と、このような形で本編の物語は始まります。

 とはいえ、頼りにしていた主人公が記憶喪失だということであまりにも情報が少ないため、巴杏の提案で探偵事務所にやってくる依頼をこなしながら謎を追いかけることになります。探偵に頼むほどの依頼であれば、その中にはきっと怪奇に絡んでくるものがある、といった考えからですね。

 そして最初は単なる事件だと思われていたのが、主人公と巴杏が出会い調査していくうちにどんどん怪奇な方向へと進んでいきます。恐怖がじりじりと遠くから近づいてくる感覚は、まるでホラー小説を読んでいるよう。

 ただ読み進めるだけでなく、ドキッとさせる演出も多数盛り込まれており、ホラー好きの人はかなり楽しると思います。

  • ▲鳴り響くスマホから……。
  • ▲突如髪の毛が!

思わず逃げ出したくなる!? 緊張感MAXの捜査パート

 本作は物語を読み進める“アドベンチャーパート”だけでなく、実際にキャラクターを動かしてクリアを目指す“捜査パート”も用意されています。

  • ▲依頼は“AP”を消費することで受けられます。

 捜査パートでは、実際にキャラクターを操作することになります。依頼ごとに“タスク”があり、制限時間内にすべてのタスクを達成すればクリア。物語が展開していきます。

  • ▲スマホ画面の左側でキャラクターの移動、右側でカメラの操作ができます。

 依頼で訪れる場所は建物内がほとんどで、全体的に暗めの屋内を探索することになります。ホラーゲームという先入観もあって「この先に何かあるかも……」、「扉を開けたら何か出てくるんじゃないか」と、歩を進めるのに躊躇してしまうんですよね。

 しかも、依頼のなかにはプレイヤーの敵となる存在がいることも。捕まってしまうとダメージを受けるので、敵がいる依頼では見つからないように行動しなくてはいけません。

 精神的な恐怖+敵の存在が、プレイにほどよい緊張感を与えて……いや、ほどよいどころか緊張感ありすぎでしたよ!?

  • ▲タスクは依頼内容によって異なります。何をすべきなのか、確認しながら進めていきましょう。
  • ▲狭い上に視界が悪い、夜の屋内。普通に歩くだけでもドキドキします。
  • ▲謎の声が聞こえてくることも……。プレイ時はぜひ音を出しながらお楽しみください!
  • ▲プレイヤーを邪魔してくる存在の行動は、画面左上のミニマップに赤色で表示されています。相手の視界に入らないよう、気を付けながら進んでいきましょう。

捜査パートを有利にする育成要素も!

 本作にはキャラクターの育成要素も用意されており、依頼クリア時に得られる経験値がたまればレベルアップし、能力が上がります。

 依頼の報酬などで手に入る“サプリ”を使用することでも、能力の強化が可能。能力を上げると捜査パートを有利に進められるように。

 育成すれば、捜査パートで役立つ特技を習得できます。物語は読みたいけれどキャラクターの操作が苦手という人でも、キャラクター育成をしっかり行えばクリアしやすくなります。

 また、プレイヤーは最初“学生”ですが、“探偵助手”などの職業に変更することもできます。職業によって能力や習得できる特技が異なるので、依頼の内容によって適した職業に変えてプレイする、といった楽しみ方ができることにも注目です。

  • ▲学生に比べ、探偵助手はスタミナやステルス性が高いことがわかります。何かから隠れて行うような依頼に向いていそうですね。

 能力は、ショッピングモールで購入できる衣服を装着することでも上げられます。衣服にはYシャツやマスク、キャップなどいろいろな種類があり、能力だけでなく外見にも反映されます。お気に入りのコーディネートを見つけましょう。

  • ▲衣服は、報酬で得られる“衣服チケット”を利用することで購入できます。

 『リング』に登場する貞子の新たな呪いが展開する本作は、読み物として十分に楽しめます。何より捜査パートでキャラクターを動かすことで、自分がその場で体験しているかのような感覚を得られるので、より感情移入しやすかった印象です。

 ジャパニーズホラーが大好物という人はもちろん、ミステリー好きや謎解き好きな人も、ぜひ秋の夜長に本作をプレイしてみてはいかがでしょうか。

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