信と嬴政は“共犯関係”!? TVアニメ『キングダム』森田成一さん&福山潤さんインタビュー【前編】

電撃オンライン
公開日時

 週刊ヤングジャンプ(集英社)にて連載中の原 泰久さん作の漫画『キングダム』は、春秋戦国時代を舞台に始皇帝となる嬴政(エイセイ)と共に天下の大将軍を目指す夢を追う少年・信(シン)の物語を描いた大人気作品。本作を原作としたTVアニメシリーズ第3シリーズが、NHK総合にて現在好評放送中です!

 第3シリーズで展開している“合従軍編”のエピソードでも、いよいよ後半戦に突入! 作品や物語の見どころを信役の森田成一さんと、嬴政役の福山 潤さんにうかがったインタビューを前・後編に分けてお届けします。

 今回お届けする前編では、作品の持つ魅力や、キャストから見た信と嬴政の変化などをうかがいました。

圧倒的な熱量と壮大な大河ドラマ

――すでに大人気ですが、現在もアニメ放送などを通じて、新たなファンが増え続けている『キングダム』。改めて、本作の魅力はどこにあると思われますか?

福山さん:言葉ではわかりづらいと思うのですが、僕が感じる魅力は“熱量”ですね。戦争であったり、個人の野望であったり、ドラマであったり、作品の持っている熱量がとてつもなく、そこが最大の魅力だと思っています。

森田さん:潤くんの言うように、ほかの作品に引けを取らない、凌駕するほどの熱量がある作品ですよね。

 僕が魅力的だと感じたのは、作品が“壮大な大河ドラマ”だというところです。本当にあった春秋戦国時代という何百年の歴史を紐解いて、その時代の人々がどのように戦って生きてきたのかを克明に描いている部分が素晴らしいと思います。

――ご自身が演じられている信、および政について、気に入っている点や注目されている点などありましたら教えてください。

福山さん:あまり多くを語らないところですね。彼は緊張感がある時間が続いていて、精神的に遊びのある部分もあるのですが、信以外に柔らかい表情を見せることがありませんでした。

 玉座に座っていても重要な局面はともかく、ほかでは呂不韋(りょふい/声優:玄田哲章)の影に隠れることが多く、まだまだわからない部分が多いです。だからこそ第3シリーズ第1話“迫り来る合従軍”や第19話“政、語りかける”の蕞でのシーンで彼の内なる熱量が見える場面が、読者や視聴者により魅力的に見えるんだろうなと思っています。

森田さん:信の好きなところは、思いっきり戦えるところです。遠慮せずに大声を出せるのは演じていて気持ちいいですし、見ている皆さんにも彼の気持ちをストレートに届けられるのがいいなと思っています。

信と嬴政は共犯関係

――信と嬴政は立場も違い、共に戦う機会も多くありませんが、信頼関係で結ばれています。バディものなどとも違う独特の関係性ですが、演じているお2人から見ていかがですか?

福山さん:変わっていっているとは思います。初期の成蟜(せいきょう/声優:宮田幸季)の反乱のころは政も傷を負いながら一緒に戦い、わだかまりが解けた以降は戦友というか共犯者のような感じですね。

  • (C)原泰久・集英社/NHK・NEP・ぴえろ

 政にとっては後宮にも政治にも関係ない信の出自が大きいし、立身出世を目指していても野心だけの人物じゃないことを知っている。だからこそ彼には心許せる部分があり、自身の考えや立ち位置についてなど弱い部分も隠さずに話しています。不思議なバランスの関係ですね。

森田さん:僕も2人は親友とか盟友、兄弟、家族、そういうカテゴリーに収まらない気がします。

 最初は血気盛んなころに出会ってから、お互いに成長を重ねていきます。今の僕が信を演じていて感じるのは、頭脳的なところはすべて政に任せてしまっている部分はあるかな、と。深く考えることは政に任せて、自分は戦場で戦う、という役割分担としての覚悟が信のなかで固まりつつあるなと思います。

 しかしながら政が信たちを駒や下僕のように見るのではなく、ちゃんと人間として認めているところが信頼につながっています。そんな彼だからこそ信頼し、信も戦場の最前線に立てるんですよね。

2人の成長を感じた場面とは?

――第3シリーズは、第1シリーズと比べると、彼らの状況も大きく変化しています。また第2シリーズから放送時期もしばらく空いていますが、演技するにあたって工夫された点や注意された点、要望された点などはありますか?

森田さん:第3シリーズで、久しぶりに信を演じました。新しく監督に就任した今泉賢一さんの前で初めて芝居をしたときに「いい感じに歳をとっている」と言っていただいたのですが、僕にはそんなつもりはなく……。寄る年波には勝てないなと(笑)。

 うまく信とリンクをしていたようで、以降も今泉監督から演技に対する要望は特にありませんでした。そのため自由に演じさせてもらっていますが、監督が考える以上の信を演じたいなという気持ちと責任を感じています。

福山さん:第1シリーズのときの監督に「子どもとして演じないでほしい」と言われました。年齢は子どもですが、苛烈な環境で生きていく意志の力を出してほしいので、自分は大人なんだと言う感覚で演じてほしいと。

 そのため少年以上であるように、頑張って演じていた記憶があります。第2シリーズでは成長はしましたが、まだ張り詰めた部分は大きかったかなと言う気がします。

 第3シリーズに入ってからは、力を入れないというか無理をするのを辞めて見ようというのがテーマです。これまでのシリーズよりも、政を楽に演じているかもしれません。信や蕞の民との会話は、柔らかさを出すようにディレクションをもらいましたね。ずっと張り詰めていた政に、気を抜ける場所が出来たことは、演じていて感慨深いです。

 “蕞国防衛戦”についてや、収録のエピソードについてうかがった後編は、近日公開予定です。

プロフィール

信 役 森田成一さん

 数多くのアニメ作品に声優として参加。舞台やドラマ等で俳優としても活躍している。現在フリーで活動中。

公式Twitter

嬴政 役 福山潤さん

 幅広い役を演じる声優・ナレーター・アーティスト。声優事務所“BLACK SHIP”代表取締役CEO。

公式サイトプロフィール

TVアニメ『キングダム』放送情報

NHK総合にて毎週日曜深夜24:05より放送中

※放送予定は変更になる場合があります。

TVアニメ『キングダム』第3シリーズ Blu-ray BOX発売決定!

発売日:
TVアニメ「キングダム」Blu-rayBOX 合従軍編 上巻
……2021年8月27日(金)
TVアニメ「キングダム」Blu-rayBOX 合従軍編 下巻
……2021年11月26日(金)
価格:各巻24,000円(税抜)
初回封入特典:
キャラクターデザイン・阿部恒描き下ろしスリーブケース
特製ブックレット24p/ポストカード5枚セット
メーカー特典:原作・原泰久先生描き下ろし上下巻収納BOX(※上下巻購入者対象)

※内容や仕様は予告なく変更になる場合がございます。予めご了承ください。
※現在公開中の絵柄は「アニメ描き下ろしジャケット」となります。


©原泰久/集英社・キングダム製作委員会

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

関連する記事一覧はこちら