主人公たちが無能過ぎるがゆえの苦悩も。『パトルの軍事博物館3』開発秘話【電撃インディー#81】

カワチ
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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回はPC(Steam)で配信中の『パトルの軍事博物館3』の開発者インタビューをお届けします。

 本作は、軍事博物館を経営し、世界中の兵器や資料を収集するミリタリーゲーム『パトルの軍事博物館』シリーズの最新作。プレイヤーは兵器愛好団体ミリタリービークルユニオンの会長・ベンジャミンとなり、世界をまたにかけた大冒険を繰り広げることになります。

 本記事では『パトルの軍事博物館3』の開発者の武藤FPさんにお話を伺いました。

 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

開発者・武藤FPさんインタビュー

――『パトルの軍事博物館3』の注目点を教えてください。

 多数の登場兵器と、主人公たちのおバカっぷり。

――開発で苦労していたところを教えてください。

 主人公たちが全員無能なので、ゲーム内チュートリアルを作るのにすら苦労しました。クエストを受けても、受けた瞬間に目的を間違えるのでまともな話が成り立ちません。雑魚敵にすらまともに勝てない主人公たちを、無能設定を損なわずにどう強くするかも難儀しました。

 シリーズ物かつフリーシナリオなので、過去作の主要キャラに見どころを与えつつ話をまとめるのがとても難しかったです。

 システム面では1つの部隊に兵器を3つ装備するのが想像以上に大変でした。極端な例だと第二次世界大戦の戦車と、冷戦期の戦車と、現代戦車を装備したとして、各パラメーターは合算するべきか、平均値をとるべきか、最小値を取るべきか……。どれが部隊としてもっともリアルに感じられるか相当試行錯誤しました。

 史実兵器のスペックをゲームパラメーターに落とし込むのも苦労しました。例えば航空機の場合は、翼面積と速力と機体重量などから命中や回避性能を算出する専用の計算式を作成しています。しかしカタログスペックに性能が現れにくい現代兵器の場合は、特性を再現しきれないので、各兵器の強さのイメージに合致するよう個別の調整もしています。

 他にもいろいろありますがきりがないのでこれぐらいで……。結局苦労したところは何もかもになる気が。

――開発をするうえで、特に気を付けている点などを教えてください。

 作り始めたら必ず完成させることでしょうか?

――ゲームタイトルにこめた想いを教えてください。

 サブタイトルは、ミリタリーかつ馬鹿っぽく聞こえるようにしました。主人公が珍兵器好きというのも反映させています。

――主人公をパトルではなくライバルのベンジャミンにした理由をお聞かせください。

 パトルはイギリス北部に拠点があるという設定で、過去シリーズ2作はいずれもイギリスからゲームが始まりました。

 ライバルのベンジャミンは世界的な団体という設定なので、世界各国から自由に始められるのでマンネリ化しないと考えました。

――『3』は周回プレイが前提のシステムになっていますが、どのようなところにこだわりましたか?

 全体的にテンポよく進められるようにしています。また毎回スタート地点が変えられ、周回ごとに時代と登場兵器が変動したり、探索できる範囲が増えていきます。

――今後、実現したい野望などありますでしょうか?

 野望や夢の類は実現済みなので、今後も好きなゲームを好きなように作ります。

――ゲームの開発に携わることになったきっかけについて教えてください。

 直接的には高校生の時にRPGツクールXPを買った事ですね。「作るのは大変なのでこれで最後にしよう」と思ってフリーゲームを公開したら、想像以上に反響があり、結果として今でもゲームを作っています。

――ここ数年でもっとも感銘を受けた、おすすめのインディーゲームについて教えてください。(インディーゲームでなくても構いません)

 ここ数年はあまりインディーゲームを遊べていないのですが……。

 参考用に遊んでハマった『セックス&ホームダンジョン(R18)』はいかがでしょうか? 沢山の仲間のスキルツリーをこねくり回すのが楽しいです。

 何だこれは!? と、衝撃を受けたのは、主人公がフン族という時代設定がマニアックすぎる『Age of Ashes(R18)』の体験版でしょうか。

――最後にユーザーに一言お願いします。

 アップデートやMODで登場兵器やイベントは増えていく予定です!


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