夕焼けが怖くなる。傑作ホラーゲーム『夕鬼』で恐怖体験【電撃インディー#68】
- 文
- 電撃オンライン
- 公開日時
電撃オンラインの編集部員や電撃のライター陣がインディーゲームを遊ぶ生放送番組“電撃インディー”で、1990年代日本を舞台にした一人称視点のホラーゲーム『夕鬼 -Yuoni-』を紹介しました。
文字通りの息をのむ探索シーンにハラハラする
『夕鬼』は小学生を主人公にしたホラーゲーム。
“ツン”という子どもの幽霊が出会うと“夕鬼”という遊びに勝たないと帰れなくなってしまうというとウワサがあるなか肝試しに向かうところから物語は始まります。
本来なら、子どもの遊びで済むはずだったのですが、なんの因果かツンに出会うことに。学校の扉を開けたらお屋敷に、そのまた先は廃病院にと、複数の建物が繋がった歪な“夕焼けの世界”に迷い込んでしまいます。
“夕焼けの世界”という名のとおり、本作のロケーションは夕方の学校や、西日が差し込んでいるかのようなお屋敷など、ホラーゲームとしては比較的明るめ。
ですが、夕方ならではの世界の“赤さ”が暗さとは違う異物感を醸し出しており、なんとも不気味です。
そんな“夕方の世界”には、耳の聞こえない怪異や目の見えないが出現。
耳の聞こえない怪異は、しゃがんだり物陰に隠れたりしてやり過ごすのですが、主人公は小学生なのでしゃがんだときの視線はかなり低い位置に。
隠れなければいけない、けれども隠れると周りがよく見えない。このジレンマがドキドキさせてくれます。
そして、目の見えない怪異は息を止めて歩いていれば、触ったとしても気づかれません。ただ、連続して息を止めていられる時間には制限があります。
怪異の横を無事に息を止めたまま通り過ぎれるのか、それとも途中で息をついてしまうのか。早く通り過ぎたいけれど、走ったら見つかってしまう。
ゆっくりと歩いて怪異に近づいて、またゆっくりと怪異から離れていく。音を立ててはいけないというシチュエーションと相まって思わず息をのみます。
また、一人称視点の探索パートが主体になる本作ですが、物語の節目でテキストによるアドベンチャーパートが入るのも特徴。
アドベンチャーパートにも恐怖をあおるような文章やイラストが盛り込まれており、探索パートに向けて悪い想像が掻き立てられます。
さらに、怪異を中心とした怖さに加えて、人間同士のやり取りの怖さも垣間見られる仕組み。
ラストの妙な後味の悪さもまた、ホラーゲームらしさ。この雰囲気を味わいたい方はぜひ動画をチェックしてみてくださいね!
『夕鬼 -Yuoni-』とは(ストアページより)
『夕鬼 -Yuoni-』は1990年代日本を舞台にした一人称視点のホラーゲームです。
自分で気づかないうちに心に殻を作ってしまった少女は、無理やり誘われた肝試しに参加したことで、ツンと呼ばれる幽霊に取りつかれ、夕焼けの世界へと連れ去られ遊ぶよう強要されます。
夕方の世界で少女を襲うのは、影しかない人間、目玉の化け物……夕方の世界で化け物から命からがら逃げ惑う日々。
──やがて、怪異は現実世界にも表れ始めます。そして、少女も……。
変化するゲーム性
このゲームは二つの顔を持っています。
肝試しをベースに、脱出に必要なアイテムを探す『かくれんぼ』のような前半パートから、手に入れたアイテムをもって逃げる後半パートの『鬼ごっこ』へと変化します。
一度は通った道筋…もしも忘れてしまうと…。
夕焼けに燃える病院、学校、日本家屋
舞台は、奇怪な夕焼けの世界。
病院の扉を開けたはずが日本家屋につながり、ふすまを開けたのに学校へとつながる…
三つの空間は法則性もなく接続しています。
赤い夕焼けに染まる学校廊下、障子から差し込む斜陽、電気の切れた病室の赤と黒のコントラスト…。
不気味な夕焼けは、ノスタルジーと美しさも併せ持ちます。
唯一の抵抗手段は隠れること
プレイヤーキャラクターは小学五年生の少女。
そのため、敵を倒す手段を持ちません。
目の見えない敵は息を止めてやり過ごし、耳の聞こえない敵からは身を隠しながら歩き、時には、走りぬけることも必要となりますが、大人ほど速く走れません。
どこかに隠れないと、すぐに追いつかれてしまいます。
別の答えがあったなら…
シナリオをクリアすると、もう一つのストーリーが…。
さらに厳しい道になりますが、ぜひ挑戦してみてください。
© 2021 Chorus Worldwide
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります