【ゆゆゆ座談会 第2回】TVアニメ第1期『結城友奈は勇者である』秘蔵の企画書を見ながら語り合う!

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 『結城友奈は勇者である』KADOKAWAスタッフが、裏方から見た印象や思い出を語る連載企画の第2回をお届けします!

 2014年の『結城友奈は勇者である』のTVアニメ放送から始まり、今年で展開7年目となる『勇者である』シリーズ。TVアニメ3期にあたる『結城友奈は勇者である -大満開の章-』の放送を10月にひかえ、さらに勢いを増しています。

 この連載では、そのシリーズに関わってきた一部のKADOKAWAスタッフが集合し、『大満開の章』放送へ向けて7年間の思い出を語り合います!

 第2回の今回は、TVアニメ1期『結城友奈は勇者である』の始まる前にもらった企画書を見ながら、そのデザインについて語り合いました。

完成度の高すぎる『結城友奈は勇者である』企画書~ひと目で人の心をつかむには~

内山:前回は座談会に参加される丸尾さん、渡辺さんお2人が『ゆゆゆい』のプロデューサーということで、『ゆゆゆい』の誕生の思い出についてお話してもらったんですけど、ちょっと今回はどうしても見てほしいものがあって。

丸尾:見てほしいものってなんです?

内山:それはですねー……これです! Studio五組のアニメーションプロデューサー・青木隆夫さんが作られたTVアニメ『結城友奈は勇者である』企画書です! 青木さんのYouTubeでも公開されていますが。お2人は初見です?

渡辺:これは初めて見ました!

丸尾:青木さんのYoutubeは見ましたので少しだけ知ってます(笑)。『ゆゆゆい』の企画段階の時にはもうTVアニメが終わっちゃってたので、実物はいただいてないんですよ。

内山:なるほど! 私は一番最初に編集部に『結城友奈は勇者である』のお話が来た時に、これをいただいたんですよね。

丸尾:お話が来たころって、TVアニメ放送の1年前くらい?

内山:そうそう、確か、2013年の夏くらいだったかな? これがすごいのは、1から全部青木さんがデザインされているんですよ。普通、作品の企画書だとテキスト中心のものが多かったりするんですけど、この企画書は最初から全部キレイにデザインされていて衝撃的でした。ぱっと見で世界観にすぐ引き込まれちゃいましたし、これは絶対ヒットする! って自分の中で確信めいたものもあったなあ。

丸尾:結城友奈は勇者である、の文字の入れ方もかっこいいですね。こうして見るとまだ企画書の段階なのに、BUNBUNさんのイラストがすっごく多い! キャラクターのページだけ見ても、友奈たち5人分の変身前と変身後のものがきちんと入っていて、もちろん表情集もあって、そのうえで精霊の牛鬼も描かれていて……イラストの物量がすごい!

内山:小さいイメージイラストも多いですよね。東郷さんのところにあるイメージイラストは、似たような構図のシーンが第2話に使われているっていう。

丸尾:それと、一番最初のほうにあるイラスト! この時点で、きちんと背景つきで主要な登場人物たちが生き生きと描かれているカラーイラストがすでに数点あるのがすごい! 他の企画書では、こういうイラストはあって1点か2点だったりするんですけど。

内山:そうですよね。その巨大な壁の描かれた5人のビジュアルで最初にぐっと惹きつけておいて、最後のほうに友奈と風先輩が戦っているイラストなどの不穏そうな雰囲気のものを持ってきて、ただの作品じゃないぞ、と思わせる構成がすごい。

丸尾:目をさっと通しただけで、全体の世界観がすぐに伝わってくる素晴らしいデザインだと思います。

内山:多分、青木さんもご自身のYouTubeチャンネルでおっしゃっていると思うんですが、オリジナルアニメは委員会が組成されないとスタート地点にも立てないから、企画書をぱっと見ただけでこの作品に出資しようと思わせるような、人の心をつかめるクオリティーのものを作ろうと考えて、こうしてデザインされたそうです。

 編集部に来た時点では私だけでなくて、編集部内でも「これはすごいモノ来た!」って相当反響大きかったですね。個人的には、いまだにこれを超える企画書は見たことがないですし、ぶっちぎりでカッコイイと思ってます。

丸尾:確かに! あと、内容でまだ気になったところがあるんですけど、12星座のバーテックスのデザインもここですでにそろっているんですね。

内山:そうなんです。これはD.K&JWWROKSさんがデザインされています。ちなみに、この12体のバーテックスを12星座の円盤に合わせているように見せているのも青木さんのデザインですよ。

丸尾:この大赦検閲の伏せ字っぽいモチーフも、すでにここであったんですね。

内山:これは絶対目を引きますよね、やっぱり。最初にイラストノベル『鷲尾須美は勇者である』を連載する際の話なんですけど、『勇者である』シリーズ最初の展開でもあるし、もっと他の作品に負けないインパクトをつけたい、という思いが個人的にあって。それで、この伏せ字をベースにした“勇者御記”を毎話つけることを提案させてもらったんです。

丸尾:戦いや日常だけじゃなくて、こういう世界観に隠れている恐ろしげな部分も押し出していこうと。

内山:そうです、そちらのほうが読んだ時にひと味違う作品なのかも、って思わせられますし。

丸尾:結局、それは『勇者である』シリーズとしてずっと継続してやっていますもんね。

渡辺:個人的には、この企画書時点から作品の基本的な設定が一貫していて、放送時とほとんど変わっていないのがすごいなと思いますね。

丸尾:そうそう、作品の全体像がきちんとしてる。さっきいったように勇者たちやバーテックスのデザインも全部あるし、形状こそ違いますけど、BUNBUNさんのイラストの中に四国を囲む壁のイメージもきちんとありますし。

 逆にいえば、ここまで世界観の基本的なところをしっかりつめてからこうして企画書に起こされているからこそ、それが7年間ブレることなく、今のような『勇者である』シリーズの多様な展開ができたんでしょうね。

内山:この企画書が編集部に来たあとに、私が『結城友奈は勇者である』の担当になりまして。当時はタカヒロさんの作品企画“タカヒロIVプロジェクト”の1つだったんですけど。それで、製作委員会の第1回めに緊張しながら向かったら、いらっしゃってた方々がすでにとっても仲がいいんですよ。

丸尾:(笑)だって、こんな企画書を作られるくらい綿密に準備されてるんですもんね。

内山:そうなんです! 最初は、まずみなさん笑顔で名刺交換、っていう流れだろうなと予想してたんですけど、もう全然違ってて。私はすごく仲のいいクラスにやってきた転校生、みたいな状況(笑)。

丸尾:(笑)。

内山:それ以前にタカヒロさんと岸監督、上江洲さん、他みなさんでBUNBUNさんのところへキャラクターデザインのご依頼に行かれていたりしたそうですし、タカヒロさんは、ご本人のアニメ化作品のこともあって、ポニーキャニオンさんとはかなり前からのお知り合いだそうで。『結城友奈は勇者である』も、そのご縁でオリジナルアニメの企画のお話があったそうです。

 そこからたくさん設定などのすり合わせをされての過程があったわけで、もう私が入った時にはアットホームな仲よし空間ができあがってました。ただ、単純に仲がいいというわけではなくて、みなさんすごい個性的でクリエイティブで。それでいて作品への熱を持った方ばかりがそろっていて、本当にすごい現場だなと改めて振り返ってみても思います。

丸尾:それは間違いない。

内山:それでなんですけど、次回は私たちや丸尾さんたちから見た主要スタッフのみなさんの印象もここで話してみたいんですが、どうですか?

丸尾:え、それ大丈夫なんですか?

内山:大丈夫ですって! 青木さんに事前にお伝えしたら、『むしろ見たいです!』っておっしゃってましたよ。

丸尾:ええ……違う意味で緊張するんですけど(笑)。

→第3回へ続く

青木氏のYouTubeチャンネル「青木隆夫(Studio五組)」にてこの企画書と解説が公開中!

 今回の座談会の中心となった、『結城友奈は勇者である』の企画書。こちらは現在、Studio五組の青木氏が公開しているYouTubeチャンネルにて、その動画を公開中!

 ご本人の解説つきでより詳しくこの企画書の内容が見られます! ぜひ見に行ってみましょう!

電撃G’sマガジン最新号(8月30日発売 2021年10月号)の結城友奈記事では、待望の『大満開の章』のカットやタカヒロさんへのインタビューなど情報盛りだくさん!

 『結城友奈は勇者である 大満開の章』の記事では、初めて公開されたPVからそのシーンカットを大公開! 合わせて、結城友奈たち6人の表情集や制服姿を紹介しています。

 さらに、シリーズ7周年を記念した7号連続スペシャルスタッフインタビューでは、タカヒロ氏が登場! これまでのシリーズ作品の企画の経緯、制作中やイベントでの思い出、今後の目標などについてじっくり語っていただきました。

 『結城友奈は勇者である 花結いのきらめき』の記事では、最新のURイラストに加えて、配信されるイベントのシナリオや報酬のイラストなどを掲載!

 さらに、イラストノベル『結城友奈は勇者である 勇者史外典 第三章 烏丸久美子は巫女でない』はついに今月号で最終回! 烏丸たちの旅はどんな結末を迎えるのか――。シリーズの情報がいっぱいの最新号、ぜひ読んでみてくださいね!

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結城友奈は勇者である 花結いのきらめき

  • メーカー: KADOKAWA/オルトプラス/scopes
  • 対応端末: iOS
  • ジャンル: RPG
  • 配信日: 2017年6月8日
  • 価格: 基本無料/アイテム課金

結城友奈は勇者である 花結いのきらめき

  • メーカー: KADOKAWA/オルトプラス/scopes
  • 対応端末: Android
  • ジャンル: RPG
  • 配信日: 2017年6月8日
  • 価格: 基本無料/アイテム課金

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