『テイルズ オブ アライズ』レビュー! ファンが求めた次世代の『テイルズ オブ』がココにある!!

編集O
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 バンダイナムコエンターテインメントの人気RPGシリーズ『テイルズ オブ』。その最新作である『テイルズ オブ アライズ(以下、TOARISE)』が、いよいよ明日全世界同時発売となります(対応機種はPS5、PS4、Xbox SeriesX|S、XboxOne、PC)。

 25年という長い歴史がある本シリーズは、いくつか転換期となったキータイトルがありますが、この『TOARISE』ほど大胆に進化を遂げ、シリーズの歴史に大きく名を遺すキータイトルはなかったかもしれません。それほどまでに驚きや感動が詰め込まれた大作でした。

 そこで今回は1作目から遊び続けている古参ファンの編集Oが、最後までプレイを終えた視点から、どんな要素が心に響いたのかをレビューとしてお伝えしたいと思います。とくにシリーズから離れていたかつてのファンの方は、変わらず“継承”しているもの、そして継承から“昇華”した要素の変化に注目して読んでいただければ幸いです。

※できる限りネタバレがないように注意しておりますが、まったく情報を入れずにゲームを楽しみたい方は、以降の内容にご注意ください

山場がこれでもかと用意された自由を求めて立ち上がる物語!

 シリーズファンのみならず、RPGを愛する人ならばやはり気になるのがストーリーですよね。今回の物語はレナ人に支配されたダナ人たちが、自由を求めて立ち上がる物語が軸となっています。もちろん、自由を求めるからにはいろいろな障害を乗り越える必要があり、そこが物語の山場として用意されているのですが、その作り方がとてもドラマティックなんですよ。

  • ▲主人公が“奴隷”という立場で働かされているという、かなり攻めた幕開けとなる本作。掴みの部分からしてやられましたね(笑)。

 これはもうぜひ遊んでいただいて感じてもらいたいのですが、アルフェンの変化とシナリオ的な山場を、こうリンクさせていくんだとすごく引き込まれましたね。『テイルズ オブ』シリーズの作品でいえば『テイルズ オブ ジ アビス』なども、主人公・ルークの変化を物語の大きな転換として用意していましたが、勝るとも劣らない象徴的なシーンが用意され、その先の展開にとてもワクワクさせられました。

  • ▲最初はなぜかフルフェイスで“鉄仮面”と呼ばれていたアルフェン。それが公式イラストのようにどう変わるのか、そこも見どころのひとつです!

 もちろん、物語は支配される側の視点を軸に描かれるので、とても心が締め付けられるシーンが多かったのですが、そこはエンターテインメントとして受け止め、いろいろと考えながらプレイを進めてほしいですね。個人的には歴代シリーズでもトップクラスの満足感がありました!

  • ▲シナリオの脇を固めるNPCたちも、魅力的なキャラクターが多いんですよ。自分は序盤から登場するジルファを推したい! ブレない価値観と芯の強さは男から見てもホレますね。

さまざまな理由で旅を共にする仲間たちの一体感が素晴らしい!

 次に取り上げるのは、冒険をともにするパーティメンバーたち。今回はアルフェン、シオン、ロウ、リンウェル、キサラ、テュオハリムの6人と冒険を進めるのですが、彼らはダナ人とレナ人という異なる種族の混合パーティなんですね。

  • ▲この6人で冒険を繰り広げていくことになります。

 もちろん、彼らは種族の違いや過去の出来事もあり、一緒に行動することにも葛藤を抱いているわけで、時には衝突する場面も出てきます。ですが、ストーリーが進むにつれて、どんどん距離が近くなって“仲間!”という雰囲気が出てくるのが、すごく『テイルズ オブ』シリーズらしくて楽しめました。

  • ▲“仲間!”という雰囲気が出てくる理由の1つには、バトルでもパーティ全員が参加できるようなデザインになっているからかもしれません。吊り橋効果じゃないですけど、窮地をともに乗り越えたというか。

5つのエリアに分断された世界を踏破する冒険感が突き抜けている!

 これは『テイルズ オブ』シリーズというより、RPG的なおもしろさにつながる要素ですが、冒険する世界が多種多様な気候と風景が用意されていて、新しい地に足を踏み入れると気分が上がるのも魅力的でした。

 今回のフィールドデザインは火や風などの星霊力の影響下にあり、たとえば最初の冒険場所となるオルブス・カラグリアは、いたるところで炎が噴き出し、灼熱の大地となっています。現実ではありえないファンタジックな場所で冒険するのは、RPGだからこその醍醐味ではないでしょうか。

  • ▲灼熱のカラグリアの次に立ち寄る場所が、雪が舞う白銀の大地・シスロディアというその振り幅の広さもGOOD!

 そして、そんな各国を支配するボスともいえる領将<スルド>も、これがまたクセ者ぞろいで記憶に残る人物ばかりなんですよ。『テイルズ オブ』シリーズではさまざまなタイプのボスが登場しましたが、今回はかなりインパクトがある顔触れになっています。改めて、存在感がある倒すべき“壁”は大事なんだなと思わされました。

  • ▲ちなみに、最初に戦う領将・ビエゾを演じるのは立木文彦さん。ビエゾ以外にも領将を演じる声優陣は『テイルズ オブ』シリーズでも重要な役を演じてきた方ばかりです。被りを気にせずドンピシャのキャスティングなのがいいですね!

術技でのラッシュが気持ちいい攻めるゲームデザインの新感覚バトル!

 『テイルズ オブ』シリーズは1作目の『テイルズ オブ ファンタジア』から、キャラクターを操作するアクション要素を取り入れてたわけで、もちろん『TOARISE』でもアクションがベースになっています。ただ、これまでと一線を画すのが、術技のアクションをTPを消費して繰り出すのではなく、アーツゲージ(AG)と呼ばれる、新システムで管理しながら使うという点です。

 これがまた気持ちよくて、AGさえあればガンガン術技を繰り出せるし、回復手段を活用すればコンボがつながっていくんです。“消費するから出し惜しみする”のではなく、“回復するからガンガン攻める”という方向にスタイルチェンジしたのがいいですね。

  • ▲空中での攻撃アクションをより自由に繰り出せるのも気持ちいい!

 それに加えてお気に入りなのが、仲間と協力して繰り出すブーストストライク。敵を攻撃し続けると◆型のゲージがどんどんたまり、最大値まで上げきるとこれを繰り出せます。ブーストストライクは威力もさることながら、演出のテンポ感がとても心地よくて、発動した時の“やってやった感”が病みつきになります(笑)。

  • ▲ふたりの掛け声が息ピッタリで◎。先に述べたパーティの一体感も感じられますよね!

アニメと3D表現のいいところ取りなイベント演出!

 こちらは『テイルズ オブ』シリーズのファンが一番驚いたであろう、スキット表現の変化も語らずにはいられません。今回は今までのアニメで描かれた顔を使ったスキットではなく、漫画のコマのように3Dモデルのキャラクターたちが、会話を繰り広げるような形になっています。

  • ▲3Dモデルそのままにスキットは流れるので、衣装を変えてもその姿が反映されるのも◎。

 正直最初に発表されたときは「え!?」と驚いたのですが、実際に遊んでみるとこの進化は当然な成り行きだと納得。顔の表情だけでなく、全身の動きでも会話劇を見られるので、とにかく場の雰囲気がしっかり伝わってくるんですね。

 しかもテンポがいいし、コマの表現も中央から開くというようなパターンがあるなど、見ていて飽きません。でも、これは『TOARISE』のビジュアルレベルが格段に上がったからこそ、しっくりくるようになった表現だと思います。

  • ▲野営時に料理をすると、キャラクター個別のスキットを見ることができます。夕食後のひとときという感じがして、なんかいいですね。

 そんな3Dの演出が中心になった本作です、もちろんアニメーションもオープニングをはじめ、劇中にタップリ用意されていたので「アニメ成分が足りない!」というようなことはまったくなかったです。「ここはアニメだよな~」と思ったドンピシャのシーンで流れるので、ぜひご期待ください。

  • ▲クオリティは言うまでもなくピカイチ。さすがufotableです!!

UI周りも洗練されてかゆいところに手が届く!

 そして最後は『テイルズ オブ』シリーズというよりもゲーマーとしての目線ですが、UIやシステム周りなど細かい点でかゆいところに手が届く感じがよかったです。キーコンフィグ、オートセーブ、全滅してもその場からスタート、ファストトラベル、クエストのナビゲートなどなど、プレイを重ねるほどにこれらのありがたみを感じました。

  • ▲個人的に攻撃はデフォルトのR1ボタンでなく、□ボタンに変えるのがオススメ。連打する回数も多いですからね。

 というわけで、ネタバレにならないようにもろもろ語らせていただきました。2018年の発表から3年待っただけのかいがあった! と思わせるクオリティに仕上がっていると断言したいと思います。ぜひ世界基準の“新生”『テイルズ オブ』最新作を、みなさんもプレイしていただきたいです!



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