『劇場版 SAO プログレッシブ』松岡禎丞&戸松遥インタビュー。かつて演じた“あの頃”を今演じる怖さ

Akてけおん
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 10月30日に公開となる『劇場版 ソードアート・オンライン ‐プログレッシブ‐ 星なき夜のアリア』に出演しているキリト役の松岡禎丞さんとアスナ役の戸松遥さんへインタビューを実施しました。

  • ▲松岡禎丞さん
  • ▲戸松遥さん

 お2人には、作品の見どころや役への想い、映画オリジナルキャラクターであるミトの印象などについて語っていただきました。

改めて14歳のキリトを演じることは“怖さ”もありました(松岡)

――約9年ぶりに、《アインクラッド》編のキリトを改めて演じて感じたことを教えてください。

松岡禎丞さん:最初にお話をいただいた時は純粋にうれしかったです。ただ、台本をいただき、家でVチェックをしている時にやはり“怖いな”という印象がありました。

――怖い、ですか?

松岡さん:ずっとキリトと一緒に成長してきましたが、今回改めて14歳のキリトを演じるということで、今までの歴史をリセットしなければならないことが怖く感じたんです。

 当時の僕にあわせて演じようとすると、ただの“モノマネ”になってしまうけれど、それだけはどうしても避けたい。正直な話、できることなら当時の音声を……とまで思っていました。とはいえ、新規で作られている映像ですし、そんなことができるわけもなく……。

 今の自分と当時の自分だと、やれることの幅がまったく違っていて、あの時の自分の全力と、今の自分の全力とではどうしても演じた時に別のものになってしまうなと感じていました。

 そういった葛藤があったのですが、ある機会に「今の松岡くんで演じればいいよ」と言っていただいて、それがきっかけで今の自分が思う14歳のキリトを演じればいいんだ、と思えるようになりました。

――その言葉は、誰からかけていただいたんでしょうか?

 足立慎吾さんです。ラジオ『ソードアート・オンエアー』にご出演いただいた際に、そう言っていただきました。足立さんの言葉を聞いて「ああ、そうか」と。

 ですが正直、実際にテスト(※本番の収録前に行う収録テストのこと)をやるまでは不安しかなかったです。音響監督の岩浪さんにはテストで演じてみた時に「その声の出し方だときつくない?」と言われたのですが、その演技は僕の中では「これでいけるなら全然いける!」というラインのものでした。

 そこで「いける!」という感触を得た時点で、自分の中でスイッチが入りましたね。

――アスナ視点で描かれる今回の映画ですが、改めて過去のアスナを演じてみていかがでしたか?

戸松遥さん:過去のアスナを演じるというよりも、新しいものに取り組むという気持ちのほうが強かったですね。今までのアスナを意識せず演じるという点で、リセットしたような気持ちで演じていました。

 TVシリーズと同じ台詞やシーンも収録する時はTVシリーズを見返して参考にしつつ、そこを真似するよりは、もう一度今の自分で演じなおすつもりで向き合わせてもらいました。

 時系列的には過去の話なのに、新しい役を演じるということで、少し不思議な感覚はありました(笑)。

――お2人の話を聞いていると、これまでご自分が演じてきて、ともに成長してきた役であるがゆえに、“かつて演じた年ごろ”を改めて演じる難しさというものが伝わってくる気がします。

松岡さん:そうですね。やはり当時の全力と今の全力とでは、出せるものや意味合いが全然違ってきますので。

 すごくいっぱいいっぱいだったあの時の自分を、もう1回同じように演じてくださいと言われれば、やれることはやれるのですが、それって人間ではないよね、と思ってしまうんです。

戸松さん:あまり前のシーンを再現しようとか、同じことをやろうとは考えずに演じました。

 本当に同じシーンを同じに演じてほしいということであれば別なのですが、今回の映画では同じシーンや台詞でも新しい視点で描き直したものなので、演じる私たちもそうですし、ご覧になる皆さんの印象も違ってくるんだろうと思います。

 TVシリーズのキリト視点から見ているアスナと、『劇場版 SAO プログレッシブ』のアスナとでは、同じシーン、同じ感情につながるシーンでも大きく違って見えるんです。「ああ、だからここではこんなにトゲトゲしていたんだ」とか「こういう事情があるからこんなにふさぎ込んでいたんだ」というように、前提となる情報があるかないかで、アスナの見え方はこんなにも変わってくるんだと驚くかもしれません。

ミトはいい意味で生々しく、人間らしいキャラクターという印象です(戸松)

――映画でのキリトとアスナの印象はいかがでしたか?

松岡さん:キャラクターとしての印象が大きく変わったというわけではないですが、キリトとアスナがあの時、裏でこんなことをしていたのか、と新鮮な気持ちで見ることができました。

戸松さん:モブモンスターに苦戦したり、NPCに話しかけてしまったりと、まだゲーム慣れしていないアスナの姿が新鮮でした(笑)。

――映画オリジナルキャラクターのミトの印象はどうですか?

松岡さん:ミトはキリトに似ている部分もあるキャラクターです。根っからのゲーマーでアスナを導く姿が、クラインに対するキリトに重なりました。

 デスゲームが始まるまでのミトは、人生を謳歌しているなという印象でしたね。仮想世界で解き放たれるタイプの子なんだと思います(笑)。

戸松さん:『劇場版 SAO プログレッシブ』のなかで、一番共感できるキャラクターなんじゃないかと思います。

 アスナから見たミトは、ゲームも含めて色々な知識を持っていてカッコいい! という印象ですが、それだけではなく弱さも持っているキャラクターなんだろうなと。

 アスナという親友を守らなくてはいけない責任感と使命感はあるけれど、自分の弱さとの間で葛藤があって……共感を抱きました。

 誰が悪いとか、敵と味方しかないわけではない、複雑な人間の感情みたいなものが、今回ミトを通して描かれていると思います。いい意味で生々しく、人間らしいキャラクターだなという印象です。

――最後に、これから映画を見るファンに向けたメッセージをお願いします。

松岡さん:最大の見どころは、今まで見ることのできなかったアスナの姿です。思わずニヤリとしてしまうシーンと懐かしいシーンの連続ですので、『SAO』ファンの方はもちろん、新たに作品に触れる方など、すべての方々に楽しんでもらえる作品になっていると思います。

戸松さん:『SAO』を見るか迷っているそこのあなた。見るなら今ですよ!!(笑)

 新規の人でも、時系列的には今回の『劇場版 SAO プログレッシブ』が、もっとも最初のエピソードなので入りやすいと思います。原作をすでに楽しんでいただいている人も、「こことつながるのか!」という楽しみ方もできますし、オリジナルキャラのミトを交えた新しい『プログレッシブ』を体験できると思います。

 なつかしさと新鮮さが絶妙なバランスで融合された内容になっているので、ぜひこの機会に楽しんでほしいです。

――ありがとうございました!

【本予告】「劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア」10.30公開

『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア』作品概要

ストーリー

 これは、《閃光》と《黒の剣士》が、その名で呼ばれる前の物語――

 あの日、 《ナーヴギア》を偶然被ってしまった《結城明日奈》は、本来ネットゲームとは無縁に生きる中学三年生の少女だった。

 2022年11月6日、世界初のVRMMORPG《ソードアート・オンライン》が始動した。

 ところが、ログインの熱狂冷めやらぬプレイヤーたちが、突如ゲームマスターによってログアウトの手段を奪われ、ゲームの世界に閉じ込められてしまう。ゲームマスターは告げた。

《これはゲームであっても遊びではない。》

 ゲームの中での死は、そのまま現実の死につながっている。

 それを聞いた全プレイヤーが混乱し、ゲーム内は阿鼻叫喚が渦巻いた。そのうちの一人であったアスナだが、彼女は世界のルールも分からないまま頂の見えない鋼鉄の浮遊城《アインクラッド》の攻略へと踏み出す。

 死と隣り合わせの世界を生き抜く中で、アスナに訪れる運命的な《出会い》。そして、《別れ》――。

 《目の前の現実》に翻弄されるが、懸命に戦う彼女の前に現れたのは、孤高の剣士・キリトだった――。

スタッフ(敬称略)

原作・ストーリー原案:川原 礫(「電撃文庫」刊)
原作イラスト・キャラクターデザイン原案:abec
監督:河野亜矢子
キャラクターデザイン・総作画監督:戸谷賢都
アクションディレクター・モンスターデザイン:甲斐泰之
サブキャラクターデザイン:秋月彩、石川智美、渡邊敬介
プロップデザイン:東島久志
美術監督:伊藤友沙
美術設定:平澤晃弘
色彩設計:中野尚美
撮影監督:大島由貴
CGディレクター:織田健吾、中島宏
2Dワークス:宮原洋平、関香織
編集:廣瀬清志
音楽:梶浦由記
音響監督:岩浪美和
音響効果:小山恭正
音響制作:ソニルード
プロデュース:EGG FIRM・ストレートエッジ
制作:A-1 Pictures
配給:アニプレックス
製作:SAO-P Project

音楽情報(敬称略)

『往け』
LiSA(SACRA MUSIC)
作詞:LiSA/作曲:Ayase/編曲:江口亮

キャスト(敬称略)

キリト:松岡禎丞
アスナ / 結城明日奈:戸松 遥
ミト / 兎沢深澄:水瀬いのり
クライン:平田広明
エギル:安元洋貴
シリカ:日高里菜
ディアベル:檜山修之
キバオウ:関智一

原作情報

電撃文庫『ソードアート・オンライン プログレッシブ』
著/川原 礫 イラスト/abec
第1~8巻 好評発売中


©2020 川原 礫/KADOKAWA/SAO-P Project

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