『ロストジャッジメント』はゲーム性が深まりプレイの幅も広がった! そして犬とネコがかわいい
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- キャナ☆メン
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セガが9月24日に発売するPS5/PS4/Xbox series X|S/Xbox One用ソフト『LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶』(以下、ロストジャッジメント)について、レビューの第2弾を掲載します。
『ロストジャッジメント』は、木村拓哉さんが弁護士バッジを持つ探偵の八神隆之を演じ、『龍が如く』シリーズでお馴染みの神室町を舞台にしたアクションアドベンチャー『JUDGE EYES:死神の遺言』の続編です。
今作は、『龍が如く7 光と闇の行方』に登場した横浜伊勢佐木異人町を舞台に、八神の元同僚・城崎さおりの依頼で、息子をイジメで亡くしたと主張する警官・江原明弘が起こした痴漢事件と同じ日に行われた殺人、2つの事件の間にある謎を調査していきます。
物語について感想を述べた前回のレビューに続き、記事内では事前プレイで印象的だった体験などゲームプレイを主体とした感想を語っていきます。
今作のゲームシステムは膨大な量なので、その詳細についてはこれまでの紹介記事や公式サイトなどを参照していただければと思います。
ちなみに筆者はストーリー本編とユースドラマをクリアし、サイドケースは4分の3ほど遊んだ状態、トータルコンプリート34.1%でプレイ時間は54時間くらいでした。やり込むにはほど遠く、一通りの変更点や新要素に触れたという感じで、プレイスポットの中にはまったく触れなかったものもあります。あくまで目安ですが参考程度に。
なお、今回のプレイはPS4版を用いており、掲載している画像についてもPS4版のゲーム画面となります。
企画記事
1つ1つの要素が様変わりして“ゲーム性が深まる”
簡単にゲームの概要を書くと、『ロストジャッジメント』はリアルな街並みを好きに歩ける自由度と、豊富なミニゲーム、多様なアクションで挑む幅広いシチュエーションが特徴です。中でも探偵らしさを体験できる調査アクションや爽快感あるバトルが、プレイの柱になるでしょう。
本作を遊んでみて筆者がまず感じたことは、前作から継承したシステムは軒並み改良の手が加わり、そこに新システムも追加されていることで、「遊んでいるとずっと変化を感じる!」という驚きでした。配信されている体験版を触った人の中には、同じように感じた方がいるかもしれません。
変更点の例としてチンピラとのエンカウントバトルを挙げると、前作の場合は“戦っても雀の涙しか報酬をもらえないので避けるのが妥当”というのは根本的な課題だったように思います。
それが今作では、チンピラからもらえるSp(育成で使用するポイント)が大幅に増えており、他にもバトル全般にかかわるバトルリワードというシステムで追加のSpももらえます。
前者はゲームの進捗に応じて増え、後者はざっくり書くと“上手に戦うほど多くもらえる”という感じです。ただガチャプレイでもそれなりのリワードを達成できるため、感覚的にプレイしていてもバトルで褒めてもらえる! という楽しさがあります。
また、食事に“幸運効果”というバフ効果が追加されました。このシステムを活用してアイコンの付いている食事を摂ると、バトルのドロップアイテムや獲得Spがよくなることも。つまり、食事をおいしくいただいた後はチンピラもおいしくいただける、ということです。
加えて、『ロストジャッジメント』は“バトル自体がさらに楽しい”という点が大きいです。アクションの手触りが向上してより気持ちいいですし、それと同時に新スタイル“流”を含む各スタイルの長所がより強調され、スタイル切り替えのメリットが増しています。
他にも大きなところで、敵の必殺技であるモータルアタックに対抗手段ができ、強敵が闘気をまとったら、むしろ返し技で大ダメージを狙えるチャンス、と感じられるようになりました。
そのため、エンカウントバトルに関してまとめると、もらえるSpが大幅に増えて、かつ上手に戦えた時の達成感もあるという変化。さらに食事の幸運効果も活用するとお得です。しかもバトル自体が前作以上に楽しいので、チンピラは“避けるべき相手”から“Sp稼ぎの対象”に変わったと思います。
ちなみに、チンピラが遠くまで追ってくる点は以前と同様なのですが、異人町は道幅やフィールドが広いので、相対的に神室町より逃げやすくなっている感はあります。ただ筆者の場合、八神が十分に育つまでは、自分から跳び蹴りをかましに行く(※実際にはできません)ぐらいの勢いでチンピラとすれ違ったら戦っていました(笑)。
他にも多岐にわたる新要素や改善による変更点があるのですが、基本的にはプレイがおもしろくなる要素を足して、“ゲーム性が深まる”方向性で手が入っていると感じました。
また、ゲーム性が深まるという意味では、本格的なやり込み要素である“ザ・ガントレット”が用意されています。こちらはバトルや調査アクションにお題を課した高難度ミッションに挑むモードで、八神の能力も決められた条件なので、プレイヤーの腕前だけでクリアを目指す内容です。
ゲーム本編の難易度ノーマルは、“勝っているうちはガチャプレイ。負けたら操作を見直す”プレイヤー(筆者)が気持ちよく遊べるバランスなので、アクションに自信がある人は少し物足りないかもしれません。そういう方は本編の難易度を上げたり、ザ・ガントレットに挑戦したりと歯応えを満喫してみてください!
多様な追加要素で“ゲームプレイが広がる”
『ロストジャッジメント』には、新たな調査アクション、探偵ガジェット、バズリサーチャー、ユースドラマなど、ゲームプレイの幅を広げるような追加要素も数多く存在します。
探偵ガジェットは、前作のドローンに加えて、集音器、盗聴器などを調べる電波探知機、探偵犬が登場し、シチュエーションに応じたガジェットを呼び出すことで調査を進めることができます。
筆者のお気に入りは探偵犬で、まず単純にかわいい! 自由に散歩もできます。実用面では、臭いで手がかりを追ったり、ここ掘れワンワン的にアイテムを探したり、いろいろな場面で役立ってくれるので頼もしいです。
ちなみに動物つながりで書いておくと、前作だとサーチモードでネコを探せましたが、本作ではネコミュニケーションという新要素で、ネコをかわいがることができます。
昨今、ゲーム内で小動物を愛でるのが一種の流行ですが、『ロストジャッジメント』の犬やネコはかわいいので、八神が動物とたわむれる姿に癒やされること間違いなし! きっと、動物を愛でるのが好きな人にはたまらない遊びになるはずです。
そしてユースドラマは、クリアに必須ではない要素であるものの、ゲームボリュームを考えると実際のプレイ面ではメインストーリーと並ぶ柱になると思います。Spも稼げますしね。
前回の記事で触れたように、10本の連続シナリオを楽しめるのでストーリーが充実しています。それに加えて専用のオリジナルゲームが多数用意されているため、遊び応えはかなりのものです。
動画番組などでも紹介されていますが、ユースドラマで遊べる専用ゲームはミニゲームと呼ぶには深い作りになっていて、人によってはメインが全然進まなくなるのではないかと思います。頑張ればチャプター3の終わりまでに9つのコミュニティが解放できますし。
例えばボクシングであれば、ボクシングスタイルの専用バトルが用意されていて、八神を育成しながら次々と現れる対戦相手を倒していきます。
序盤の難度は低めですが、終盤はある程度のテクニックが必要で、少し練習して操作を見直したり相手を観察したりといったことが必要になるかと思います。でもそこがゲームらしさを味わえる部分。
専用ゲームで絶妙だと感じるのは、難易度とゲーム性のバランスです。ユースドラマを完全にクリアしようと思ったら、ジャンルがまったく異なるゲームを複数遊ばないといけないので、中には苦手なゲームもあるかと。
そのためあえて難易度はやや抑えめにしてあると思うのですが、ゲームらしさはしっかりと感じられて、練習でコツを掴んだり、育成で強くなったり、達成感を味わえる工夫が凝らされているんですね。
そんなユースドラマのゲーム中でも、筆者が一番遊び応えを感じたのはロボット部の競技ゲームです。
ロボコンをモチーフにした陣取りゲームなのですが、ロボットのカスタマイズに自由度があるうえ、プレイングでは陣取りの駆け引きがあって奥深い! 負けるとムキになって「もう1回!」とプレイしてしまいます(笑)。
ユースドラマは、1つ1つシナリオとゲームプレイの噛み合った体験がおもしろいし、その体験がバリエーションに富んでいることも相乗効果になって、ゲームの遊び応えや自由な楽しさをとても感じられると思います。
プレイ時間以上に遊んだ感覚があるボリューム感のすごさ
筆者なりに『ジャッジアイズ』シリーズの特徴を考えた時、アクションやゲームシステムが豊富にあり、それらシステムの組み合わせによって、1つ1つのシチュエーションごとに体験の差が生まれるような、言わばゲーム体験の幅広さに重きを置いた作品だという認識があります。
それを横に広げるイメージとして、システムを練り込んで1つ1つの体験を深く掘り下げていくのが縦のイメージとするならば、『ロストジャッジメント』はゲーム体験を横に広げ、縦にも掘り下げた続編だと思います。遊びがたくさん増えているのに、ゲーム性も深まっているので、実際のプレイ時間に対して体感でのボリューム感がすごい。
他のゲームだと、寄り道が豊富でボリュームがあるけれど似たような遊びを繰り返すので途中から飽きる、ということがままあります。ところが『ロストジャッジメント』は、体験の異なる遊びが豊富に用意され膨大なボリュームがあるので、作業感とは無縁でゲームを楽しめるのではないかと思います。
話は変わりますが最後に1つ。“逃亡したゲームクリエイター”という名称のサイドケースを見かけたら、ぜひ遊んでみてください。続きのサイドケースを含めて、めちゃめちゃおもしろいですよ!
企画記事
©SEGA
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