『英雄伝説 零の軌跡』11周年ストーリーまとめ:大国の狭間で、“壁”を越えるべく戦う若者たちの軌跡【ファルコム40周年特集】

電撃オンライン
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 2021年3月9日に日本ファルコムは創立40周年を迎えました。これを記念して、電撃オンラインでは日本ファルコムに関する企画記事を展開していきます。

 そして、本日9月30日、2010年(平成23年)に発売された『英雄伝説 零の軌跡』が11周年を迎えたことを記念して、ストーリー振り返り記事をお届けします。

【英雄伝説 零の軌跡】
・発売日:2010年9月30日
・機種:PSP
・メディア:UMD
・ジャンル:ストーリーRPG
・価格:¥6,090(5%税込)

『英雄伝説 零の軌跡』とは?

 2010年9月30日にPSPで発売された『英雄伝説 零の軌跡』は、『英雄伝説 空の軌跡』の世界観をそのままに、物語の舞台が“リベール”から“クロスベル”へと移行した作品です。また、ロイドやエリィは本作の発売から先行して『イースvs.空の軌跡 オルタナティブ・サーガ』にも登場していました。

  • ▲プレイヤーの行動や選択肢によって、特定の仲間と絆(好感度)を深めることが可能。その度合いによって変化するイベントもあり、ストーリー中の楽しみの1つとなっている。

 クロスベルの物語は『英雄伝説 碧の軌跡』へと続きますが、その後も『英雄伝説 閃の軌跡III』や『英雄伝説 創の軌跡』などでも訪れることがあり、シリーズの物語に深く関わることになります。

 こちらでは、『日本ファルコム30周年公式記念本 Falcom Chronicle』(発行:KADOKAWA)に掲載されていた、ストーリープレイバック部分を再掲載します。

 大国の間に位置する都市、というものを背負い、たびたび重要な場所として登場するクロスベル。そんな中でも諦めず、“壁”を乗り越えるために戦う、ロイドたち特務支援課の物語を追いましょう。

※本記事では、『零の軌跡』のストーリープレイバックのあとに、続編である『碧の軌跡』についてもご紹介しています。

『英雄伝説 零の軌跡』システムチェック

フィールドアクション

 フィールド上で敵を攻撃可能。敵の後方から攻撃して、気絶させた状態でエンカウントすれば、奇襲攻撃をしかけられる。

コンビクラフト

 パーティメンバー2人が、CPを100ずつ消費して使える強力な必殺技。ストーリーを進める、または特定の条件を達成することで、使用できるようになる。

タクティカルボーナス

 戦闘中に特定の行動をとることで、経験値に付加されるボーナス倍率のこと。カウンターの3回成功、3ターン以内の勝利など、ボーナスの種類は豊富。

サポートクラフト

 4人のアタックメンバー以外のキャラクターが使用できる技。サポートメンバーは戦闘中にランダ
ム で出現し、サポートクラフトで仲間を支援してくれる。

『英雄伝説 零の軌跡』ストーリープレイバック

【プロローグ】

 ゼムリア大陸西部に位置する貿易都市クロスベル自治州。かつてはエレボニア帝国とカルバード共和国の間で領土争いが繰り広げられていたが、現在は沈静化して、独自の繁栄をとげている。

 しかし、いまだ両国の争いは水面下で行われ、 マフィアや外国の犯罪組織の流入もあり治安状態は最悪だった。

 そんななか、市民の信頼を失ったクロスベル警察に4人の若者が集められる。彼らは新設部署「特務支援課」に配属され、厳しい現実に直面しながらも、力を合わせてクロスベルに巣食う問題を解決していく。

01 故郷への帰還

 クロスベル市へ向かう列車に乗る、若き捜査官ロイド・バニングス。警察学校を卒業したばかりの彼は、クロスベル警察の特務支援課への配属が決定する。

 3年ぶりに、故郷クロスベル市の土を踏んだロイド。市内に到着したあとは、さっそく行政区にあるクロスベル警察本部へ向かうのだった。

02 初出勤

 警察本部では、特務支援課の課長セルゲイへの挨拶も早々に、会議室へ連れて行かれる。そこには、ともに働く仲間となるエリィ、ティオ、ランディの3人が顔を並べていた。

 自己紹介をすませた一同をよそに、セルゲイの携帯端末に通信が入る。そして、セルゲイは彼らをあるところへ連れて行く。

03 初任務

 セルゲイに連れられ、一行がやってきたのはジオフロントA区画。特務支援課の初任務として、総合能力と実戦テストを兼ねて、魔獣を掃討しながら奥へ進むように命じられる。

 互いの連携を確認しながら、区画内の探索を開始。その途中、友達のリュウとはぐれてしまったというアンリ少年と出会う。

04 風の剣聖

 奥で魔獣に囲まれているアンリの友達リュウを発見した一行。魔獣を撃破して安心したのも束の間、新たな魔獣が出現する。

 窮地に陥るロイド達だったが、突如現れた剣士が一刀で魔獣をしとめる。彼こそ、市民の間で英雄として名高いA級遊撃士「風の剣聖」ことアリオス・マクレインだった。

05 テスタメンツとサーベルバイパー

 ロイド達の次の任務、それは不良集団テスタメンツとサーベルバイパーのケンカの仲裁だった。

 騒動を抑えて事件を探ると、双方のメンバーが闇討ちされたことが原因と判明。 2つの不良集団から事情聴取を進めて、情報をもとに記者グレイスから話を聞くと、ある組織の影が浮かび上がってきた。

06 ルバーチェ商会

 捜査の助言者として、イアン弁護士の力を借りる一行。継続調査の結果、黒幕がルバーチェ商会だと判明する。

 彼らは不良集団を争わせて弱ったところを懐柔する魂胆で、両者に闇討ちをしていた。そして、組み入れた不良集団を同業者である黒月(ヘイユエ)へ対抗するための兵力として使うつもりだった。

07 ワジとの協力

 それぞれの不良集団でリーダーを務めるワジとヴァルドに自身の推理を伝える一行。そして、ワジの提案でルバーチェ商会をおびき出す作戦を行う。

 見事、作戦は成功するが、違法なオトリ捜査に近い手法のため、逮捕は断念。なんにせよ、テスタメンツとサーベルバイパーの衝突は回避された。

08 魔獣による被害調査

 市民からの支援任務をこなすかたわら、ロイド達は警備隊のソーニャ副司令から協力要請を受ける。それは、各地で起こっている不可解な魔獣被害の調査というもの。まずは、直接被害にあったアルモリカ村、聖ウルスラ医科大学、鉱山町マインツを回り、証言を集めるべく、行動を開始する。

09 神狼の存在

 アルモリカ村に向かった一行は、現地で家畜や農作物を荒らしたのは狼型の魔獣だという情報を得る。村長いわく、今回の事件は急激なクロスベルの発展に対する神狼の警鐘とも考えられるのではないかとのこと。これらの情報を頭に入れたロイド達は、次の現場となった聖ウルスラ医科大学へ向かう。

10 凄腕遊撃士との出会い

 ロイド達は導力バスで聖ウルスラ医科大学を目指すが、バスにトラブルが発生したらしく、徒歩で街道を進むことに。

 道中、エンジンが故障した別のバスを発見するが、そこに魔獣が出現。これを撃退したが、新手の魔獣に不意を突かれてしまう。そこに現れたのは、まだ若い2人の凄腕遊撃士だった。

11 セシルとの再会

 遊撃士のエステルとヨシュアに助けられた一行。2人の言葉に甘えて、その場をまかせたロイド達は、聖ウルスラ医科大学へ向かう。

 医科大学の受付で話を聞いていると、看護師のセシルが一行に声をかける。彼女はロイドの亡き兄の婚約者。彼女の案内で、アリオスの娘シズクなどの患者から証言を得る。

12 分岐路の先の館

 調査2日目。鉱山町マインツへ行くためにバス停を目指す特務支援課。しかし、バス停付近で魔獣の遠吠えを確認した一行は、山道の探索を兼ねて徒歩でマインツへ向かう。

 声の発生場所とおぼしき場所は、山道の分岐路だった。魔獣は見つからなかったが、分岐路を進んだ先で、とある館を発見する。

13 謎の白狼

 その館とはローゼンベルク工房。有名な天才人形師の工房だが、そこで出会ったドレス姿の華奢な少女から、主の留守を聞かされる。ひとまず館をあとにした一行は、再び遠吠えを確認。声の聞こえた方向を頼りにトンネルを進むロイド達は、出口付近で不思議な雰囲気を持つ白狼と出会う。

14 見えてくる事件の全貌

 白狼と出会ったあと、マインツの町長から話を聞いた一行は宿をとり、ミーティングを行う。

 推理の末に、狼を犯人にするのではなく、手段に置き換えて考察を進めていく。そして事件当日、聖ウルスラ医科大学に停まっていたルバーチェ商会の運搬車が、犯人を断定させる決め手となった。

15 神狼の出現

 犯人は、またもやルバーチェ商会だった。犯人の動きを予測して、マインツの宿酒場で待機する一行。そこに出現した狼型の魔獣を撃退して運搬車を発見するが、敵の増援に囲まれてしまう。

 その窮地を神狼率いる狼の群れに助けられ、結果的に特務支援課はマフィアの拘束、逮捕に成功した。

16 新たな仲間ツァイト

 犯人の逮捕により魔獣騒動はひと段落。後日、特務支援課の玄関にトンネルの出口で出会った白狼=神狼が居座っていた。ティオいわく、名をツァイトといい、まだまだ頼りないロイド達に手を貸してくれるという。こうして、ツァイトは警察犬という名目で、特務支援課の一員に加わる。

17 看板スターに届いた脅迫状

 特務支援課のメンバーに、フランから通信が入る。特務支援課を指名した相談者がいるとのことで分室ビルへ。相談者は、クロスベルが誇る人気劇団アルカンシェルの新人団員であるリーシャ。看板スターのイリア宛に不気味な文面の脅迫状が届いたらしく、ロイド達はその調査を引き受ける。

18 ルバーチェ商会の企みか?

 脅迫状を確認するために、一行は歓楽街にあるアルカンシェルへ向かう。イリアと直接面会して、脅迫状を確認したところ、公演の中止を促す文面と銀(イン)という差出人の名前を目にする。悪戯だと考えるイリアだったが、怨恨の線も考慮し、ルバーチェ商会のマルコーニ会長も候補にあがった。

19 ルバーチェ商会への事情聴取

 さっそく捜査開始とばかりにルバーチェ商会へと向かったロイド達。裏通りの路地を進んだ先で、ルバーチェ商会の若頭ガルシアと出会う。若頭は銀の名に反応を示して、特務支援課を追い払う。続いて一行はイアン弁護士を頼り、彼から得た情報で銀が黒月と結びついている可能性を知る。

20 黒月貿易公司への事情聴取

 港湾区にある黒月貿易公司。若き幹部のツ ァオから話を聞いたロイド達は、銀と黒月になんらかのつながりがあることを確信する。その後、黒月貿易公司前で捜査一課のダドリ ー捜査官と会った一行は、彼に調査内容を伝える。捜査は一課に引き継がれ、ロイド達は通常業務へと戻ることになった。

21 銀からの導力メール

 明朝、特務支援課にある端末に、銀から導力メールが届く。その文面は「試練を乗り越え、我が元へ参ぜよ」。発信源はなんと、クロスベル国際銀行ことIBC。一行はクロスベルでひときわ高いIBCビルへと向かい、地元の名士の孫娘でもあるエリィの顔立てもあって、ディーター総裁との面会にこぎつける。

22 ハッキング元はいずこ

 面会の結果、端末がハッキングされたという可能性が出てくる。ディーター総裁の計らいで端末室に入れることになった一行は、総裁の娘マリアベルに端末室へ案内してもらう。

 ティオと研究員がハッキング元を調査すると、クロスベルの地下ジオフロントB区画の第8制御端末であることがわかる。

23 いざ、星見の塔へ

 ジオフロントB区画に進入したロイド達は、その奥の端末室で小生意気なハッカー少年ヨナと出会う。そして彼から、銀の伝言が綴られたカードを受け取る。そこには、クロスベル郊外にある遺跡の1つの星見の塔へ来るようにと書かれていた。ロイド達は、ウルスラ間道にある星見の塔へ向かう。

24 凶手「銀」との対面

 ロイド達は星見の塔の入口で、警備隊のノエル曹長と合流。合同で塔を探索することになる。通常は見かけない不思議な魔獣を倒しながら塔を進むと、銀との対面を果たす。一行の実力を確かめるために、襲いかかってくる銀を退けると、彼の口から脅迫状は銀の仕業ではないことを知るのだった。

25 プレ公演の始まり

 劇団アルカンシェルでは「金の太陽、銀の月」のプレ公演が迫っていた。ロイド達は真犯人の企みを阻止せんと、劇場内を徹底的に巡回。順調に公演が行われるなか、記者グレイスから市長の秘書アーネストの黒い噂を耳にする。土壇場で得たこの情報を頼りに、ロイドは真犯人のもとへと急ぐ。

26 市長暗殺未遂事件

 劇場内の貴賓席へ急ぐロイド達は、アーネストによるマクダエル市長暗殺を、間一髪で阻止することに成功する。真犯人のアーネストを逃しかけてしまうが、劇場外に出たところでなんとか逮捕する。彼の逮捕で市長の暗殺事件は未遂に終わり、同時にイリアへの脅迫状騒ぎも解決を迎えるのだった。

27 クロスベル創立記念祭開催

 毎年行われるクロスベル創立記念祭は、今年が70周年という節目の年。劇団アルカンシェルの新作公演も重なり、例年以上に盛り上がりを見せる。ロイド達も初日は休暇をもらって各々記念祭を楽しみ、お祭り2日目以降は特務支援課の通常業務である支援要請の対応に専念していた。

28 不良集団のケンカ騒動

 一仕事を終えた一行に、港湾区で発生した不良同士のケンカの仲裁要請が届く。港湾区に向かったロイド達だが、自体は深刻なものではなく、遊びに近い騒ぎだった。

 しかし、エステルら遊撃士の介入によって一触即発の状態に。この状況を沈静化するため、ランディ提案のチェイスバトルが行われる。

29 灼熱のチェイスバトル

 旧市街で行うチェイスバトルは2人1組で開催。チーム分けはロイド&ランディ、エステル&ヨシュア、ワジ&ヴァルドとなった。

 レースはデッドヒートの結果、ロイド&ランディの特殊支援課ペアが勝利をつかみとった。これにより、当初の約束どおり不良集団はおとなしく引き下がったのだった。

30 天才ハッカーの「仔猫」

 創立記念祭も3日目に突入。一行の端末を経由して、ヨナから情報の提供と交換で、依頼の連絡が入る。内容はヨナを手玉にとった仔猫という天才ハッカーのアクセスポイントを暴くというもの。特務支援課の見守る前で、ヨナと仔猫、2人の激しい攻防が繰り広げられるが、軍配は仔猫に上がった。

31 ヨナからの報酬

 ヨナは仔猫からハッキングを受けるが、なんとかアクセスポイントをつかむ。場所はローゼンベルク工房で、環境的にはありえない場所である。

 そして報酬として得た記憶結晶から、ルバーチェ商会が創立記念祭と同時期に開催していた、盗品の売買も行う「黒の競売会」に関する情報を知ることに。

32 迷子のコリン少年

 ヨナの依頼を終えた一行に、迷子の捜索依頼が届く。迷子になったのは貿易商ハロルドの息子コリン。両親の話では市内パレード中にはぐれたらしく、ロイド達は市内各所をくまなく探す。

 足を使った聞き込みと、ツァイトの追跡により、コリンが港湾区の運搬車に乗り込んだという情報をつかむ。

33 コリン少年の保護

 ローゼンベルク工房で出会った少女レンの助力で、運搬車を特定したロイド達。実はレンこそ仔猫の正体だった。

 急いで西クロスベル街道へ向かった一行は、魔獣に襲われていたコリン少年を発見。少女と思えない強さを見せるレンの活躍によって魔獣は撃退され、コリン少年は両親のもとに戻った。

34 潜入! 黒の競売会

 創立記念祭の最終日の朝。特務支援課の分室ビルに、仔猫から黒の競売会への招待カードが届く。驚きを隠せない一行だが、これを生かさない手はないと、セルゲイ課長の忠告を無視して潜入捜査を計画する。そしてロイド達は、黒の競売会が行われる保養地ミシュラムへと向かうのだった。

35「ミツケテ」という謎の声

 会場へ潜入するために、正装に身を包むロイド達。会場内をひととおり回って、出品物の保管場所らしき部屋の場所を確認する。そこで、再びロイドは不思議な声を聞く。

 その後、会場へ向かった一行は、ワジから庭の番犬が眠らされていることを聞き、黒の競売会における事件の気配を察知する。

36 トランクで眠る謎の少女

 屋敷内を探索するロイド達は、扉の前で気絶しているマフィアを発見。室内では、邸内に忍び込んでいた銀と出会う。銀から得た情報を頼りに、宝物庫の奥にあったトランクを調べると、中には少女が眠っていた。記憶喪失で名前以外は覚えていない、キーアという名の少女を連れて、会場を脱出する。

37 若頭ガルシアとの対峙

 若頭ガルシアが固める正面からの脱出を避け、追っ手を振り切ったロイド達。偽情報を与えて、誤った場所へとマフィア達を誘導した一行は、屋敷からの脱出に成功する。

 外で待機していた仲間と合流を果たして喜ぶのも束の間、波止場で水上バスを乗り過ごしたところを、ガルシアに追い詰められる。

38 クロスベルへの帰還

 ランディ同様、元猟兵のガルシアはすさまじい戦闘力でロイド達を苦しめる。一行は激闘の末に追い詰められるが、セルゲイが救援にかけつけた。

 セルゲイの乗るボートで、ロイド達はミシュラムからの離脱に成功。キーアを保護して無事に特務支援課分室ビルに帰還して、黒の競売会の調査を終えた。

39 キーアの身元調査

 保養地ミシュラムでキーアを保護してから1週間。黒の競売会での騒動は、ルバーチェ商会からの打診により、キーアの件と競売会への潜入調査を不問とする交換条件で手打ちとなる。

 ひと安心するロイド達だが、キーアの素性は不明のまま。それらを探るべく、遊撃士協会へキーアの身元調査を依頼する。

40 離れたくない

 キーアの記憶喪失についてクロスベル大聖堂のシスター・マーブルに相談。法術をかけてもらうが効果はいまひとつ。聖ウルスラ医科大学の神経科でヨアヒム准教授に診てもらうと、神経系の異常と薬物の副作用を指摘される。検査入院をすすめられるが、キーアはロイドと離れたくないと入院を拒否した。

41 月の僧院の調査

 朝食をとる一行のもとに、ノエル曹長から連絡が入る。分室ビルを訪れたノエルは、ロイド達に不思議な魔獣が出没した遺跡の調査依頼を申し出た。山道のトンネルから進んだ先にある、月の僧院と呼ばれる遺跡に到着した一行。屋上の鐘楼を目指して中へ入ると、鐘の音が響きわたり、亡霊が出現する。

42 異形の悪魔との遭遇

 亡霊を倒した一行は、僧院内の仕掛けを解除して礼拝堂裏手の儀式の間へ。しかし鐘の音とともに、不思議な模様の床から悪魔が現れた。

 通常の魔獣とは異なる戦いに苦戦しながらも、勝利したロイド達は鐘の音に原因があると推測。屋上の鐘楼に共鳴する鐘を停止すると、遺跡は通常の空間に戻った。

43 行方不明の鉱山員

 月の僧院から魔獣の気配が消え、調査もひと段落したロイド達。新たな依頼のため、鉱山町マインツへと向かう。どうやら、鉱山員ガンツがクロスベル市に向かったまま何日も戻ってこない様子。一行はギャンブル好きという情報から、調査のために歓楽街にあるカジノバーへと足を伸ばすことに。

44 ホテルで豪遊するガンツ

 カジノバーで情報を集めていると、オーナーからガンツが荒稼ぎしているという情報を得た。一行はホテルのデラックスルームに泊まりながら豪遊しているガンツに話を聞くべく、ホテルの最上階を訪問。説得はしてみたが、マインツに帰る様子はないため、町長自ら直接話をすることになった。

45 黒月貿易公司が襲撃される

 分室ビルに戻ったロイド達は、セルゲイ課長の部屋でイアン弁護士と出会う。今回の一件を説明したところ、似たような話を聞いたという。明朝、一行のもとにヨナから連絡が入り、黒月貿易公司が何者かに襲撃を受けたという情報を得る。ロイド達は、その真相を確かめるために港湾区へ向かう。

46 襲撃者の正体

 現場に到着したロイド達は、非公式の捜査としてツァオから状況を確認。襲撃者はルバーチェの構成員で、若頭のガルシアこそいなかったが、いずれも身体能力が異常に発達していたらしい。

 その後、ガルシアとも軽くやりとりを行い、若干ながら情報を聞き出す。記者グレイスとも情報交換を行う。

47 蒼い錠剤

 鉱山町マインツの町長から、ガンツの件で連絡が入る。暴力沙汰になりかねないとのことで、至急カジノへ向かう一行。カジノでポーカーに負けたガンツを取り押さえたロイド達は、薬物使用の可能性を感じて、町長の許可を得て私物の確認を行う。そこには、見たことのない不思議な蒼い錠剤があった。

48 蒼の叡智、グノーシス

 蒼い錠剤の成分調査のため、聖ウルスラ医科大学を目指すロイド達。准教授のヨアヒムに薬の解析を依頼する。彼から、狂信的な宗教団体が生み出した、似たような症状を引き起こすグノーシスという薬の情報を得た。陽も落ち始めたので病院をあとにしようとすると、門付近でティオが倒れてしまう。

49 D∴G教団という組織

 貧血で倒れたティオは、セシルのベッドで介抱を受ける。ヨアヒムから聞いた、あらゆる手段で感応力を高める実験を行っていた狂信的な宗教団体、それはティオの過去に直結していた。

 ティオを連れ帰った一行は、彼女を部屋で休ませる。そして、セルゲイ課長からD∴G教団の存在を聞かされる。

50 侵入、ルバーチェ商会

 ルバーチェの監視を引き上げるために屋敷を訪れたが、建物内には人の気配は一切感じられない。警察上層部による隠蔽工作は明らかだが、今は屋敷内の捜索を優先することに。

 ダドリーも仲間に加わり、さまざまな仕掛けを解除していくロイド達。そして、応接間に隠されていた階段を見つける。

51 重要参考物の押収

 地下へと続く隠し階段を降りた先で、武者型の自動人形を撃破したロイド達は、怪しい部屋に到着。部屋の奥にあった宝箱から、グノーシスの入荷&出荷リストに加えて、傷ついた警察徽章が見つかる。リストには失踪した市民の名前があり、ルバーチェ商会が薬を広めた事実を裏づけることができた。

52 意外なつながり

 遊撃士協会でアリオスらに事件の経緯を説明し、協力体制を結んだロイド達。グノーシスの検査結果を教えてもらうため、ヨアヒム准教授から連絡を待っていたが、直接出向くことに。

 しかしバス停付近でダドリーから通信を受け、ヨアヒムが市長暗殺を企てた元秘書アーネストの主治医だったと知る。

53 医科大学に起きた異変

 アーネストとヨアヒムのつながりから、危険なにおいを察知したロイド達。再び、聖ウルスラ医科大学に連絡するが音信不通。急いで医科大学へと向かう。

 その道中、無人の導力バスを発見。病院に到着するが、明かりは点いていない。そして、突如グノーシスを服用したマフィアと軍用犬の襲撃を受ける。

54 頼れる助っ人

 マフィアらを退けたロイド達は、銀と再会を果たす。両者の目的が同じく調査にあることと、緊急事態であることから一時的に協力体制をとる。

 銀を加えた一行は、院内をひととおり捜索し、関係者の無事を確認。屋上テラスでは、セシルと入院患者のミハイルを囲んでいた魔獣を撃破して、研究棟へ進む。

55 事件の黒幕

 ヨアヒムの研究室を目指す一行。しかし、そこで待ち受けていたのはアーネストだった。拘置所で捕らえられていたはずだが、どうやら警備隊にグノーシスを与えて脱走したらしい。

 鋭利な剣で襲いかかってくる彼を倒すと、ヨアヒムの正体がD∴G教団の幹部司祭であり、グノーシスの開発者だとわかる。

56 強襲! クロスベル

 キーアを守るため、遊撃士協会に保護を求めるロイド達。しかし、突如クロスベル市を警備隊が襲撃する。

 市内を逃げ回る一行は東通り付近で追い詰められるが、IBC総裁ディ ーターに助けられる。なんとか窮地を脱して、 IBCへと身を寄せるのも束の間、警備隊はビルへの強硬な突入を試みる。

57 いざ、太陽の砦へ

 やはりヨアヒムの狙いはキーアだった。グノーシスを服用した警備隊の激しい攻勢が続くが、アリオスを始め、セルゲイやダドリー、ワジやヴァルドまでかけつける。そしてようやく警備隊の鎮圧に成功。キーアをIBCに残して、エステルとヨシュアが突き止めた最終決戦の地である太陽の砦へ向かう。

58 捕らわれの人々

 太陽の砦の入口で、エステルやヨシュアと合流。複雑に入り組む内部の捜索では、グノーシスの製造を確認する。

 さらに、ルバーチェ商会の会長マルコーニなど、捕らわれていた失踪者達を解放。牢屋の区画を抜けると、再びアーネストが待ち構えていた。そして彼の身体は、魔人化でさらなる変貌をとげる。

59 ガルシアとの死闘

 道をふさぐ最後の刺客は、ルバーチェ商会の若頭ガルシアだった。しかも彼はグノーシスの力で操られており、意識はすでにない。

 暴走を止めるべく全力をぶつけて、なんとか勝利を収める。ガルシアは魔人化寸前だったが、ランディの言葉に無意識ながら必死に抵抗し、正気を取り戻すと気絶する。

60 ヨアヒム司祭との対峙

 ガルシアを倒して進んだ先の祭壇では、今回の事件の主犯格であるヨアヒム司祭が待ち構えていた。キーアを御子と崇める彼に、彼女の素性を求める一行。しかし判明したのは、キーアが500年以上も前の人物ということだけ。ティオやレンを巻き込んだ人体実験も、グノーシスの性能向上のためだった。

61 紅の叡智

 障害や虐待、薬物使用など、数々の容疑を犯したヨアヒムに対して、ロイドは略式ながら逮捕状を叩きつける。

 しかし、ヨアヒムはそれをあざ笑うかのように人形兵器を使役。戯言を発する彼に対して、ロイド達は戦いを挑む。結果的に勝利するが、ヨアヒムはグノーシスの最終形「紅の叡智」を口にする。

62 最終決戦開始

 紅の叡智を大量に摂取したヨアヒムは、不思議な力でさまざな知識を感じとる。キーア失踪の真実やガイの死の真相、そしてクロスベルの地に課せられた避けられぬ運命……。だが、その代償としてヨアヒムは異形のものへと姿を変えた。ロイド達は全身全霊を賭けて、魔人化したヨアヒムに挑む。

63 決着

 魔人化したヨアヒムを打ち破ったロイド達。しかし、力を暴走させたヨアヒムに再び動きを封じられてしまう。窮地に立たされるロイド達の前に現れたのは、真紅の巨大人形兵器パテル=マテルを操る殲滅天使レンだった。彼女の助力を得た一行は、暴走するヨアヒムにトドメを刺す。

ENDING

 レンは事件の解決に伴い、クロスベルでの心残りはなくなったと言い、去ろうとする。しかし、エステルとヨシュアは、彼女を家族として引きとろうとする。意志を持つ人形兵器のパテル=マテルも、レンをエステルに近づける。エステルに抱きつき無邪気に泣く姿は、まさに家族と呼べるものだった。

 ヨアヒム司祭の野望を阻止して太陽の砦を出たロイド達を、暖かい朝日が出迎えた。そして聞き覚えのある少女の声が聞こえる。遠くからかけてきたキーアは、思いっきりロイドに抱きついた。その後ろには、セルゲイやアリオス、ダドリーらの姿も。一同は事件の解決を祝い、笑顔で記念撮影を行った。

 マクダエル前市長の退陣による新市長選も終わり、市内全体が教団事件からひと段落ついたある日。新市長から呼び出しを受けたロイド達と、日曜学校へ通学を始めるキーアはセルゲイ課長とツァイトへ「行ってきます!」と元気よく声をあげ、特務支援課の分室ビルから新たな一歩を踏み出すのだった。

TOPICS

実績を解除して特典を解放

 実績とは、ゲーム中で特定の条件を満たしたときに獲得できる称号のようなもの。実績を獲得するとゲームクリア後に、ポイントを消費することで周回プレイに役立つ引き継ぎ要素や、さまざまな特典を得ることができる。

  • ▲最強武器やクオーツなどを引き継いでプレイすれば、最凶の難易度を誇るナイトメアのクリアも不可能ではなくなる。

絆ポイントを稼いで特殊なイベントを堪能

 エリィ、ティオ、ランディには、絆ポイントというものが設定されている。この数値により、特定のイベントで出現するキャラクターが変化する。

 さらに終章で発生するイベントでは、絆ポイントが最も高い仲間とのコンビクラフトが強化される。この数値はイベント中の選択肢やコンビクラフトの使用回数、さらにはインテリアを揃えることで変動するので、お気に入りキャラクターとの絆は深めておこう。

  • ▲物語の終盤までに使用したコンビクラフトの使用回数は、絆ポイントに大きく影響する。CPをガンガン溜めて、お気に入りのキャラクターとできるだけ何度もコンビクラフトを使うと、お互いの絆がどんどん深まっていく。
  • ▲第3章と終章では、絆ポイントが高い仲間との特別なイベントが発生。これらは実績の解除にもかかわる。なお、続編である『碧の軌跡』にクリアデータを引き継ぐと特典を得られるので、全メンバーとの絆を深めておくのがオススメだ。

クロスベルの物語はより深層へ。『英雄伝説 碧の軌跡』とは?

【英雄伝説 碧の軌跡】
・発売日:2011年9月29日
・機種:PSP
・メディア:UMD
・ジャンル:ストーリーRPG
・価格:¥6,090(5%税込)

 2011年9月29日にPSPで発売された『英雄伝説 碧の軌跡』は、前作『零の軌跡』の続編となります。主人公は引き続きロイドが務め、特務支援課ももちろんメインで登場。シリーズにおいて鍵を握るものである“至宝”も絡む、真相に迫る物語が描かれました。



 アトラクションで遊べるミシュラム(MWL)が開園したり、戦闘面では“バースト”や“マスタークオーツ”が加わって、遊びごたえも増した本作。電撃オンラインでは以前、『碧の軌跡』の物語を振り返る記事を掲載しました。5周年の際に公開した記事なので、ここから更に5年が経過したことになります。

 また、昨年の『零の軌跡:改』および『碧の軌跡:改』発売時には、両方を紹介したプレイレポートも掲載しています。周年という節目にぜひ、チェックしてみてください。

『零/碧の軌跡』企画記事抜粋

※掲載しているパッケージはPSP版。掲載している画面写真はPSP版。
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