PokekaraにハマったDIY初心者が防音室を自作!その全工程を紹介!【前編】
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新型コロナウイルスの影響で外出の自粛が続くなか、無料でカラオケが楽しめるアプリPokekaraに出会った自分は、いつでも自由に、思いきり発散できる環境を作ろうと自作の防音室の作成を計画!
ここではその作成レポートを2回の記事にわけて、全工程を詳しく紹介していきます。同じく防音室の自作に挑戦してみたい方のお役にできれば幸いです。
自作防音室作成レポート【前編/設計~作成1日目~5日目まで】
構想と設計で約2カ月!
構想段階ではまず市販の防音室の情報や、同じように防音室を自作している人のブログなどからも情報を収集しました。
なかには押入れやクローゼットを大胆に改造してしまう人もいましたが、自分の家は築40年以上の賃貸住宅なのでそうもいかず、奥行1102mm×幅910mm、高さ1846mmの箱型の防音室にすることにしました。
多くの防音室の壁は二重壁になっていて、外壁と内壁の間に遮音材シートとグラスウールやロックウールといった吸音材を挟んだ構造になっています。しかし、それでは総重量がかなり重くなってしまうため、一枚壁にして軽量化を図ることにしました。
この重量の問題は、自分で防音室を作成するときに意外と見落としがちなので、十分注意しましょう。
防音壁で重要なのは、音を遮断する遮音材と、反射する音を吸収して減衰させる吸音材、この2つの効果を組み合わせること。なので、一枚壁でもこの2つの効果を得られるような材料を探した結果……。遮音材には遮音シート、吸音材には厚さ10mmのニードルフェルトをチョイス。
ニードルフェルトは車の防音にも使用される素材で、カットなど加工も簡単。しかも安い! あと厚さ10mmとはいえ柔軟なので、タッカーで押しつけて固定もできます。しかし、これだけだと吸音に心もとないのと、やはり二重壁という理想に近づけたい気持ちもあり、内装を兼ねた内壁に防音ジョイントマットを使用することにしました。
さらに反響してしまう音を吸音&減衰させるために、防音ジョイントマットの上に吸音材ポリウレタンマットを貼りつける構造で計画を進めていきます。
設計図
ちなみに……実際の作成時は、このメモ書きのような設計図で進めていました。上記の設計図は今回の記事作成にあたり清書したものです。作っているときにほしかった(笑)。
材料の調達
自宅近辺にある3件のホームセンターへ何度も足を運んで、材料の下見に行っていました。材料の価格が一番安いことはもちろん、木材のカットや運搬サービスが行われているかも調べます。とくに木材のカットは重要です。
ミリ単位で計算設計した段階で、必要な木材はすべてホームセンターでカット(1カット50円ほど)してもらうと、あとの作業が超楽になるのでオススメです。ちなみにカットしてもらった木材は重いので、すべて配送してもらいました。
自分が選んだ壁板は針葉樹構造用合板(1820mm×910mm×厚み12mm)です。石膏ボードという安価で遮音性能が優れた素材もありますが、非常に重量があるのと、余った場合は産業廃棄物になるので廃棄にお金がかかるのがネック。
ちなみに何軒もホームセンターを巡ってわかったのですが、木材はすべて時価でコロコロと値段が変わります。一番安いときに購入できればラッキーですね。
●ホームセンターで購入した材料
・針葉樹構造用合板(1820mm×910mm、厚み12mm)×7枚
・赤松垂木(45mm×45mm、長さ1985mm)×12本
・赤松垂木(45mm×45mm、長さ990mm)×1本
・SPF加工材1x3 (6F)×2本
・SPF加工材1x3 (3F)×1本
・木ネジ(コースレット)100本入り×2袋
・シリコンコーキング材×2本
・コーキングガン
・コーキングヘラ
・パワフルタッカー
・H10型(タッカー芯)
・G17ボンド
・布粘着テープ
・作業グローブ
・クリップライト
・L字金具
・STC-01タイルカーペット(アイボリー)(50mm×50mm)×6枚
●ネットショップで購入した材料
・遮音シート(大建工業)(幅940mm×長さ10m、厚み1.2mm)1ロール
・ニードルフェルト(幅910mm×長さ10m、厚み10mm)1ロール
・1級防音ジョイントマット(タンスのゲン)(56.5cm×56.5cm、厚み10mm)×32枚
・ロスナイミニ換気扇(VL-06JV3)
・吸排気パイプ(P-30P2-S)
・室外フード(P-50CVP3)
・コンセントプラグ変換コード(P250DC 2.5m)
・吸音材ポリウレタンマット(250mm×250mm)×48枚
防音室作成1日目
床と天上の作成
ホームセンターやネットショップなどで注文した材料が到着。防音室を設置する場所と作業スペースを確保するための掃除も地味に大変でした。
となりの部屋の畳の上に針葉樹構造用合板を2枚敷いて作業スペースにし、まずは床板の作成からとりかかりました。
床板の上にカットしてもらった柱木(赤松垂木)を置いて、油性ペンでガイドラインを引いたら、木工用ボンドで仮止めします。
乾いたら裏返して、柱木がくる位置に油性ペンで印をつけ、ドリルで下穴(15cm間隔くらい)を空けて木ネジで止めていきます。
木材と木材の隙間はコーキング材で埋めていきます。人生初挑戦のコーキング作業でしたが大部分が隠れる場所だったので超雑(笑)。
天上も同じ手順で作成していき、初日は終了。
防音室作成2日目
南側の壁作成
一番幅が広い南側の壁は一枚板(7)と板(6)をつなぎ合わせて作ります。外側に添え木(細板(4)の端材)を当てて、木ネジ(長さ2cm)で止めます。
内側に柱木(赤松垂木)を木工用ボンドで接着して裏返し、ドリルで下穴(30cm間隔くらい)を空けてから木ネジで止めていきます。柱木は長いので、反らないように上に重しを乗せて接着させました。
すべての隙間はコーキング材で埋めます。
天上にあたる部分にL字金具を取り付け。ついでに床板の柱木がくるところにもL字金具を取り付けていきます。このときズレのないように、柱木の端材を当て木に使って作業しました。
床板の柱を入れる部分に柱木の端材を差し込んでみて、ピッタリ!
作業の終わりには材料や工具をまとめて片づけておきます。これが毎回地味に大変でした(汗)。
防音室作成3日目
北側の壁作成と天上の修正
南側の壁を作成したときと同じように、柱木(赤松垂木)を木工用ボンドで接着して裏返し、下穴を空けて木ネジで止めていきます。
ここで天上の柱木の隙間(2mmほど)が気になったので修正しました。隙間の原因になっている部分をのこぎりでカットしたあと、横からワッシャーをかませた木ネジを強く締めて強引に隙間を狭くしました。さらに隙間をコーキング材で埋めて完了。
柱木と柱木が重なる部分は隙間の原因になってしまうので、余分なコーキング材をふき取ります。
遮音シートの貼り付け
めちゃくちゃ重い遮音シートですが、普通のカッターで簡単にカット加工ができます。
床板、天上、南側の壁、北側の壁の順に、カットした遮音シートをタッカーで張り付けていきました。すべて作業スペースに寝かせた状態なので、貼り付け作業は楽でした。硬い針葉樹構造用合板でもタッカーの芯が十分とおります。
組み立て時に柱木がくる部分(幅45mm)の遮音シートはカットしておきます。
床板に北側の壁を立てて仮組みして、ズレがないかを確認。ピッタリ!
ちなみにこの日、ロスナイミニ換気扇が遅れて到着しました。ロスナイミニはこの北側の壁に設置する予定なのでナイスタイミング!
防音室作成4日目
ニードルフェルトの貼り付け
本日は、遮音シートの上にニードルフェルトを張り付けていく作業がメイン。ニードルフェルトはカッターでも切りにくかったので、大きな調理用ハサミでカットしていきました。
遮音シートとは違いある程度伸縮するので、正確にカットする必要はなしです。ちなみに防音室の幅とニードルフェルトの幅が同じ910mmだったので、カット作業はすごく楽でした。
ニードルフェルトを伸ばしながらタッカーで止めていきます。
天上と壁には、防音ジョイントマットの接着用に細かく切った細板(4)をニードルフェルトの上にG17ボンドで接着します。天地サイズがピッタリだとズレが生じたときにやっかいなので、少しカットしておくと安心です。
床板、天上、南側の壁、北側の壁が大体完成したところで終了。
防音室作成5日目
全体の仮組みと調整
柱木の端材を当ててみてズレがないかをチェック。ピッタリ! L字金具がくる位置も遮音シートをカットします。
床板に南側の壁と北側の壁を入れてみてから、西側の壁(作業スペースとして床に敷いてあった板)を仮組みしてみます。ピッタリとした箱になるようにガムテープでとめてから、数カ所に下穴を空けて木ネジを止め、ズレがないかを確認しました。
問題なさそうなので、天上も乗っけてみます。ここで隙間があるようなら削る作業が出てきますが、奇跡的に隙間なし! 感動!
さらにガムテープでしっかりとめてから、南側の壁に下穴だけ空けておきました。
ロスナイミニ設置準備
補強用の板(以前買ってあったコンパネのあまり)に、吸排気パイプの穴(直径12センチ)を空けます。音楽CDの直径が丁度12cmなので、これを使ってガイドラインをキュキュッと書いてドリルで細かく穴をあけてカット。ちなみに大きな穴を空ける用のホールソーという工具も売っています。
さらに北側の壁(ロスナイミニ取り付け位置)に補強用の板を張り付け、穴を空けた部分にそってドリルで壁板に穴を空けていきます。
説明書を見ながら、ロスナイミニ本体の取り付けプレートに吸排気パイプを取り付けます(こちらの詳細はロスナイミニの説明書を参照してください)。
天上に防音ジョイントマットを貼りつける
ニードルフェルトの上に貼りつけた細板(4)にG17ボンドを塗り、カットした防音ジョイントマットを貼りつけていきます。防音ジョイントマットは普通のカッターでカットします。ちなみに細板(4)はカット用定規の代わりに使っていました。
この日の作業はここで終了。あまり進んでないように見えますが、6日目からはいよいよ組み立て作業開始になります!
自作防音室作成レポート【後編/作成6日目~11日目~まとめ】へ続く!
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