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PokekaraにハマったDIY初心者が防音室を自作! その全工程を紹介!【後編】

団長
公開日時

 新型コロナウイルスの影響で外出の自粛が続くなか、無料でカラオケが楽しめるアプリPokekaraに出会った自分は、いつでも自由に思いきり発散できる環境を作ろうと自作の防音室の作成を計画!

 ここではその全工程作成レポート【後編】をお届けします。

自作防音室作成レポート【後編/作成6日目~11日目~まとめ】

■設計図

防音室作成6日目

東西の壁の作成

 いよいよ作業スペースに使っていた2枚の板(東側の壁と西側の壁)の加工に入ります。まだこの段階では基本的に遮音シートを貼るだけです。柱木(赤松垂木)がくる位置の遮音シートはカットします。

 また、西側の壁にはコンセントコードが通る穴(直径30mm)を座ぐりカッターで空けておきました。

 吸排気パイプを取り付けたロスナイミニ本体の取り付けプレートを北側の壁に取り付けます。このとき換気扇の動作音を少しでも少なくするため遮音シートを間に挟みました。

 吸排気パイプと壁の隙間はコーキング材で埋めます。コーキング材が乾く前に室外フードの受け皿を取り付けちゃいます。そして余分なニードルフェルトは調理ハサミでカットします。

 吸排気パイプの内側の隙間もコーキング材で埋めました。

●ロスナイミニ換気扇について
 ロスナイミニ本体は熱交換により換気を行う換気扇で、1つの吸排気パイプで吸気と排気を同時に行います。また、本体内部のフィルターも防音性能に優れた構造になっているため、市販の防音室にも採用されています。  本来は室外(野外)に設置する吸排気パイプを防音室の内側に取り付けても、換気という目的に関しては問題ありません。本体の動作音は気にならないほど静かですが、収録時にはどうしてもモーター音が入ってしまうので、このような設置方法にしました。  なお、8畳用のVL-08JV3は6畳用のVL-06JV3と値段的にはほぼ変わりませんが、小型のほうが動作音は静かのようです。ちなみに防音室を自作しているほとんどの人がこの方法で設置していたので、参考にさせていただきました。

東側の壁には柱木(赤松垂木)を1本取り付け

 南側の壁や北側の壁と同じように、柱木を木工用ボンドで接着して裏返し、下穴を空けて木ネジで止めます。そして内側の隙間をコーキング材で埋めていきます。コーキングも慣れてきた!

床板に防音ジョイントマットを敷く

 床なのでG17ボンドも必要なく、カットした防音ジョイントマットを敷くだけです。

パーツが完成したところで、いよいよ設置!

 すべて組み立てると重量がかなりあるので、組みながら移動することにしました。組み立てたあと押し滑らせて移動ができるように、タイルカーペットの上に細板(4)などを敷いておきます。床板を置いてから作業を開始です。

 まず、床板と南側の壁に北側の壁、西側の壁をコの字に繋げていく。

 ピッタリ合わせたところで、予め空けておいた下穴に木ネジを止めて固定していきます。

 壁の裏側になる南側の壁は、木ネジの止め忘れがないように注意します。隙間があるところは木槌で軽く叩きながら調節していきました。

 次に天上を乗せて、板と板を合わせます。これも予め空けておいた下穴に木ネジを止めて固定していきます。天上のネジ止め作業は5日目に仮組みしたとき、事前に下穴を空けておいたのですごく楽でした!

 何本か木ネジを止めていってズレがないか確認しながら、さらに下穴を空けて木ネジをとめていきます。

 南側の壁、北側の壁、西側の壁、天上の固定が完了したら、全体を奥に押しこんで移動させます。箱を傾けて、床に敷いている板を抜き取って設置完了!

 最後に東側の壁をはめ込み、ズレがないように木ネジで固定して、この日の作業は終了しました。一気に完成が見えてきた!?

防音室作成7日目

東西の壁にニードルフェルトを貼る

 東側と西側の壁に貼り付けるニードルフェルトをカット(同じ長さに2枚)します。長さのガイドになる細板(4)を置いておき、さらに柱木の端材でニードルフェルトを床から浮かせておいたのでカットしやすかったです。

 防音室の内側の隙間をコーキング材で埋めてから、遮音シートの上にニードルフェルトをタッカーで止めていきます。どうせ見えないところだと思って、コーキング作業が非常に雑です(笑)。

ロスナイミニ本体の配線

 説明書通りに配線していきます。コンセントプラグ変換コードをロスナイミニ本体の裏から通して、配線箇所に差し込むだけなので簡単でした(こちらの詳細はロスナイミニの説明書を参照してください)。これで換気扇の設置が完了!

 扉になる板(3)をはめてみると、もう完成したような感じに! 隙間をチェックしてみて寸分の狂いなし!

 扉の上部と下部は2.5mmずつ隙間ができるようになっています。これがないと開閉時にズズっと擦れてしまうためです。

戸当たり部分を作成

 サイズがピッタリだったので、戸当たりの板(SPF加工材1x3)を当てながら下穴を空けて、木ネジで止めていきました。

 東西の壁に貼り付けたニードルフェルトに細板(4)をG17ボンドで貼り付けて、この日は終了です。定規替わりにも使っていた細板はこれですべて使い切りました!

防音室作成8日目

内装の準備

 いよいよ内装作業です。ネットショップで注文していた吸音材ポリウレタンマットが到着。開封してから24~72時間で形状が復活するとのことなので、開封して並べておきました。超ペラペラ! 本当に形状がもとに戻るのか不安……。

南側の壁の内装

 ニードルフェルトに貼りつけた細板にG17ボンドを塗り、そこにカットした防音ジョイントマットを貼りつけていきます。最初に細板が浮かないようにタッカーで補強しておきました。

 防音ジョイントマットのジョイント部分は、裏側からガムテープで止めておくと真っ直ぐのまま貼り付け作業ができるのでよいです。

 この日は扉回りに使う材料の買い出しもあったので、軽い作業でお休みとしました。

●ホームセンターで追加で購入した材料
・ホワイトウッド面取(19×30×910)1本
・ホワイトウッド面取(19×30×1820)2本
・STC-06タイルカーペット(ブルー)(50mm×50mm)×4枚
・G17ボンド
・スリムねじ Sパック(3.3×30)
・ステンレス特厚蝶番(89mm)
・蝶番2個入り
・木製取手×2個
・VB031 マグネットキャッチM×2個

防音室作成9日目

電源コード周りと吸排気口まわりの作業

 電源コードを西側の壁の穴に通して、コーキング材で隙間を埋めました。例によって雑です(笑)。

 南側の壁と同じように西側の壁にも、カットした防音ジョイントマットを貼り付けていきます。

 北側の壁にはロスナイミニの室外フードカバーがくるので、位置に印をつけて防音ジョイントマットを丸く切り抜いておきます。

 裏側をガムテープで止めておき、G17ボンドを塗ってからジョイントマットを張り付け。室外フードカバーがピッタリはまって感動!

 ちなみにL字金具が触れる部分も防音ジョイントマットをカットしないと、マットがたわんでしまうので注意です。

 防音ジョイントマットの隙間は薄くカットしたマットの切れはしで(指で押しこんで)埋めました。

扉の作成

 扉の内側、戸当たり部分に枠木(ホワイトウッド面取)をとめていきます。

 扉を閉めたとき、扉の上下に2.5mmずつ隙間ができるように、遮音シート(厚さ1.2ミリ)の切れ端を2枚挟んでおきました。そして隙間をチェック ピッタリ! 感動!

 ちなみに吸音材ポリウレタンマットは防音ジョイントマットが入っていた段ボールにぴったり48枚入ったので、後片付けに便利でした。でもまだまだ厚みは復活しきっていない感じ。

防音室作成10日目

完成間近! 内装作業

 吸音材ポリウレタンマットを並べておく。だんだん厚みが復活してきたかも?

 内装用のタイルカーペット(ブルー)をカットして、防音室の床に敷いていきます。一気に部屋っぽさが出てきてテンションが上がります。

 扉の枠木(ホワイトウッド面取)の端材は、戸当たりの床部分に補強として差し込んでおきました。偶然にも丁度ぴったり!

 扉の内側の作成。枠木の内側に遮音シートをタッカーで貼り付け、その上にニードルフェルトを敷き詰めて、さらにタッカーで固定していきます。

 最後にカットした防音ジョイントマットをはめ込みます。これまでの壁のように接着用の細板(4)がないので、100円ショップなどで売られているグルーガンを使用して、防音ジョイントマットを接着していきました。

扉に蝶番を付ける

 適正位置に蝶番を当てて、ガイドラインと下穴に目印を入れる。蝶番の中心に当る部分を彫刻刀で削っておきます。下穴を空けるときはズレないように最新の注意を払って行います。

 なお、蝶番の位置を決めるとき、扉の下に遮音シートを挟んで扉板を浮かせておくのを忘れずに。

 蝶番の取り付け完了! 開閉してみて隙間を確認すると、扉の上下の擦れもなくスムーズに開閉できました。扉を閉めるときに若干、空気の負圧を感じるくらいです。

扉に取手をつける

 最初に外側の取手をつけます。取手のネジ頭部分が壁に埋まるように、彫刻刀でくぼみを掘ってからネジ止めしました。

 次は内側の取手です。こちらはネジの長さが足りず、そのまま壁に取手をつけるのが無理でした。なので、細板(4)の端材に取手を取り付け、その細板ごと扉の内側に木ネジで止めることにしました。

 ここでアクシデント発生! 内側から扉をしめたとき、取手を取り付けた細板が戸当たりに当ってしまい、扉が閉まらなくなってしまいました。でも取手を取り付けた細板を少し削ったら、ちゃんと閉まりました(汗)。

マグネットキャッチの取り付け

 扉の内側からマグネットキャッチの設置位置に印をつけてから、付属の木ネジで固定していきます。扉の閉まり具合をみてマグネットキャッチの数を増やそうと思っていましたが、2つでもピッタリ閉まってくれました。

吸音材ポリウレタンマットの貼り付け

 吸音材ポリウレタンマットの厚みは、見ただけでだいぶ復活しているのがわかります。あんなにペチャンコだったのが見事に厚さ50mmくらいになっていました。

 さっそくG17ボンドで貼り付けていきます。ちなみに吸音材ポリウレタンマットがギザギザしているのは、防音室内で反射した音を分散させるためです。これを縦横不規則に並べることで、さらに音を分散させ、吸音効果を高めます。

 東側の壁と西側の壁の吸音材ポリウレタンマットを貼り付けたら、G17ボンドがなくなりました!

防音室作成11日目

ついに自作防音室が完成!

 G17ボンドを買ってきて、作業続行。壁と天上に吸音材ポリウレタンマットを張り付けて……。完成です! ちなみにG17ボンドの消耗がけっこう激しく、この一日で往復2回もホームセンターに行くことに(笑)。

 あとG17ボンドの匂いがこもるので、消臭剤も一緒に買っておきました。

まとめ

 ついに防音室が完成! さっそく防音性をiPhoneのアプリで計測してみました。防音室内で大声を出したとき、防音室内では77dB(写真左)、防音室外では59dB(写真中央)、防音室が設置している部屋の外では48dB(写真右)になりました!

 防音室が設置してある部屋の外で聞こえる声は、平均して30~40dBほど防音できていたので、自作防音室としては十分過ぎる性能ではないでしょうか。扉回りに遮音シートを追加したり、マグネットキャッチを増やしたりすることで、さらに効果が期待できそうです。

制作にかかった材料の内訳と総額
針葉樹構造用合板などの木材 8,690円
カット料金 1,880円
配送料 3,475円

遮音シート 3,400円(送料込)
ニードルフェルト 4,180円(送料込)
防音ジョイントマット 9,980円(送料込)
吸音材ポリウレタンマット 5,980円(送料込)
ロスナイミニ換気扇など 12,987円(送料込)

タイルカーペット 2,962円
木ネジ、蝶番、L字金具など 12,149円
照明器具 1,140円
合計78,240円(税込)

 今回、防音室を自作してみて、何もかも初めてのことだったのもあり、思ったよりも大変な作業だったと感じました。かかった費用も合計78,240円と決して安くない金額ですが、40~80万円ほどする市販の防音室を購入するより、よっぽどコストパフォーマンスがよいので、十分ではないでしょうか。

 何よりも、いつでも思い切り歌えるストレスフリーな生活を手に入れたことが大きいですね。この記事が防音室を自作したいと考えている人の参考になれば幸いです。あとPokekara最高!

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