“モンハン狩猟音楽祭2021”は『MHライズ』楽曲を中心に感動的な盛り上がりに! アーカイブは10月11日まで
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『モンスターハンター』シリーズの楽曲をオーケストラで楽しめる、ファンにはおなじみとなった“モンスターハンターオーケストラコンサート~狩猟音楽祭2021~”が、9月28日に開催された。
コロナ禍により昨年に続きオンラインでの無観客生配信(会場は東京のBunkamuraオーチャードホール)となったが、ニコニコ生放送のコメントやSNSでのコメントからは、Switch用ソフト『モンスターハンターライズ』の曲を中心に非常に盛り上がっていたことを確認できた。
演奏は東京フィルハーモニー交響楽団、指揮はおなじみ栗田博文氏が担当。曲目と、演奏時に流れた解説を中心にコンサートを振り返っていく。
なお、イベントは10月11日23:59まで、アーカイブ視聴が可能。興味をもった人は、イベントサイトを参照のうえ、チケットを購入してほしい。
曲目・解説
01.『カムラ祓え歌』
まずは『モンスターハンターライズ』のハンターなら何十回何百回は聞いたであろうカムラの里で流れる楽曲だ。
里のテーマを本公演では三味線、尺八、オーケストラ、そして受付嬢ヒノエ(加藤いづみ)の歌声によるアレンジで構成されていた。拍子木や当り鉦といった日本独特の打楽器の響きにも注目してほしいとのこと。
02.『妖艶なる舞/タマミツネ』
タマミツネの曲はメドレーで演奏されることが多かったが、1曲での演奏に。タマミツネの狩猟曲はファンが多く、SNSでも盛り上がっていた。
本公演は『モンスターハンタークロス』のタマミツネ狩猟曲をもとにしたアレンジでの演奏で、三味線、尺八の演奏が聴きどころ。
03.『深い森の幻影/オオナズチ』
『モンスターハンター2(ドス)』の狩猟曲。初期としては珍しく和楽器を起用した和風曲の先駆けだという。本公演では『2(ドス)』での狩猟曲をもとにしたアレンジで演奏された。
04.『閃烈なる蒼光/ジンオウガ』
和の世界観で話題を呼んだ『モンスターハンターポータブル3rd』のメインモンスターであるジンオウガの狩猟曲。三味線、尺八、エレキギター、オーケストラの共演によるクライマックスの盛り上がりは聞きどころ。
ギターを持った瞬間に「わかるわ!」と言った声もあがっていた。海外のSNSでは「ジンオウガイエス!」とコメントがあり、海外でも人気があるモンスターであることを見て取れた。
4曲目が終わったところで、司会の宇佐美友紀さんと『モンスターハンター』シリーズプロデューサーの辻本良三氏が登場して、カムラ祓え歌など『ライズ』でいくつもの重要な曲を歌っている加藤いづみさんにインタビュー。『モンスターハンターライズ』リードコンポーザーの堀論史氏のビデオメッセージも紹介された。
加藤いずみさんのコメント
シンガーとして30年ほど歌っています。いろいろなアーティストのコーラス、番組にも出ていますが、ゲームの歌は何度か経験はありましたが久しぶりでした。
今回、最初はなんのゲームかわからなかったんです。
ゲームの開発はかなり秘密で進むみたいで、最初はスタッフさんに「すいません僕の口からは(タイトルは)言えないんです」と言われました(笑)。でもいい曲だなぁ、これなんて歌っているんだろう、何語なんだろうという感じだったんですけど、誰かがぽろっと「やっぱりモンハン語は難しいですよね」と言ったんです(笑)。
「えっ、これ『モンハン』!?」と、そこで初めてわかりました。もう2年以上前の話ですね。2年間言えなくてつらかったけど今は言えてよかったです。
こんな女性で、こんな思いで里を守るイメージなんですとか、指示は細かく教えていただきました。うまく歌おうというよりは気持ちを乗せようと。見たこともない主人公、ハンターのみなさんをイメージしながら歌いました。
ゲームで旅をしていくわけじゃないですけど、私も力になれたらなぁと。歌で癒やしてあげたり、何十時間お疲れさまでしたとか、そういう気持ちが届けられたらとも考えました。
堀論史氏のコメント
『モンスターハンター』シリーズを担当するのは今回が初めてでした。
本作は一聴して印象に残る音楽になることを心掛けて制作しました。そのなかでも声の要素がとても大きな役割を担っている。人間の声は感情に訴えかける大切な要素だと考えています。
『カムラ祓え歌』でも加藤さんが美しい歌声でひとつひとつの言葉に感情をのせ、音楽にさらなる彩りを与えてくれると確信し、今作での歌唱をお願いしました。
05.『悪逆無道/マガイマガド』
5曲目は『モンスターハンターライズ』のメインモンスターであるマガイマガドの狩猟音楽。堀氏は、「マガイマガドのおどろおどろしさと力強さの両立させるために、演奏者によって音色がダイナミックに変化する琵琶、尺八をふんだんに使用しています」と説明。耳から離れない、琵琶の音色にも注目だ。
本公演では木管楽器も加わることでゲームに収録されているものとは違った色彩が味わえるアレンジとなっていた。印象としては、オーケストラと琵琶の音があうことにビックリ。そして琵琶の音は強く、オーケストラに負けてないのが印象的だった。
ゲームプレイ時に何度も聞いていたはずだが、オーケストラで聞くと楽曲の細かいところまで聞けて、改めて素晴らしさを感じることができた。個人的には必聴だと感じた。
06.『銀翼の凶星/バルファルク』
パッケージモンスターとしては初のコーラス入りの曲。混声合唱の迫力とスピード感溢れる展開がポイントだ。本公演では『モンスターハンターダブルクロス』の狩猟曲をもとにしたアレンジで演奏された。
これもオーケストラで聞くと迫力がまったく違った。非常にかっこいい楽曲だ。
07.百竜夜行メドレー(『百竜夜行』~『百竜夜行:反撃』~『采邑追われし赤き咆哮』~『クエスト成功』)
堀氏は「カムラの里を襲う災禍に立ち向かうハンターと、カムラの里の人々が一丸となって自分たちの里を守るんだ! という強い思いを大人数のコーラスで表現しています」と説明。
『百竜夜行』については、ハンターだけではなく、カムラの里の人々が一丸となって災禍に立ち向かう様を表現しているコーラスや、曲中、時折見せるしなやかな美しさがポイントだという。『采邑追われし赤き咆哮』では他とは違う異様な雰囲気や緊迫感を、『クエスト成功』では災禍を退けた安堵を、『カムラ祓え歌』のメロディーを引用したアレンジが聞きどころとのこと。
SNSでは『采邑追われし赤き咆哮』の演奏が始まると「ヌシきた!」のコメントが。また、「ヌシアオアシラの初戦は時間切れだった……」との思い出を語る人も。『クエスト成功』が始まると、「クリア音楽。なんだかほっとするw」や「ライズのクエストクリア音楽、歴代でいちばん好き」との声が見られた。
08.『風の絆』モンスターハンターストーリーズ2 version
この曲の演奏前に、作曲を担当した鈴木まり香さんからのコメントが紹介された。鈴木さんはシリーズでは『旅立ちの風』なども手がけている。
鈴木さんによるとこの曲は、オープニングでも使用されている『地の緋 天に光に』という曲と、テーマ曲である『風の絆』『2』バージョンの狩猟音楽祭特別バージョンになっているという。冒険と絆をテーマに成長した仲間や物語をイメージして作られ、主人公が見ている景色や世界を表現した心弾む三拍子になっているそうだ。
09.『星に駆られて』
『モンスターハンター:ワールド』の世界観らしい、猛々しさと優しさを感じさせるメインテーマ曲。ワールドワイドで展開した同タイトルにおいて、日本人だから書ける音楽を意識して作られたとのこと。
海外のSNSのコメントでは「『星に駆られて』はいつも聞いている」といったものも。世界的にヒットした『ワールド』のメインテーマだけに、人気は世界規模の様子。
10.『飛来せし気高き非道/バゼルギウス』
爆撃と誘爆による急襲を思わせるスリリングな曲展開がポイントの楽曲。
討伐に苦労しているハンターからは、「曲はいいのになぁ」というコメントが飛び出した。ガンナーで行くと楽なので、おそらく剣士のハンターだろう。
11.『壮麗纏いし銀盤の貴人/イヴェルカーナ』
狩猟音楽祭でのアレンジは、追跡時に流れるザチェイスも含んだものであった。
12.『舞い降りる伝説/ミラボレアス:World version~無限の勇気を持ちて』
昔からの『モンハン』プレイヤーにとって、コーラスのある楽曲といえばこれ。
黒龍ミラボレアスの恐怖と圧倒感を象徴する曲。「World Version」では『星に駆られて』、『継がれる光』などのメロディーがさまざまな形で取り入れられ、この強敵との攻防を想起させる構成となっているそうだ。
アンコール『つなぐ花篝』
『ライズ』のエンディングテーマ。語りかけるようなメロディー、透明感がありつつも、あたたかさを感じられるハーモニー、それらを受付嬢ヒノエ(加藤いづみ)の歌声とオーケストラ、ピアノ、そして本公演では三味線を迎えてのアレンジとなっているとのこと。
「四季は巡り、時を止めることはできないけれど、昔から受け継いできた“平和・安寧・美しい景色・笑顔”を守り未来へと繋げていく…そんな想いをキーワードとした曲を狩猟生活の思い出とともにお楽しみください」とメッセージが送られた。
しんみりとした感動を思い出すハンターが多かったようで、SNSでも静かな盛り上がりに。個人的にはモンハン語を一曲まるごと覚えている加藤さんは改めてすごいと感じた。なお、トーク時には「モンハン語も何度も聞いたり歌っていると自分の言葉みたいになっちゃう」とコメントされていた。
ダブルアンコール『英雄の証』
やはり締めはこの曲。ハンターの士気を鼓舞してくれる名曲だ。中間部のメロディーは『ダブルクロス』、『モンスターハンターストーリーズ』での『英雄の証』にも使われている。
名曲で終了した“狩猟音楽祭2021”。ハンターの満足度は相当なもので、ニコニコ生放送の評価は「とても良かった」が96.6%となっていた!
なんと一度チケット代を払った人はアーカイブを何度でも見ることが可能。こちらはオンラインならではのメリットだ。チケットを買っても10月11日まで視聴可能なので、見逃した人、興味がある人はぜひ。
最後に筆者の個人的な感想となるが、オンラインでのライブ鑑賞は今回が初めてであった。迫力こそ会場で生で聞くオーケストラには勝てなかったが、お酒を飲んでゆったり楽しみつつ、ネットで盛り上がりを確認したり参加したり、感動して涙を流しても周りには誰もいないから気にならない、何度もアーカイブで見られるなどなど、メリットもたくさんあることがわかった。
自宅での視聴環境を充実させて、他のライブやコンサートも楽しみたいと感じた。何より来年の“狩猟音楽祭”はどうなるのかはまだわからないが、オンラインでの配信に備えておきたいと感じた。
あと、来年は『ライズ』のモンスター初登場時の語り部を生で聞きたい! ぜひ!!
“モンスターハンターオーケストラコンサート~狩猟音楽祭2021~”概要
・セットリスト
01.『カムラ祓え歌』
02.『妖艶なる舞/タマミツネ』
03.『深い森の幻影/オオナズチ』
04.『閃烈なる蒼光/ジンオウガ』
05.『悪逆無道/マガイマガド』
06.『銀翼の凶星/バルファルク』
07.百竜夜行メドレー
08.『風の絆』モンスターハンターストーリーズ2 version
09.『星に駆られて』
10.『飛来せし気高き非道/バゼルギウス』
11.『壮麗纏いし銀盤の貴人/イヴェルカーナ』
12.『舞い降りる伝説/ミラボレアス:World version~無限の勇気を持ちて』
13.『つなぐ花篝』
14.『英雄の証』
指揮:栗田博文
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
ボーカル:加藤いづみ
尺八:石垣秀基
琵琶:榎本百香
津軽三味線:浅野洋
ギター:宮崎大介
合唱:Voces Tokyo
司会:宇佐美友紀
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