異世界勇者より強い! ワンパン無双の主人公にしびれた『デーモンズリング』の思い出&攻略【ファルコム40周年特集】
- 文
- KNOT
- 公開日時
2021年3月9日に日本ファルコムは創立40周年を迎えました。これを記念して、電撃オンラインでは日本ファルコムに関するさまざまな企画記事を展開中です。
今回は1984年の発売当時、”瞬間”描画を可能にした圧巻のプログラム技術に、誰もが度肝を抜かれた名作アドベンチャーゲーム『デーモンズリング』を、簡単な攻略を交えつつ紹介する記事の後半をお届けします。
私が惹かれたポイント”描画速度”と”世界観”。
1つは”描画速度”について。『デーモンズリング』はマイコンゲーム黎明期に流行したテキストを読み進めつつ、場面場面に応じたコマンドを入力して正解を探るというもので、古くはテキストだけで進行する『Zork(ゾーク)』や、線画とテキストで楽しむことができた『ミステリーハウス』などを祖とするアドベンチャーゲーム。
2021年5月にリメイク発売された『ファミコン探偵倶楽部』のようなコマンド選択方式ではなく、あくまで入力するのがマイコン時代の習わしだった。「ポスト ミル」、「テガミ トル」、「テガミ ヨム」といった、「名詞」と「動詞」を組み合わせて入力し、正解を探る。
そして、線画表示からペイントする速度が(マシンスペックやプログラム技術によってだと思われるが)とにかく致命的に”遅かった”。マイコンゲーム黎明期のころはプレイすること自体が物珍しく、楽しく、ペイントする遅さも味わいといった具合で気にならなかったのだが、日進月歩で進化するコンピューター業界において、いつまでも遅いというのは釈然としない。
1秒で描画するという『デーモンズリング』は革命であり、1984年当時のゲームでは画期的なことだった。プレイした者は腰を抜かし、まだ見ぬ者は圧倒的な描画速度をその目にしたい欲求と妄想に駆られて、悶々とした日々を過ごしたものだった。
けっして大げさなことではない。インターネットがない時代であり、雑誌記事や広告、伝聞で一部にしか漏れ聞こえてこない情報だが、そのインパクトは絶大なものがあった。
2つ目は”悪魔的”な世界観。『デビルマン』にハマっていた私は、『悪魔辞典』などの本を購入するほど悪魔というものに惹かれていたし、後に『女神転生』シリーズをやりこむことになる。
いま思えば、全体の情報量として”悪魔的”な世界観の雰囲気を味わう程度のものでしかないかもしれないが、小学生当時の私に与えたインパクトと影響は計り知れない。
ゲームクリアするまでの最大の難関とは?
ゲームクリアまでの道のりは、正解を知っている者だとそんなに大変なものではないし、時間的に短い。しかし、初プレイのコマンド入力方式初体験の読者諸氏は、まず、”カナ入力”であることに戸惑いを覚えるだろう。
かくいう私も、長らく”ローマ字入力”しかしていなかったので、”カナ入力” の感覚を取り戻すのに苦労した。また、英語配列キーボードであれば、もはやかなりの激ムズゲームと化してしまうだろう。”縛り”プレイとして試してみるのも一興かもしれないが。
大きな難関は、ゲーム中盤となる”3D迷路”だろう。おそらく、ノーヒントで解こうとすると、なぜクリアできないのかもわからないという沼にハマり、クリアすることを諦めてしまうかもしれない。
大丈夫、そんなときは遠慮なくインターネットに頼ろう。幸いなことに、『デーモンズリング』を完全攻略しているページも存在している。
とは言いつつも、できれば”言葉探し”とともに、大いに悩み、自力でクリアすることを目指してほしい。37年前にこのような世界観を持ったゲームが登場していたことに感慨深い思いを巡らせるためにも。
ところで、モンスターはどう倒すのかという疑問を持たれる方は、”言葉探し”がメインだと言うことを思い出してほしい。何かに対してこうしたい、という思いをぶつければ、主人公プレイヤーはワンパンで敵を粉砕する。それは、クライマックスにおいても同様。
世の中、”異世界転生”や”異世界勇者”が大量発生し、ハナから強大な力を持つ主人公が大流行だが、こんな昔にワンパンでモンスターをしばき倒す主人公がいたことに痛快な思いがして堪らないものだ。
昭和の時代にプレイした『デーモンズリング』、平成を抜けて令和の今でも美味しゅうございました。ありがとうございました!
『デーモンズリング』はプロジェクトEGGで購入可能。購入方法などは別記事で詳しく紹介しているので、気になった方はチェックしてみてほしい。
(C) Nihon Falcom Corporation. All rights reserved.
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります
『FALCOM 40th ANNIVERSARY』公式サイトはこちら