AVに出されそうになった元アイドル、殺人と狂気のテーマパーク…スクエニ新作『DI』は狂気のパワーワード続出【TGS2021】
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スクウェア・エニックスが10月14日に配信する新作RPG『Deep Insanity ASYLUM(ディープインサニティ アサイラム)』の新情報が発表されました。
9月25日にはコミック版『ディープインサニティ ニルヴァーナ』が発売され、10月12日にはアニメ『ディープインサニティ ザ・ロストチャイルド』が放送と、メディアミックス展開も行われている作品です。
この情報は、10月3日に東京ゲームショウ2021オンライン(TGS2021)で行われた配信番組“『ディープインサニティ アサイラム』リリース直前!TGS2021特別番組”で発表されたものです。
番組のMCは結さんがつとめ、深見 真さん(世界観原案)、海法紀光さん(世界観原案)、石井 諒太郎さん(プロデューサー)ら開発スタッフも出演し、さまざまなトークが展開しました。
あらためてプロジェクト内容をおさらい
番組冒頭では本プロジェクトがゲーム・アニメ・コミックの3つのメディアで展開され、4年以上前から進めていたとのこと。
深見 真さんと海法紀光さんのお2人で考えていくうちにラヴクラフトの『狂気山脈にて』や南極の大穴といったキーワードが出てきて、今の形になっていったそうです。
ちなみに当初はもっと過激な要素も多かったそうですが、稟議の審査などをへて調整をしていったとのこと。
ゲーム・アニメ・コミックそれぞれで主人公が異なりますが、ランドルフ症候群とアサイラム(南極の大穴)については共通する世界観となっています。
『ディープインサニティ』の謎に迫る!
“『ディープインサニティ』の謎に迫る!”と題されたコーナーでは、さまざまな謎や疑問について、開発スタッフへとぶつけていくことに。物語考察のヒントにも結びつくようなコメントも多々あります。
「このプロジェクトが発足したきっかけは?」について石井 諒太郎さんは、ゲームや出版など、さまざまなメディアを持つスクウェア・エニックスだからこそ、複数メディアでの同時展開を前提としたプロジェクトを考えていきたいということがきっかけだったとのこと。
なお、本作のビジュアルイメージは、漫画版を手がける塩野干支郎次さんの発想によるところが大きかったそうです。
「“ランドルフ症候群”とは何なのか」というストレートな質問については、物語の根幹にかかわる部分なので明言はされませんでしたが、それでも設定部分については気になる解説がなされました。
海法さんいわく、夢見や予言の力を持つカーター一族と関係があるかも……という意味深な一言が。ラヴクラフトのクトゥルフ神話には夢見の力を持つランドルフ・カーターというキーマンがいましたが、本作との関連ははたして?
一方、深見さんはランドルフ症候群にはメタファーの部分があり、作品の物語テーマを描くために考えていった部分もあると語っていました。平和な世の中も、何かきっかけがあれば狂い、おかしくなる可能性を秘めているわけで、その“きっかけ”としてはランドルフ症候群を考えていった部分もあるようです。
そういう意味では、謎や設定としてだけでなく、舞台装置としてのランドルフ症候群を考えていくというのも、本作における考察の楽しみにつながっていきそうです。
あわせて深見さんは、こういったソーシャルゲームは延々と続くものになりがちですが、本作はちゃんとエンディングを目指して、きりがよいタイミングではすべての謎を明かしていきたいとコメントしていました。
プロデューサーの石井さんも、これまで『グリムノーツ』などできちんとエンディングまで描く作品を作ってきました。石井さん自身も物語の区切りとなるエンディングはちゃんと用意したゲームを作っていきたいとのことで、しっかりとした読後感を味わえるストーリーとしても期待できそうです!
深見さんからは明るいエンドを目指したいという言葉もありますが、その例として出されたのが某アニメの劇場版だったので……ストレートなハッピーエンドではないかもしれません!?
「“アサイラム”とはどんな場所なのか」という質問については、深見さんからロシア作家のストルガツキー兄弟による『ストーカー』(タルコフスキー監督のSF映画版も有名)をやりたかったというコメントが。
『ストーカー』には異星の超文明とつながった“ゾーン”と呼ばれる場所が登場し、理不尽な罠や死が待ち受けるめちゃくちゃな空間となっています。そういわれると、たしかに『ディープインサニティ』のアサイラムと通じる分が感じられますね。
深見さんは「わけがわからないことが起こる場所には浪漫を感じる」「時間やお金さえかければ地球上のどこにも行ける時代だからこそ、なんだかよくわからないめちゃくちゃな場所を作りたかった」とのことで、アサイラム(精神科病棟)という名前を持つ、狂気を秘めた不思議な地底世界が考えられていったそうです。
というわけで、深見さん的にアサイラムとは、“すごく楽しい殺人と狂気のテーマパーク”とのこと。闇が深いですね……。
なお、アサイラム(英語)はフランス語などではアジールとなり、“聖域”や“治外法権”といった意味もあるそうで……地上の法律などが通用しない特殊な空間とも言えるわけで、このあたりも考察に役立ちそうですね。
続いてはゲームの主人公について。「主人公・ウーはなぜアサイラム調査に行っているのか」。
ウーは人名というより“名無し”の意味で呼ばれており、記憶喪失の青年です。アサイラム探索の適性を持つことが判明したため、記憶喪失でよくわからないまま、アサイラム調査に駆り出されているという一面もあるようです。
ちなみに深見さんはウーを映画『地獄の黙示録』の主人公的なイメージで、海法さんは『装甲騎兵ボトムズ』のキリコのようなイメージで書いている側面もあるかも……というコメントも。いずれにせよ、明るいパリピでないことは確かですが。
ウーが調査に参加している大きな目的の1つが、静寂を求めてのこと。かれは異常なほど聴覚がよく、つねに雑音に悩まされながら生きていますが、そのノイズ(毒電波?)の原因がアサイラムにあると感じており、だからこそアサイラムの調査をしている部分があります。
(ゲーム内では耳元でハチが飛ぶ音が大音量で続いているような感覚だと描写されています)
続いて、「エリカはなぜ暴力沙汰を起こしてしまったのか」。
エリカは本作の中では数少ない常識人寄りで、世界を救おうという正義感からアサイラム調査に参加した稀有なタイプ。
深見さんはエリカが推しキャラだと述べ、空手家を入れたかったそうです。ちなみにエリカのテーマは“暴力”とのこと。「最終的には、いろいろなことが暴力が解決できる」という物騒な話にもつながっていくようですが……。
かつていじめられていたエリカが、空手を習い、暴力でいじめを解決したという設定も、なるほどという感触です。深見さんいわく、「憎いヤツの後頭部にバットをフルスイングできるけど、根は優しい子」という、反応に困る表現も飛び出していました(苦笑)。
そういう正義感の結果が、不幸な暴力沙汰につながってしまったのかもしれません。
次は「スミレはなぜ地下アイドルをやっていたのか」。
初期は深見さん、途中からは海法さんが担当するキャラクターが増えていったそうですが……このスミレは深見さんが担当したキャラ。
地下アイドルとして活動中、事務所によってアダルトビデオに出演させられそうになったという過去を持ち、そこから逃げるようにアイドルをやめて、才能を見出されてアサイラムの調査隊に加わることに。
ちなみにスミレはサニティ・アンカーという、後方から調査員をサポートするようなポジションですが、本来的には前線でがんがん活躍して有名になり、知名度を高めてアイドルに復帰したいそうですが……意外と計算高く、たくましいですね。
深見さんいわく、「とにかくスミレって自己顕示欲が異常に強くて、ちやほやされるのが好きで、自分のことをお姫様だと思ってて……周囲には痛いヤツと思われている」ことがテーマだそうな。うーん、いつかはパーティキャラとして一緒に戦いたい!
自己顕示欲がゼロで他人(というか人間そのもの)にまったく興味がないウーとは、とても対象的ですね。
余談ですが、スミレは極めてきわどいイメージビデオには出ていたそうですが……その際はカメラマンに乗せられて、ノリノリだったそうです(苦笑)。リアルというか、闇が深い。
もともとスミレはコスプレが趣味だったなど、深見さんからはさまざまな設定が飛び出しました。ゲーム中でどんな形で生きてくるのか、楽しみでなりません!
(時系列的にアニメ版では地下アイドル自体のスミレに会えそうな気がするので、楽しみです!)
面白いのはストーリーだけじゃない! ゲームシステムについてレクチャー!
ラストのコーナーは「『Deep Insanity ASYLUM』とはどんなゲームなのか」。ここでは、10月14日に配信される本作のゲームシステムについての紹介が行われました。
10月14日の配信に向けて、事前登録をお忘れなく!
ちなみに漫画版はスクウェア・エニックス公式マンガアプリ『マンガUP!』でも読めるので、気になる方はこちらもぜひ! アニメは10月12日から放送予定です。
【新連載開始!】
— マンガUP! (@mangaup_PR) September 30, 2021
「Deep Insanity NIRVANA」連載開始!
ある日発見された大穴アサイラム。
謎の昏睡病への特殊耐性を持つ少年セルジュ・ソル、なんでも屋ヒルデガルド・オルインピアーダ・山田は、その大穴へ挑む事になるが――!?
→https://t.co/hwKl1rgHzI #マンガUP! pic.twitter.com/ysVhzoyTse
東京ゲームショウ2021 オンライン 開催概要
【開催期間】9月30日~10月3日
【参加料】無料
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