海外製のインディゲームに勢いを感じた! 規模が小さくても熱さは変わらない!!【TGS2021/電撃インディー#99】

まさん
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 2021年9月30日~10月3日の4日間にわたって開催されていた東京ゲームショウ2021。前編に引き続き、プレス&インフルエンサー向けに行われていたオフライン会場の様子と、展示されていたインディーゲームの内容をお届けしていきます。


  • ▲会場にはTGSの歴史を載せたパネルもありました。来年は一般ユーザーも参加できるオフラインイベントになっていることを強く願っています。

 前編では専門学校生のブースを回りましたが、今回は企業系のブース。海外も含め、遊んで気になったインディーゲームをどんどん紹介していきたいと思います。

  • ▲毎年出ていたブースを見つけると、なんとなく嬉しくなってしまいます。今年も、モンスターエナジーのブースがありました!

大盛況で予約が埋まるタイトルも多かったハピネットブース

 まずは、入口近くにあったハピネットブースから紹介していきましょう。今年は各ブースで受付さえ済ませればすぐにゲームを遊べることも多かったのですが、このブースは入口近くにあったこともあって大人気。

 とくに3日目はコンシューマー版も決定した『メタルマックス』シリーズの外伝アクション『METAL DOGS(メタルドッグス)』のプレイ予約がすぐに埋まっていました。

 自分は今行われているアーリーアクセスにも参加しているので、とりあえず他の人に譲る形で違うゲームを遊んでみることに。どれを遊ぼうかな~。台湾の渋谷と呼ばれる街を舞台にした現代劇の続編『Dusk Diver 2 崑崙靈動(ダスクダイバー2 こんろんれいどう)』も良さげだな~。

  • ▲前作の時点で楽しかったので、続編が楽しみな『Dusk Diver 2 崑崙靈動』。

 前作は主人公のユモちゃんを動かして戦うタイプでしたが、今回は操作キャラも入れ替えられるようになっているみたいですね。横から見ているだけでもアクションが良くなったことがわかります。

 しかし、私は本当に楽しみにしていて実際に買う気満々のゲームなので今回はガマン! あえて、触れたことがないゲームをやっていきます。あっ、これは!

 “Indie live expo”で大々的に発表されて以来、ゲーマーからの注目を浴びている『COGEN 大鳥こはくと刻の剣』じゃないですか! これ、やってみたかったんですよね~。

 Unityのイメージキャラクター的な存在にして、ユニティちゃんの愛称で親しまれる大鳥こはくさん。オープンソースなアイドルとして、Unity製のゲームで見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。

 そんな大鳥さんが主役のアクションゲームということで早速プレイ。そ、即死ゲーだ! なんと、大鳥さんは敵に攻撃されるのはもちろんのこと、敵自体やトラップにぶつかっても1回で力尽きてしまいます。そこで役に立つのが時間を戻せる能力。

 画面左上のゲージを消費して時間を巻き戻すことで、死んでもその場でやり直せちゃいます。ただし、ゲージが0になってしまったらゲームオーバー。ゲージ自体はその場で動かないと早く貯まるので、いかにゲージをうまく管理するかにかかっています。

 ゲージを管理しながら弾を弾き返したり、トラップを切り抜けたりするギリギリ感が良いバランス。ボス戦も熱いです。

 ブースを案内してくれた大鳥こはくのコスプレお姉さんに「すごーい、よく避けられますね!」と褒められたので調子に乗っていたら、あと少しのところでやられてしまいました。く、悔しー!! でも、これはよくできてますね。発売が楽しみになりました。あっ、お姉さん自体を撮影するの忘れてた……!

 日本では『アイザックの伝説』で知られているインディーゲームのPS5版にして、アイテムや真のエンディングが追加された最新版『The Binding of Isaac: REPENTANCE』などにも触れつつ、ブースを抜けようと思ったその時、目に飛び込んで来たのが『EGRETⅡ mini(イーグレットツー ミニ)』! タイトーのアーケードゲームを収録した最近流行のミニ系ハードです。

 今まで移植されなかったレアなゲームや、未発売のタイトルが入っていることもあって、個人的にもゲーマーの間でも盛り上がっているハード。なんといっても『カイザーナックル』はもちろん、続編にしてロケテストのみで世に出ることがなかった『断仇牙(だんくうが)』も入っているのです!

 『断仇牙』ですよ。『断仇牙』! 自分も遊べなかったので真っ先にプレイしてきました。マニアックすぎる方向になってきたのでハードの話に戻しましょう。

 ハードの特徴としては、こうやっていつでも縦画面に切り替えられることが上げられます。画面の横をカシュッと押すと前に飛び出すので、そのまま回転させてハメるだけ。ゲームのプレイ中でも切り替えられます。レバーを物理的に4方向に固定できる機能もあり、こだわり方が半端じゃない! インディーゲームとはちょっとズレてしまいましたが、じつにテンションが上がるブースでした。

WhisperGamesブースで『TERORBANE』の日本語化に大歓喜!

 2015年に設立された中国のパブリッシャー、WhisperGames。このブースでは自分が以前Steam Next FesでオススメしたRPG『TERORBANE』の日本語版が展示されていました。

 やったー! これは、ワガママなクリエイターと一緒にバグ満載のゲームを遊ぶ特殊なRPGなんですよ。英語でもなんとなく理解はできると思いますが、正式な日本語化がうれしい!

 イントロをスキップしたらクリエイターがブチ切れるので、仕方なく見る羽目になったり……(しかもこれがまた長い)。それでもスキップしていたら、無理矢理音ゲーが始まり、クリアしないとイントロが終わらなくなったりするなど、やりたい放題。

 ドアがアイテム扱いでなくなってしまったり、街の背景が崩れたりと、もう本当にバグだらけなのです。しかし、そこはクリエイター。なぜか自信満々でこちらに責任を押し付けてきます。彼をなだめつつ、たくさんのバグを発見していく笑えるRPGなのです。もちろん、日本語の翻訳も問題ありませんでした。配信される日が待ち遠しいですね!

マレーシアブースに行ったら、開発者とZOOMで国際交流できました!

 国際的なブースも配置されているのがTGSのいいところ。今年は会場にマレーシアのブースがありました。2019年から久々の参加らしく、自分も気になっていたので立ち寄ってみることに。

 マレーシアではゲームも流行っており、日本でもSteamで購入できる『Re:Legend』などが展示されていました。『牧場物語』や『ルーンファクトリー』の影響を感じるタイトルですが、ほかにもクラフトできるゲームを発見。

 どうも、いろいろ作ったり配置できたりするクラフト系のゲームが目立つので、もしかしてこのジャンルが流行っているのかな? それとなく聞いてみたところ、やっぱりマレーシアでは『どうぶつの森』のようなゲームが大人気だとか。

 ちなみに、今回のマレーシア貿易開発公社のブースでは代理人の方々がゲームを解説していました。

 やはり、コロナ禍なので開発者の方々も海外に行くのは避けられたようです。その代わり、ゲームの横には開発者たちがリアルタイムで映っているタブレットが存在。なんと、開発者たちはマレーシアからZOOMを使ってTGSに参加していたのです。これは、今の時代ならではのやり方だ!

 そこで遊べた教育パズル『ITENO』が、意外な掘り出し物でした。同じ色の数字同士を一筆書きで繋げていき、10の倍数になると消滅するというルールなのですが、大人でも頭を使うんですよ。

 たくさん消すと周囲の数字を消し飛ばす爆弾が出現したり、カワイイキャラクターが助けてくれたりする要素もあって、悩む悩む。

 10や20なら簡単なのですが、数字を計算してより大きな物を狙うと……頭がこんがらがっちゃうよ~! でも、これが知的でハマるのです。現在、スマートフォンで事前登録をしているので、ぜひ!

  • ▲タイトルにいる可愛らしいキャラクターの名前は、ジュウ。そのまま、数字の“10”という意味だそうです。

 ちなみに、開発者の方にタイトルである『ITENO』の意味を聞いたところ、どうやら造語だとか。1、10、0の数字を並べて『I TEN O(イテノ)』と読むそうです。

 なんでも、真ん中のTEN(10)が消えても、左右に残るのは1と0。続けて読むと10……。ということで、10の倍数がカギとなる本作らしく、真ん中の10を消してもタイトルに10が残る……というゲーム自体を表したものとのこと。説明されて納得です。

 こういう交流によって判明することがあるので、開発者の方々とやり取りできるのはうれしい試みでした。

海外産のおもしろそうなゲームはまだまだ盛りだくさん!

 ほかにも、気になるブースはいろいろありました。たとえば、メーカー名ではなくゲームタイトルがブース名になっていた『SODA CRISIS』。


 これはグラップリングを駆使して飛び回り、敵を銃撃していく横スクロール型のアクション。まだ配信されてはいないのですが、遊べた範囲でも十分楽しめました。

 パブリッシャーは中国のbilibili。ビリビリ動画というものを聞いたことがある人もいるのではないでしょうか? 中国の有名企業ですが、インディーゲームの配信にも力を入れているようで注目ですね。

 続いて訪れたLIGHTNING GAMESのブースでは、日本人にも受けそうなタイトル『ANNO: Mutationem アノー:ミューテーショネム』をプレイ。こちらは、Steamでも体験版が配信中です。

 見た目は2Dの横スクロールなのですが、実は3D。かなりの奥行きがあり、手前や奥に移動して物を調べる感覚が新鮮でした。完全な2D横スクロールに見えていたのでビックリ!

 マウス&キーボード操作のみなのが惜しいところでしたが、やはりコントローラー対応をして欲しいという意見もきているとか。

 今回は感染対策ということもあり、いつもと違ってブースに人がいないところも目立ちました。

 PVだけが流れている空間は奇妙な印象もありましたが、これはこれでわかりやすいかも。とはいえ、どうしても寂しさは感じてしまいますね。早く日常に戻って欲しい物です。


 博物館の展示会場のように、誰もいないブースで飾られているものを見ることは、これまでのTGSにもない感覚。来年はどうなるかわかりませんが、貴重な機会なのでじっくり見てきました。

 そしてラストは、IKEAブースに行って自然派なカップ麺をゲット! 家に帰ったら食べようっと。

 というわけで、自分のTGSもこれで終了! 例年よりも規模が小さくなったオフライン会場でしたが、そこにあるゲームの熱量はまったく劣っていませんでした。

 来年以降、正式に一般層も参加できるようになれば、またかつてのようなTGSの熱気が戻ってくると思います。

 自分は、今回チェックしたインディーゲームの動向も気になりますし、さっそく帰ってSteamを起動。今、まさにデモ版やストアをチェックしているところです。皆さんも気になったタイトルがあったら、ぜひ調べてみてください。そして、発売を楽しみに待ちましょう!

東京ゲームショウ2021 オンライン 開催概要

【開催期間】9月30日~10月3日
【参加料】無料


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