『アイマス』総合P・坂上陽三さん&『スタマス』P・久多良木勇人さんにインタビュー。反響次第で今後の展開も!?

セスタス原川
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 バンダイナムコエンターテインメントは、10月14日よりのPS4/PC(Steam)用ソフト『THE IDOLM@STER STARLIT SEASON(アイドルマスター スターリットシーズン)』を発売します。

 先日開催された“東京ゲームショウ2021 ONLINE”の幕張会場にて、『アイドルマスター スターリットシーズン(スタマス)』のプロデューサーの久多良木勇人さんと、アイドルマスター総合プロデューサーの坂上陽三さんにインタビューを実施。ゲームの見どころや今後の『アイドルマスター』の展開についてお話をお聞きしました。

  • ▲左からアイドルマスター総合プロデューサーの坂上陽三さん。『スタマス』プロデューサーの久多良木勇人さん

――本作の特徴や魅力を改めてお聞かせください。

久多良木さん:『アイドルマスター』の765プロだけでなく、『シンデレラガールズ』『ミリオンライブ!』『シャイニーカラーズ』の4つのブランドが集まり、多くのアイドルが登場する部分が魅力の1つです。各ブランドのアイドルが事務所の垣根を超えて1つのエピソードを紡ぎ、アイドルたちがコミュニケーションを交わす部分も、今まで見られなかった要素になります。他にも、家庭用タイトルということでビジュアルも可愛く大画面で楽しめるようなクオリティで、踊っている際の汗をも表現するような情感あふれる作りをしています。

――本作では、“汗”を特徴のひとつとして取り入れていますが、これまでにないリアリティさが増したように感じます。

久多良木さん:

ビジュアルを担当する開発スタッフさんから提案をいただいて実装が進んだ感じでした。3Dの表現を作っていく中で、今までの演出に何かプラスアルファをしたいと考えてはいたところ、情感を出したい、シズル感を出したいという方向性でまとまり、その延長戦で今までなかったような表現を取り入れようと。その結果、アイドルたちがパフォーマンスをしている際の汗を見せようとなりました。

ビジュアルを担当する開発スタッフから提案をもらって実装が固まった感じでした。3Dの表現を作っていく中で、今までの演出に何かプラスアルファをしたいと考えていたところ、情感を出したい、シズル感を出したいという意見が上がり、その延長戦で今までなかったような表現を取り入れようと。その結果、アイドルたちがパフォーマンスをしている際の汗を見せようとなりました。

――それを発表した際のファンの反応はいかがでしたか?

久多良木さん:好意的に受け取っていただけました。ステージの臨場感はやはり大事で、それが躍動感にも繋がっていきます。それに加えて、ステージに立つアイドルたちの感情をより生々しく表現することに成功したと感じています。

――こだわった部分や苦労した部分はどこでしょうか?

久多良木さん:汗もそうですが、ビジュアルはやはりこだわりました。今回は初めて4ブランドのアイドルが登場しますし、特に『シャイニーカラーズ』のアイドルについては、本作で初めて3Dビジュアルを作ることになります。いかにして3Dで可愛く表現するのかは、初期からの課題でした。元の絵が持っているイメージを大事にしつつ、家庭用のゲームとして各アイドルが同じステージに立ったときにグラフィックを馴染ませる部分の苦労はビジュアルスタッフさんが協力して作ってきた大きな成果ですね。

――システム面はどのような構成になっているのでしょうか?

久多良木さん:今回は“アイドルプロジェクトプロデュース”というゲームジャンルにしています。従来のように1人のアイドルをトップにするのではなく、複数のアイドルたちをプロデュースするシステムを新たに組み上げるにあたってどうすべきかという問題がありました。ただ、その前提として皆で考えたことは、ストーリーとリンクさせることでプロデュースするシステムにしようということです。1カ月単位で1つの目標を歌唱メンバーとなるアイドルたちとクリアしていき、1年を通してゲームをクリアしていく流れとなり、企画スタッフが苦労しながらも作ってくれました。

――コミュで描かれるシナリオについてはいかがでしょう?

久多良木さん:今回はコミュのボリュームが特徴で、29人のアイドルは全員が主役だと思って物語作りに取り組んでいます。特にこの点は1対1の絆コミュが顕著だと思います。ライターさんが各ブランドの設定資料を読み込んだうえでシナリオ制作にあたり、さらに各タイトルの開発に携わる方々に監修もお願いしています。アイドルの声もフルボイスなので、高いクオリティで仕上がっています。その分、特に苦労も大きかったところです。

――PVでは、どこかシリアスな印象を受けるシーンもありました。

久多良木さん:シリアスな要素はありますね。長いストーリーになっているので、当然コミカルなシーンもあったり、シリアスなシーンもあったり、メリハリのあるストーリーになっています。これからプレイする人もいますので、あまり細かいところまでここでは話せませんが、メインストーリーは新アイドルの心白が重要人物となりつつ、プロジェクトルミナスにいるアイドル全体の成長ストーリーをしっかり描きたいというのは、本作のコンセプトのひとつです。

――本作に登場する29人のアイドルは、どのように選考したのでしょうか?

久多良木さん:本作に登場するアイドルの面子を見ると、不思議な組み合わせと感じる方もいると思います。本作の設定では、765プロのプロデューサーが主人公で、各事務所に協力を仰いでスペシャルユニットを組んでいきます。まずは765プロの13人がいて、そこに後輩メンバーの未来たち5人。さらに、さまざまな個性を放つ『シンデレラガールズ』『シャイニーカラーズ』のアイドルたちの中から5人ずつ加わってもらうことで完成させた形です。1つ1つのピースを埋めていくような形でメンバーを決めたので、明確なビジョンがあったというよりも1人ずつ決まっていくなかでスペシャルユニットのカラーが徐々に決まってきた印象です。

――他ブランドのプロデューサーにも相談もされたのでしょうか?

久多良木さん:はい。当時の各ブランドに携わるプロデューサーに「こういう話でこの展開だと、どの子がいい?」と相談して回りました。その上で「じゃあこの子がいいのでは?」と提案をもらって選定していきました。

――本作では心白と亜夜という2人の新アイドルが登場します。彼女たちを登場させた意図や、どのような役割があるのか聞かせていただけますか?

久多良木さん:『スタマス』では、1つの大きなお話を描きたいと思っています。ここまで集まったアイドルでも十分な物話を展開することはできますが、先ほどもお話ししたように、アイドルの成長という要素も描きたいと考えていたんです。そこで、本作オリジナルのアイドルである心白と亜夜を通して、“アイドルとして大きく成長していく様子”を描いていければ……と考えて本作に登場してもらいました。


 この2人はある種の対比になっていて、心白の方は一度見ればすぐになんでもできてしまう天才肌の女の子で、亜夜はそんな心白をライバル視している努力タイプの女の子です。2人がどのように成長していくのかも、本作の大きな見どころです。

――実際にプレイをすると、さまざまな機能や操作方法があり、コンシューマーゲームならではの作り込みの深さを感じました。

久多良木さん:本作は『アイドルマスター ワンフォーオール』という過去に評判の良かったゲームのシステムを参考にしていて、それを継承・進化させた形です。コンシューマータイトルを長くプレイされてきた方からすると、従来通りのおもしろさを味わっていただけると思います。ゲームとしての難易度は、発売前に公開している体験版“Practice Session”はライブパートの難易度が特にHARDは高い状態のものですが、製品版では自分に合ったクリアのしやすさのライブを選択してゲームを楽しんでもらえます。

――『ワンフォーオール』をベースに継承・進化させた形とのことですが、特に進化したところはどこでしょうか?

久多良木さん:『アイドルマスター ワンフォーオール』と比べると、遊びとしてできることの幅を広げています。ステージ中は5つのボタンが並んでいますが、元々はボーカル・ダンス・ビジュアルの3つのボタンでした。本作では、ゲームのコンセプトに準じて誰をステージに立たせるか選ぶことも重要なので、そのメンバーに応じてクリアの難易度が変化するようになっています。その他の部分の要素でも遊び方をカスタマイズしているところが多数あります。

――事務所の垣根を超えた作品は今後も制作される予定はあるのでしょうか?

坂上さん:皆さんからそういった声が多く上がるのであれば、ぜひ考えていきたいです。僕らとしては、こういったブランド合同の取り組みも『アイドルマスター』全体で作っていきたいと思っていますが、まずは『スタマス』をリリースして、皆さんの意見や希望を聞いて、今後の展開を考えたいです。

――今作は『アイドルマスター』の中でもチャレンジをした作品ということですね。

坂上さん:はい。もちろん『スタマス』でも本作ならではのチャレンジをしています。反響次第では、今後の『アイドルマスター』の方向性にも影響が出てくるかもと思っています。

――近年は新型コロナウイルス感染症の影響もありましたが、『アイドルマスター』全体の動きを振り返っていかがでしたか?

坂上さん:まさに『スタマス』も発売が遅れてしまうなど、皆さんにもご心配をおかけしてしまったところがあります。そんなコロナ渦で大変な中、スタッフは歩みを止めずに、できることを1個1個進めてくれました。こうして発売まで辿り着けたのは、関係者の皆さんの努力の賜物と感じています。

――昨年には15周年という節目もありました。

坂上さん:実は……『アイドルマスター』15周年という節目にはいろいろな企画を仕込んでいたのですが、結局それが全部飛んでしまいました。それがさらに現在まで続いているわけで、『アイマス』を愛してくれている皆さんにとってもそうだと思いますが、製作する側としても踏ん張って続けてきた2年間でした。その中でも、みんな前向きにやってきて、ようやく『スタマス』が発売できるというのは非情に嬉しいです。やはりプロデューサーさんたちの声は大きく、そして温かかったですね。そのおかげもあって、スタッフ一同頑張ることができている面は確実にあると思います。

――コロナ渦では、どのような部分に大きな影響をうけたでしょうか?

坂上さん:ブランド全体について言えることですが、ライブを行うときなどは、今でも大北影響を受けています。スタッフ全員で協力してどうにかやってきた感じですね。ライブにしても有人でやるのか、無観客でやるのか、それが寸前まで決まらないわけですから。感覚としては、1つの企画に対して本来の3倍くらいの段取りを並行して進めていたイメージです。

――今後の『アイドルマスター』の展開についてお聞かせください。

坂上さん:こんな状況ではありますが、いろいろな計画を立てています。まずは『スタマス』の発売です。その他にも、ライブやイベントなどがあるので、応援してくださっている皆さんにしっかりと届けられるようにしていきたいです。この2年間で皆さんとコミュニケーションが取れていなかったと感じる部分もあるので、その部分をこれからしっかりと補っていきたいと思っています。

――新作の予定なども既に決まっているのでしょうか?

坂上さん:現在の状況としては『スタマス』に全力投球! という感じです。今はもう1個ずつ、しっかりと作品を皆さんにお届けしていければと思っています。

――最後にファンの方々にメッセージをお願いします。

久多良木さん:『スタマス』の発売、大変長らくお待たせしました。ようやく皆さんにプレイしていただけることを、自分自身も楽しみにしています。本作は『アイドルマスター』に初めて触れる方や、アプリから最近知った方、さまざまな方が楽しんでいただける作品を目指して開発してきました。この機会に『アイドルマスター』の魅力を知っていただいて、好きになっていただけたら嬉しいです。プロデューサーの皆さん、アイドルたちのプロデュースをよろしくお願いいたします。

坂上さん:『アイドルマスター』は16周年を迎えました。これからも10年、20年頑張っていく意気込みで臨んでいる中で『スタマス』というブランドの枠を超えた作品にチャレンジしています。これから登場する作品の指標になる作品と考えていますので、ぜひ遊んでいただきたいです。これからもプロデューサーの皆さんと共に1歩ずつ頑張っていきたいと思っていますので、応援のほどよろしくお願いいたします。

※画面は開発中のものです。
©窪岡俊之 ©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

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アイドルマスター スターリットシーズン

  • メーカー: バンダイナムコエンターテインメント
  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: アイドルプロジェクトプロデュースゲーム
  • 発売日: 2021年10月14日
  • 希望小売価格: 8,200円+税

アイドルマスター スターリットシーズン

  • メーカー: バンダイナムコエンターテインメント
  • 対応機種: Steam
  • ジャンル: アイドルプロジェクトプロデュースゲーム
  • 配信日: 2021年10月14日
  • 価格: オープン価格

アイドルマスター スターリットシーズン 初回限定生産版

  • メーカー: バンダイナムコエンターテインメント
  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: アイドルプロジェクトプロデュースゲーム
  • 発売日: 2021年10月14日
  • 希望小売価格: 13,800円+税

アイドルマスター スターリットシーズン ダウンロード版専用デラックスエディション

  • メーカー: バンダイナムコエンターテインメント
  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: アイドルプロジェクトプロデュースゲーム
  • 発売日: 2021年10月14日
  • 価格: 12,500円+税

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