グロテスクな世界観、どこか歪んだ人物たち…。『ディープインサニティ』の“狂気”がクセになる!【DI日記#5】
- 文
- 長雨
- 公開日時
スクウェア・エニックスが手掛けるメディアミックスプロジェクト『ディープインサニティ』は、人々を覚めない眠りと狂気に導く“ランドルフ症候群”に、異なる時間軸が描かれたTVアニメ、マンガ、ゲームの3つの視点から挑んでいく作品です。
本作の最も末期の時代が舞台となるiOS / Android / PC(Steam)向けRPG『ディープ インサニティ アサイラム』の配信が、10月14日にスタートしました!
今回は世界観に魅了されたSF&考察大好きライターが、実際にプレイして感じた本作の魅力やシステムの見どころをレポートしていきます。
グロテスクだからのぞきたくなる“アサイラム”の深淵
7月に行われたオープンβテストに参加して闇が深い本作の世界観に魅了され、先行で連載されているマンガ『ディープ インサニティ ニルヴァーナ』を読みながら配信を楽しみにしておりました。
本作はメインキャラクターであるウー・イノミネタス(声優:梅原裕一郎)の視点で進み、“ランドルフ症候群”によって破壊と狂気に包まれた荒んだ世界を目の当たりにすることになります。
ウーは記憶喪失のため予備知識がなく、世界観に対する情報が程よく制限されているため、ゲームで初めて作品に触れた方も置いてきぼりになることなく物語に馴染めるはず。
物語の舞台である近未来の地球では南極大陸に出現した大穴“アサイラム”が出現し、ときを同じくして“ランドルフ症候群”が広がり始めました。
“ランドルフ症候群”には眠りから覚めなくなる者と狂気に支配される者がおり、国の概念がなくなるほど世界は崩壊していると言います。
人々は“ランドルフ症候群”と“アサイラム”には何らかの関係性があると推測して調査に乗り出しますが、そこは人は病に侵され、無人探査機さえも腐敗する死の土地でした。
この地で活動できるのは、ウーたちのような特殊な脳波を持つ“スリーパー”のみ。彼らは“アサイラム”に出現する敵性“スカード(異形)”と戦いながら、その深淵を目指すことに……。
本来ならウイルスが存在しないと言われる極寒の南極が、未知の症候群の発生源と言われているのが興味深いところ。寒さにも耐えうるほど強い遺伝子情報を持っているのか、そもそもウイルス性ではない可能性が、なんていろいろ想像が膨らんでいきます。
また、なぜ“スリーパー”が“アサイラム”の影響を受けにくいのかもカギになっていると個人的に思うんですよね。もともと特別だったのか、または何らかの理由ですでに変容しているのか……。
世界観にも登場人物にも謎が散りばめられており、いろいろな考察をしながらプレイするのが面白いストーリー展開になっています。
ゲームだけでも十分に楽しめますが、世界の導入にピッタリなマンガやアニメなどメディアミックス作品すべてに触れることで、考察の幅もグッと広がるので合わせて楽しむのがオススメですよ。
また不気味な“スカード”の造形や残酷なシナリオなど、胸をザラリとさせるグロテスクさも本作の見どころだと思います。
序盤からシレっと部隊が全滅して“スカード”化しますし、狂気的な儀式があったり、主要キャラの倫理観が壊れていたり、“狂気”という言葉がぴったりなエピソードのオンパレード。
怖いけど、先が気になる中毒性の高い作品です。グラフィック的に残酷な描写はほぼないので、血などが苦手な人も(それ以上に不穏な文章表現などはありますが)安心して遊べると思います。
歪みの多い登場人物がだんだんクセになる
狂気に満ちた世界にふさわしく、登場キャラクターも個性的を通り越して危うさすら感じる人が多いです。
その筆頭が、主人公のウーでしょう。彼は“スカード”も発見できる特殊な聴覚の持ち主で、それゆえに騒音に苦しめられていて常に不機嫌。騒音による不快さは理解できるものの、発言が殺伐としていて主人公で本当に大丈夫なのかと不安になるほどです。
そんな彼の不穏さを、可愛らしい見た目に反していい性格しているナビゲート役の餅木スミレ(声優:本渡 楓)が中和してくれます。
2人の関係は、どこまでもビジネスライク。しかしスミレの明るさとウーのちょっと(?)ずれた感性が上手くかみ合い、テンポよくコミカルな会話が展開していくのが面白いです(内容は相当ひどいですけど)。
また、メインストーリーを進めることで仲間になる真喜志エリカ(声優:富田美憂)と小鳩玲香(声優:野口瑠璃子)もかなり濃い人物でした。
玲香は女王様のような雰囲気と、腐女子という属性からして存在感の塊。言動がウーとは違う意味で不穏で、彼女の行動原理もかなり気になります。
対するエリカは“ランドルフ症候群”で眠り続ける妹を持ち、“スリーパー”の仕事にも真面目に取り組む女の子。“感情移入”に特化した能力があり、ウーと少し行動しただけで彼に合わせた行動がとれるすごい子です。
仲間の良心的な存在ですが、個人的に狂気に満ちた世界で普通でいられるのは異質なことだと思うんですよね。しかも、他者に“感情移入”出来る子が……。最後まで、明るく素直なエリカでいてくれることを願ってしまいます。
駆け引きがカギのバトルが熱い!
本作はクエストを進めることで、物語が進行していきます。クエストでは、“スカード”とのバトルが発生!
プレイヤーは4人パーティを組み、一定時間ごとに貯まるスキルポイントを消費してスキルを発動し、“スカード”を全滅させたら勝利となります。
オススメで最適なパーティが組めますし、バトルも最初からオートが可能なのでとっても快適です。
バトルの大きなポイントは、“ブレークゾーン”の存在。強力なスペシャルスキルを使用することで、相手をノックバックさせてバトルフィールドのセンターラインを後退させることができます。ラインをどんどん後退させ敵を“ブレークゾーン”に入れるとと、継続してダメージを与えるなど戦闘が有利に!
キャラクターと“スカード”には3すくみになっている“フィジカル(赤)”、“メンタル(緑)”、“テクニカル(青)”の属性があり、弱点属性で攻撃することで大きくノックバックさせることが可能。
ただし“スカード”のなかには味方をノックバックさせてくる相手もおり、いかに自陣を守りつつ相手を追い詰めるかが重要になります。
私が基本的にはオートですが、ボスなど大型の“スカード”戦は手動で考えながらプレイしていました。いつ、どのスキルを発動するか戦略を練るのが楽しいですし、上手く作戦がハマって相手を全員“ブレークゾーン”に押し込めたときの爽快感が貯まりません。
パーティメンバーの育成要素は、武器やレアリティなどかなり充実しています。必要になる素材が“アサイラム”で手に入る未知の資源だったり、“スカード”の遺伝子データだったりするあたりに、この作品の闇を感じますが……。
素材はフリークエストで入手でき、スキップも可能なので周回プレイも楽なのが嬉しいです。
センターラインを巡る攻防を考えると1人を強化するというよりも、各属性満遍なくパーティが組めるようにするのがよさそうなのでこれからじっくり育てていこうと思います。
※ゲーム画面は開発中のものです
© 2021 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります
『Deep Insanity(ディープインサニティ)』公式サイトはこちら
『Deep Insanity(ディープインサニティ)』公式Twitterはこちら