『FF14』メディアツアー・吉田直樹P/Dインタビュー! 『暁月のフィナーレ』=ENDWALKERに込めた想いとは?

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 スクウェア・エニックスのMMORPG『ファイナルファンタジーXIV(以下FFXIV)』の最新拡張パッケージとして、11月23日に発売予定の『ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ』。その発売に先駆けて行われたメディアツアーが9月19日~22日に開催され、そこでの試遊プレイをもとにした吉田直樹プロデューサー兼ディレクターへのインタビューが行われました。

 そこで電撃オンラインでは目玉となる新ジョブに関する質問を皮切りに、メディアツアーで訪れたフィールド&ダンジョンの見どころなどを吉田氏に直撃。公開中のフィールド・IDレポートとあわせて読めば、より理解度が深まるはずです。もちろん、要所要所で『暁月のフィナーレ』の重要な部分にも触れていますので必見です!

 なお、新ジョブや既存ジョブのさらに細かい内容は、ファミ通.comに掲載中の吉田氏のインタビューで語られています。ジョブレポートとあわせてそちらもチェックを!

テクニカルな要素が多めで突き詰め甲斐のある2つの新ジョブ!

――メディアツアーで体験できたバージョンはまだまだ調整中とのことですが、現在(9月21日時点)での開発状況を教えてください。

吉田直樹氏(以下敬称略):コンテンツのバランスについては、“零式”を含めてほぼほぼ着地している状態です。今はそれらに対して各ジョブでさらに繰り返しプレイを重ねて、さまざまな数字付けがこれで問題ないか、極端に飛び出ている部分はないかなどを確認して、必要であればギリギリまで数字を入れ替えていく作業のターンに入れたという感じです。

――となると、コンテンツとしての形自体はほぼFIXした形でしょうか?

吉田:はい。僕の“零式4層”までのチェックも終わりました。

――実際にそこまで作業を終えてみていかがですか? 『暁月のフィナーレ』は過去最大のボリュームになっているとお話されていましたが……。

吉田:えーと、今お話ししたのは、あくまでコンテンツのバランスについてでして……(苦笑)。じつは今週はまだフェイスで挑んだときのダンジョンチェックが控えているんです。

 暁のメンバーを連れて行ったときのセリフ周りや、フェイスで挑んだ時の難易度、フェイスのアルゴリズムはこれで大丈夫なのかという部分などを、今週いっぱいかけてチェックします。他にも僕がディレクターとしてやるべきことはまだ山積みで、“作業を終えてみて”の感想を言える段階ではないのです(笑)。

 コロナ禍の影響もあり、全体の開発期間を長くとっているぶんだけ、コンテンツの発注もかなり前倒しでスタッフがやってくれました。コンテンツの実装側としては、QIC(クエストインスタンスコンテンツ)の最終調整が残っているので、今はそちらに全力を注いでいるという感じです。

――ストーリーについては吉田さんのチェックは一通り終えているのでしょうか?

吉田:まだ最中です。カットシーンは一次チェックが全部終わって、フィードバックも終わりました。あとはそれをシナリオに載せ直したものに対して、プレイヤーのみなさんがプレイするであろう動線どおりにひたすらプレイをして、最初から最後まで“通しプレイ”として全サブクエストとメインシナリオを確認していきます。

 例えば、「このサブクエストのキャラクターが、ウォークアウトして消える際、こちら側に消えていくのは、目的地に対しての違和感になるから変えて欲しい」などもよくあります。また、Lカットと呼ばれる、プランナーたちがスクリプトでつけている演技に対して、「このときのエモーションだと尺が短すぎて感情が入らないから、一回目を閉じて顔伏せるアクションをしてから次のラベルに進んでほしい」といった指示もそうです。

 ほかにもメインクエストとサブクエストの連携、内容、設定の齟齬がないか、プレイフィールはOKか、サブクエストの開放タイミングは気持ちよくできているか、演出もサウンドも、通しプレイをしてギリギリまで調整していきます。

――かなり佳境に差し掛かってきているという感じですね。

吉田:この佳境が延々2カ月くらい続いていますが……(苦笑)。今はちょうどメディアツアーと重なっているのですが、来週が一番大変かもしれません。スケジュールに“北米のメディアツアー”とありながら、その横にメインシナリオチェックのタスクがあって、「物理的にムリじゃん!」と。

――それはかなりハードなスケジュールですね……。ではここからはゲームの内容についていろいろうかがっていきます。まずは、いよいよ第66回プロデューサーレターLIVEやメディアツアーの試遊でジョブの詳細が明らかになったということで、あらためて新ジョブのリーパーと賢者のジョブコンセプトを教えていただけますか?

吉田:リーパーについては、全世界のプレイヤーからのフィードバックで、巨大な鎌を使うジョブが欲しいというお声が多くありました。それを反映するとなると近接物理DPSの数も多くなりますので、明確に特徴を出さなければなりません。そこでまずは“巨大な鎌で戦うイメージをどう『FFXIV』のメカニクスに組み込むか”という部分から設計を始めました。

 アヴァターのアイデアは当然初期から出ていて、イメージとしては“死神”から来ています。そして本体以外にアヴァターも攻撃するものの、ペットジョブではない。最終的にはそれだけではつまらないので、アヴァターそのものを自身にまとい、よりパワーアップして技をたたき込むという形にしました。

 近接物理DPSとしては移動スキルや、移動した先からの遠隔攻撃、ローテーションのテンポが途中から変わるなどが特徴です。あとはコンテンツのタイムラインに合わせて、あえてゲージをためておき、“レムールシュラウド”を使うタイミングを一回遅らせる、といった工夫などができるようにしました。設計時点から明確に“できること”を定め、しっかり作成できたと思っています。

――触ってみると、ソウルゲージをためる→アヴァターを呼び出してシュラウドゲージをためる→“シュラウドゲージをレムールシュラウドで使いアヴァターを憑依→スタックされたレムールソウルを使って攻撃……”というように、段階をしっかり踏むジョブという印象を受けました。

吉田:たしかにローテーションで段階を踏む必要がありますが、そのスピードがダラダラしたものではなく、テンポ感に気を付けて開発していますね。

――たしかにテンポが非常に早いほか、スタート時は“シュラウドゲージ”を一気に50ためる手段がありますので、そこで一気に火力を出せる印象がありました。

吉田:今までの“ためて→ためて”と積み上げるスタイルは、どちらかといえばモンクが担っています。“チャクラ”を使い必殺技を使い、陰と陽の2種の闘気を使って最終的には“夢幻闘舞”が使えるという感じですね。

 リーパーはゲージが2本あって、ためて→ためてという流れは近いですが、そのためる速度をわりと早くしています。あとは途中にも小技が効くようにして、退屈にならないようなデザインにしました。どの近接物理DPSジョブともまた違うプレイ感を味わっていただけると思います。

――とても新鮮でした。フレキシブルに戦えるぶん、かなりテクニカルなジョブという印象です。

吉田:あとは定期的に使わないといけないアクションもあるので、それを踏まえていくとやはり位置づけ的にはモンクに並ぶのかなと。最低限のシナジーは持っているという意味では、侍ほどピュアではありませんが、テクニック差もけっこう出る形になったのではと思っています。

――鎌を振るモーションも、鎌の重さが手に伝わるような感じですごく気に入りました。

吉田:あれはほぼリテイクがなかったんです。やはりノリノリで作ったのが大きい。ウチは“厨二”がそろっているなと改めて思いました(笑)。

――あれは“厨二心“をくすぐりますよ(笑)。

吉田:VFXの透過があまりない、墨絵を散らしたようなエフェクトも、今までの『FFXIV』にあまりないものになっています。ただ最初は、「いくらなんでもこれは、自分のキャラが見えないんじゃないか?」と慎重にチェックはしたのですが、カッコよさ優先が良いなと判断しました。レベル上げのF.A.T.E.でリーパーだらけになったら、なにがなんだかわからないだろうけど、 “自分がカッコよければいいか”と割り切りました(笑)。

――では次に賢者についてもお願いします。

吉田:『漆黒のヴィランズ』(以下5.0)を発表したときに、ヒーラージョブの追加がないということで、僕が想像していたよりも「ガッカリした」というお声を頂戴していたんです。新しいヒーラーをプレイしたいという方は多いんだなと、申し訳ないですがそのタイミングで思い知らされました。

 だから『漆黒のヴィランズ』(以下5.0)がスタートする前から、「次は必ずヒーラーを入れないと」というのは決まっていました。ただ、ヒーラーで特徴を出すことは、仕様の設計上ものすごく難しいのです。ヒーラージョブのやることには主に回復と攻撃ですが、ヒーラーである以上、攻撃にメチャクチャなメカニクスを入れて、そこで特徴を出すわけにはいきません。

 だとしたら、そもそもヒーラーのバランスについてピュアとバリアですごく苦労していた部分もあるので、新しいヒーラーを追加するならば、ヒーラーのロール自体にピュアヒーラーとバリアヒーラーという分け方を作り、明確に特徴を付けるようにしました。

 そのうえで、ベーシックで扱いやすく、バリアヒーラーの基本が詰まっている学者に対し、賢者に関しては“ややテクニカルで、攻撃と回復が混ざり合うバリアヒーラー”という位置づけにしようと設計しています。

 ですので、毛色がこれまでのヒーラーとは違います。アクション数も多いですし、グラウンドターゲットによる設置型の範囲ヒール手段もないので、ぜひ工夫してうまく扱ってください、という感じですね。

 また「攻撃したい!」というヒーラーの方も多くいらっしゃるので、思い切って攻撃するとヒールが発動するという“カルディア”(※)というアクションが存在します。バリアを張り、そのバリアが消滅すると攻撃リソースを得る。そんな特徴もあります。

 とはいえ、あまり早い段階からこれを賢者の特徴として発表してしまうと「ヒーラーなのに攻撃しろってこと?」と思われてしまうため、ギリギリまで公開を待っていた感じです。

※自身またはパーティメンバーひとりを対象に“カルディア[被]”を付与し、特定の攻撃魔法を実行したときに、“カルディア[被]”を付与したプレイヤーに回復効果を発生させる。効果時間は永続。

――ちょっと語弊があるかもしれませんが、これまでのヒーラーの集大成的な印象も受けました。たとえば、白魔道士の“ヒーリングリリー”のように時間で溜まる“アダーガル”というゲージの管理があり、一方ではバリアでダメージを吸収して消滅することで付与される“アダースティング“もあります。さらに使うことでヒールの性質が変わる“エウクラシア”があるなど、都度回復するのか、バリアを張るのか、攻撃しつつタンクを回復するのかなど、すごく忙しくも状況判断によっていろいろなことができるジョブだと感じました。

吉田:間違いなく、「ヒーラーでいろいろやりたい!」という方に向けたジョブになっています。最大の特徴はそこですね。下手をすると器用貧乏になってしまうので少し難しめではありますが、やはり1つの拡張ぶんお待たせした“使い込み甲斐”があるというか、使い込んでいくとよりおもしろさがわかるヒーラーになっていると思います。

召喚士の調整はじつは『蒼天のイシュガルド』の頃から念頭にあった!

――次は既存ジョブですが、大きく変更されたジョブとそうではないジョブに大きく分かれているように感じました。

吉田:割合で言えば大きく変わったジョブのほうが圧倒的に少なくて、そういう意味では5.0準拠のものを真っすぐに伸ばしたジョブのほうが多いです。召喚士がものすごく変わって、占星術師がピュアヒーラー1本になり、モンクも必殺技が追加されるというインパクトが強いので、そう感じてしまうかもしれません。

――たしかに3つのジョブ以外は、基本的に5.0準拠の方向性ですね。唯一、吟遊詩人は比較的変更点が大きく感じました。

吉田:吟遊詩人はプレイヤー人口も多く、フィードバックも「詩による支援をもっとしたい」「いや本体火力を上げて欲しい!」と大きく二つに分かれている傾向があります。この二つは相反するもので、いずれもかなえようとするとスーパージョブになってしまうからです。

 今回は“詩人”という部分に改めてフォーカスを置きつつ、機工士と踊り子の中間に位置するよう、かなり細かく調整を行っています。メディアツアー以降もリリースまで調整が続くことになります。 詩人色を強めるため、“光神のフィナーレ”のように、支援系のアクションをしっかり追加して、それに合う形のメカニクスに変更させていただきました。

――モンクと占星術師は以前から調整があるというお話がありましたが、召喚士は正直「ここまで変わるのか!」と驚かされました。

吉田:やはり『蒼天のイシュガルド』のときから、「俺たちは召喚士でなくDot士か……」というお声があったのは事実ですし、5.0のときもアビリティやペットアクションの食い込みなど『新生エオルゼア』で作ったものに限界がきている状態でした。

 じつはこれについては以前にもお話ししていて、「かなりメカニクス的にも限界が来ていたので、いつか大きく手を加えます」と言っていたのが今回の調整です。開発チームのなかでは2年くらい前から修正することが決まっていました。

 『暁月のフィナーレ』(以下6.0)では今の仕組みのままアクションを追加するのはもう無理なので、6.0での対応を目指して一番時間とコストをかけて作っていった次第です。ほぼ新ジョブを作るような気持ちでスタートして、「Dotのアクションを全部なくそう」と決めました。

――大きく変わりましたが手触りはものすごくいいですね。一度触ると、現状の召喚士に戻りたくなくなるくらいに(笑)。

吉田:ありがとうございます。そう言っていただけるとめちゃくちゃうれしいです。一度開発環境に実装してからも、もう一回壊したりなどして苦労をして開発してきました。遠隔魔法DPSは、僕自身が黒魔道士をメインにしていることもあり、調整として触る時間が他のロールに比べるとやや長いです。

 これはあくまで“それしか触っていない”ではなく、ディレクターとして全ジョブをチェックしているけれど、役割として「遠隔魔法DPSはより細かく見てくれ」と、開発チーム内でも担当分けがあるからです。召喚士もかなり触っていますが、初期実装はコンセプトが生かせるところまでたどり着けておらず、そこからさらに大きく変更を加えて今の形になっています。

 実装初期では、肝となる3蛮神のエーテルを使ったときの挙動が代わり映えしなくて、「やっていることは一緒じゃない?」という印象が強かったんです。ですから「召喚士自身のエーテル付与下での遊びはもう一回調整しなおそう」と、バトルシステム班が総がかりでアイデアを詰め直しています。

――結果的に“アストラルフロウ”の使い方に、3蛮神ごとの個性が出た感じですね。

吉田:そうですね。6.0の召喚士は、エーテルによって本体が影響を受けてプレイスタイルが変わるのがウリで、3蛮神のエーテルをコンテンツのタイムラインに合わせてどの順番で入れ替えるかがプレイヤースキルの見せどころであり、当初からのコンセプトになります。

 かつ、バハムートとフェニックスのリキャストが戻る前にエーテルを使い切らないと、DPSがロスしてしまいます。猶予は少しありますが、決められた時間のなかでいかに実行できるかがポイントですね。

――コンテンツによっては「ここは移動が多いから、詠唱なしで攻撃できるタイタンにしよう」とか考える必要があるということですね。

吉田:そうですね。だから呼び出し方のアレンジをしやすいように、猶予時間できっちりきっちりで使わないと溢れるようにはしていません。なお「もしかしたら、Dotがなくなったことでラクになったんじゃない?」という意見もありますが、Dotは切らしさえしなければダメージが蓄積して、必ず一定値の火力が出続けます。

 それがなくなったということは“維持しなくてよくなった代わりに差が付く”ことになります。これまでDotで削っていたダメージぶんは、ほかの技に入れ込みました。

――回避に専念し過ぎるとそこでDPSに差が出るということですね。

吉田:忙しいからこそ、そのぶん機動力は高めにはしてあります。でも、ここは難しかったんです……。もう少し詠唱をさせてもよかったのかもと思いつつも、現在の召喚士は機動力も高いですし、全体を大きく変えるにあたり、その部分は残したほうが……という思いがあって。

 唯一、イフリートは詠唱時間が2.8秒で最長ですが、消費する必要のあるエーテル数が2と少なくなっていますので、迅速魔を割り出してもいいですし、タイムラインに合わせる、でもOKです。移動しなくていいタイミングを見計らって使うのがポイントですね。

――召喚士の変更を見て思ったのですが、やはりジョブクエストにも調整が入る形でしょうか?

吉田:はい、調整されます。シナリオ、イベント班には申し訳ないですが、作り直す必要があると伝えました。ですので、すでにレベルが上がっている方で新しいクエストを体験したい場合は、“つよくてニューゲーム”でご確認くださるとうれしいです。

――その流れでお聞きしますが、『暁月のフィナーレ』におけるレベル80以降のロールクエストについては、どのような物語になるのでしょうか?

吉田:かねてからお話しているように、ロールクエストに関しては近接物理DPSと遠隔物理DPSを分けたので、今回は5ロールぶんのクエストが用意されています。それらは、すべてエオルゼアや東方地域の党首たちに絡んだお話になっています。

 現在公開している『黎明秘話』でも取り上げていますが、こちらを読んでおいていただけると、さらに楽しんでいただけると思います。理由としては『暁月のフィナーレ』で次の物語に向かって新キャラクターを出していくときに、描き残しや思い残しがないようにしたかった、ということもあります。

 ラウバーンやカ・ヌエ、ヒエンなどについての話ですね。このあと彼らが登場しないというわけではありませんが、一区切りつけておきたい。世界の終焉に対して各国がそれぞれ立ち向かっている姿をロールクエストで描いておこうという狙いもあり、いったんのまとめのような物語にしています。

――『漆黒のヴィランズ』のロールクエストも、シナリオ的にものすごく重要な内容が含まれていましたが、今回もメインシナリオと合わせてすべて終えたほうがいい感じですか?

吉田:できれば並行して進めてもらえたほうがうれしいです。ロールクエストのスタート地点はメインクエストの動線上に配置してあるので、クエストが発生したら受けてクリアし、その後レベルが上がったら次のクエストを進めて……とプレイしてもらうほうが楽しめると思います。

 6.0の実装ではないですが、最後の締めとなるクエストも用意できたらと考えています。なお前回はアルバートたちの物語にしたので、かなりメインシナリオと密接な内容になっていましたが、今回はそこまで密接ではありません。

 ただ、世界が終焉というものに襲われていくなか、各国がどういう形で対応していくのかというところで、これまで見えなかったキャラクターの側面が見えてきます。ぜひメインクエストと一緒に楽しんでいただきたいです。

――ちなみに、ロールクエスト以外のジョブクエストは『漆黒のヴィランズ』と同じようなイメージですか?

吉田:いえ、ジョブクエストはいったん5.0のときに締めくくったつもりですので、今回その次の話は用意していません。新ジョブのリーパーと賢者のジョブクエストも、同じようにレベル80で完結します。

――また、新たにジョブ専用装備が発表されていますが、今回のデザインコンセプトを教えてください。


  • ▲上がナイト、下が黒魔道士のジョブ専用装備。

吉田:これまでに拡張を重ね、やや派生感のあるデザインが多くなっていたので、今回は“原点回帰”しようと考えました。とはいえ、2.0の時点でいわゆる“究極のジョブデザイン”を作ってしまったので……。あれをそのままというわけにはいかないため、今一度過去のデザインにあまりとらわれず、ストレートに各ジョブの専用装備を表現してみた、という方向性になっています。

――入手タイミングは前回と同じように、最終決戦前には手に入るイメージでしょうか?

吉田:はい、そうしてあります。あれを着て、最後の敵に立ち向かってもらうイメージです。でも、きっと3-4週間後くらいには着ぐるみを着て戦う方が多くなるんでしょうね(笑)。

 じつは着ぐるみも1つ追加してあります。もともと予定がなかったのですが、みなさんがけっこう“期待している感”がありまして(笑)。6.0で動物系着ぐるみがないとガッカリされるんじゃないかなと考えて、急遽最後に追加してもらいました。

――なんの動物なのかとても気になりますね……。

吉田:相変わらず、ちょっとクセのあるデザインにしてありますので、ぜひ楽しみにしていていただければ(笑)。

5.0でアシエンを描いたような濃密度で、ガレマール帝国のすべてを描き切る!

――次はメディアツアーで体験できた街やフィールドについて伺います。ツアー前の吉田さんのプレゼンでは、公開するエリアがことごとくネタバレで、しかたがなくガレマルドを出したというお話でしたが、今回公開するエリアはけっこう悩んだ感じでしょうか?

吉田:サベネア島については今回唯一公開可能なダンジョンである“ゾットの塔”があるので、あわせて公開しました。「異形の塔はもう世界中にあるじゃない」という感じで、まだ振り切って選択できました(笑)。でもネタバレ的に出せる場所が他になく……どうしようと悩みました。

 それなら以前紹介したラヴィリンソスを出してもいいじゃないと思われるかもしれませんが、ダメなんです。あそこにも重大なものがありまして……(苦笑)。それを見せないようにしようとすると、行ける範囲がかなり限定されてしまうんです。これだと、メディアツアーでは物足りなくなるだろなと。

「じゃあ『暁月のフィナーレ』らしく月か?」とも考えましたが、そもそも見せられないものが多すぎると。それ以外はそもそもフィールドの名前すら出していないし……となって、「もういいや。ガレマルドを出そう」と(笑)。

――ガレマルドはガレマール帝国の拠点だけに、これまでの帝国の基地の延長にある景観なのかと思っていたら、かなり予想と違っていて新鮮でした。

吉田:ガレマルドはまさに“帝都”なので、帝国の住人たちの暮らしや、国が運営されていた雰囲気、魔導技術や科学を使った都市がどう発展しているのかという様子を、拡張パッケージ1本で帝国編をやらないぶんだけ、強く見せられるようにと考えました。

――ガレマルドを歩いてみると、戦いの最中というよりも戦いはすでに終わって、むしろ光の戦士たちは救援に来たというような立ち位置が予想できました。

吉田:これまでの帝国は“人間の香り”というものがしていなかったと思うのです。敵でしかなくて、基地しか見ておらず、帝国兵たちも仮面をかぶって素顔が見えない。あのイメージしかないと思うんです。

 たしかに5.0の“ウェルリト戦役”などでガイウスとは話をしましたし、ガイウスの心境はわかりましたが、それはあくまで彼個人の立場で見たストーリーです。“ウェルリト戦役”“セイブ・ザ・クイーン”などで、それぞれの師団長やその周囲の人たちのことはわかっても、“帝国民がどんな生活をしていて、どんな思いをしてあの国にいて、どんな思いで戦争に向かう家族を送り出したのか”については、今まで一度も描かれていないし、皆さんに伝わっていない。

 要はアシエンに似ているのです。5.0まではアシエンという存在がいるのはわかっていても、「なんか正体はわからないし、もうアシエンはいいよ」といった空気がありました。それが5.0の物語を体験することではじめて、彼らもやはり人であり、想いがあって、僕らとなにも変わらないじゃないかということがお伝えできました。ですので、今回はガレマルドを舞台にそういったお話が描かれることになります。

 7.0ではなく6.0で“ハイデリン&ゾディアーク編”が終わるということは、帝国編はショートカットされるんだねというイメージがあるかもしれませんが、そうではないのです。『暁月のフィナーレ』は、ものすごくボリュームがありますので、メインストーリーのなかに、帝国編が描かれるパートが存在しています。それを踏まえて光の戦士が前に進んでいく物語になっていますので、そこは見どころの1つです。

――ガレマルドはデザインも近代的で地下鉄の駅があるなど、どことなく『FFVI』に登場したガストラ帝国を彷彿させるような雰囲気ですよね。

吉田:ニュアンスとして取り入れています。僕が加わってからの『FFXIV』の帝国は、魔導アーマーのデザインを始め『FFVI』に寄せるようにしているので、そこをくみ取っていただけるとうれしいです。

――ガレマルドの奥には巨大な城がそびえ立っていますが、いずれはあの城には攻略に向かうことになるのでしょうか?

吉田:そうですね。あれこそが帝国の中央にある元“魔導城“で、もっとも壮麗でもっとも大きい城でしたが、それがなぜかあのような外観に……という形です。もちろん、あそこには突入していただくことになります。ちなみにあの城は、フルトレーラーでゼノスとファダニエルがなにやら話していた場所でもあります。

――次は拠点となる街である“オールド・シャーレアン”ですが、こちらは風光明媚という言葉が似合う、どことなくギリシャやローマの港町を彷彿させる雰囲気ですね。

吉田:もともと古代ギリシャ、古代ローマをイメージして、知の集積地、知の都ということでイメージして作られています。古代ギリシャの思想には、“最高の知性は自然と調和しているなかに生まれる“という自然哲学の一種があるんです。

 それを踏襲している“オールド・シャーレアン”は、すべてが石畳という街づくりではなく、自然を意図的に残して設計している街にしてあります。地面に雑草などを生やしているのは、シャーレアンの人たちがそういう思想のなかにあるということを示しています。

 ただ、どこまできれいにするのかはけっこう悩みました。古代は“そのゆとりこそ知性である”みたいな思想があったので、そういった要素をあえて遺しています。そういう部分はサブクエストなどでけっこうフォローされているので、そのあたりも見ていただければと思います。

――あとはサリャクの像がものすごく目立ちますね。あれに登れるのかなと(笑)。

吉田:登りたいですよね……ただ、もう街に割り当てるメモリが……(苦笑)。

――足元に扉があったので、あとで大仏や観音像みたいに内部から登れるのかなと。

吉田:あの扉について語られるサブクエストはありますが……(苦笑)。

――サリャクの像をプレイヤーが正面から見る機会はあるのですか?

吉田:カットシーンのなかではあります。街中でフライングできるわけではないので、なにか考えたいところですが、ちょっと今は余裕がないです。ごめんなさい!

――ちなみに街にはバルデシオン分館という施設がありますが、ここに入ると『FFV』のメインテーマのアレンジが流れました。これにはなにか意味があるのでしょうか?

吉田:これはバルデシオンの名(※)にちなんでですね。詳細は言えませんが、あそこがわりと活動拠点になります。

※バルデシオン委員会のメンバーであり、暁のメンバーでもあるクルルのフルネームがクルル・バルデシオン。養父はガラフ。

――そして最後に“サベネア島”ですが、こちらは東南アジア風の遺跡が目立つエリアになっています。

吉田:もともと『FFXIV』では森をたくさん作ってきましたが、いわゆる東南アジア系の熱帯はサベネア用にとって置いたので、今回は思いっきりそれをストレートに表現しています。メディアツアーはフィールドしかお見せできず申し訳ないのですが、それらの集大成がラザハンの街の中になります。

 フィールドでも踊り子像のあたりからラザハンを望むことができますが、天候や時間が変わると見え方もガラッと変わってメチャクチャきれいですよ。あとは密林の中にある遺跡も、まさに観光旅行に来た感じを味わってもらえるようになっています。

 場所ごとに「これまで見たことがない景観だな」と感じてもらえる森になるように、細かく作っています。そのあたりはぜひメインシナリオが落ち着いてからでもいいので、楽しんでほしいです。とはいえ、サベネア島で用意されているエピソード自体は、物語の中でもけっこう重要です。

――そんなサベネア島には、今回体験させていただいたインスタンスダンジョンの“異形楼閣 ゾットの塔”があるわけですが、その名前で予想できるようにボスとして“メーガス三姉妹”と戦う形になっていました。

吉田:あの三姉妹がなぜあの塔に出てくるのか、そしてなにをしているのかは、メインシナリオで語られるのでこれ以上は語れませんが、あの塔が6.0で初めて攻略するダンジョンになります。

――フェイスも試させていただきましたが、今回フェイスで進化した主な部分はどういうところになりますか?

吉田:最初のダンジョンだと少しわかりにくいかもしれませんが、タンクはけっこう変わりました。全体範囲攻撃が来る前には“リプライザル”を使うなど、リキャストがあれば支援系のアクションを使うようになっています。“インタージェクト”もきれいに使いますし。

 ヒーラーの場合は余計なアルゴリズムに突入しないように、死にそうな人を最優先でヒールするようにかなり拡張されました。あとはプレイヤーが“リビングデッド”を使ったときに、ちゃんと超ヒールして戻してくれるようになっています。

――それは助かりますね(笑)。

吉田:そのようにガンビット(AIの思考)はかなり賢くなっていますね。ボスの攻撃回避も攻撃をギリギリまで粘るようになりましたし、回避に若干迷ったような雰囲気も入れてありますので、「フェイスが移動してから自分も安置に行けばいいや」と思っていると、フェイスは間に合って、自分は間に合わなかった!が結構ありますので、ご注意ください(笑)

――あとはエスティニアンが意外と饒舌だなという点にも驚きました(笑)。

吉田:ボイスは全部実装されていますが、ダンジョン中にしゃべるテキストはもう少しリライトしようと考えています。

――ちなみに今回もフライングマウントの使用には風脈集めが必要と思われますが、今回の難易度はどんな感じでしょうか?

吉田:ものすごく極端に意地悪な部分には置いてはいません。だいたいメインシナリオの流れで見つかる風脈が2個、コンパスで探す必要があるのが3つくらい、残りはサブクエストでもらえるみたいな感覚です。普通にプレイしていればさほど難しくはないと思います。

 ちょっと意地悪だなと思う部分は、僕がいま通しプレイで調整していっているので、あまり極端にはしないつもりです。ですので、あまり身構えなくて大丈夫だと思います。

終わりに向かって歩くのではなく、その先の未来に向けて歩く意味を込めた“ENDWALKER”!

――メディアツアーでの発表、そして11月のプロデューサーレターLIVEでもいろいろ情報が更新され、ファンのみなさんも期待がぐんぐん高まっていると思います。そんな方々の期待を後押しするメッセージをいただけますでしょうか。

吉田:ずっと成長を続けるタイトルなので、ここで“集大成”と言ってしまうのは少し違うかもしれません。ですが、旧『FFXIV』から数えると11年、プレイヤーのみなさんと一緒に歩んできたプロジェクトとしての『FFXIV』は、僕の中ではものすごく大きいものです。

 5.0でものすごく高い評価をいただいて、さらに新しい光の戦士たちがものすごい勢いで増えてくださっているのも、旧『FFXIV』のときから見放したりせずに一緒に歩んできてくださった、プレイヤーのみなさん、光の戦士たちがいるからこそだと思います。

 そのうえで今回の“ENDWALKER”というタイトルは、僕の中では“終わりに向かって歩く”ではないんです。終焉というものが来るので、そこに向かって歩く。そしてそこが終わりではなく、その先に、そこを超えたからこそ開ける道がある。そのつもりで今回のタイトルを付けました。

 たしかに“ハイデリン&ゾディアーク編”とつけている1つのサーガについては、すごく大きな謎が明かされることで、おそらく旧『FFXIV』から追いかけてくださっている方たちには、「よくそんなところまで……」と思っていただけるはずです。

 そしてその謎が明かされるからこそ作れる新しい物語があります。そのためにも、いったんは僕らの11年間の思いを込めさせていただき、この先の次の10年を歩むための準備にあたるものも入れさせていただきました。

 それは次のプロデューサーレターLIVEでも感じてもらえるかと思います。我々は停滞することなく歩みを続けるので、1つ目の衝撃はぜひまっすぐ受け止めてもらえるとうれしいです。とくにメインシナリオに関しては、誇張ではなく本当に過去最大のボリュームなので、とにかく焦らないでプレイしていただきたいです。

「こんなところにメッセージがあるのか!」と驚くくらい、クエスト途中の周りのキャラクターたちの会話テキストも、ものすごく手をかけています。同行する暁の賢人たちの人数も多いですし、全員が違うことを言うんですよ。しかも、1ステップ進むとまた違うことを言っていたりします(笑)。

――それは見逃せないですね。

吉田 そのあたりの会話は、光の戦士が彼らとともに歩んできたからこそ語る内容になっています。もちろん、“つよくてニューゲーム”にも対応していきますので、あとからでも見られますが、初めての瞬間で味わったときの記憶はもう消せないですから。

 だからぜひ焦らずに、個人のペースでかまわないので、時間を取っていただいて1つ1つ噛みしめて歩き続けてください。レイドの開幕も発売日からしばらく経ってからになりますので。

――それは今回もありがたいです。心置きなく楽しめます!

吉田 いままでで一番静かな拡張の開幕であり、それと同時にジワジワと来るような物語になっています。プレイしていただければ、“RPG丸々1本ぶん”が誇張でないことが、あらためてわかっていただけるはず。ぜひそこを楽しみにお待ちいただけると幸いです!

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