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2001年10月14日(日)

ビル・ゲイツ氏、最終日のTGSに登場! サードパーティブースを次々訪問!!

 マイクロソフト会長のビル・ゲイツ氏が、なんと最終日のTGSを視察に訪れた! この来訪は特にアナウンスされていたものではなくお忍び(といっても、誰が見てもゲイツ氏だとわかるが)の視察で、日本におけるXboxの展開状況を自分の目で確かめたいという考えから行われたもの。
 
 突如SPらしきガタイのいい外国人に囲まれて会場の端から現れたゲイツ氏は、コナミを筆頭にコーエー→カプコン→元気→フロムソフトウェア→ナムコ→セガの順に、Xbox作品を出展しているサードパーティブースを次々に訪問した。各ブースではそのメーカーの代表が出迎え、展示しているタイトルと内容を説明、ゲイツ氏の「どのソフトが人気出そうですか」などの問いに、自社Xboxタイトルを積極的にアピールしていた。

 セガのブースに到着したゲイツ氏は、セガ開発スタジオの代表たちが待つステージに登場、ソニックチーム、SEGA-AM2のXbox参入が決定したセガに対して以下のようなメッセージを贈った。

「これだけ大きな創造性が発揮されているTGSを、じかに見たいと思ってやってきました。また、セガがXboxに協力してもらえるということで、大変感謝しています。故大川氏も夢を持っており、ゲームの世界はどんどん変わっていくだろうと考えていました。マイクロソフトとセガとのパートナーシップによって、彼のこの夢をぜひ実現したいと思っています。そして両社が力を合わせていろいろな可能性を追求していきたいと考えています。」
 
 その後ソニックチーム中裕司氏、SEGA-AM2鈴木裕氏がXboxに対して意気込みを語り、Xboxに最大限協力していくことを改めて表明した。
中氏(『PSO』でXbox参入)「Xboxは最初からブロードバンド専用。ナローバンドを前提として作った『PSO』の経験を生かしてXboxらしい、ブロードバンド環境に合ったソフトに仕上げたいと思っています」
鈴木氏(『シェンムーII』でXbox参入)「業務用のXboxマザーボードを使ったゲームを考えているところです。Xboxの高いパフォーマンスを最大に引き出せるようなソフトを作りたいと思っています」

 セガのステージを終えたゲイツ氏は、セガブースの控え室に入ったところからは別のところから脱出(多くの報道陣がまかれてしまった)、自社のマイクロソフトブースに向かった。移動している間も報道陣だけでなく、一般の客も世界のゲイツ氏をひと目見ようと続々集まり、黒山の人だかりが移動しているような感じになり、いかにゲイツ氏が日本人にも知られているかを物語っていた。

 マイクロソフトブースについたゲイツ氏は、同ブースのフィナーレイベントに登場、マイクロソフトがどのくらいXboxに力を入れているかを以下のように語った。

「このTGSに来て、日本のデベロッパーの開発成果を見て、大変満足しています。Xboxは私たちにとって重要なプロジェクト。よってマシンデザインの面で様々な工夫をしましたし、ハードディスの内蔵、グラフィックス、処理スピードなどを大きく進化させ、今までのゲーム機になかった完全に新しいハードを提供する努力をしてきました。しかしこのような努力を成功させるにはパートナー企業(サードパーティ)の協力が不可欠と考えています。また、Xboxは最初からオンラインゲームを意識して設計されており、これによってクリエイターの創造力を発揮することができるというメリットがあります。日本でもブロードバンドが普及し始めていますが、Xboxはこれを最大限に活用できるようにしていくつもりです。私自身、いろいろなところにXboxを持っていって、時間をかけて楽しみましたが、ひとつの通過点に到達できたことに、たいへん自信を持っています。また、将来の可能性に対して期待を寄せています」

 このコメントでキーワードとなったのは「Games will never be the same.」という言葉。これは「ゲームは同じ物であり続けることはない、どんどん変わっていく物だ」というメッセージが込められており、マイクロソフトがXboxで従来からのゲームのあり方を変えようとしている姿勢がうかがわれる言葉となっている。
 
 2002年2月22日、マイクロソフトによってゲームは変わることができるのか、業界関係者だけでなく、ゲームファンも最大限に注目していきたいところだ。

『エアフォースデルタII』、『サイレントヒル2』などを出展していたコナミでは、北上氏が出迎えた。

カプコンでは岡本吉起氏が出展作品を紹介。『幻魔 鬼武者』とともに、開発を進めている『ディノクライシス3』もアピールしていた。

全幅の信頼を置く大浦氏とともに会場を歩くゲイツ氏。

元気ブースで、やや舞い上がりぎみな浜垣社長とおしゃべり。人気の出そうなタイトルを聞かれると、すかさず『斬 歌舞伎』と答えていた。

フロム・ソフトウェアでは神氏が『叢』を紹介。スピード感のあるアクションにゲイツ氏は見入っていた。

ナムコの原口氏がゲイツ氏に意気込みを語る。それにしても後ろのギャラリーがすごい。

着々と開発が進んでいる各メーカーのタイトル群に、ゲイツ氏も満面の笑み。彼の頭には、どのような将来の戦略が描かれているのか……。

セガブースの控え室に消える。ここでいったんビルとお別れ(←なれなれしい)

セガのステージ上では、すでに参入を発表している開発スタジオの代表がゲイツ氏を待つ。

「故大川氏の夢を実現したい」と語る。生前の親交の深さをうかがわせる気遣いを見せた。

『PSO』で新規参入するソニックチーム。「ブロードバンドを駆使したソフトにしたい」と中氏がコメント。

SEGA-AM2の鈴木氏はアーケード版Xboxソフトの開発に意欲を見せた。

ゲイツ氏を囲んで記念撮影。セガはXboxを盛り上げる起爆剤となり得るか?

両社の代表がガッチリ握手。パートナーシップの固さをアピールした。

マイクロソフトブースに着いたゲイツ氏。Xboxでゲームを変えていく決意を表明した。

この言葉からもマイクロソフトの「本気」が伝わってくる。ユーザーの期待にもぜひ応えてほしい。