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2001年12月11日(火)

あのPostPetもPS2に!? SCEがSo-net、NTT-BBらとブロードバンドサービスを開始!

 SCEは本日11日、PS2をプラットフォームとしたブロードバンドサービスを、NTT-BBとSCN(ソニーコミュニケーションネットワーク)と提携し、来年4月より本格的に展開することを発表した。これは、今回提携が発表された2社が提供するサービスパッケージに加入し、PS2専用のブロードバンドユニットを使用することで、ADSLやFTTH(光ファイバー通信)を介してブロードバンドネットワークサービスを受けられるというもの。これにより、今までパッケージのみで提供されてきたコンテンツ(ゲーム、音楽、映画など)を、ネットワーク回線を通じて配信することが可能となる。

  なお、NTT-BBが公表したサービス予定では月額利用料は400~500円程度を想定しているとのことだが、ブロードバンドユニットのレンタル料なども入ってくるため、総額で月にどの程度かかるかは現在のところは未定だ。

 またこれと同時に、以前SCEより発表されていた「DNAS(Dynamic Network Authentication System)」の本格運用が始まることも明らかとなった。このシステムはPS2本体に組み込まれた機器IDとPS2のディスクに組み込まれた固有IDを組み合わせ、認証やインストール制御などを行うというもの。現在はスクウェアの運営する「プレイオンライン」上で試験運用が行われているが、上記のブロードバンドサービス開始とともに本格的に運用を開始する。

 これらのサービスを開始するタイミングについて、SCEの久夛良木社長は「普及するのはまだまだ先だと思われていたADSLや光ファイバーといったブロードバンド環境が、今年になって爆発的な勢いで普及を始めている。これによりブロードバンド常時接続を前提とした新しいサービスが展開できるようになった」と説明した。加えて、「今ひとつ伸び悩んでいたDVDを一気に普及させたのはPS2。ブロードバンドによるコンテンツ配信も、PS2が起爆剤となって一気に伸びてくれればと思っている」と、意気込みを語った。

 また、質疑応答で「ナローバンドユーザーにはどう対応するのか」との質問に対し、久夛良木社長は「モデムとEthernetが装備されたユニットを考えている」と回答、さらに「ソフトメーカーの対応はどうか」という問いには「来年2月のPSミーティングで、協力してくれるソフトメーカーの発表を行いたい」と答えていた。

 ところで本日SCEとの提携を発表したSCNだが、奇しくも昨日So-netにおいて、人気メールソフト「PostPet」の新バージョン制作の発表があったばかり。これと本日の発表をあわせて考えると、「PS2でPostPetが楽しめる」などという日が来る可能性もにわかに浮上してきた。

左からSCE代表取締役社長兼CEOの久夛良木氏、NTT-BB代表取締役社長の和才博美氏、SCN代表取締役兼CEOの山本泉二。ゲームとISPの大手3社による提携は、ゲーム業界にとっても非常に大きな意味を持つことになる。

発表の内容が大画面で解説される。当面はパッケージと配信の併用で運用する予定。

「全世界で2315万台の出荷があるPS2をプラットフォームにすることで、このサービスが全世界に広がる可能性は十分ある」と久夛良木氏は意気込む。

NTT-BB和才氏は「CDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク)の機能を備えたBROBA(ブローバ)サービスを用いることで、常時接続の魅力や利便性を遺憾なく発揮できるはず」と語った。

「今後ブロードバンド化が進むことで、コンテンツ提供の構造も大きく変わる。今回の提携はその第1歩」と今回のサービスに期待感を表した。

最後には3人がガッチリ握手。久夛良木氏の自信に満ちた笑顔が印象的だった。


データ

■付録:DNASの主な4つの機能
「PS2を開発している段階から検討されていた。個々のディスクにIDを入れるのは正直難しかった(久夛良木氏)」というこのシステム。ネット対応に向けた、SCEの先見性が垣間見えるシステムと言えるだろう。
1.本体、メディア、周辺機器の認証
 ディスクごと、本体ごとにIDが記憶されているため、組み合わせによるさまざまな認証が可能。
2.HDDインストールの制御
 HDDに過去にインストールされたか、他のマシンに違法にインストールしていないかなどを、リアルタイムに監視することができる。
3.ペアレンタルロックの実現
 未成年にとって適切ではない表現を見せないよう、閲覧できるコンテンツの制限をする機能。
4.期限付きの利用許諾
 配信されてからどのくらいたっているかがチェックできる。体験版などといった利用期限が決められているコンテンツのチェックができる。

■関連サイト
SCE
NTT-BB
So-net