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2001年6月12日(火)

全世界300万本を目標!左馬介も登場!?『鬼武者2』発表会詳細レポート!

 本日6月12日に行われた『鬼武者2』制作発表会。主役が松田優作という衝撃の事実は、速報としてすでにお伝えしたが、発表会ではプロデューサー稲船敬二氏の口から、ゲームに関するさらに詳しい内容が語られた。

 前作はPS2初のミリオンヒットとなった『鬼武者』だが、今回は世界を視野に入れて、日米欧で合計300万本のセールスを目指すとのこと。日本での発売日が2002年3月7日(木)であることも発表され、「必ず出します」と自信のほどを見せた。また、それを裏付けるかのように、ステージではプレイアブルのROMも用意され、稲船氏が実際にプレイ。開発度は30%くらいと語っていたが、魂を吸収する場面や仲間のキャラクターといっしょに戦う場面も披露され、開発の順調さを証明していた。

 さらにステージには各分野から集まった制作スタッフ陣も登場。CGプロデューサーの倉澤幹隆氏、CGディレクターの金田龍氏、キャラクターデザインの雨宮慶太氏、音楽の岩代太郎氏、シナリオの杉村升氏という豪華な布陣が揃った。

 なお、気になる松田優作氏の声だが、これは現在オーディション中とのこと。稲船氏も「ファンの人の期待は裏切れないので、イメージを損なわないような人を探しています」と語っていた。

 それでは、発表会での稲船氏の発言を以下に詳しく紹介していこう。

――松田優作さんを起用した理由は?
「続編を作るにあたって金城武さんを超えるすごい人を探したんですけど、いま活躍している人だけで考えるとそんなにいない。前作を作って、過去の人でもゲームの中でなら復活できるということを実感したので、松田優作さんに決めました。優作さんは僕ら30代の人間にとってはヒーロー。10代20代の人たちにとってもかっこいい存在だと思います」
――モデルはどの時代の松田優作さんなんでしょうか?
「“探偵物語”や“蘇る金狼”の頃、30歳前後の優作さんをモチーフにして作らせてもらいました。役柄もより「松田優作」にあったワイルドな主人公ということで、柳生十兵衛にしました。柳生十兵衛は本当は江戸時代の人なんですけど、ゲームの中では戦国時代という設定にしています」
――ストーリーはどのようになりますか?
「まだ詳しくは言えないんですけど、今回はかなり複雑に入り組んだシナリオを用意しています。前作はアクション重視でシナリオはシンプルにしましたが、『鬼武者2』ではドラマ性とアクションの融合を目指します」
――ゲームの映像を見ましたが、雨のシーンが多いですね。
「僕は“七人の侍”が好きなので、やはり黒澤映画の雰囲気を出したくて、今回は雨のシーンを多くしました。あと、前作では夜のシーンが多かったんですけど、それは夜だと細かい部分がごまかせるからっていう意味もあったんですよ(笑)。でも今回はスタッフの技量も上がって昼のシーンにも対応できるようになったのでチャレンジしてみました。グラフィックは前作以上に自信がありますよ」
――ほかの登場キャラクターについて教えてください。
「今回は味方キャラが多いんですよ。前作ではかえで一人だけだったけど、今回は仲間にできるキャラがたくさんいます。おかげでストーリーもかなりドラマチックになっています」
――敵のキャラクターはどうですか?
「今回、キャラクターデザインを雨宮慶太さんにお願いしてるんですよ。敵味方含めてゲーム全体をデザインしてもらってます。デザインには“和”の雰囲気がよく出ていて、『鬼武者2』の世界観が確立できていると思いますよ。あと、敵キャラに関しては、前作では”はじけきれなかった部分”を、もっと大胆にはじけさせようと思ってます」
――前作ではオープニングムービーが「シーグラフ」で大賞を獲りましたね。
「ええ、すごい賞をいただいてしまって。それで今回ムービーなしとか、前回よりしょぼいというわけにはいかないですからね。今回は、馬の動きにもモーションキャプチャーを採用してます。それも人が馬に乗った状態でモーションキャプチャーして、人間と馬の演技を完全に一体化させてます。まだ導入部のさわりだけしかできてないんですけど、より自然なCGムービーになってると思います。前作ではオープニングだけで映画の制作費を使っちゃってますからね、今回もある意味映画を超えるものに仕上がると思います」
――音楽はどうでしょうか?
「今回は岩代太郎さんにお願いしています。大河ドラマの音楽なども手がけている方です。前作では240人のオーケストラを使ったりしたんですが、今回は特に派手なことはしてません。でもかなりドラマチックないい音楽になってますよ」
――制作費はどれくらいになりますか?
「前作では制作費が10億、広告宣伝費が4億くらいだったんですけど、今回はゲームシステムが基本的に同じですから、制作費は多少安くなるかもしれません。広告宣伝費は前作並かそれ以上かけたいですけど。あと日本とアメリカ、ヨーロッパでの発売を予定してますけど、同時発売にはならないと思います」
――先日のE3でXbox版『幻魔鬼武者』の制作も発表されましたが?
「あれは『鬼武者1』のバージョンアップ版という位置づけです。操作感に関しては、まったく違う感触のゲームになると思います。よりマニアックな方向を目指して制作中です。『鬼武者2』より先に出しますよ」
――『鬼武者2』の舞台は前作の10年後という設定ですが、前作の主人公、明智左馬介は登場しますか?
「それは…、言えないですね(苦笑)。出たとしても少しで、メインになることはありえないし、まったく出ないかもしれません。まぁ、金城さんの事務所との調整もありますからね(笑)」

 というわけで、ついにその全貌をあらわした超大作『鬼武者2』。意表を突いたキャスティングは、前作以上に話題を集めることは間違いない。発売まであと9か月。ゲームファンならずとも楽しみなタイトルがまたひとつ増えたようだ。

松田優作扮する柳生十兵衛。「この髪型いいでしょ」とは稲船氏の言葉。

ステージ上に集結した豪華スタッフ陣。

ゲームの内容について語るプロデューサー稲船敬二氏。

「松田優作さんしかいないと思った」とキャスティングの理由を明かす。

雨宮慶太氏デザインの敵キャラクター。ロボット??

人馬一体となったモーションキャプチャー収録シーン。

CGプロデューサーの(株)ロボット倉澤幹隆氏。数々のCGムービーを手がける。

CGディレクターを務めるのは映画監督の金田龍氏。

音楽を担当する岩代太郎氏。「葵~徳川三代~」など代表作は多数。

キャラクターデザイン担当の雨宮慶太氏。代表作に「ゼイラム」「人造人間ハカイダー」「鉄甲機ミカヅキ」など。

シナリオ担当のフラグシップ杉村升氏。ゲームファンには『バイオハザード』などのシナリオでおなじみ。

前作以上に力の入っているムービーは、実写さながらの迫力!

技術向上により、昼間のシーンも緻密に、そして鮮やかに進化。

朝もやの中で戦う十兵衛。果たしてどのようなストーリーが待っているのだろうか。

Character yagyuu jyuubei by (c)yusaku matsuda office saku,(c)CAPCOM CO.,LTD.2002ALL RIGHTS RESERVED.Characters:(c)CROWD/(c)CAPCOM CO.,LTD.2002ALL RIGHTS RESERVED.

データ

▼『鬼武者2』
■メーカー:カプコン
■対応機種:PS2
■ジャンル:ACT
■発売日:2002年3月7日
■価格:未定

■関連サイト
カプコン
鬼武者公式サイト