「攻めの合併として決断」エニックス、スクウェア合併記者発表会詳報
本日11月26日、エニックスとスクウェアという2大ゲームメーカーが合併し、2003年4月1日より新会社「株式会社スクウェア・エニックス」となることが発表された。言うまでもなくエニックスは『ドラゴンクエスト』シリーズ、スクウェアは『ファイナルファンタジー』シリーズといった、日本を代表する作品を制作してきたメーカー。それだけに、本日都内で行われた発表会には、ゲーム業界のみならず多数の報道関係者が会場につめかけた。
まず今回の合併は、この2社が一体となることによる収益基盤の大幅強化で、クリエイターやコンテンツ資産に対する求心力を最大限に活用していくことが目的。また、合併の比率はエニックス1に対しスクウェア0.81となっており、法的手続き上ではあるがエニックスが存続会社となり、スクウェアが解散会社となることも明らかになった。
新会社における人事は、代表取締役会長が福嶋康博氏(現エニックス代表取締役会長)、代表取締役社長に和田洋一氏(現スクウェア代表取締役社長)、代表取締役副社長に本多圭司氏(現エニックス代表取締役社長)となることもあわせて発表され、双方のトップがミックスされた形となった。
発表会の冒頭で福嶋氏は今回の合併の経緯を説明。「8月中旬ごろ合併の話があったが、スクウェアと一緒になれるならすばらしいと思った。10月ごろ話が本格化し本日に至りました」と語った。また新会社の社長となる和田氏は「今回は攻めの合併。両社とも(経営は)いい状態ではあるが、あえてこのタイミングということで決断しました」と明言。また、両社の関係について「地域、ネットワーク、モバイル、出版などそれそれの分野に対し、いい補間関係となっている。これをうまく経営に出していきたいと思っている」とコメントした。加えて今後のスケジュールについては「2005年から展開することをターゲットに、今後3年間基礎固めをしていく」と話した。
最後に本多氏は「ゲーム産業は今後大幅に変わると考えている。これから課題はあると思うが、『こんなものが世の中にあったのか』と驚いてもらえるような最高品質のものを出していきたい」と締めくくった。
また、発表会終盤の質疑応答では今後の展開について質問が集中。これに対し和田氏が「イノベーションを起こすための最短距離と考えている。エニックスは外部制作、スクウェアは内部制作というこれまでの開発体制に変更はない」とコメント、加えて社名については「どちらも認知されているブランドなので、ユーザーの声なども踏まえて変更するかどうかを検討していきたい」と語った。
ゲーム業界の歴史に刻まれるであろう今回の合併劇。驚きも大きいが、よりユーザーを楽しませてくれるエンターテインメントを届けてくれるであろうという期待を込めて今後に注目していきたいところだ。
当日正午前の発表にかかわらず、会場にはごらんの通りアナリストや報道関係者がギッシリ。
新社長となる和田氏。「合併に対するメリットはあっても、大きなデメリットは考えつかない」と意気込む。
本多氏は、「両社の違う部分は数多くあるが、我々はその違う部分を最重要視していきたい。一緒にならなければできない何かを模索していきたい」とコメント。
福嶋新会長は、緊張のためか新会社名を間違えて読み上げてしまうハプニングも。
最後に3人がガッチリ握手。ゲーム業界に多大な影響を与える今回の発表だけに、大きな注目が集まる。
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