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2002年11月29日(金)

世界最大のデジタルコンテンツ・メーカー目指す「スクウェア・エニックス」戦略発表会

 本日11月29日都内某所で、スクウェアおよび、エニックスの中間決算説明会、ならびに両社合併後の新会社「スクウェア・エニックス(仮称)」の戦略発表会が行われた。

 まず始めに行われた中間決算説明会では、現スクウェア代表取締役社長・和田洋一氏、現エニックス代表取締役社長・本多圭司氏が、先日公開された各社の中間決算について説明。質疑応答の中で、和田氏はPC版『FF XI』の国内出荷本数は10~11万本と答えた他、『FFX-3』『FF XIII』といったシリーズ最新作の開発は全くの白紙状態であること(『FF XII』の開発を行っていることは、すでに公表済み。下記の関連記事を参照のこと)、大ヒットとなった『キングダムハーツ』の続編は正式に決定はしていないが、さまざまな手続きが完了した後で企画したいということなどを明らかにした。

 続いて行われた「スクウェア・エニックス戦略発表会」では、新会社代表取締役会長に就任予定の福嶋康博氏(現エニックス代表取締役会長)が「デジタルエンターテインメント業界は世界的に進化しており、変革期を迎えている。より新鮮でクオリティの高いものをユーザーが求めているということで、両社の意見が一致し合併に至った」と壇上で挨拶。その他、合併後の展開について「今後1年間はこれまでの各社体制を維持し、その中で最も効率の良い方法を探っていきたい」と述べた。

 次に、新会社社長に就任予定である和田氏が、新会社の戦略についてプレゼンテーションを行った。和田氏は「合併の主旨は、世界最大のデジタルコンテンツ・メーカーを目指すということです」と述べ、先日の会見同様に“攻めの合併”であるということを強調。プレゼンの中で、「ゲーム産業はここ最近、頭打ちの印象。ユーザーは大きなイノベーション(技術革新)を求めており、次世代の先駆者になるためには、我々コンテンツメーカーがイノベーションの発信源にならなければならない」と語っており、今回の合併は、デジタルエンターテイメント業界の変化への適応や、さらなる強靭な企業体質を確立するためと語った。また、海外展開、オンライン事業、モバイル事業などにおいて両社が非常に良い補完関係にあるということや、両社のこれまでのソフト販売本数といった実績が挙げられ、合併のメリットなどが詳しく説明された。

合併の発表からわずか3日後となった本日の戦略発表会。合併後に発売予定のゲームタイトルといった具体的な内容は発表されなかったが、あくまで前向きな合併であることをアピール。

質疑応答で福嶋氏は、「スクウェアはエニックスに似てきた。3年前に合併の話があったとしても実現しなかっただろう」とコメント。


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