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2002年2月14日(木)

「PSミーティング」詳報、久夛良木社長が語るPS2のブロードバンド戦略とは

 昨日行われた「PSミーティング」において、以前より展開を予定していたPS2ブロードバンド戦略について、SCE久夛良木社長より進捗状況と、これからの展開が発表された。
 
 この発表の中で久夛良木氏は、「テレビ上で提供されているゲーム、音楽、映画、放送などが、ブロードバンド化されたネットワークの上で統合され、さまざまなコンテンツがネットワーク経由で皆様の家庭に届く時代がくる」と説明。
 
 そして、昨日の「PSミーティング」の記事でもお伝えした通り、ブロードバンドナビゲータを使用して、ゲームも含めた幅広いコンテンツの配信を行っていく予定となっている。

 また、さまざまなネットワークゲームの開発のために、SCEでは開発用のライブラリを用意。3月にはプログレッシブ出力ライブラリ、ネットワーク設定GUIの正式版をリリース。さらに、5月にはハードディスクインストールライブラリ、日本語漢字変換用のATOKライブラリ、7月にはネットワークコントローラライブラリをリリースし、各社がネットワーク対応ゲームの開発を行えるようにしていくとのことだ。

■ISPごとのサービス詳細発表! ユーザーはどのISPを選ぶべきか?

 SCEと提携しているブロードバンド対応ISP、「NTT-BB」、「So-net」、「Yahoo! BB」、「AII」によるPS2ブロードバンドサービスの詳細が昨日発表された。

●NTT-BB
 ソフトのダウンロードサービスと接続環境の提供を行う。ソフトのダウンロードサービスは月額200円、ブロードバンドユニットは、18回分割払いの場合1,160円を予定している。明確な発言はなかったが、分割払いということは最終的にユーザーが買い取る形になると思われる。
 
 サービスの申し込みは3月15日よりhttp://www.broba.ccで行われ、実際のサービスの開始は4月以降、対応ソフトの発売時期にあわせてスタートする予定だ。

●So-net
 すべての会員に対してサービスを提供することが可能と発表。サービスの詳細はNTT-BBと同様に、ブロードバンドユニットの提供、PS2向けポータルサービス(ゲームのダウンロード、動画コンテンツ、情報の提供)の2つのサービスを予定している。
 
 これらのサービスは月1,000円での提供となっており、ソネットADSL1.5Mコース(2,980円)を利用している場合は、3,980円でサービスを受けることができるようになる。また、ソニーと共同で運営を開始した動画配信サイト、So-netブロードバンドメガチャンネルのコンテンツをPS2にも配信する。3月4日にソネットのサイトにて受付開始。

●Yahoo! BB
 900円程度を目標にブロードバンドユニットのレンタルを行う予定。

●AII
 CATV向けのコンテンツサービスを行っているソニーグループのAII。こちらでは、ブロードバンドユニットに関して、価格は未定だが一括/分割での販売、安価でのリースを検討している。サービスの開始は4月下旬より一部地域でスタートし、5月以降にサービス地域を拡大していく。

 このほか、OCN、BIGLOBE、Plala、有線ブロードネットワークスもサービス提供していくことが決まっているが、詳細は現在未定となっている。
 
 追記となるが、先行発売されたPS2用HDD(現在はブロードバンドユニットと呼称)の購入者に対して、ブロードバンドナビゲータがどのように渡されるのかは今回言及されなかった。こちらに関しては、今後のSCEの発表を待つことになる。

 それぞれ価格や提供するサービスが異なるため、これからネット環境を構築する人は、価格などを見比べて慎重に決めることになる。提供されるコンテンツに関しても、ISP間で差が出てくる可能性があり、特定のISPでしかプレイできない、あるいは閲覧できないコンテンツが登場する可能性も否定できない。

 例えば、間もなく発売される『FF XI』をプレイする場合、ブロードバンドユニットを所有していない人は、上記のプロバイダと契約してレンタルしてプレイするのがオススメ。特にOCNでは、『FF XI』のプレイ料金をOCNの料金の中に含めて徴収してもらうことができると明記されているので、クレジットカードを持っていない人には便利だろう。
 
 すでにブロードバンドユニットを所有し、ADSLなどEthernet接続が可能な場合は、現在の環境をそのまま流用して問題ないので、今後各社から配信されるコンテンツを見て、乗り換えるか現在のISPを使いつづけるかを決めることになりそうだ。

HDDとEthernetポートがセットになったブロードバンドユニット。これまでPS2用HDDとして、PlayStation.comで先行販売されていた。



ブロードバンドナビゲータのイメージ画像。



右上のチャンネル表示に注目。将来的にはこのように、ゲーム、テレビ、音楽、映画などがチャンネルを切り替えるようにシームレスに楽しめるようになる。

NTT-BBが提供するPS2用メニュー。下のSo-netのものとかなり雰囲気が異なる。

So-netが提供するPS2用メニュー画面はこちら。ゲーム情報なども配信される予定だ。

製品版の『FF XI』の画面も公開。この写真ではわかりにくいが、ステータスなど画面表示の位置が変わっていたことが確認できた。


■関連サイト
SCE