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2002年5月24日(金)

インタビューあり、注目ソフト体験レビューありと盛りだくさんのマイクロソフトブース!

 E3開催前に、いち早く発表会を行うなど、精力的な動きを見せるマイクロソフト。巨大なブース内には、22日の大浦常務インタビューでもお伝えしたとおり、約250台のXboxが用意され、数多くの新作タイトルとXboxネットワーク「XboxLIVE」専用タイトルの一部を体験することができた。

 ブース内を取材中に、電撃オンライン取材班は、先日のブリーフィングにおいて、壇上でスピーチを行った、米国マイクロソフトのJ・アラード氏を発見! 大浦常務に続いての、単独インタビューに成功した。

マイクロソフト、J・アラード氏に聞く
「XboxLIVE」のビジョン

――まず、J・アラード氏のXboxへの関わり方を教えてください。

J・アラード氏(以下敬称略):私の肩書きは、Xboxプラットフォーム担当ゼネラルマネージャーです。ハードウェアや周辺機器関係とオンラインサービスの分野を担当しています。他にも、ソフトメーカーや開発会社との関係作り的なことや開発機材のサポートなども行っています。 現在立ち上げようとしている「XboxLIVE」というのは、マイクロソフトにとって非常に重要なビジネスです。我々は、ゲームをネットワーク化していくことで、Xboxというコンソールをどんどん成長させ、さらにゲーム業界全体をも成長させていきたいと思っています。

――ブリーフィングで発表されたタイトル群には、アクション性の高いゲームが多かったですよね。なぜ、ネットゲームに関しては、アクション性の高い作品にフォーカスしているのでしょうか?

J・アラード:もちろん、最終的には、あらゆる人たちに「XboxLIVE」で遊んで欲しいんですけど、まず、私たちは、多くのユーザーに影響を与えるコアゲーマー層を獲得したいと思っています。彼らの注意を惹くのが、アクション性の高い作品なんですよ。個人的には、多くのゲームをプレイしてもらうことで、彼らの創造性というものを刺激して、将来的にはゲーマーである彼らに優れたゲームを作ってもらいたいと思っているんですよ(笑)。

――ちなみに、日・米・欧の地域別に「XboxLIVE」のタイトルラインナップを変えるということは考えているのでしょうか? 特に日本ではネットワークRPGの人気が高いのですが。

J・アラード:やはり各地域に適したタイトルを供給していくことは、重要だと思っています。例えば、日本ではリズムゲームの人気が高く、文化としてカラオケといったものもある。例えば、「XboxLIVE」において、カラオケを題材にネットゲームを作ろうなんて考えることは、とても楽しいことですよね。もちろんネットワークRPGも、非常に重要なコンテンツだという認識はしています。まずは、セガさんの『PHANTASY STAR ONLINE』を「XboxLIVE」で世界展開する予定です。

――日本では、コンシューマハードをネットワークに繋ごうとすると、いろいろ面倒なことが多くて、ユーザーはストレスを感じることが多いです。「XboxLIVE」では、その問題をどのように考えているのでしょうか?

J・アラード:ネットワークへの接続に関わるさまざまな問題を、「XboxLIVE」ならすべて解決できるとまでは、さすがに思っていません。ただ、まず私たちは、ブロードバンドを採用することで、ネットワークへの接続手順を非常に簡単にしています。ブローバンドならダイヤルアップをする必要もありませんし、通常の電話回線とも干渉しないわけです。ブロードバンドオンリーを選択した時点で、私たちは非常にいいスタート地点に立っていると思っています。

――将来的には、すべてのゲームがネットワーク化すると考えていらっしゃるようですが、その理由を教えてください。

J・アラード:いくつかの理由があります。まず、今は、コンピュータを相手にゲームをプレイすることが多いですよね。しかし、ネットゲームなら、対戦相手が常に人間になるわけです。例えば、『パックマン』。ゲーム中には、4匹のゴーストが出てきますが、それが全部人間が操るゴーストだったら、プレイヤーはまた違った体験ができるでしょうし、そのほうが楽しいと感じることでしょう。 2つ目の理由は、ゲームを誰かとプレイするということは、やはり社会的に他人と交わるということになります。ネットワークを使えば、世界中の人とプレイできるし、コミュニケーションもとれるし、同じ体験をネット上で分かち合うことが可能です。ユーザーは、とても魅力を感じることでしょう。 3つ目にソフトメーカーにとっても、ゲームがネットワーク化されれば、いろいろな可能性を見い出せるわけです。例えば1週間のTV番組表のように、毎日違うコンテンツ(新しいMAPや新キャラクターのデータなど)をダウンロードして、ユーザーにゲームを遊んでもらう。このようなかたちでゲームを提供できれば、また新しいエンターテイメントを提供できるようになるでしょう。

――「XboxLIVE」と「PSネットワーク」との違いはどこにあるのでしょうか?

J・アラード:SCEとマイクロソフトでは、ネットワークに関しては非常に違うアプローチをしていると思います。私たちは、サービス志向のアプローチです。SCEは、何か起きたらそれに対応していくというような考え方なのではないでしょうか? 私たちのやり方ならば、ユーザーとソフトメーカー、それぞれにメリットがあります。ユーザーはID番号をひとつ取得するだけで、「XboxLIVE」のすべてが楽しめます。ひとつのゲームに対して、いちいち新しいIDを取得する必要はありません。ネットワーク上で、プレイしている友人を、簡単に見つけられます。そして、どのゲームにもボイスコミュニケ―タが対応しています。 ソフトメーカーに対しては、われわれがネットワークビジネスに関わる煩雑な多数の作業を全部代行します。私たちは、ネットワークに関しては、非常に多くの経験を積んでますからね。ですから、ソフトメーカーは、コンテンツ開発という、本来のクリエイティブな仕事に集中できるというメリットがあるわけです。経験の少ないネットワーク関連の雑用はやらなくていいので、開発コストも下がるし効率もいいわけです。

――「XboxLIVE」で、ゲーム以外のコンテンツを配信する予定は?

J・アラード:まずは、ゲームが一番大切なコンテンツであるという認識で、すばらしいゲームのサービスを提供していきます。まずは、ユーザーにすばらしいネットゲーム体験をしてもらいたいんですよ。そして、ユーザーにいろいろなネットゲーム体験をしていただいて、感想を聞かせてもらいたいと思ってます。その中で、「もっとゲームをたくさん提供してほしい」や「他のサービスを提供してほしい」という声が出てくると思うんです。

――最後の質問になりますが、電撃オンライン取材班には、『HALO』好きが多いのですが、『HALO』のネットワーク版はどんな内容になるのでしょうか?

J・アラード:それは、まだ言えない(笑)。『HALO』のネットワーク版に関しては、ちょうど今現在、すばらしいアイデアがたくさん出てきているところです、期待してくれていいと思いますよ。

MSブースで XboxLIVEタイトルを体験!

   J・アラード氏と別れた後は、早速ブース内にある「XboxLIVE」対応タイトルをプレイしてみた。『Unreal Championship』(インフォグラム社)は、海外で人気の高いFPS(一人称視点のシューティングゲーム)タイプの作品。さっそく「XboxLIVE」に繋がった状態で、4人対戦スタート! 『HALO』と違ってレーダが存在しないので、なかなか敵の位置を把握できず、大苦戦。しかし、こんな時のためのボイスコミュニケータ! 3人のうちの誰かと協力して、この危機を脱しようとしたが・・・・・・、言葉の壁は高かった。だからって、寄ってたかってバズーカでふっ飛ばさなくてもいいじゃんかよ!

 もうひとつプレイできたのは、マイクロソフトブースにしか出展されていない『ファンタシースターオンライン』のXbox版。こちらもボイスコミュニケータを着けた状態で、プレイスタート! 相変わらず英語は通じてないようだが、協力プレイが魅力のゲームだけに、なんとなくプレイヤー同士分かり合えたような気がしたよ・・・・・・。DC版では、会話にキーボードを使用するため、戦闘中は会話がしづらかったが、Xbox版はボイスコミュニケータのおかげで、戦闘しながらでもスムーズな会話が可能。ボス戦では、とても役に立ちそうだ。

E3会場の中でも、ブースの大きさではトップクラスのひとつとなるマイクロソフトブース。圧倒的な数のXboxタイトルがプレイアブル出展されていた。

日本発の、初めての「ミリオンヒット」への期待がかかる『Blinx』は、ブースでも人気が高かった。やはりアクションゲームに国境はない?

『Brute Force』(マイクロソフト・ゲーム・スタジオ)は、4人編成のチームを操り、戦闘していくSFシューティング。隊員は、それぞれ固有の能力を持っているので、それらをいかに上手く使い分けるかが重要。もちろん協力プレイや対戦プレイも可能だ。

取材に応じてもらった、J・アラード氏。Xboxに関わる前は、マイクロソフトのインターネット戦略に大きな貢献をしてきた人物だ。

ボイスコミュニケ―タは、自分の声色を自由に変えることが可能。男性の声や女性の声だけでなく、赤ちゃんの声やロボットの声、ダークマスターの声なんていう声色もあったぞ。また、声色はネットワークで新しいものをダウンロードすることができるとのことだ。

『Unreal Championship』のような対戦メインのゲームでは、ボイスコミュニケータを使いながらプレイすると、体のアドレナリンが増加すること確実!

『ファンタシースターオンライン』Xbox版でも、ボイスコミュニケータを採用。ボイスチェンジを使えば、より自分の操作するキャラクターに成りきれる?

↑ブース内には、「XboxLIVE」のβテストへの申し込みマシンが設置されていた。 とりあえず申し込んでみたけど、日本から参加できたっけ?


■関連サイト
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