任天堂が経営方針説明会開催、集団指導体制のメンバー6人もお披露目
任天堂は本日6日、山内氏の社長退任にともなう今後の経営方針に関する説明会を行った。経営陣が新しく集団指導体制となったこともあり、会場には証券アナリストや報道陣が多数参加した。
説明会の冒頭で、新しく社長となった岩田聡氏は今後の方針について「これまでのソフトを重視する”山内路線”は今後も引き継いでいく。ソフトとハードを組み合わせて作っていける任天堂の強みを生かして、新しい遊びのスタイルを提案していきたい」とコメント、また最近特に話題になっているネットワークについては「ネガティブと言われているが、機材や開発ツールをセガに提供するなど、実際は前向き」と、新しい技術にもきちんと取り組んでいることを強調した。
また、社長を退任した山内氏は「ゲーム業界はめまぐるしいもの。岩田は最善の人選だと思っている。厳しい時代なので、経営は1人よりも集団指導体制でやってほしい。この体制がずっと続くことを望んでいる」と、後任人事について説明した。
この後、それぞれのセクションごとに今後の方針が説明された。まずサードパーティ戦略については「ナムコやセガとのプロジェクトも始まり、これまでより積極的にやろうという態勢になってきている。メジャーなタイトルに限らず、新しいものについても取り組んでいきたい(岩田氏)」とコメント、サードパーティとの関係が、よりフレンドリーになってきていることをアピールした。
次に岩田氏は当面の数値目標を「2005年までにGCをワールドワイドで5,000万台、今年中にGBAをワールドワイドで1,900万台売りたい」と語った。
最後に、先日「ファンドQ」を適用してスクウェアの子会社が参入したことについて山内氏は、「非常に意義のあること。これまでの路線とは違う作り方の『FF』が、これまで同様の支持を受けることができれば、”これまでのようにコストをかけずに、かつ売れる”という目標が達成されることになる」と、期待感をあらわにした。また、『FFXI』については「日本で圧倒的に売れるタイトルのひとつだったが、オンライン専用としたことで、当初の想定よりユーザーが少なくなっている」と、コメントした。
非常に長く続いた山内社長体制が、一転集団指導体制となったことで任天堂はどう変わっていくのか、ゲーム業界のみならず経済界などからも注目が集まっている。本日の説明会では、基本ラインは変えずに新しいことにも挑戦していこうという、ポジティブな決意が感じられた。この経営体制がいち早く軌道に乗り、今まで以上に楽しめるソフトをゲームファンに送り届けてくれることに期待したい。
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新社長に就任した岩田聡氏。今までにない遊びを提供していくことをアピールした。
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任天堂会長に就任した浅田篤氏。”山内路線”を肌で知っており、舵取り役として活躍が期待される。
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専務情報開発本部長に就任したおなじみ宮本茂氏。「アニメタッチにした新『ゼルダ』は、ヨーロッパでは反対の声もあったが、E3で触ってもらって99%ポジティブに見てもらえるようになった」
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専務業務本部長に就任した波多野信治氏。サードパーティとのパイプをこれまで以上に太くしていく。
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専務総合開発本部長に就任した竹田玄洋氏。これまでハードの制作に携わってきたノウハウはどう生かされるのか。
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専務経営統括本部長に就任した森仁洋氏。経営面をバックアップする。
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社長を退任し、取締役相談役となった山内氏。「今後物を作っていくにあたって、発想の転換をしてほしい」と新経営陣に注文をつけた。
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基本的にアナリスト向けの説明会だったが、報道陣も多数つめかけ、注目の高さをうかがわせた。
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