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2002年9月20日(金)

『MGS』続編制作中の爆弾発言も!『アヌビス』ディーラープレゼンテーション

 『メタルギア ソリッド』シリーズで、世界中の賞賛を集めた小島秀夫監督の新作PS2『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS(以下アヌビス)』。監督がプロデューサーを務めるこの作品を、各方面のディーラーにプレゼンテーションすべく開かれたのがこのイベントだ。ステージには小島監督と、『アヌビス』でディレクターを務める村田周陽氏が出席。『アヌビス』の魅力を解説したり、見どころを紹介したりしていた。
 
 小島監督は『アヌビス』の見どころを「前作とは違い、キャラクターのドラマ部分がデジタルアニメになりました。それから、とにかく簡単に爽快感を味わえるよう、操作系やエフェクトに改良が加えられています。カメラワークも、3D酔いしやすい人でも酔わないよう調整されていますよ。僕が酔いやすい方なんですが、その僕がテコ入れしましたから! カメラだけで1年かけてます」と語った。主人公が前作の“逃げる少年”から“戦う男”になったので、物語に感情移入しやすい人も増えるのではないだろうか? 事実、主人公ディンゴが「動けーっ!!」と絶叫するシーンや、敵との会話でも非常に男らしいセリフが見られた。前作の主人公の、煮え切らない態度が不満だった人には朗報といえるだろう。
 
 また、村田氏によると「全体のボリュームも大幅にアップしています。今作は衛星から衛星を渡り歩き、最終決戦を火星で迎えるといった具合にステージも豊富。使える技の種類も、敵の種類も増えています」とのこと。
 
 さらに、オービタルフレーム(ゲームに登場するロボット兵器の総称)のデザインに『女神転生』シリーズの金子一馬氏(アトラス)を起用。おなじみの新川洋司氏とはまた違ったテイストのデザインが、ファンの目を引いていた。続いて、両氏による体験版(展示されていたものよりも長いスペシャルバージョンとのこと)によるプレイも実施。今回のコンセプトの1つに「斬・撃・掴」があり、バラエティ豊かな攻撃で敵を圧倒していた。特に、今回から追加された「掴」は、敵を掴んで投げたり、掴んで盾にしたり、掴んだ敵を振り回して周囲の敵を粉砕したりと自由度の高いアクションを実現していた。

 また小島監督は、『アヌビス』と同時開発中のPS2『メタル ギア ソリッド 2 サブスタンス』について、「『サブスタンス』は監督から脚本、演出まで自分でやっていますが、『アヌビス』はプロデュースに徹して、他のスタッフの才能を引き出す方向で取り組んでいます。でもあがってきた脚本などで、どこを残すか、どこを削るかなどを指示していると、どうしても「小島色」が出てきたりして……(笑)。キャラクターのウインドウをグリグリ動かせるところとかね」と語った。ちなみに『アヌビス』のキャラウインドウ(会話時に表示)は、通常は首から上くらいしか表示されない。しかしアングルを変更できるので、例えば胸元まで見ることもできるのだ。小島監督によれば「女性キャラの胸とかね! 
 ここチェックですよ、チェック!!(笑)」ということらしい。ぜひ、製品版での正式採用に期待したいところだ。
 
 監督のトークがひとしきり進んだ後で、お決まりの質問コーナー。「『アヌビス』は(生産本数を)どのくらいで狙ってますか?」との質問に対しては、「全世界でミリオン行くといいかな、と思っています。あくまでも僕の中では」と力強い言葉。また、「『メタルギア』の続編はお作りになりますか?」との質問に対しては、「…………(数秒の無言のあと、ニヤリと微笑)。ええ、作ると思います。ていうか作ってます」(会場からどよめき)と語った。気になる続編の詳細については、「まだ細かいことは話せませんが、作ってないと言ってもウソ臭いですし(笑)。毎回“監督はやめたいー”と言ってるんですが、今回も作ってるうちに面白くなってきて……また監督をやることになるかも、といったところです」と締めくくった。

『アヌビス』の体験コーナーには、たくさんのファンが詰めかけていた。

プレイを実演する小島監督と村田氏。数十機の敵をロックオンして一気に蹴散らすなど、爽快感抜群のシステムが多数採用されている。

キャラクターのドラマは、ハイクオリティなデジタルアニメで描かれる。

今後の展望について話す小島監督。まずは『アヌビス』に期待だ。


データ

▼『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS』
■メーカー:コナミ
■対応機種:PS2
■ジャンル:ACT
■発売日:2003年冬
■価格:未定

■関連サイト
コナミ コンピュータ エンタテインメント ジャパン
コナミ