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2003年2月5日(水)

都内でゲームボーイアドバンスSPのプレビュー開催! 様々なことが明らかに

 任天堂は5日、2月14日に発売するゲームボーイアドバンスSP(以下GBA SP)のプレビューを、業界関係者を招いて開催した。これはGBA SP本体やソフトの詳しい紹介、および直接体験してもらうことを目的として行われたもので、国内外の報道、流通関係者、証券アナリストらが会場に集まった。

 オープニングは任天堂代表取締役社長の岩田聡氏が壇上に立ってあいさつ、「携帯して遊べ、また家庭のTVにもつなげる……低迷するゲーム市場に対するひとつの答えがこのGBA SPです」とこの製品を紹介、市場を活性化させるアイテムであると力強く語った。また、「現在国内出荷200万台を突破しているが、来年度いっぱいでこのSPとあわせて2,000万台出荷することが目標」と、販売台数への自信もあらわにした。

 続いて、任天堂代表取締役専務の宮本茂氏をはじめ、エニックス代表取締役社長の本多圭司氏、カプコン第2開発部部長稲船敬二氏、スクウェア業務執行役員橋本真司氏、同じくスクウェア業務執行役員松野泰己氏、ナムコ常務執行役員原口洋一氏、(株)ポケモン代表取締役社長の石原恒和氏がステージに上がり、GBA SP発売後の有力タイトルについて、それぞれ簡単にプレゼンを行った。
 
 このなかで、エニックスの本多社長がいきなり「『ドラゴンクエストモンスターズ キャラバンハート』の発売日を3月29日(土)に決定しました」と大発表。続いて、SPと同じ日に発売となる『FFT-A』についてスクウェア松野氏は「このソフトには、SP専用に色あいを調整したモードも盛り込みました」と、特別なこだわりを持って作ったとコメントした他、「おかげさまで『FFT-A』モデルGBA SP同梱版がオンライン上で3時間、店頭で5日間で完売しました」と報告、ハード、ソフトともに非常に注目されていることを明かした。

 また、初出タイトルとして『メイドインワリオ』、『ファイアーエムブレム 烈火の剣』なども発表されたが、このなかで『メイドインワリオ』について宮本氏は「非常にコンパクトに作った。簡単に楽しめるゲームです」と紹介した。

 後半は実際の試遊機で遊べる機会が設けられ、実際にこの春以降発売となるゲームをGBA SPでプレイすることができた。記者も実際にSP本体で遊んでみたが、思っていたよりも軽いうえに、やはりフロントライトのおかげで画面が明るく、非常に遊びやすい印象を受けた。

 試遊スペースでは、各ゲームのクリエイターが取材に答える時間も用意された。前出の松野氏に話を聞いてみると、「GBA SPの話を初めて聞いとき、びっくりしたと同時にかっこいいと思いました。『FFT-A』の発売も同日ですし、任天堂さんに無理をいって特別モデル(パールホワイト)を作ってもらったんです」と、GBA SPとの出会いを語ってもらった。またこれにまつわる話として「社内販売用に数十台用意して、ネットで社内に向けてを募集かけたんですけど、社内にもかかわらずアクセスが集中して受付用のサーバーが落ちちゃったんですよ(笑)」と、ちょっとびっくりのエピソードも飛び出した。

 また、『バトルネットワーク ロックマン エグゼ3 ブラック』プロデューサー稲船氏は、「初めてGBA SPの話を聞いた時は”うそだろ!?”って感じでしたね。でも、これまでのGBAは画面が結構汚れやすかったんですが、SPはそんな心配もないところがいいですね。世の親たちはどんどん新しいハードが出て困惑するかもしれないけど、確実に技術が進歩しているのでぜひ子供に買ってあげてほしいと思っています」とコメント。
 
 最後に宮本氏にSPの手ごたえを聞いてみたところ、「そりゃ、ものすごい反応ですよ。アンケートで8~9割が買うと言っている。これだけ高い割合は今までありませんでした」と、反応も上々だった様子を話してくれた。

 ユーザー、ゲーム業界双方が注目するこのGBA SP。これまでGBAで築いたものを、この高いポテンシャルを持ったハードが、さらにどれだけ盛り上げてくれるのか、期待を持って見守っていきたい。

「携帯ゲーム機の究極の形として発売する」と自信たっぷりの岩田任天堂社長。

「GBA SPの「SP」はスペシャルからとりました」と会見後のインタビューで語った宮本氏。

エニックス本多社長「『DQM キャラバンハート』には、これまでにない新しい遊びを盛り込んでいます」

宮本氏に「ロックマンシリーズが15年も続いた秘訣は?」と聞かれ「子供たちに楽しんでもらえるもの、子供たちの笑顔が見られるものということに重点を置いて作ってきました」と回答。う~ん、納得。

スクウェア橋本氏「今度の『聖剣』は、原点に戻って作っています。あの“リングコマンド”も復活していますよ」

『FFT-A』プロデューサー松野氏。再生ハードによって色調を調整するという開発陣のこだわりはさすが。

松野氏の手には完売してしまったパールホワイトが! 「これには『FFT-A』とか“スクウェア”といったロゴをわざと入れていないんです。大人にも遊んでもらいたいのが最大の理由。ひそかに合併するという理由もあったりします(笑)」

ナムコ原口氏は、宮本氏に「GBA SPで何を遊びたい?」の問いに「『ゼルダ』!」と即答。 「あ、いや、自社タイトルで……」と突っ込まれる場面も。

ポケモン石原社長は「当初GBAの『ポケモン』に厳しい見方もあったが、無事400万本を超えるセールスを記録できた」と満足そうな表情を見せた。

試遊スペースの様子。発売前の作品が多数遊べた。

SPを持つとこんな感じ。見やすい画面と斬新なデザインに、出席者は皆驚いていた。

発売される3色がディスプレイされていた。まったくおもちゃっぽさを感じさせないカラーリングが渋い。

これが発売時のパッケージ。縦横9cm、奥行き5.8cmといったコンパクトさ。

初出タイトルその1『メイドインワリオ』はミニゲームを集めた、お手軽に遊べる作品。かなり笑えます。

初出タイトルその2、シリーズ最新作『ファイアーエムブレム 烈火の剣』。どのようなストーリーが展開するのだろうか。


データ

▼「ゲームボーイアドバンスSP」
■メーカー:任天堂
■発売日:2003年2月14日
■価格:12,500円(税別)

■関連サイト
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