お互いの相乗効果を狙い、タカラとアトラスが資本業務提携することで合意
アトラスは本日3月27日の取締役会において、アトラスの発行する株の一部をタカラに譲渡し、資本業務提携をすることに合意したと発表、都内で記者会見を行った。
譲渡を行う株式は、アトラスの自己株式や取締役会長の原野直也氏の個人保有株式など、計3,720,000株(取得価格は1株あたり524円)で、タカラはこの譲渡によりアトラスの発行株式総数の30.2%を保有することになる。
また、これにともない役員の異動も発表された。それによると、アトラスの新社長にはタカラの現代表取締役副社長の奥出信行氏が就任、また岩田松雄現アトラス代表取締役社長は退任し、タカラの取締役に就任する。
会見の席上でタカラ代表取締役社長の佐藤慶太氏は、「重要な位置づけであるCS事業や、アミューズメント施設の運営に対して相乗効果が期待できる。将来的にはタカラアミューズメントとの統合も視野に入れていく」と、今回の提携の狙いを明らかにした。またアトラス会長の原野氏は「将来を育めるパートナーだと感じている。アトラス社員に夢を見させてあげようと考えている」と力強く意気込みを語った。
加えて、アトラスに資本参加している角川書店の代表取締役会長兼C.E.Oの角川歴彦氏もコメントを寄せ、「両者はよい補完関係にあり、非常にいい話だと思う。角川書店は両者の間で潤滑油のような役割を果たしていきたい」と、エールを送っていた。
会見後半の質疑応答では様々な質問が飛び交ったが、「アトラスのCS事業はどうなる?」の質問に原野氏は「基本的にこれまでのシリーズは継続して開発していく」と答え、「提携後の事業はいつごろから形になるのか?」の問いに佐藤氏は「6カ月後くらいには、何らかの形でお見せしたい。現時点ではTVの共同スポンサーなどを考えている」とした。
アトラスのソフト開発やAM施設運営のノウハウと、タカラの玩具やキャラクターのコンテンツが相乗効果を発揮する狙いで行われた今回の提携、両社がどのような形で展開していくのか、期待を込めて注目していきたい
アトラス原野会長は「タカラ社長佐藤氏の手腕、嗅覚が、この提携を生かせるのではと感じ、提携先をタカラに決めた」とこれまでのいきさつを語った。
「原野氏とは経営観やビジョンが一致した」とタカラの佐藤社長は期待感を表明。
角川書店会長の角川氏は「アトラスにはもうひとつ要素が足りないと感じていたところへこの話が来た。大映映画(先日全事業の角川書店への譲渡が決定)の資産なども生かしていきたい」とコメントした。
3社の代表者がガッチリ握手。この提携で業界に新しい波を起こしてほしいところ。
データ
■両社代表者および役員の異動内容
●原野直也氏
(旧)アトラス取締役会長
(新)アトラス代表取締役会長および
タカラ取締役(非常勤)
●岩田松雄氏
(旧)アトラス代表取締役社長
(新)タカラ取締役
●奥出信行氏
(旧)タカラ代表取締役副社長
(新)アトラス代表取締役社長およびタカラ取締役(非常勤)
●佐藤慶太氏
(旧)タカラ代表取締役社長
(新)タカラ代表取締役社長およびアトラス取締役(非常勤)
■関連サイト
・アトラス
・タカラ
・角川書店